みかんの漢字表記は当て字も含めて7種類もある!是非見ていって

2022年11月7日

みかんの季節になりましたね。ウーム、「みかんの季節」って言い方はあまりしないかもしれないですね。自分で突っ込んでしまいました!

ここで、ライフワークをしている漢字とみかんがつながりました。

みかんを漢字で書けるだろうか?なんとなく、漢字はこれかなと言うイメージはありますが、この際ですから徹底的に調べてみることにしました。

そうしたら、何と、自分の思っていたよりも深い世界に入っていきました。

その内容をシェアしますので、是非、一緒にご覧になって行ってくださいませ!

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みかんの漢字表記は7種類

60爺が色々な資料を検索した結果、表題にある通り、みかんの漢字表記は7種類に上りました。

  1. 蜜柑
  2. 蜜橘
  3. 樒柑
  4. 密柑
  5. 味感
  6. 柚子

これらの漢字表記について、その由来を確かめていきましょう(過去の記事で、「漢字表記はX種類」のモノがありました)。


蜜柑の由来

まず、「蜜柑」の由来から見ていきましょう。

 ミツ 甘い
 カン みかん。こうじ。ミカン科の小高木

みかんの漢字と言えば、この漢字が一番フィットするでしょう。

この漢字を素直に読めば、「甘いみかん」となります。即ち「蜜のように甘い柑橘」の意ですね。

この「蜜柑」という漢字が、史料上に初めて出てきたのが室町時代なんです。

1418年(応永26年)に、室町殿(足利義持)や仙洞(後小松上皇)へ「蜜柑」(小ミカンと考えられる)が贈られていることが書かれています。

『病気中の室町殿が蜜柑を欲しがるので蔵光院の蜜柑を 100 個もらって献上し、足りない分は柑子(こうじ)を加えた』とあり、蜜柑は室町殿(将軍)が欲しがる貴重な果実だったのです。時期的には、対明貿易を盛んに行った足利義満の次の将軍の時代であり、小蜜柑のような甘い果実が作られていたようです。

蜜柑歴史散歩 小蜜柑と温州みかん

この漢字「蜜柑」ですが、そのまま読めば「みつかん」となります。どうやら、発音が「みつかん」から「みかん」へと変わっていったようです。

ウィキペディアでは、この過渡期となったのが、およそ 1540年頃との記述があります。

蜜橘の由来

 ミツ 甘い
 キツ ミカン科の常緑小高木。また、ミカン類の総称

明治の中頃まで、小蜜柑はみかんと呼ばれていました。

この「みかん」上述したように「蜜のように甘い柑橘」で、この漢字は次の「樒柑」と共に、みかんの漢字に当てられたそうです。

蜜柑はほかにも「蜜橘」、「樒柑」と書くこともあります。

引用 意外に読めない!?「蜜柑」なんと読む?【読めなきゃ恥ずかしい漢字クイズ】

樒柑の由来

 ミツ 音読みで、「蜜」の代りに用いられたようです!
 カン みかん。こうじ。ミカン科の小高木

上記「蜜橘」で述べたように、「みかん」の漢字に当てられたようです。

柑の由来

 カン みかん。こうじ。ミカン科の小高木

漢字ペディアでも出てきました。

「柑」一文字で、以下のように出ています。

音読み:カン
訓読み:みかん・こうじ
意味:みかん。こうじ。ミカン科の小高木。

引用 漢字一字

また、子供の名前に命名する場合もあるようですね。

よみ:みかん
カタカナ表記:ミカン
ローマ字表記:mikan

引用 女の子の赤ちゃん名前辞典

「みかん」ちゃんて可愛いですけど、自分の子供にはつけたくないなア!

密柑の由来

これは、「ふりがな文庫」に載っている漢字です。

“みかん”のいろいろな漢字の書き方と例文に載っているもので、その割合は、蜜柑96.3%、密柑2.4%、味感0.6%、柚子0.6%となっています。

この数字から見ると、「密柑2.4%、味感0.6%、柚子0.6%」は、ほぼ当て字に近いものですね。

その中で、密柑と栗の二つの山が一番人目につきやすかったが、その栗の山には、青いチョークで達筆に『最良タンジールス産密柑二個一ペニイ』という札がさしてあった。
青玉の十字架 (新字新仮名) / ギルバート・キース・チェスタートン(著)

引用 ふりがな文庫

蜜のように甘い「蜜」が秘密の「密」に変わっちゃってますな。何かの間違いでこうなったんですかね?

※ふりがな文庫は、漢字に対するよみの使用頻度、よみに対する漢字の使用頻度がわかるサイトです。主に文学作品などのふりがなを対象としています。

味感の由来

こちらも、「ふりがな文庫」に載っている漢字です。しかも、出現率は0.6%ですので、ほぼ当て字ですね。

燻製通の博士がこれまでに味わった百十九種の燻製のそのいずれにも属せず、且つそのいずれもが足許にも及ばないほどの蠱惑的な味感を与えたものであるから
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10―― (新字新仮名) / 海野十三(著)

引用 ふりがな文庫

この漢字は、どう見ても当て字です!誰が何と言っても「当て字」でしかありませんよ!

柚子の由来

この漢字も、「ふりがな文庫」に載っている漢字です。上記「味感」と同じく出現率は0.6%ですので、ほぼ当て字ですね。

頭に戴けるは「フイノツキイ」(俗曲中にて無遠慮なる公民を代表したる役なり)の假髮にて、目に懸けたるは柚子の皮を刳りぬきて作りし眼鏡なり。
即興詩人 (旧字旧仮名) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)

引用 ふりがな文庫

この漢字、普通に読めば「ゆず」ですよね。

世界での表記

世界での表記と発音を見てみましょう。

言語スペル発音
英語mandarin orangeマンダリンオレンジ
ドイツ語mandarineマンダリーノ
オランダ語Mandarijn sinaasappelマンダゲンシニシアプル
フランス語mandarineマンダリン
イタリア語mandarinoマンダリーノ
スペイン語mandarinaマンダリーナ
ポルトガル語tangerinaタンジェリーノ
スウェーデン語Mandarin apelsinマンダリンアペトゥー
ノルウェー語mandarin appelsinマンダリナペシー
中国語(繁体)橘子ジューシィ
中国語(簡体)橘子ジューシィ
ロシア語мандаринマンダリン

英語他ヨーロッパ諸国の表記は mandarin までは、ポルトガル語を覗いて一致していますね。オランダ語の発音が何度聞いてもよくわからんですが…。

で、ポルトガル語の表記は、唯一「t」で始まる表記ですね。

中国語は、簡体も繁体も同じ文字で、発音も同じに聞こえました。

ロシア語は表記が全く違いますが、発音は「マンダリン」でした!

このマンダリンと同じように発音がほぼ同じだった語に「テニス」と「パンダ」がありました。記事をアップしていますので、是非、ご覧ください。

最後に

みかんの漢字を見てきました。

7種類ありましたが、よく見ると、ほとんど当て字と言う結果に終わりました。

文学の中では、当て字がよく使われますので。柚子なんて、本文でも言いましたが「ゆず」じゃないですか。ルビがなければ絶対に「みかん」とは読みませんね。

世界での表記も、皆 mandarin まで一緒で、ポルトガル語のみが違いましたね。

ロシア語は表記は全く違いますが、発音は似通ってました。

■思えば、「ある言葉を漢字で書くと」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら