イモリとヤモリの違いを総特集!10の項目に分けて一覧表で簡単解説
ヤモリに関する記事は、既に3つほどアップしています。
この度、「イモリ」という「ヤモリ」と名前が一文字以外の動物がいることを知りまして、どういう違いがあるのか気になりました。
こうなると、この2種類の違いを調べておかないと気が済まない性格ですので、エンジンをぶん回して調査してみました。
まずは、イモリとヤモリの違いを比較対象を10の項目に分けて一覧表にしたのち、個別の解説をします。そして、超簡単な見分け方を伝授した後します。
見た目はよく似た感じの生き物ですが、実際は全然違うことがわかりました。その内容をお見せしますので、ご一緒に見にいきましょう~!
イモリとヤモリの違いは?
イモリとヤモリの違いは何なのか見ていきましょう。
イモリとヤモリの違いは?
イモリとヤモリの違いについて、比較対象を10項目挙げて見ていきましょう。
比較対象 | イモリ | ヤモリ |
---|---|---|
分類 | 両生類 | 爬虫類 |
漢字表記 | 井守 | 家守etc |
お腹の色 | 赤 | 白・グレー |
生息する場所 | 水辺 | 陸上 |
瞼の有無 | 有り | 無し |
爪の有無 | 無し | 有り |
ウロコの有無 | 無し | 有り |
前脚の指の数 | 4本 | 5本 |
得意技 | 泳ぐよ! | 壁登り! |
毒の有無 | 有り | 無し |
まず、イモリは両生類で、ヤモリは爬虫類なんです。
一番分かりやすいのが、お腹の色ですね。イモリのお腹は赤なんですよ。ここをみれば、一発でイモリ化ヤモリかわかります。
爪とウロコを持つのがヤモリですね。
得意技もそれぞれ違います。泳ぐイモリと、壁を登るヤモリですね。夜、玄関や窓にへばりついているのはヤモリと思って間違えないでしょう。
以下、項目別に解説を加えました。
分類
上述したように、イモリは両生類ですが、ヤモリは爬虫類です。両生類は水辺や水中で生活しますが、爬虫類は主に陸上で生活します。
両生類の言葉の意味は「水中と陸の両方で生きる」ということです。言葉のとおり、子(幼生)の時は水中生活していますが、親(成体)になると多くは陸に上がります。しかし、乾燥に強くないので、水辺やしめったところで生活します。
引用 両生類の特徴
幼生期から、肺で呼吸ができます。両生類から進化し、初めて陸で生活できるようになった最初の動物です。多くは卵生ですが中には胎生の種類もいます。体表はケラチン質の硬い鱗(ウロコ)で覆われ、素早く動けるように4本の足を持つようになりました。
引用 爬虫類(Reptile-レピタイル)とは?
漢字表記
イモリは、池や井戸など水のあるところを守るように棲んでいることから「井守」と書かれました。
ヤモリは、どこからともなく現れて、旺盛な食欲で害虫を食してくれる、まるで家を守るような行動から「家守」と書かれることが多いようです。
なお、ヤモリについては、「屋守」、「宮守」、「壁虎」など表記がたくさんありますので、次の記事をご覧になってください。
なお、この「ヤモリ」の縁起について調査した結果は次の記事にあります。
その他、ヤモリが昔から「龍神様の使い」であるというお話まであるんですよ。興味のある方は、こちらの記事をどうぞ。
お腹の色
イモリの黒い背中に赤い腹が特徴です。
ヤモリは、全体が灰色や黄色、茶色をしていて、斑点があるモノもいます。そして、身体の色の濃淡を変えることができます。
生息する場所
イモリは水田や池・川の淀んだ場所など、流れのない淡水の水辺に住みます。
ヤモリは民家やその周辺に住みます。60爺の家にも住んでいるようです。ドアにいたヤモリを外に出したことがありますよ。
瞼の有無
イモリには瞼はありますが、ヤモリに瞼はありません。しかし、ヤモリの中でもトカゲモドキと呼ばれる種類に限っては瞼があります。
下の写真を見てもよくわからんですな。
爪の有無
イモリは水中でも生活するので爪はありません。ヤモリは陸上で生活するので爪を持っています。
ヤモリの爪を見られる動画がありました。
ウロコの有無
イモリの皮膚に鱗はなく、粘膜によって保護されています。ヤモリは爬虫類ですので、皮膚は鱗に覆われています。
これらの特徴は、その生息場所(イモリは水辺、ヤモリは陸上)に適した皮膚なのです。
前脚の指の数
イモリは4本で、ヤモリは5本です。ちなみに、後脚の指の数はイモリもヤモリも5本です。
ですから、イモリは前脚と後脚で指の数が違うんですね。これは、前脚に親指がないからだそうです。
次の写真を見ると、前脚の指の本数の違いが判りますよね~。
得意技
イモリは、両生類なので泳ぐことが得意です。
ヤモリは、足の裏が吸盤のような構造をしている関係で、ガラスに引っ付いたり壁を登ることが得意です。ヤモリが壁にくっつくことが出来る秘密が出ていました。
「ファンデルワールス力」は、分子間力の一種で、分子と分子の間に働く引力のことです。この力は、どんなものでも2つの物体の距離が2ナノメートル以内になると働きます。
引用 ヤモリの指のひみつ①
つまり、ヤモリの指の裏には、ナノメートルサイズの細い毛がすごくたくさん生えていて、その毛先が壁の表面の凹凸と接することでファンデルワールス力が生じ、その力を使ってくっつくことができるのです。
ヤモリは、分子レベルで壁や窓ガラスにくっつくことができる驚異の能力を持った生き物なんですよ。
毒の有無
イモリは毒を持っている場合があって、身の危険を感じると毒を出す可能性があるそうです。
上述しましたが、イモリのお腹が赤いのは、フグと同じ『テトロドキシン』という毒を持っているからなんだそうです。
ただ、その毒の量ですが、人間が「イモリの黒焼き」(ジブリ「千と千尋の神隠し」で出てきましたね!)などで食べる場合もありますが、人間には害がない程度の少量なんだそうです。
ちょっと安心!それでも、直接イモリを触ったら、手を洗った方が良さそうですね。
ヤモリはバイ菌を持っている可能性があるんです。少し追いかけてみた記事がこちらです。
ややこしい?超簡単な覚え方をご紹介
さて、イモリとヤモリの違いを10の項目に分けて解説しました。
たくさんあって覚えきれないよ!という方がいらっしゃるかと思います。そこで、超簡単な覚え方をご紹介します。
超簡単な覚え方
イモリ:背中は黒くて、腹は赤いです!水辺にいます!
ヤモリ:雨戸や窓によくへばりついてます!家の周りにいます!
これだけ覚えておけば大丈夫です!
(おまけ)イモリやヤモリに似た生物
おまけとして、イモリやヤモリに似た生物を簡単に紹介しておきます。
それは、トカゲとカナヘビです。この2つの動物も爬虫類です。彼らの違いをヤモリを含め、種の分類を見ておきます。
名前 | 種の分類 |
---|---|
ニホンヤモリ | 有隣目 トカゲ亜目 トカゲ下目 ヤモリ科 ヤモリ族 |
ニホントカゲ | 有隣目 トカゲ亜目 トカゲ下目 トカゲ科 トカゲ族 |
ニホンカナヘビ | 有隣目 トカゲ亜目 トカゲ下目 カナヘビ科 カネヘビ族 |
それぞれ、「科」以降が違いますね。それでは、トカゲとカナヘビの解説をします。
トカゲ
見た目は、カナヘビとよく似ていますよね。
見分けるための一番のポイントは、「皮膚に光沢があること」です。皮膚がテカテカ光っていたら、それはトカゲとみて間違いないでしょう。
トカゲの名称には、いくつかの説があるようです。
- 「戸の陰」にいることが多いことから「戸陰(とかげ)」になった
- 素早く走ることから「敏駆(とかげ)」になった
- サッと身を隠すことから、「疾隠(とかくれ)」から「とかげ」になった
カナヘビ
カナヘビは、名前に「ヘビ」と入っていますが、ヘビの仲間ではなくトカゲの仲間です。
ヘビと間違えられるほど尻尾が長いです。
カナヘビのカナは小さいという意味で、小さいヘビ⇒カナヘビとなったいう説もあるんです。
最後に
イモリとヤモリの違いを10項目に分けてみてきました。
よく似た姿ですが、分類でみると、両生類と爬虫類に分かれるんでしたね。
表記は、それぞれ守るものを持っているので、それに対して名付けられたようです。そして、お腹の色を見れば、一発でイモリかヤモリか判別できます。赤がイモリと覚えておきましょう。
生息場所も、イモリが水辺、ヤモリが家屋近辺でしたね。また、瞼、爪、ウロコの有無や前脚の指の数に違いがありました。
おまけとして、「イモリとヤモリの超簡単な覚え方」と「イモリやヤモリに似た生物」を追記しています。
※気づけば「違い」の記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません