オーストラリアの漢字表記は変な文字!それを読み解くと楽しかった
久しぶりに漢字の記事を書こうと思います。そうなれば、前回はスペインだった「国の名前の漢字」ですね。
エジプト、スペインときて、今回は南半球にある「オーストラリア」を見てみましょう。
2022年ワールドカップでは、アジア5番目の代表でしたが、逆境もなんのその、日本、韓国と共に予選リーグを突破しました。さて、そんなオーストラリアはどんな漢字表記なのでしょうか?
そこで、オーストラリアを漢字で書くとどうなるかを調べ、その漢字の由来を読み解いてみましょう。合わせて、漢字一文字ではどう表すかも見ていきたいと思います。
詳細を一緒にご覧になってください。
オーストラリアを漢字で書くと?
オーストラリアの漢字表記を見てもらいましょう!
オーストラリアの漢字表記は
濠太剌利
こりゃ、また、何とも言えない文字が並びましたね!どうやったら、オーストラリアと読めるんだろ。
オーストラリア連邦、通称オーストラリアは、オセアニアに位置し、オーストラリア大陸本土、タスマニア島及び多数の小島から成る連邦立憲君主制国家で、首都はキャンベラ、最大の都市はシドニーです。
漢字表記と読み方
多分、それぞれの漢字に意味はないんでしょうけど、ひとまず、それぞれの漢字を漢字ペディアで見ていきましょう。
濠
音)ゴウ 訓)ほり
引用 漢字ペディア 濠
①ほり。城の周りにめぐらしたほり。②「濠太剌利(オーストラリア)」の略。「濠州」
太
音)タイ・タ 訓)ふとい・ふとる
引用 漢字ペディア 太
①おおきい。「太洋」「太陽」 ②ふとい。ふとる。「筆太」 ③はなはだしい。非常に。「太古」「太平」 ④おおもと。はじめ。おこり。「太初」「太祖」 ⑤最も尊い。最上位の。「太子」
剌
音)ラツ 訓)もとる・そむく
引用 漢字ペディア 刺
①勢いよくとびはねるさま。「潑剌(ハツラツ)」 ②もとる。そむく。「剌謬(ラツビュウ)」
利
音)リ 訓)きく
引用 漢字ペディア 利
①するどい。とし。(ア)よく切れる。「利器」「鋭利」(イ)すばやい。かしこい。さとい。「利発」「利口」②よい。役に立つ。つごうがよい。つごうよくする。「利点」「利己」「便利」 ③もうけ。とく。「利権」「利潤」 ④「利子」「利息」のこと。「元利」「金利」 ⑤梵語(ボンゴ)や外国語の音訳に用いられる。「舎利」「伊太利(イタリア)」 ⑥きく。ききめがある。はたらきがある。
ウムム、「ほり」に「ふと」に「もと」に「きく」ですか。何で、こんな漢字表記になったのでしょうか?えらく、難解ではありませんか?
漢字表記が難解だったのはチューリップがそうでした。
漢字の由来を読み解く!
先程、訓読みをしてわからんと嘆きましたが、実は、音読み「ゴウ」、「タ」、「ラ」、「リ」の当て字だそうです。
太「タ」、剌「ラ」、利「リ」の漢字3文字は、下記に示すように外国語の音訳に広く用いられた漢字なんだそうです。
- 太:伊太利(イタリア)、墺太利(オーストリア)
- 剌:伯剌西爾(ブラジル)、馬尼剌(マニラ)
- 利:伊太利(イタリア)、勃牙利(ブルガリア)
そして、濠は、オーストラリア(australia)の「au」に当てられたらしいんですな。
「太」は、オーストリアの場合、「スト」と読ませてます。これは、ここでも採用できます!
そして、今、発見したんですが、上記のイタリアとブルガリアですが、「利」の後の「ア」は自動的につくというか、「利」自体が「リア」を意味するのではないですか!
全部つなげると、「ゴウ+スト+ラ+リア」となり、「オーストラリア」と読めないことはないではないですか?昔の人も、なかなかやるもんですな。
1 国名の由来
引用 東京都立図書館 オーストラリア連邦
古くから伝説として語り伝えられてきた「テラ・アウストラリス・インコグニタ(未知の南方大陸)」に由来する。「オーストラリア」は、この言葉が英語化されたもの。
漢字一文字で表わすと
国を現わすとき、1文字の漢字で表記するケースがありますよね。アメリカは「米」、イギリスは「英」というような。
オーストラリアの漢字一文字は?
オーストラリアは、漢字一文字で表わすと「豪」となります。
なんで、「濠太剌利」なのに、一文字で表わす場合は「豪」なんでしょうか?埃及(エジプト)も西班牙(スペイン)も、頭一文字を取って「埃」と「西」でしたよね。
その理由は、濠太剌利の「濠」の字が常用漢字にないため、「豪」の字に置きかえているんですよ。
豆知識
オーストラリアを漢字二文字で表すと「豪州」となります。アメリカなんかは、「米国」といい、2文字目は「国」が付くんですが、何でオーストラリアは「州」なんでしょうか?
外国の国名を漢字で表記する事が多くなった幕末から明治時代にかけて、豪州は欧州各国の植民地であった為、オセアニア地域一帯を豪州と呼んでいました。
引用 オーストラリアは漢字でナゼ「豪州」?濠国じゃないの?
現在も連邦制国家(複数国家や自治政府の集合体)の為、その名残で現在も「豪州」と表記します。
世界での表記
スペインを世界の国々ではどう表記して、どう発音するのか見てみましょう。
言語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | Australia | オーストラリア |
ドイツ語 | Australien | オーストラリエン |
オランダ語 | Australië | オーストラリエ |
フランス語 | Australie | オーストラリー |
イタリア語 | Australia | オーストラリア |
スペイン語 | Australia | オーストラリア |
ポルトガル語 | Austrália | オーストラリア |
スウェーデン語 | Australien | オーストラリアン |
ノルウェー語 | Australia | オーストラリア |
中国語(繁体) | 澳大利亞 | オダリヤ |
中国語(簡体) | 澳大利亚 | オダリア |
ロシア語 | Австралия | オフトラリア |
ヨーロッパ各国は、スペルも発音も全部似ています。英語、イタリア語、スペイン語、ノルウェー語はスペルが一致しました。発音も同じです。
他の国も微妙にスペルが異なっていますが、最後がちょっと違い、それに伴い発音も異なりますね。
中国語は繁体、簡体で、最後の漢字が異なり、発音も違いました。日本語とも、他国とも発音が違い「オダリヤ(ア)」でした。表記は日本語と全く違いますね。
ロシア語は相変わらず我が道を行く文字ですが、発音は似ていました。
最後に
オーストラリアの漢字表記を見てきました。
「何でこんな字を当てたの」と思うような漢字表記でしたね。
どう読んでもオーストラリアにはならないと思っていたら、実は当て字で、音に当てはまる文字を当てていったということで読み解いていったところ、「オーストラリア」に近い所まで行くことが出来ました。
漢字一文字は、頭1桁と違った文字が当てられましたが、常用漢字ではないためという理由でした。
世界の表記と発音は、ヨーロッパのスペルが酷似していましたね。発音も同様でした。中国語は日本語と全く違う漢字でしたね!
※国名の漢字です
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