野生のキツネの縁起は?悪評を上回る高評価が続々出てきたよ
今回の記事は、野生のキツネの縁起に関してです。
日本でキツネというと、日本に無数にあると言っていい稲荷神社との関連が頭に浮かびます。
キツネとたぬきは人間を化かすとか言われていますが、何か親しみがありますね。
また、キツネそばとかきつねうどんとか、稲荷ずしとか食物でもキツネに関するものがあります。
そういったものも含めて、キツネの縁起に触れていきたいと思います。よろしく、お付き合いくださいませ。
野生のキツネの縁起は?
まずは、結論から。
野生のキツネの縁起ですが良いと言っていいと思います。
その理由は、野生のキツネは、はるか悠久の昔から日本では崇められてきたからです。
この章では、次にあげる良い評判を順に見ていきます。
- 稲荷神社の眷属
- 元々は山の神・田の神
稲荷神社の眷属
皆さんも知っての通り、キツネは稲荷神社の眷属です。
神さまの使わしめとして、働いているわけですから縁起の悪いわけがありません。
そもそも稲荷神とは、春になると里に下りてくる神さまをを迎え、祀る場所を祀る神であり、農業の守護神になったのです。
稲荷という名称は、稲が生る、イネ・ナリがつまってイナリとなった。
参照 お稲荷さんの正体
「イネ・ナリ」から「イナリ」に変わったのですね!
この稲荷神社、農業神であり、いわゆる「商業」が成立するはるか以前から存在していました。即ち、現在では弥生時代と呼ばれる紀元前4-5世紀に農業の実りを祈る神が発生したんです。
それで、いつしか稲荷神社の眷属として、全国の稲荷神社に鎮座しています。
また、キツネの毛並みの色や尻尾が稲穂を想起させることも、一役買っています。
伏見稲荷神社に行くと、キツネが咥えているものを目にすると思います。その咥えているモノにより、ご利益が違いますので気を付けましょう。
- 巻物:知恵の象徴
- 玉 :稲荷神の霊徳の象徴
- 稲穂:五穀豊穣を現わす
- 鍵 :富の象徴
巻物=知恵、、玉=稲荷神の霊徳、稲穂=五穀豊穣、鍵=富を表します。
しっかり覚えておきましょう。
余談ですが、この玉と鍵に関する面白い話があります。
花火が打ち上げられる時の掛け声「玉屋ぁ、鍵屋ぁ」は、花火屋の屋号のことだ。なぜ玉と鍵なのか。これは稲荷信仰と関係している。江戸時代の花火や「鍵屋」と「玉屋」の屋号は、お稲荷さんの狐が鍵と玉をくわえていることに由来する。
引用 タイムトラベル もうひとつの京都
花火の掛け声「玉屋ぁ、鍵屋ぁ」が、お稲荷さんのキツネが咥えている「玉」と「鍵」につながるとは思ってもいませんでしたね。
元々は山の神・田の神
この野生のキツネ、遡っていくと、古代の「山の神・田の神」に、その起源を求められるようです。
野生のキツネは日本列島にくまなく住み、人間とのかかわりあいが非常に深い動物です。
彼らは、山に住み、山に座主神の使いとして崇められました。
そして、「田の神」は、冬は「山の神」として山にこもり、春には「田の神」として里に下りてくると信じられたのです。
このように、春になると現れる野生のキツネは、この神の先触れとして崇められ、稲荷神の使い、または神そのものであると信じられてきました。
日本の伝承において狐は、農耕神である稲荷と密接に関係している。日本古来の世界観は山はそれ自体が山神であって、山神から派生する古木も石も獣(狐)もまた神であるという思想が基としてあると言われている。
引用 wiki日本の文化における狐
キツネの悪い評判
「キツネの悪い評判」として思いつくところを挙げると次の3つ位ですかね。
- 人を化かす
- 狐憑き
- 九尾のキツネ
人を化かす
面白いのは、キツネが化けるのは、人間だけではないようです。明治時代には、汽車に化けて運航を邪魔する狐の話があったりします。
狐は、女の他、男はもちろん、月や日、妖怪、石、木、電柱、灯籠、馬や猫、家屋、汽車に化けるほか、雨(狐の嫁入り)や雪のような自然現象を起こす等、実にバリエーションに富んでいる。化けるにしろ報復譚にしろ、狐の話はどこかユーモラスで、悪なる存在というよりは、むしろトリックスター的な性格が強い。
引用 wiki日本の文化における狐
狐の変身譚には、人間を化かしますが、災害や変事を報らせることもあったようです。
岐阜県の老狐「ヤジロウギツネ」は、僧に化けて、高潔な人物の人柄を賞揚したという。群馬県の「コウアンギツネ」もこの類で、 白頭の翁となり、自ら128歳と述べ、常に仏説で人を教諭し、吉凶禍福や将来を予言した。千葉県飯高壇林の境内に住みついた「デンパチギツネ」も、若者に化けて勉学に勤しんでいる。 その他、静岡県の「オタケギツネ」は、大勢の人々に出す膳が足りない場合にお願いに行くと、膳をそろえてくれるといわれていた。
引用 wiki日本の文化における狐
狐憑き
狐憑きは、キツネが人間に取り憑いて、あらぬことを口走ったり、奇抜な動きをすると言われるものです。
池波正太郎の「鬼平犯科帳」及び「剣客商売」の一編にも、キツネに憑かれる話が載っています。
狐信仰の変種であり、日本独自の現象として「狐憑き(きつねつき)」が存在する。狸、蛇、犬神憑きなどに比べシェアが広く、キツネが分布しない離島を除き全国的に見られ、かつ根強い。狐憑きは、精神薄弱者や暗示にかかりやすい女性たちの間に多く見られる発作性、ヒステリー性精神病と説明され、実際に自ら狐となってさまざまなことを口走ったり動作をしたりするという話は平安時代ごろから文献に述べられている。
引用 wiki日本の文化における狐
九尾のキツネ
九尾のキツネは、悪役としてコミックやアニメにも登場しますね。もともとは中国発祥の妖怪のようです。
九尾の狐は『山海経』では、「その状は、狐の如くで九つの尾、その声は嬰児の様、よく人を喰う。食った者は邪気に襲われぬ」という。
引用 wiki日本の文化における狐
キツネは、もともと日本では人間と近しい関係があったようですが、悪いイメージを持ち込んだのは仏教僧のようですね。
中国には玉藻前(九尾狐)という凶悪な妖怪の伝説があって、中国のキツネは悪者でした。 しかも宗教的にかぶってます。 そこで、宗教的に大人気のキツネより仏教の方がパワーがあることをアピールするために、キツネは化けて人をだます妖怪で、村のイタズラぎつねが旅の僧に屈服するという物語を開発して村人に吹き込みました。 (そしてちゃっかり神社を自分の本拠地として乗っ取ったりしました。) どこの地方にもある民話のルーツの殆どがこれです。
引用 yahoo!知恵袋
悪い評判、良い評判があるのは「フクロウの縁起」でもそうでしたね。
海外でのキツネの評価
西洋では、キツネはハンティングの対象であり、おどろおどろしいイメージはないですね。
その代わりといってはなんですが、おどろおどろしい役についてはオオカミが担っています。やっぱり、酪農民族と狩猟民族の違いなんでしょうか?
海外でのキツネの評判は、次のようなものが見つかりました。
西洋では、ハンターを回避する狡猾な動物であることからトリックスターの役割として登場する。アジア圏では、使い魔としての役割や、西洋のように悪戯好きで人を騙す性格を有して、女性に化けたりなどの能力を持つ。
引用 wiki キツネ
ネイティブインデアンでは、良い生き物として扱われているようです。
ネイティブインデアンの間では、キツネは良い聖霊として扱われています。 儀式によって人間が狐に変身するそうです。 本来の日本人であったと言われるアイヌ人の間では、キツネは良い聖霊として扱われ、神に感謝する儀式の中で、キツネの踊りというのが出てきます。
引用 yahoo!知恵袋
上記の知恵袋の中では、アフリカの伝説にユルグという妖怪についても触れています。余り良いイメージはなく、荒れ地の支配者になっているようです。
最後に
狐の縁起について、悪評、好評を見てきました。
悪評の中には、狐憑きや九尾のキツネなど怖いものもありますが、お稲荷さんに紐づくキツネを見てみると、総じて評価は高いようでしたね。
キツネは、農業に関連して五穀豊穣の神の使わしめとして日本では高い評価を得ました。
しかし、農耕民族ではない海外ではあまり目立つこともなかったようです。
※気づけば「縁起」の記事も増えてきました
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