将棋A級棋士とは?どうしたらA級に上がれるかを詳しく解説するよ
将棋の世界の話になると、必ず出てくるのはクラスの話ですね。たとえば、A級だとかB級1組とか、アルファベットに数字の組が付いたモノです。
このクラスは、将棋のタイトル戦で言う「名人戦・順位戦」のクラスなんです。このクラスのイメージって、始めはなかなか理解できないんですよね。A級棋士って言われても最初はピンとこないと思います。
しかし、順位戦のシステムがわかってくると、このシステムの過酷さに驚きます。そして、A級棋士の立ち位置がどんなに凄いのか理解できます。
今回の記事では、A級棋士は、何人いるのか、どれ位強いのか、皆さんが気になりそうな案件について紐解いてみます。
どうぞ、ご一緒に見ていってください。
将棋A級棋士とは?
将棋のA級棋士とは何なのかを始めに述べておきますね。
将棋A級棋士とは
将棋界で一番基本となる名人戦に繫がる棋戦である順位戦において、名人を除いた最強グループがA級で、そのリーグに参加している棋士がA級棋士です
このA級棋士を以下の観点から解剖していきます。
- A級棋士は何人?
- 給与はどのくらいもらえるの?
- どうしたらA級になれるの
- A級の特典は何かある?
人数を見てから、おおよその月収及び年収を覗いてみます。
その後、どうすればA級になれるのかを確認し、A級の特典は何なのかを解説します。
A級棋士は何人?
A級棋士は何人か
10人で固定されています。
現在の将棋界(2022/10/31現在)には171人の棋士がいますが、A級棋士は、その中のトップ10です。ちなみに、A級棋士の上に名人がいます!
この11名が将棋界のトップですね。その率を計算すると、全棋士のわずか6.4%です。将棋の天才の中の6.4%ですから、とんでもない転載なんですね!
誰かが病気になったりして休場する場合があると、まれに10人を越える棋士がA級に所属する場合がありますね。
A級になると段位は八段に昇段します。段位については、こちらの記事をご覧ください。
給与はどのくらいもらえるの?
A級になると給与はいくらになるのでしょうか。
給与は?
月収と年収は以下の通りです。
- 名人:月収 143万円 年収 1,714万円
- A級:月収 100万円 年収 1,200万円
A級になれば、1,000万円プレーヤーです。名人は、さらに突き抜けています。詳細は、以下の記事に詳しいです。
どうしたらA級になれるの
始めに、将棋界のクラス分けがどうなっているかを理解しましょう。
このクラス分けですが、級でいうとA、B、Cの3クラスに分かれます。B級とC級には組が2つあり、1組と2組に分かれています。上から順に、A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組です。なお、この下にフリークラスと呼ばれる組があります。
これは、順位戦と言う将棋界独特のタイトル戦のシステムです。先程のクラス分けを図に示すとご覧のようになります。
春、秋の奨励会三段リーグで成績上位2名(その他に次点を2回獲ったモノ)が四段となり棋士になります。彼らはC級2組に組み入れられます(次点2回の場合はフリークラス、既定の成績を収めるとC級2組に昇級)。
そして、順位戦で年間10局(B級2組、C級1組、C級2組)を指し、成績上位者の決められた人数が上位クラスに昇級します。
B級1組は13名のクラスですが、総当たり戦を行い、成績上位2名がA級に昇級するのです。
このため、1年に1回しか昇級出来ないので、全てのクラスを1期で抜けたとしても、A級に辿り着くには4年かかることになります。
過去に、全てのクラスを1期で抜けした棋士は、加藤一二三、中原誠の2名しかおりません。羽生善治九段も藤井聡太竜王(五冠)もこの記録は達成できませんでした。
順位戦の仕組みの詳細は、次の記事をご覧ください。
A級の特典は何かある?
特典と言うと何なんですが、A級棋士になることで得られる特権がふたつあります。
- 名人になれる
- 各棋戦でシードされる
この特権について解説します。
名人になれる
何よりも大きいのは、名人になれるチャンスがあることです。A級順位戦でトップになった後、名人戦で時の名人に七番勝負で勝利することで名人になることが出来るんです。
名人は、他の棋戦と違って、A級に昇級しなければ絶対になることのできないタイトルです。ちなみに、他棋戦のタイトルは、予選を勝ち抜けば誰でも獲得することが可能です。
以下に過去の実力制名人を列挙します。
実力制名人が始まってからは次の6名の永世名人が誕生しています。
- 14世名人 木村義雄
- 15世名人 大山康晴
- 16世名人 中原誠
- 17世名人 谷川浩司
- 18世名人 森内俊之
- 19世名人 羽生善治
永世位の詳細と大山十五世名人、羽生善治九段(十九世名人)については次の記事をご覧ください。
その他、名人戦でタイトルを獲得した棋士が次の9名です。
- 塚田正夫(称号としての実力制第二代名人)
- 升田幸三(称号としての実力制第四代名人)
- 加藤一二三
- 米長邦雄
- 佐藤康光
- 丸山忠久
- 佐藤天彦
- 豊島将之
- 渡辺明
以下、升田幸三、加藤一二三(ひふみん)の記事です。
各棋戦でシードされる
各棋戦で優遇措置が取られます。
下記タイトル戦、全棋士参加棋戦での優遇措置を以下に示します。
- 王座戦 一次予選免除(B級以上)
- 棋王戦 予選免除(B級1組以上)
- 王将戦 一次予選免除
- 棋聖戦 一次予選免除(B級以上)
- 朝日杯将棋オープン戦 予選で優遇措置(一次予選免除など)
- 銀河戦 予選免除
- NHK杯 予選免除
上記の棋戦で優遇されるのは非常に大きな財産ですね。何より、タイトル獲得や棋戦優勝に近づくチャンスですから。
A級に上がった棋士は何人いる?
1947年に開始されたA級順位戦ですが、上述した過酷な順位戦を戦ってA級まで上り詰めた棋士はどの位いるのでしょうか?
A級に上がった棋士は
2022年までの75年間で、A級に在位した棋士の人数は108名でした。延べ人数で見ると756名ですね。
現在、現役で順位戦を戦っている棋士のうち、A級経験者は 34名です。
全棋士(2022/10/31現在)の人数が171名ですから2割弱の棋士がA級に昇格できる計算です!
5人に1人がA級に昇れるというこの数字が高いのか低いのか60爺には判断できませんが、棋士にとっては張り合いのある数字なのでしょうか?
最後に
将棋のA級について、皆さんの知りたそうな項目について解説しました。
A級棋士の人数については、全棋士中の6.4%しかなれない人たちの集まりなんですね。給与は、それに沿ったもので、年収1,000万円を楽に凌駕します。
しかし、このA級になるのは大変な道のりですね。狭き門の更に狭き門を突破した棋士のみが辿り着ける位置なんですよ。
A級の特典の最たるものは名人挑戦ですね。まさに棋士の夢です。他の棋戦も優遇されていますし、棋士は皆、夢を見ながら切磋琢磨しているんですね。
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