暖かいと温かいの違いは何?絶対的な理由を詳しくご紹介
「あたたかい」部屋は、ぬくぬくしていていいですよね!そんな中で、「あたたかい」食べ物を口にできる幸せは、この季節、たまらないものがあります。
この文章に出てきた「あたたかい」という表現を漢字で表わすと、異なった漢字になります。
そうです。「暖かい」と「温かい」ですね。この二つの漢字の違いは何なのでしょうか?ちょっと気になりませんか。
そこで、今回は、この二つの漢字について、何が違っているのか突っ込んで調べてみました~!合わせて、暖かいと温かいの英語表現についても見ていきたいと思います。
ちゃんとした違いがあるんですよ!
合わせて、それぞれの表記の他の意味についても紹介しますんで、ちょっと覗いてみて!!
暖かいと温かいの違いの絶対的な理由とその他の意味
まずは、「暖かい」と「温かい」の違いの絶対的な理由を見ていただきます。
暖かいと温かいの違い
■絶対的な理由
- 暖かい:気候・気温など、気体による全体的な体感に使う
- 温かい:個体・液体による感触や、気体による部分的体感に使う
取り巻く状況により、「暖かい」「温かい」どちらを使用するか決まるんですね。次のようにも言えます!
暖かい:気候や気温が、寒すぎず暑すぎもせず、程よいさま
温かい:物の温度や体温が、冷たすぎず熱すぎもせず、程よいさま
その時の状況を考慮すれば、どちらの漢字表記を遣えばよいのか一目瞭然ですね!
次に、「あたたかい」が持つ、その他の意味を紹介します。
「あたたかい」その他の意味
暖かい
- 色の感じが冷たくない。暖色系の色をしている。
- 衣服などで体温の低下を防ぎ、身体に寒さを感じさせないようにする。
温かい
- お金を十分に持っている。
- 愛情やおもいやりがこもっている。
「暖かい」「温かい」は、それぞれ、寒い、冷たいの反語である「あたたかい」の他に、上述した意味を持っていますよ。
言われてみると、「なるほど」と思い当たるのではないでしょうか?
それでは、次に「あたたかい」の由来をみましょう。
あたたかいの由来
形容動詞「あたたか」が形容詞化した語です。
くだけた言い方で「あったかい」とも言いますね。
上記でも述べましたが、気候・気温など、気体による全体的な体感には「暖」を、個体・液体による感触や、気体による部分的体感には「温」を使用するのが一般的です。
次の章では、それぞれの言葉について使い方を見ていきます。
「暖かい」「温かい」の使い方
「暖かい」「温かい」の順に、複数ある意味ごとに使い方の例を示します。
暖かい
意味は3つありましたね。
- 気温がほどよい高さを保って心地よい。冷たくなくて快い。
- 色の感じが冷たくない。暖色系の色をしている。
- 衣服などで体温の低下を防ぎ、身体に寒さを感じさせないようにする。
それぞれの意味について、理解を深めるために例を示しましょう。
- 「暖かい国」「暖かい風」「今年の冬は暖かい」「暖かい春の日差し」
- 「暖かい色調の壁」
- 「暖かそうなコートをまとう」「暖かい布団に身をくるめる」
最初の例を見ると、季節や外気など温度がほどよい(丁度良い)高さを保っている様子がわかりますね。「暖かい国、風」は、暑くも寒くもなく、暖かいことを示します。「今年の冬は暖かい」は、例年、寒いはずの冬が、意味にあるように、「気温が程よい高さを保って心地よい」ということです。「暖かい春の日差し」は、やはり、同様の意を表します。
2番目の「暖かい色調」ですが、(赤・黄)系統の色を見て述べた言葉でしょう。
3番目の例ですが、この意味の場合「温かい」でも代替できます。両者とも、「温かそうなコート…」「温かい布団…」と書いても問題ありません。
温かい
こちらも、意味は3つありますね。
- 物の温度がほどよい高さを保って心地よい。冷たくなくて快い。
- お金を十分に持っている。
- 愛情やおもいやりがこもっている。
こちらも、「暖かい」で実施したように、それぞれの意味について、理解を深めるために例を示しましょう。
- 「温かい料理」「ポットのお湯はまだ温かい」「井戸の水が温かい」
- 「ボーナスで懐(ふところ)が温かい」
- 「心の温かい」「温かいもてなしを受ける」「子供の将来を温かく見守る」
最初の例では、料理、ポットのお湯及び井戸の水など、物の温度がほどよい(丁度良い)高さを保っている様子がわかります。
2番目の意味は、このように「懐が温かい」という形で使用することが多いようです。逆に、お金がない時は「懐が寒い」という言い方をします。
3番目の愛情や思いやりがある場合の例ですね。「心」や「もてなし」及び「見守る」などに使う場合は、「温かい」を使用します。
次は、「暖かい」と「温かい」の漢字表記について、その内容を確認してみます。
「暖かい」と「温かい」の漢字表記
「暖かい」と「温かい」の漢字表記である「暖」及び「温」について見てみます。
暖の読み方と意味
暖
画数:13画
音訓:ダン あたた・かい あたた・か
意味
①{形容詞・名詞}あたたかい(あたたかし)。あたたか(あたたかなり)。ぬくぬくとしてあたたかい。ねっとりと柔らかい感じで汗ばむさま。ぬくみ。②{動詞}あたためる(あたたむ)。あたたまる。
「暖」は主に、気象や気温で使うとあります。「寒くない」という意ですね。「熱気があってあたたかい」というイメージです。
【使用例】
暖かい心。暖かな毛布。暖まった空気。室内を暖める
ここに出た意味は、上述した意味と同じですな。
温の読み方と意味
温
画数:13画
音訓:ダン あたた・かい あたた・か
意味
①{形容詞}あたたか(あたたかなり)。あたたかい(あたたかし)。ほんのりとあたたかいさま。中に熱がこもってあたたかいさま。また、心や顔色などがおだやかでやさしいさま。②{名詞}ぬくもり。③{動詞}あたためる(あたたむ)。あたたまる。じわじわとあたためる。熱を中にこもらせる。④{動詞}あたためる(あたたむ)。古いもの、冷えたものを、もう一度あたためてよみ返らせる。
「温」は愛情や思いやりが感じられるとあります。「冷たくない」という意をもちます。「中にこもって、むれるようにあたたかい。」というイメージです。
【使用例】
温かい料理。温かな家庭。心温まる話。スープを温める
ここに出た意味も、「温かい」で見て来たものと同様と言っていいでしょう。
「暖」及び「温」ともに、「暖かい」と「温かい」で述べてきた内容と大差ないと言えます。
さて、日本では「暖かい」と「温かい」に様々な意味がありましたが、その辺りを英語でどのような表現をするのでしょうか。
記事を終わる前に、暖かいと温かいの英語表現をみてみます。
暖かいと温かいの英語表現
「あたたかい」というと、warmしか思い浮かばんのですが、どんな表現があるか見ていきましょう!
暖かい
上記で挙げたいくつかの使用例を英語にしてみます。
気温がほどよい
暖かい国 warm country
これは、そのまんまですね。唯一出てきたwarmを使用しています。
- 今年の冬は暖かい this is a mild winter. We’re having a mild winter this year.
- 今日は暖かい It’s nice and warm today.
冬の「暖かい」には普通mildを用いるようです。warmは「暑い」に近い表現だそうです。
冬の「暖かい」には普通mildを用いるとは知りませんでしたな!
色調
暖かい色 warm colors
色についての暖かいも、そのままwarmでいいんですね。
衣服で防寒
- 彼女は暖かい着物を着ている She is wearing warm clothes. She is warmly dressed.
この意味についても、warmで決まりですか。
温かい
今度は、「温かい」の英語表現です。こちらもwarmなんですかね。
物の温度がほどよい
- 何か温かい飲み物が欲しい I want something hot to drink.
ふむふむ、hotを使ってますね。
お金を十分に持っている
- 今日は懐が温かい I have plenty of money with me today.
さすがにwarmは使えませんなア!この場合は、plentry(たっぷり)を使うんですね~
懐が「暖かい」はplenty(たっぷり)という単語があるんだ!
愛情やおもいやり
- 彼は一見厳しいが温かい心の持ち主です He appears to be strict, but acutually he is 「a warm-hearted person.(a person with a warm heart.)」
この表現では、「warm-hearted」を用いるんですね。
- 最初に温かいもてなしに感謝します First,I’d like to thank you for your hearty hospitality.
ここでは、heartyを使います。
- 彼は温かい家庭に育ったに違いない He must have been brought up in a genial(happy) family.
こちらでは、優しい(幸せな)に当たるgenial(happy)が使われています。
- 私たちは至る所で温かく迎えられた We 「were recieved warmly(recieved a hearty welcome)」everywhere we went.
ここでは、warmlyかheartyが使われます。
以上、暖かいと温かいの英語表現をみてきました。warmしか知りませんでしたが、日本語のそれぞれの意味を持つ英語表現も多彩でしたね。
最後に
「暖かい」と「温かい」についてみてきました。
それぞれの漢字を使用するための理由が厳然と存在していましたね。
一般的に使用する「あたたかい」の他にも、意味がありますので、そちらも合わせて紹介しました。
文字だけでは、理解するのに手間取りそうなので使用例も示しました。
「あたたかい」に関して、これからは、どちらの漢字表記を用いか、もうわかりましたね!
そして、章を変えて、英語表現について見てきましたが、warmの他に、色々な単語が使われていて興味深かったですね。
参考
三省堂国語辞典、旺文社和英中辞典
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