じゃれる(戯れる)の由来は?古の時代につながるとわかってビックリ
「じゃれる」という言葉があります。子供や小さな動物が遊んでいるさまを表す言葉ですね。
ペットショップの近くを通った際に、この言葉が連想されました。
家に帰ってから、この言葉「じゃれる」(漢字表記は戯れる)が気になって仕方がなかったので早々調べてみました。
すると、その由来が古の時代に繋がることがわかってビックリ仰天。
そこで、かなり昔に起因する由来について、出来るだけ突っ込んで、その内容を掘り出してみました!
それらの情報を開陳しますので、是非、お立ち寄りをお願いします。
じゃれる(戯れる)の由来は
まずは、じゃれるの由来から見ていきます。
じゃれる(戯れる)の由来は
平安時代から見られる古語「戯(ざ)る」は「さ(戯)る」がの語頭が濁音化した語で、共に、しゃれて気が利く、垢抜けしている、男女の事に通じている、ふざけるなどの意味があります。
「じゃれる(戯れる)」は、「戯(ざ)る」が転じたもので、「ふざけ戯(たわむ)れる」意味で使用されます。
ホウホウ、「じゃれる」と聞くと、ふざけているイメージしかなかったんですが、もともとの語には、その他にも、色々な意味があったんですね~
「しゃれて気が利く」、「垢抜けしている」ているなんて、すごくいい意味ですよ。また、「男女の事に通じている」なんて、「ふざけている」という意味から大きく離れているじゃないですか!
なぜ、「じゃれる(戯れる)」の意味が「ふざけ戯(たわむ)れる」となっていったのか由来をもう少し、詳しく見ていきましょう。
平安時代からの言葉とはずいぶん古い時代からあった言葉なんですね~。そういえば、こちらの由来も、随分と古くて驚いたモノです!
じゃれるの由来を詳しく見ていこう
上記の「さ(戯)る」から「戯(ざ)る」への語頭が濁音化は他にも以下のような同様の例が見られます。
- タレル(垂)からダレル(弛)
- ハレル(晴)からバレル(露)
- フレル(振)からブレル(揺)
この例を見ればわかるように、もとの形と比べると、濁音化した形の方が好ましくない意味になっていることが多いんですよ。
そして、中世の末期頃に「さ(戯)る」「戯(ざ)る」が拗音化※して「しゃれる」「じゃれる」になったわけです。
当初は、上記で示したこれらの言葉の意味ですが、「しゃれる」が「しゃれて気が利く」「垢抜けしている」を、「じゃれる」が「ふざけている」を担うように分かれていったと思われています。
※拗音化
日本語の音階のひとつで、現代語では「きゃ」「きゅ」「きょ」のように「や」「ゆ」「よ」の仮名を小さく他の仮名に添えて表す音。引用 暮らしのことば新語源辞典
他の拗音化の例
「戯(ざ)る」が拗音化して「じゃれる」になったと述べましたが、同じような例に次のような語があります。
- 鮭 ⇒ シャケ
- さみせん(三味線)⇒ シャミセン
- クサメ(嚏) ⇒ クシャミ
- サレコウベ(髑髏)⇒ シャレコウベ
小さい頃から、鮭をシャケと呼んでいたんですが、ようやく、その意味がわかりました!
シャミセンも同様、拗音化だったのですね。クシャミ、シャレコウベまでも同じ仲間に入るとは思いませんでした。
「たわむれる(戯れる)」と「じゃれる」
この章では、「たわむれる(戯れる)」と「じゃれる」について調べてみました。
漢字表記について
さて、「じゃれる(戯れる)」の漢字表記なんですが、パソコンで「じゃれる」⇒変換を押下しても、「戯れる」とは出てきません。
この漢字を出すには、「たわむれる」⇒変換としなければなりません。
ついでに、Google検索で、「戯れる」を検索すると、その読み方は次のようになりました。
- ざ‐れる【戯れる】 ふざける。たわむれる。
- たわむ‐れる【戯れる】 ①遊び心からふざける。 ②滑稽(こっけい)な事をする。また、面白がって遊ぶ。 ③いたずらをする。また、ふまじめな事をする。
ただ、辞書(広辞苑、明鏡国語辞典、三省堂国語辞典)をみると、「じゃれる」に対して「戯れる」が割り付けられています。
「たわむれる」と「じゃれる」の意味
まず、「たわむれる」の意味を辞書で引いて調べてみました。
①遊び興ずる。 ②ふざける。おどける。 ③異性に対していたずらをする。
引用 広辞苑
①楽しげにふざけあって遊ぶ。面白がって遊ぶ。遊び興ずる。 ②興に任せて面白半分に物事をする。遊び心で…する。 ③ふざけあうようにして性愛を楽しむ。また、異性に楽し気に(または、冗談半分に)色恋をしかける。
引用 明鏡国語辞典
次に、「じゃれる」の意味を見ていきましょう。こちらも、広辞苑と明鏡国語辞典で、その意味を引いてみます。
(ザレルの転)なれてたわむれる。ふざけかかる。
引用 広辞苑
まつわりついてたわむれる。
引用 明鏡国語辞典
同じ漢字を使いますが「たわむれる」には、「じゃれる」の意であるふざけるの他に、異性にたいしてふざけるという意味があるようです。
ついでですので、「ざれる」という言葉も見てみました。
①たわむれる。ふざける。 ②気が利いている。しゃれる。 ③趣がある。風雅である。
引用 広辞苑
(古風な言い方で)ふざける。たわむれる。
引用 明鏡国語辞典
広辞苑のみですが、この「ざれる」は上述した古語「ざる」「さる」の意味を残しているようですね。
既に記述していますが、古語「ざる」「さる」の意味を再掲しておきます。
- しゃれて気が利く
- 垢抜けしている
- 男女の事に通じている
- ふざける
この内容と「たわむれる」を比較してみると、3,4の意味に近いというか一致していることがわかります。
「じゃれる」には、4の言い方のみが伝えられたようです。
最後に
まずは、じゃれるの由来から見てきました。
しゃれて気が利く、垢抜けしている、男女の事に通じている、ふざけるなどの4つの意味がありましたよ~
基本、「ふざける」の意味だと思っていたのに、意表を突かれましたね。
そして、元々あった語が、「しゃれる」「じゃれる」になったこともわかりました。
最後に、漢字表記(戯れる)から「たわむれる」についても少々調べを入れてみましたので、ご覧になってくださいね。
※気づけば、「言葉の意味」の記事も増えてきています
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