スペインの漢字も難解!由来を知れば納得でも知らなきゃ絶対書けない
2022/11/20 カタールでサッカーのワールドカップが開幕しました。
日本はドイツ、コスタリカ、スペインと対戦します。
これは、前回エジプトで始まった「国の名前の漢字」に登場させるのに丁度良い候補ですなア。
日本はベスト8を目標にしていますが、予選突破の期待を込めて最後に対戦する「スペイン」を今回の題材にします。スペインというと闘牛が思い浮かびますが、どんな表記なのでしょうか?
そこで、いつもの通り、その漢字表記と、その由来、そして漢字一文字なら何になるのかを追いかけてみました。最後に、世界での呼び方も調査しました。
むずかしい漢字表記その他を公開しますので、ご一緒にご覧ください。
スペインを漢字で書くと?
スペインを漢字で書くとどうなるか見てみましょう。
スペインの漢字表記は
西班牙
スペインは、南ヨーロッパのイベリア半島に位置し、同半島の大部分を占める議会君主制国家です。首都はマドリードですね。
漢字表記と読み方
それぞれの漢字を見ていきます。
西 音)セイ・サイ 訓)にし
①にし。方角の名。「西部」「西方」 ②「西洋」のこと。
班 音)ハン 訓)わける・かえす
①組み分けされたグループ。組。「班長」 ②わける。わかつ。わかちあたえる。「班田」 ③席次。地位。「首班」 ④かえす。めぐらす。かえる。
牙 音)ガ 訓)きば
①きば。動物の前歯と奥歯の間にある大きな鋭い歯。 ②は(歯)。 ③天子や将軍の旗。また、その旗の立っている陣営。 ④さいとり。仲買。
ウムム、「にし」に「はん」に「きば」ですか。何で、こんな漢字になったのでしょうか?
「西の方にある組分けされた牙」っていったい何なんですか!こりゃ、さっぱりわかりませんな。
漢字表記が難解だったのは、エジプトもチューリップも同様でした!
漢字の由来は?
この漢字3文字をいくら眺めていても、どうやっても「スペイン」とは読めないですよね。
「西」、「班」、「牙」では「スペイン」に割り振りできんでしょ!
実は、この文字表記、中国語をそのまま取り入れたんですよ。
昔の中国に、Hispania(ヒスパニア)という、ラテン語でイベリア半島(現在のスペインやポルトガル含む)を示す言葉が伝わってきたんです。このHispania(ヒスパニア)を、当時の中国語の音で表記したものが「西班牙」です。
後に、英語の「スペイン」が日本に伝わり、この漢字と合体して「西班牙=スペイン」となったんです。
1 国名の由来
引用 東京都立図書館 スペイン王国
「スペイン」は英語の地名で、正式には「エスパーニャ」。エスパーニャは、ローマ時代の地名ヒスパニアに由来する。ヒスパニアの語源は、古代カルタゴ人が、海岸地方に植民地を作り、セファン「兎の国」と呼んだという説と、古ラテン語のヒスペリア「西方の国」の意味とする説がある。
ですから、先程漢字を分解して調べても、にっちもさっちもいかなかったんですよ!
正体は当て字だったんです!
漢字一文字で表わすと
国を現わすとき、1文字の漢字で表記するケースがありますよね。アメリカは「米」、イギリスは「英」というような。
スペインの漢字一文字は?
スペインは、上述の漢字表記の頭一桁を採用して「西」となります。
万延元年・1860年 玉虫左太夫著「航米日録」の中では「班蘭両国」との記述があり、「班」と省略されることもあったらしいです。
ちなみに、西語と書いて「せいご」と読みますが、スペインの言葉、スペイン語を現します。
世界での表記
スペインを世界の国々ではどう表記して、どう発音するのか見てみましょう。
言語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | Spain | スペイン |
ドイツ語 | Spanien | スパニエン |
オランダ語 | Spanje | スパニエ |
フランス語 | Espagne | エスパーニャ |
イタリア語 | Spagna | スパーニャ |
スペイン語 | España | エスパーニャ |
ポルトガル語 | Espanha | エスパーニャ |
スウェーデン語 | Spanien | スパニエン |
ノルウェー語 | Spania | スパニャ |
中国語(繁体) | 西班牙 | シーパンヤー |
中国語(簡体) | 西班牙 | シーパンヤー |
ロシア語 | Испания | イスパニア |
ヨーロッパ各国の表記はSで始まる表記とEで始まる表記に分かれました。それに合わせ、発音も「S」と「E」に分かれましたね。
表記は似ているものの微妙に異なっていますね。
中国語は繁体、簡体とも同じ漢字で、かつ、発音もちょっとイントネーションが異なるようですが「シーパンヤー」と聞こえました。表記は日本語と全く同じですね。
ロシア語は相変わらず我が道を行く文字です。発音も同様でした。
ヤモリの表記は微妙に似ていました。
最後に
スペインの漢字表記を見てきました。
「何でこんな字を当てたの」と思うような漢字表記でしたね。
どう読んでもスペインにはならないと思っていたら、実は中国語をそのまま当てた後、英語読みをそのまま取り入れたとは!恐るべきは日本語なりって感じでした。
世界の表記と発音は、SとEに分かれたのは面白かったです。
※国名の漢字です
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