こじつけの由来/意味/類語を辞書等を中心に徹底的に調べまくってみたよ
今回は、「こじつけ」という言葉を探っていきます。
記事にする前に一般的にどう捉えられているかをチェックしてみようと、息子や娘(すでに社会人です!)に「こじつけ」という言葉の意味やイメージを聞いてみました。
すると、息子や娘も「こじつけ」という言葉を知っておりました。そして、この言葉が意味する悪い部分も。
そうなんです。「こじつけ」って、余り、いい意味では使用されませんよね。なぜ、そうなったのかを由来等を見ていくことで解明できればと思います。
今回は、4つの辞書と2つの語源辞典を基に、「こじつけ」の由来、意味、類語をより詳しく掘り下げていきますよ!合わせて、使い方と英語の表現についても挙げていきます。
是非、ご同道を^^;
こじつけの由来/意味/類語
それでは、いつものように、こじつけの由来/意味/類語を最初に挙げちゃいます。
こじつけの由来/意味/類語
- 【由来】「故事+つける」
- 【意味】無理に理由や理屈をつけて、道理が通ったようにしたり、つじつまを合わせたりすること
- 【類語】牽強付会、付会、かこつける、ことよせる、歪曲、詭弁、屁理屈
「こじつけ」とは、「こじつけること」、また、その言葉とありますので、上記の内容は、「こじつけ」と「こじつける」の由来、意味及び類語ということになります。
それでは、由来/意味/類語の詳細を辞書を踏まえて、どのような内容なのかを確認していきましょう。
こじつけの由来
上述したように、「こじつけ」は、イコール「こじつける」なんです。
そして、「こじつける」の由来は、「故事+つける」なんですね。これについて語源辞典には次のように解説されています。
「こじつける」は「故事+つける」で、故事は由緒のある事柄の意。「こじつける」は、何でもないことでもいわれがあるようにもっともらしく言いなすこと。
引用 新明解語源辞典
「こじつける」は「故事+つける」で、すなわち、昔から伝えられている「いわれ」を都合よく無理やりくっつけるところからできたと考えられている。名詞形は「こじつけ」である。
引用 暮らしのことば新語源辞典
上にありますように故事とは昔からのいわれのこと。この昔からある「いわれ」を、自分に都合よくやりくりする手口で、ネガティブな言葉なんです。
例として、良く取り上げられているのが「馬鹿」のいわれです。
馬鹿の語源を「鹿をさして馬となす」の故事に関連付けたものが、典型的なこじつけの例です。
引用 【こじつけ】とはどういう意味ですか? – 日本語に関する質問
その他にも、こんな使い方が出来ます。
彼は、自分の都合のいいように理屈をこじつけるのがうまい!
ですから、他人様からすると、上記の例のように自分勝手で呆れた発言と執られるのがオチで、ジャイアニズムと言われても仕方のない言葉なんですね。
※ジャイアニズム
引用 wiki ジャイアニズム
おれのものはおれのもの、おまえのものもおれのもの」と考えること全般を「ジャイアニズム」としている。また、自己中心的な人に対し、時に皮肉を込めた意味で「ジャイアニズム」と言う言葉が使われることがある。
こじつけの意味
上述しましたが、「こじつけ」は、イコール「こじつける」なんです。
ここでは、「こじつけ」を見た後に、「こじつける」の意味を見ていきましょう。
こじつけ
広辞苑と光村国語辞典に「こじつけ」の意味が載っていました。
広辞苑では、次の二つの意味が載っていました。
①こじつけること。また、そのことば。
引用 広辞苑
②無理じい。
光村国語辞典では、広辞苑の①の意味のみ載っておりました。
こじつけること。また、その言葉。
引用 光村国語辞典
広辞苑には、「こじつける」という意味の他に「無理じい」という意味も載っています。
これは、そのままなんですが、「無理に強いること」という意味ですね。「酒を無理強いする」なんて使い方をします。
こじつける
次は、「こじつける」です。各辞書とも、同じような表現が並んでいます。
(「故事つける」か)無理に筋の通ったことのように言いなす。無理に関係を付ける。転じて、句や文章をむりやり作り上げる。
引用 広辞苑
本来関係のないことを、無理に理屈をつけて他の事柄に結びつける。「下手な理由を-」
引用 明鏡国語辞典
「故事つける」の意か。
本来関係のないものどうしを、自分のつごうのよいようにりくつでむりに結びつける。
引用 三省堂国語辞典
むりやりに、りくつをつける。関係のないことを持ち出してむすびつける。
引用 光村国語辞典
無理に理由や理屈をつけて、道理が通ったようにしたり、つじつまを合わせたりすること。
引用 暮らしのことば新語源辞典
先程の由来で述べましたが、無理な理由を付けて道理が通ったように見せかけることですね。
端から見ると、みっともない言い訳に聞こえてしまう発言でしょう。しかし、こういう発言って本人は気が付かないんですよね。ほぼ、確信犯でしょうから。
こじつけの類語
「こじつけ」の類語として次の8つを挙げました。
類語 | 意味 |
---|---|
牽強付会 | 自分の都合のよいように無理に理屈をこじつけること。こじつけ。 |
牽強 | 道理に合わないことを無理にあわせようとすること。こじつけ。 |
付会・附会 | 無理につなぎ合わせること。こじつけること。 |
かこつける | 一見それほど無理に見えない理由付けを示しておいて、実は別の理由、目的などがあるのをはっきりさせまいとするときに使う。 |
ことよせる | 自分のしたい(言いたい)ことのために、ほかのことを理由にする。 |
歪曲 | 事柄を意図的にゆがめ曲げること |
詭弁 | 一見もっともらしい推論(結論)で、何らかの虚偽を含むと疑われるもの。相手をあざむいたり、困らせたりする議論の中で使われる |
屁理屈 | つまらぬ理屈。道理にあわない議論。 |
当たり前の話ですが、こじつけの類語ですから、ほぼ、こじつけと同じ意味を持っていますな。
牽強付会、牽強、付会・附会は、意味の中に、「こじつけ」、「こじつける」の文言が入っています。
「かこつける」と「ことよせる」も、自分の都合に合わせるために使用する言葉ですね。ただ、これらの言葉は、余り、使用している人を見たことがないですね~。
その他、歪曲、詭弁、屁理屈という言葉も並びました。人間は、自分を守ろうとするとき、色々と策を弄するんですね!
参考:
これらの言葉は、いずれも、広辞苑、明鏡国語辞典、三省堂国語辞典に載っておりました。
「かこつける」は、光村国語辞典にも載っておりました。
こじつけの由来/意味/類語をみてきました。言葉では理解できても、それだけでは役に立たないでしょう。
次の章で、実際にどう使うかを見ていきましょう。
こじつけの使い方
「こじつけ」の使い方をいくつか挙げておきます。
- 下手な理由をこじつける
- 奴は、理屈をこねて無理にこじつけるから気を付けた方がいい
- 彼女は、何かというと、自分に都合がいいようにこじつける癖があるんだよ
- あの先生は、ちょっと何かあるとこじつけて逃げ出す情けない奴だ
- 今回提案された案は、ひどくあいまいなこじつけ推論だと思う
- あなたの言ってる説明はこじつけだ
- うまくこじつけて相手をごまかしたつもりでも、いずれは自分に返ってくるよ
- 今聞いた話だけど、何か、全部、こじつけって感じがするんだけど
こじつけの話って、聞いていて、「あれ、何かおかしいな」って感じがしますよね。これって、本人もそうですが、周りは全員気が付いちゃうんですよ。
ですから、上に上げた例のような感想を持たれちゃうと信用ガタ落ちで大変なことになってしまいます。
きつくても、つらくても、非を認めるときは素直に取り込んだことが良いでしょうね。
解説の最後に、「こじつけを英語で言うと」どうなるかを見ていただきましょうか。
こじつけを英語で言うと
「こじつけ」及び「こじつける」を英語では何というのでしょうか。
こちらも辞書に当たってみましたよ!
こじつけ
以下の表現があります。
- distortion of the meaning
- sophistry
- a forced interpretation
日本語に訳すと、「意味のゆがみ」、「詭弁」、「強制的な解釈」となります。
他にもこんな表現があります。
- a far-fetched excuse
「こじつけの弁解」とか、「とてつもない言い訳」の意ですね。
- It is pure sophistry to justify those acts.
「そのような行為を弁明するのは全くのこじつけだ」とも「それらの行為を正当化するのは純粋な詭弁です。」とも言えます。
こじつける
以下の表現があります。
- strain
- distort
それぞれ、「歪み」、「歪ませる」と訳せます。類語にあった「曲解」に当たりますね。
- He strained the facts in his favor.
「彼はその事実を自分の都合のいいようにこじつけた」あるいは「彼は自分に有利なように事実を歪曲した」の意味ですね。
英語では、「こじつけ」に対して、その意味から、「歪み」、「詭弁」、「強制的な解釈」を当てるようです。
参考:旺文社 和英中辞典
最後に
「こじつけ」の由来、意味及び類語を明確にしました。
それぞれ辞書を用いて、その内容を見てきました。「こじつけ」=「故事+つける」から来ていたことがわかりました。
この言葉は、事実をうまく言い逃れるときに使うネガティブなものだったんです。
類語には、難しい漢字と二つの言葉がありましたが、最近はあまり聞きませんね。
英語で何と言うか調べましたが、「歪み」、「詭弁、「強制的な解釈」というような、嫌な言葉が並びました。
※気づけば、「言葉の意味」の記事も増えてきています
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