「はかる」の使い分けとは!測る・・・計るまで7つの漢字表記を総特集

2023年1月1日

「はかる」という言葉があります。時間を「はかる」必要があったので、この言葉に行きつきましたが、ふと考えると、長さを「はかる」場合や、水の重量を「はかる」場合もあります。

その他にも、物事を「はかる」なんて使い方もあったりして、ちょっと調べてみる価値があるんじゃないのかと思った次第です。

実際、漢字表記を調べてみたら、広辞苑では特殊なひとつを加えて7つありました。これらの漢字表記をみると、意味が全く異なる場合があるんですね~。

そのため、この言葉を使用する時、漢字表記に対して使い分けが必要です。

「はかる」の漢字表記と、その使い分けをご紹介しますので、勉強がてら見ていってくださいませ!

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はかるの使い分け

はかるの漢字表記と意味(使い分け)は次の通りでした。

はかるの使い分け

始めに、その使い分けを見ていただきます。

「はかる」には、「図る」、「計る」、「測る」、「量る」、「諮る」、「謀る」の6種類の表記があります。

それぞれ、どんな時に使うのかを一覧にしました。

表記使い分け
図る計画する時に使う
計る数や時間などを、かぞえる時に使う
測る(ものさしなどで)長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う
量る(はかり・ますなどで)重さ・容積をかぞえる時に使う
諮る相談するときに使う
謀る悪意を持って計画を立てたり、陰謀をめぐらせたりする時に使う
別る理解できる時に使う

使い分けを大まかに示しました。

この一覧をご覧になれば、どのように使い分けるのか一目瞭然ですね。

次に、それぞれの表記を、もう少し、細かく見ていきましょう。

図る

基本的に、「計画する」時に使用する表記なんですが、他にも意味を持っています。

  1. 見通しを立てる。企図する。
  2. 好ましくないことをくわだてる。もくろむ。
  3. 意図が実現するように努力する。意図する。企図する。
  4. うまく処理する。とりはからう。

「計画」する意は、1.及び3.ですね。1.は、「企画する」「意図する」という意です。この場合、「計る」を使用してもかまいません。

2.は「たくらむ」「企てる」と言い替えが出来ます。即ち、良くない計画を立てる意味です。

4.は、「物事がうまく行くようにとりあつかう」ことです。「はからう」とも言い換えられます。


計る

基本的に、「数や時間などを、かぞえる時に使う」表記なんですが、他にも意味を持っています。

  1. 数や時間などを調べる。測定する。
  2. 見通しを立てる。企図する。
  3. よい時機かどうかを見はからう。
  4. だます。あざむく。

2.は上述したように「図る」と同じ意味であり、そう表記しても問題ありません。

3.は、頃合いやタイミングを「はかる」場合を言っています。

4.は、悪い意味で使われるものです。「謀る」に書きかえられます。

測る

基本的に、「長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う」表記なんですが、他にも意味があります。

  1. 長さ、深さ、距離、面積をかぞえる時に使う
  2. あれこれ考えて大体のところをおしはかる。

2.は、「忖度する」「推測する」「推量する」意です。この意の場合、ほぼ同様の意味で「量る」も使えます。

「推測する」「推量する」の違いは以下です。

  • 推測する:何らかの根拠・事柄をベースに推しはかる
  • 推量する:根拠が強いか弱いかを問わず推しはかる

②こちらは、あれこれ考えて大体の所を推し測ることです。量るでもOK!

量る

基本的に、「重さ・容積をかぞえる時に使う」表記ですが、他にも意味があります。

  1. 重さ・容積をかぞえる時に使う
  2. あれこれ考えて大体のところをおしはかる。

2.は、「測る」での説明と同じです。

「推測する」「推量する」の違いは以下です。

諮る

基本的に、「上の人が下の人に意見を求めて相談する。また、単に相談する。」表記です。

謀る

基本的に、「悪意を持って計画を立てたり、陰謀をめぐらせたりする時に使う」表記です。

この場合、上述の「計る」で代用する場合があります。

他に、「悪いことをなそうと相談する」意味もあります。

どちらにしても、良い意味では使われないようです。

そのためか、「謀る」の例を見ても、良い意味では用いられていませんな!

別る

この表記は、上述した六つの言葉とは一線を課します。現在では、「わかる」という意味では、この漢字表記は用いないようです。

基本的に、「理解できる時に使う」表記です。

この表記、広辞苑にしか載っていません。

(上代東国方言)「わかる」に同じ。

引用 広辞苑

※上代東国方言
広義には奈良時代の東国で話されていた上代日本語を指す。
現在の研究では大きく上代遠江=駿河日本語(Töpo-Suruga Old Japanese)、上代中部日本語(Central Old Japanese)、真上代東国語(true Eastern Old Japanese)の三つの言語と、多様な未分類の方言に区分することができることが分かっている。
単に東国方言、あずま言葉ともいう。

引用 wiki 上代東国方言

「わかる」と同じ意味と言っているので、そちらを引っ張ってみます。

わかる:①きっぱりと離れる。別々になる。 ②事の筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。理解できる。 ③明らかになる。判明する。 ④世情に通じて頑固なことを言わない。

上記の基本的な意味は②ですが、3つの別の意味も持っています。

ただ、現代では用いない表現ですね。

はかるの例文

ここでは、上で見てきた「はかる」について、それぞれの表記に対して例文を一覧にしました。

はかる例文
図る・再起を図る
・局面の打開を図る
・便宜を図る
・自殺(逃亡)を図る
計る・ころ合い(タイミング・間合い)を計る
・時間を計る
・身の安全を計って入院させる
・新製品の開発で収益を計る
・まんまと計られた
・よくも計ったな
測る・土地の面積を測る
・A地点からB地点までの距離を測る
・相手の心中を測る
・先方の真意は測りかねます
量る・体積を量る
・相手の心中を量る
・先方の真意は量りかねます
諮る・解決策を審議会に諮る
・友人に諮って決める
謀る・ふたりして悪事を謀る
・まんまと謀られた
・よくも謀ったな
別る・よその言葉が別からない
・試験の結果が別かる
・話の別かった人だ

それぞれの「はかる」に複数の例文を出しました。

皆さんが使いたい例文が見つかりましたか。

理解度クイズ

記事を終わる前に、「はかる」について理解度クイズをやってみましょう。

  1. 「図る」「測る」「計る」「量る」の違いは理解できましたか。
  2. 「測るの使い方」の例を挙げましょう。
  3. 「体重をはかる」を使用する際の漢字は何でしょうか。
  4. 「計る」を使った例文を出してください。

さあ、いかがでしょう。正確に答えられましたか?

怪しいぞと思った方は、もう一度、使い分けの一覧をご覧ください。

使い方や例文もおさらいしてみてね。

最後に

「はかる」という言葉の使い分けを見てきました。

全部で7つの言葉/漢字表記がありました。

それぞれ、複数の意味のあるものが多く、違う漢字表記でも同じ意味があったりしましたね~。

順にひとつずつ、漢字表記を見ながら使用例を挙げていきました。

ひとつだけ、昔の言葉がありましたが、ご愛敬でした。

※思えば、「ある言葉を漢字で書くと?」のカテゴリも記事が増えてきました。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら