ナマケモノの漢字表記!見た目は納得だが生態を知るとかわいそう

2022年9月2日

いくつかの動物の漢字表記を見てきましたが、今回は「ナマケモノ」の漢字表記について語ります。

「ナマケモノ」については、ほとんどの皆さんが名前を聞いたことがあると思います。イメージとしては、木にぶら下がって全く動かない動物のイメージですかね。

実際、その生態を見ていくと、このような動物が淘汰されることもなく現在まで生き延びてきたことが不思議です。

それでは、「ナマケモノ」の漢字表記がどんなものか見ていきましょう。

今まで違和感のある漢字表記が多かったですが、「ナマケモノ」については妙に納得するかもしれませんよ。ただ生態を知ると少しかわいそうかも。

なぜ、そうなるのか、記事をじっくりお読みください。

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ナマケモノ漢字表記は?

さて、ちょっと驚きの漢字表記とはどんなものなのか見てみましょう!

こう書いて、「ナマケモノ」と読みます。

「樹」は見たことがありますが、2文字目は見たことのない漢字です。

この漢字は何と読むのでしょうか?

どうでもいいですが、「りっしんべん」を「けものへん」に変えると「獺(かわうそ)」になります(^^;)

どうしてこんな漢字が使われたの?その由来に迫る

それぞれの漢字を一文字ずつ見ていきましょう。

:この漢字の意味は、『立ち木を表す「樹」』です。
:この漢字については、少々解説します。

音読みラン、ライ
訓読みおこた・る、いと・う
日本語だけの訓読みなまける、ものうい、ものぐさ
意味①おこたる。自分で決着をつけず、他人任せにしてなまける。
②面倒がって他人に押し付ける。

参考:上級漢和辞典 漢字源

この文字を使った言葉を羅列してみます。

  • 放懶(ホウラン) ものぐさ
  • 老懶(ロウラン) 年老いて体を動かすのが大儀なこと
  • 懶惰(ランダ)  なまけ怠ること。文章語。「懶惰な生活」「懶惰に生きる」

皆、怠けたり、けだるい時に使う言葉なんですね。

「樹懶」を素直に読むと「樹の上で暮らすものぐさ、怠け者」という意味になります。

うーん、樹上で動かない「ナマケモノ」そのままの漢字表記と思えますね。

ナマケモノの生態とピッタリな漢字の組み合わせ?

さて、実際のナマケモノの生態を見てみましょう。

食べ物食事の頻度も量も少ない。1日に8gほどの植物を食べて生活
動かなさ過ぎて自分の身体に生えた苔を食べることもある
動作一日に3~4メートル動ければいい方
ゆっくりとした行動で代謝を常に低く保っている
睡眠1日のうち18~20時間
体温外気に合わせて体温が変化する変温動物
25℃〜35℃までの範囲であれば、生きることができる
発汗や震えによって消費するエネルギーを節約している
移動速度時速16mで、1分間に27cmしか移動しない
捕食者から逃れる方法届かないところにいる、もしくは、見つからないこと

ナマケモノは怠けているわけではなく、動きたくとも動けない生態なんですね。
そこからすると、日本語の漢字表である「樹懶」は少しかわいそうな気がしますね。

何と、1日に食べる植物の量は、たったの 8g です。さらに、一日に3~4メートル動ければいい方なので、ほとんど動かないのですな。

睡眠が1日18~20時間ということで、1日の 75%~83% は眠って過ごします。

さらに、哺乳類にしては珍しい変温動物で、他の哺乳動物が体温調整のために行う発汗や震えによって消費するエネルギーまで節約していますね。

移動速度なんか1分間 27㎝ って笑っちゃうくらい遅いというか、ほとんど動かないんですよね。


まあ、この点、身体の斑点から名の付いた「アザラシ」の漢字表記も同じような感じでした。

海外ではどんな名前

世界では、「ナマケモノ」を何と言うか調べてみました。

外国語スペル発音
英語Slothスロー
ドイツ語Trägheitハエカエ
オランダ語Luiaardライアー
フランス語La paresseレトフェイス
イタリア語Pigriziaビグリーシア
スペイン語Ranuraブラノラ
ポルトガル語Bicho-preguiçaビーショプレギーソ
スウェーデン語lättjaラティア
ノルウェー語Dovendyrドウブディ
中国語(繁体)懶惰ランドア
中国語(簡体)懒惰ランドゥ
ロシア語Леньイエイ

英語では、Sloth を当てていますが、これ「怠惰」という意味なんですね。日本と同じじゃないですか。アメリカでも、怠惰と思われているんですね!

余談ですが、「鋼の錬金術師」に「スロース」という敵が出てきたのを思い出しました。

と、思ったら、翻訳を逆にすると、ほとんどの言語が「怠惰」になっています。ひょっとして、「ナマケモノ」を「怠け者」と解釈して翻訳している可能性がありますな。

今回、ヨーロッパ各国では、表記も発音も全然違いますな。

中国語は、チューリップの時と違い、繁体も簡体も同じ表記です。発音は違うと思いますが、皆さん確認してみてくださいませ。

最後に

ナマケモノの漢字表記について解説しました。

ナマケモノは仕方がなく「じっ」としているのに、与えられた漢字表記は「樹上で怠けてる」なんて言われて、ちょっと可哀そうでした。

海外での呼び方については、「ナマケモノ」をきちんと理解してくれたかの疑問が残りました。

※気づけば動物の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺