「はかる」の使い分けとは!測る・・・計るまで7つの漢字表記を総特集
「はかる」という言葉があります。時間を「はかる」必要があったので、この言葉に行きつきましたが、ふと考えると、長さを「はかる」場合や、水の重量を「はかる」場合もあります。
その他にも、物事を「はかる」なんて使い方もあったりして、ちょっと調べてみる価値があるんじゃないのかと思った次第です。
実際、漢字表記を調べてみたら、広辞苑では特殊なひとつを加えて7つありました。これらの漢字表記をみると、意味が全く異なる場合があるんですね~。
そのため、この言葉を使用する時、漢字表記に対して使い分けが必要です。
「はかる」の漢字表記と、その使い分けをご紹介しますので、勉強がてら見ていってくださいませ!
はかるの使い分け
はかるの漢字表記と意味(使い分け)は次の通りでした。
はかるの使い分け
始めに、その使い分けを見ていただきます。
「はかる」には、「図る」、「計る」、「測る」、「量る」、「諮る」、「謀る」の6種類の表記があります。
それぞれ、どんな時に使うのかを一覧にしました。
表記 | 使い分け |
---|---|
図る | 計画する時に使う |
計る | 数や時間などを、かぞえる時に使う |
測る | (ものさしなどで)長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う |
量る | (はかり・ますなどで)重さ・容積をかぞえる時に使う |
諮る | 相談するときに使う |
謀る | 悪意を持って計画を立てたり、陰謀をめぐらせたりする時に使う |
別る | 理解できる時に使う |
使い分けを大まかに示しました。
この一覧をご覧になれば、どのように使い分けるのか一目瞭然ですね。
次に、それぞれの表記を、もう少し、細かく見ていきましょう。
図る
基本的に、「計画する」時に使用する表記なんですが、他にも意味を持っています。
- 見通しを立てる。企図する。
- 好ましくないことをくわだてる。もくろむ。
- 意図が実現するように努力する。意図する。企図する。
- うまく処理する。とりはからう。
「計画」する意は、1.及び3.ですね。1.は、「企画する」「意図する」という意です。この場合、「計る」を使用してもかまいません。
2.は「たくらむ」「企てる」と言い替えが出来ます。即ち、良くない計画を立てる意味です。
4.は、「物事がうまく行くようにとりあつかう」ことです。「はからう」とも言い換えられます。
計る
基本的に、「数や時間などを、かぞえる時に使う」表記なんですが、他にも意味を持っています。
- 数や時間などを調べる。測定する。
- 見通しを立てる。企図する。
- よい時機かどうかを見はからう。
- だます。あざむく。
2.は上述したように「図る」と同じ意味であり、そう表記しても問題ありません。
3.は、頃合いやタイミングを「はかる」場合を言っています。
4.は、悪い意味で使われるものです。「謀る」に書きかえられます。
測る
基本的に、「長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う」表記なんですが、他にも意味があります。
- 長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う
- あれこれ考えて大体のところをおしはかる。
2.は、「忖度する」「推測する」「推量する」意です。この意の場合、ほぼ同様の意味で「量る」も使えます。
「推測する」「推量する」の違いは以下です。
- 推測する:何らかの根拠・事柄をベースに推しはかる
- 推量する:根拠が強いか弱いかを問わず推しはかる
②こちらは、あれこれ考えて大体の所を推し測ることです。量るでもOK!
量る
基本的に、「重さ・容積をかぞえる時に使う」表記ですが、他にも意味があります。
- 重さ・容積をかぞえる時に使う
- あれこれ考えて大体のところをおしはかる。
2.は、「測る」での説明と同じです。
「推測する」「推量する」の違いは以下です。
諮る
基本的に、「上の人が下の人に意見を求めて相談する。また、単に相談する。」表記です。
謀る
基本的に、「悪意を持って計画を立てたり、陰謀をめぐらせたりする時に使う」表記です。
この場合、上述の「計る」で代用する場合があります。
他に、「悪いことをなそうと相談する」意味もあります。
どちらにしても、良い意味では使われないようです。
そのためか、「謀る」の例を見ても、良い意味では用いられていませんな!
別る
この表記は、上述した六つの言葉とは一線を課します。現在では、「わかる」という意味では、この漢字表記は用いないようです。
基本的に、「理解できる時に使う」表記です。
この表記、広辞苑にしか載っていません。
(上代東国方言)「わかる」に同じ。
引用 広辞苑
※上代東国方言
引用 wiki 上代東国方言
広義には奈良時代の東国で話されていた上代日本語を指す。
現在の研究では大きく上代遠江=駿河日本語(Töpo-Suruga Old Japanese)、上代中部日本語(Central Old Japanese)、真上代東国語(true Eastern Old Japanese)の三つの言語と、多様な未分類の方言に区分することができることが分かっている。
単に東国方言、あずま言葉ともいう。
「わかる」と同じ意味と言っているので、そちらを引っ張ってみます。
わかる:①きっぱりと離れる。別々になる。 ②事の筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。理解できる。 ③明らかになる。判明する。 ④世情に通じて頑固なことを言わない。
上記の基本的な意味は②ですが、3つの別の意味も持っています。
ただ、現代では用いない表現ですね。
はかるの例文
ここでは、上で見てきた「はかる」について、それぞれの表記に対して例文を一覧にしました。
はかる | 例文 |
---|---|
図る | ・再起を図る ・局面の打開を図る ・便宜を図る ・自殺(逃亡)を図る |
計る | ・ころ合い(タイミング・間合い)を計る ・時間を計る ・身の安全を計って入院させる ・新製品の開発で収益を計る ・まんまと計られた ・よくも計ったな |
測る | ・土地の面積を測る ・A地点からB地点までの距離を測る ・相手の心中を測る ・先方の真意は測りかねます |
量る | ・体積を量る ・相手の心中を量る ・先方の真意は量りかねます |
諮る | ・解決策を審議会に諮る ・友人に諮って決める |
謀る | ・ふたりして悪事を謀る ・まんまと謀られた ・よくも謀ったな |
別る | ・よその言葉が別からない ・試験の結果が別かる ・話の別かった人だ |
それぞれの「はかる」に複数の例文を出しました。
皆さんが使いたい例文が見つかりましたか。
理解度クイズ
記事を終わる前に、「はかる」について理解度クイズをやってみましょう。
- 「図る」「測る」「計る」「量る」の違いは理解できましたか。
- 「測るの使い方」の例を挙げましょう。
- 「体重をはかる」を使用する際の漢字は何でしょうか。
- 「計る」を使った例文を出してください。
さあ、いかがでしょう。正確に答えられましたか?
怪しいぞと思った方は、もう一度、使い分けの一覧をご覧ください。
使い方や例文もおさらいしてみてね。
最後に
「はかる」という言葉の使い分けを見てきました。
全部で7つの言葉/漢字表記がありました。
それぞれ、複数の意味のあるものが多く、違う漢字表記でも同じ意味があったりしましたね~。
順にひとつずつ、漢字表記を見ながら使用例を挙げていきました。
ひとつだけ、昔の言葉がありましたが、ご愛敬でした。
※思えば、「ある言葉を漢字で書くと?」のカテゴリも記事が増えてきました。
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