白鷺の縁起は良い!神社の使わしめでたくさん祀られているよ!
以前、「青鷺の縁起」の記事を書いたのですが、この中で、白鷺を祀っている神社があることを示唆しました。今回、これを思い出して記事を興そうと考えました。
白鷺を神社の使わしめとしている神社はいくつかあるようですが、当然、そうなった理由があるはずで、その理由が何であるのか猛烈に知りたくなりました。
そして、それを調べていくと神社だけでなく、日本人が好きなアレにも白鷺が関係していることがわかりましたので、この内容も含めシェアしていきたいと思います。
それでは、白鷺に由来する神社とアレを見に行きましょう!
白鷺の縁起は良い!
白鷺は、縄文時代の遺跡から骨が出土したり、弥生時代の銅鐸に描かれていたりと、日本人にはなじみの鳥なんです。そんな白鷺の縁起はどうなのでしょうか?
白鷺の縁起は?
良い!たくさんの神社に「神の使わしめ」として祀られているよ!
白鷺についての豆知識を一つ上げておきます。
われわれ日本人は色の白いサギを「シラサギ(白サギ)」と呼んでいます。でも実は、正式な種名としてシラサギという鳥はいません。ダイサギ、チュウサギ、コサギなどの白色のサギの総称としてシラサギと呼んでいるだけです。シラサギという名前の鳥は、いないのです!
引用 シラサギという名前の鳥はいない!鳥の名前の魔訶不思議な由来とは
白鷺と名前の鳥はいないんですが、日本では、古来から白い動物は瑞兆を呼ぶものとして崇められてきました。
白鷺も、多くの神社で「神の使わしめ」となっています。
氣比神宮(福井)
「けひじんぐう」と読みます。
「気比の松原」伝説により、白鷺が神の使いであると考えるようになったといいます。
聖武天皇の時代に、外国から異族の大船団が来襲したそうです。そのとき、一夜にして数千の松が出現し、氣比神宮の神の使いである白鷺が、それらの松の頂に多数止まりました。これを見た異族は、大軍勢の旗指し物が翻っていると見て、驚いて逃げ帰ったとのことです。
気比の松原は日本三大松原のひとつですが、「気比」も神宮の社名に由来するもので、同地が古くは神宮の領地であったことにちなむとのことです。
残念ながら、境内に「白鷺」の像などは見当たらないようですね。
白鷺神社(栃木)
こちらも、敵を追い返した伝説が残っています。
康暦2年(1380年)横田頼業が神社近くに上三川城を築城し、そこに小山義政が攻めた時、明神の森に群れて飛交う白鷺を多くの旗と見誤り、戦わずして退去したといいます。以降、神社は「白鷺明神」と言われるようになった逸話が残っており、「白鷺神社」の名前の由来となります。
こちらは、境内に白鷺の像が置かれていますね。
絵馬(心願成就)には白鷺神社の社紋が描かれています。ご朱印帳には白鷺の絵が描かれています。こちらを確認してください。
大山祇神社
鎌倉時代の元寇のおり、河野通有は、本神社に先勝を祈願して出陣しました。すると、矢を咥えた白鷺が現れて、敵方の大将がいる船がどれであるかを咥えた矢を落として知らせ勝利に導いたそうです。
この白鷺を描いた絵馬が、境内の絵馬所に掲げられています。
「大山祇神社 河野通有兜掛の楠」です。弘安四年蒙古襲来に当たり通有は大山祇神社に参篭祈願した際、兜を掛けたと伝えられています。
白鷺伝説の残る温泉
「白鷺が傷ついた個所を癒すために湯を使った」という伝説が、温泉開場の由来とする温泉が、かなり見つかりました。
他にも、鶴や鷹が傷をいやすのを見て、人間様が温泉を開いたという伝説を持つところがありますが、白鷺はダントツの多さですね!
そんな「白鷺」伝説のある温泉を一覧にしてみました。
温泉 | 都道府県 | 由来 |
---|---|---|
湯郷温泉 | 岡山 | 約1200年前、白鷺が足の傷を湯で癒す様子を見た比叡山の高僧円仁法師によって発見されたと伝えられる温泉です |
天草下田温泉 | 熊本 | 約800年前、一羽の白鷺が傷を癒している場所に近づいてみると、そこから温泉が湧出していたため発見されたと伝えられる温泉です。 |
湯田川温泉 | 山形 | 約1300年前の712年(和銅5年)、温泉で傷を癒している白鷺を見て発見されたと言われています |
湯来温泉 | 広島 | 約1500年前、傷ついた白鷺が湯浴みするのを見て発見されたという伝説が残っています |
玉名温泉 | 熊本 | 約1300年前開場、伝説によると足に傷をうけた白鷺がこの温泉に降り立ち元気良く飛び去る姿を疋野長者が発見したと言われています |
下呂温泉 | 岐阜 | 古来より温泉地として湯治客を迎えていた下呂温泉でしたが、湯の峰から湧き出る温泉が止まってしまい、村人が困っていたところに薬師如来の化身である白鷺が舞い降り、新しい温泉の場所を知らせたというのです |
和倉温泉 | 石川 | 1200年前、漁師が沖合の波間に、傷ついた白鷺が羽を休めている 姿を見つけたのが始まりと伝えられ、和倉温泉という地名は、海に湧く温泉から「湧浦」・「涌浦」に 由来していると伝えられています |
湯涌温泉 | 石川 | 養老2年(718年)、近郷の農夫が温泉で癒すシラサギを見て発見したと伝えられることが名の由来です |
椿温泉 | 和歌山 | その昔、足を痛めた白鷺が、椿谷に自然に湧き出ていた温泉に度々飛来し、足の傷を直したという伝説があります。この噂を聞いた普門寺住職 (湛海) が湯の湧き出る所に湯船をつくり、「鷺の湯」と名付けました |
道後温泉 | 愛媛県 | 昔脛に傷して苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日飛んできてその中に脛を浸していたところ、傷は完全に癒えてしまい、白鷺は元気に勇ましく飛び去ったと書かれています |
こちらは、湯郷温泉のマンホールです。白鷺のマークですね。
和倉温泉湯元の広場にある「涌浦乃湯壺(わくうらのゆつぼ)」です。この湯で温泉卵を作ると、絶妙の塩分の味の温泉卵になるのだそうです!一度食べてみたいですね。
60爺が言ったことのある温泉は道後温泉だけですね。ここに、白鷺伝説があると知り驚きました。
道後温泉の振鷺閣です。建物のてっぺんに、ちょっと小さいですが鷺のモチーフが付いています。
海外での評判
ウーム、「白鷺 海外」で検索しても、ほとんど情報がありませんな。上述しましたが、正式な種名としてシラサギという鳥はいないことが原因だと思われます。
それに反して、アオサギについて海外の評判は抜群でした。
仕方ないので、「鷺 海外」で検索しても状況はほとんど変わりませんね。
ワインの会社が書いているページに少々情報がありました。
南フランスを流れるエロー川に住んでいたヴィニウスという名前の鷺(サギ)が、ある日、川向こうの丘から漂う良い香りに誘われて、飛んで行った先がブドウ畑でした。そのブドウのおいしさに鷺は心奪われたそうで、この伝承を大切に守り継ぐ「ドメーヌ・ポール・マス」というワイナリーがあり、ワインに鷺のラベルを用いています。但し、白鷺ではありません。
これは、温泉ならぬブドウ畑発見の鷺ですな。
このページには、白鷺の縁起と温泉を見つけた鷺の話も出ていますね。
白鷺は白い鷺ですが、色が白いことから特別な数え方をする動物「ウサギ」がいます。名前の中にも「サギ」が入っていますね。
最後に
白鷺が縁起が良いのか見てきました。
昔、昔、敵対勢力を追い返す功があって、神の使いとして祀られた神社が二つ見つかりました。もう一つは、元寇の際に殊勲があって神の使いとなったものでした。
皆、戦時の際に役に立ったのですね。
また、鷺が脚を癒すために使用した湯が今の温泉場の基になったところがたくさん見つかりました。
白鷺は、我々人間と深いつながりがあったんですね。
※気づけば「縁起」の記事も増えてきました
参考:神社のどうぶつ図鑑
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