椿は縁起が良い!悪い伝承を一発解消して秀逸な例をいっぱい見せます
60爺の家の庭には、いろいろな木が植えられています。
その中に、椿があります。早春になると、大きな赤い花をつけます。
最近、縁起に関する書籍を読んでいたら、「庭に椿を植えると不幸を招く」という怖い表題を見つけました。そこには、庭に植えると縁起が悪い、家運が傾くとか書いてあるんですよ!
理由として、花が散るとき、花全体がポトリと落ちる様子が、人の首が落ちるのを連想するから嫌われるようになったらしいと言ってます。また、椿がお寺や墓地によく植えられているからとも書かれてます。
そんな椿の縁起について、本当に悪いのかどうかを徹底的に調べてみることにしました。縁起が悪いのなら、庭の椿をどうするか考えなくちゃいけませんので…。
その結果…をシェアします。一緒に見ていきましょう。
椿は縁起が悪い?
上述した他に「椿の花はお見舞いにもっていかないように」なんて言われたことはありませんか?この話も、首が落ちるにつながるようですが、椿の縁起はどうなっているのでしょうか?
椿の縁起は?
花言葉も素晴らしいし、文化的にも秀逸であり、むしろ、縁起が良い
では、何故、縁起が悪いなんて言われるのでしょうか?
悪い伝承を一発解消
椿の悪い伝承は、「花全体がポトリに落ちる」ことから、「首が落ちる様子に似ている」ということで、武家に嫌われたことが基になっているようです。
ところが、調べていくと全然、根拠がないようなんですよ!一説では、山茶花を売り出すために椿の人気を落とそうと画策した何者かがいた…なんていうお話もあるみたいです。
この話、幕末から明治時代以降の流言だそうです。江戸時代に忌み花とされた記述は見つかっていません!ですから、全く気に病む必要はありません。
まあ、問題は無いんですけど、気にする方は気にしますので、先ほど言ったお見舞いの花は避けた方が無難ではないでしょうか。
ただ、競馬では「ツバキ」の名を冠した競走馬はいないそうです。
花がポトリと落ちる様子から、馬の世界においても落馬を連想させるとして、競馬の競走馬や馬術競技馬の名前としては避けられる。特に競馬では、過去にはタマツバキの様な名馬もいるが、1969年の第36回東京優駿(日本ダービー)で大本命視されたタカツバキが、スタート直後に落馬で競走中止するというアクシデントを起こして以降、ほとんど付けられることがなくなった。
引用 wiki ツバキ
椿が花ごと落ちる理由
普通の植物は、花粉を運ぶのに昆虫を呼び寄せるように美しい花を咲かせます。
ところが、椿は、昆虫のいない寒い時期に咲くんです。椿の花粉を運ぶのはヒヨドリやメジロなどの鳥なんですよ。
鳥は、飛翔能力が高いので、昆虫よりも遠くまで花粉を運んでもらえます。そのためには、大量の蜜が必要で、そのため、昆虫に蜜を取られないよう寒い時期に咲きます。
さらに、鳥とぶつかっても大丈夫なように、椿の花は頑丈に出来ており、そのため、花ごと地に落ちる訳です。
ですから、「首が落ちる様子に似ている」とは、いいがかりに過ぎないのです。
花言葉も素晴らしい
椿は、日本原産の植物で、日本を代表する美しい花木の一つです。その花言葉は、素晴らしいモノばかりですよ。
椿の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」です。この花言葉は、椿の花は大きくて華やかなんですが、花に香がないことからきています。
色別の椿の花言葉です。
- 赤:「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」
- 白:「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」
- ピンク:「控えめな美」「控えめな愛」
それぞれ、美しさと謙虚さが目立ちますね。
花言葉も素晴らしいのは、以前アップした「クチナシ」がありました。
文化的観点も秀逸
ツバキの花は古来から日本人に愛されていたようです。『万葉集』の頃からよく知られ、京都市の龍安寺には室町時代のツバキが残っています。
皆さん、めでたい植物の代表として何を思い浮かべますか?「松竹梅」ですよね。しかし、これは時代が下がってからの事で、古くは「松竹椿」が主体だったそうです。
中国では自生する椿が発見されずに梅となり、日本では中国から伝わった梅が普遍化されずに自国の椿を歳寒三友にあてた。
引用 【茶花から日本を學ぶ】古道は「松竹椿」・椿の全て《最終回》男の茶道★沼尻宗真
これらは全て吉祥文に発展し松に鶴、竹に月、梅に鶯同様に、松椿、竹椿、梅椿、松竹椿として文様となっているものが数多く存在する。
茶道では、冬場の炉の季節は茶席が椿一色となることから「茶花の女王」の異名があります。
11月「開炉」になると茶道ではあたり前のように床に「椿」が入ります。
引用 【茶花から日本を學ぶ】和の聖花・椿の全て《第一回》★男の茶道★沼尻宗真
そこからは「初釜」も含め椿一色になりますね。
以下の記述にあるように、厄除け、長寿、吉祥、子孫繁栄と良いものだらけですね。
椿にまつわる伝説や信仰は全般的に「厄除け」「長寿」「吉祥」「子孫繁栄」といった、喜ばしいものであるといえます。
暮らしの中に生きる椿|伊東市
縁起の良い文様にも椿が使われます。
海外での評判
椿は、日本原産の植物です。分布・生育地ですが、日本では北海道南西部、本州、四国、九州、南西諸島、日本国外では朝鮮半島南部と中国、台湾が知られています。
17世紀にオランダ商館員のエンゲルベルト・ケンペルがその著書で初めてこの花を欧州に紹介しました。
そして、18世紀にイエズス会の助修士のゲオルク・ヨーゼフ・カメルがフィリピンでこの花の種を入手してヨーロッパに紹介しています。
その後、カール・フォン・リンネがこのカメルにちなんで、椿の属名にカメリアという名前をつけ、ケンペルの記載に基づき「日本の」を意味するジャポニカの名前をつけたそうです。
このため、英語では、カメリア・ジャポニカ (Camellia japonica) と学名がそのまま英語名になっています。これは、大変珍しい事例のようです。
西洋ヨーロッパでは17世紀末に園芸植物として大流行しました。
19世紀の小説『椿姫』(アレクサンドル・デュマの小説、及びこれを原作とするオペラ)にも主人公のヒロインが好きな花として登場します。
最後に
椿の縁起について見てきました。
60爺も、椿は、花の落ち方が首の落ちる様に似ているので、武家に嫌われたという話は知っていました。今回、色々資料を見ていくと、全くのデマだったことがわかりました。驚きですね。
さらに、資料を見ていくと、椿は日本原産の花であり、昔から日本人に愛されてきた花だったこともわかりました。
茶道でも冬場では代表的な花となり、日本の文様にもたくさん用いられてきた花でした。
海外でも、大流行した花だったようです。
■椿に関する記事をいくつか書いています。
※気づけば「縁起」の記事も増えてきました
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