木へんに秋と書いて楸!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

2023年1月11日

木へんに冬の「柊」、木へんに夏の「榎」と記事を書いてきました。次は、春か秋かで記事を書こうと思ったんですが…。

愕然!木へんに秋という漢字を見たことがないという事実にぶちあたったんですよ!こんな漢字はあるんでしょうか?存在しなければ、木へんに春で記事を書くしかありません!

そこで、漢和辞典に当たったんですが、おー!あるあるありますね。ちょっとホッとしました。木へんに春の字があるのは知っていますので、これで、木へんに春夏秋冬全ての季節を制覇できますな。

第三弾は、木へんに「秋」で記事を書いてみます。まだまだ季節である秋は先になります(1月に記事を書いてます!)が…。

サイトで、木へんに秋の「楸」を検索すると、この漢字について聞いている方がたくさんおられますな。

そんなこともあり、「柊」「榎」と同様、「楸」の読み方や細かい意味及びその書き順、植物としての特徴や花言葉、さらには名前を付ける場合のポイントまで勉強がてら、幅広く総特集しちゃいます。

60爺

その結果をご披露しますので、是非是非、ご覧になっていってくださいますよう、伏してお願い申し上げます。

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木へんに秋といえば楸!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、楸の意味と読み方を明確にしましょう。

柊の読み方と意味

画数 :13画
音訓:シュウ ごばん(日本語だけ)ひさぎ
意味
①木の名。ノウゼンカズラ科キササゲ属の落葉高木。幹は直立し、15メートルに達する。夏に白い花が咲く。生長が速く、家具や碁盤などの用材になる。トウキササゲ。②ごばん。碁盤。③ごばん。碁盤。棋局。
日本語だけの意味・用法
ひさぎ。木の名。トウダイグサ科アメガシワ属の落葉高木。アカメガシワ。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

紹介したとおり、「楸」の音読みは「シュウ」、訓読みは「ごばん」です。音読みは「柊」と同じですな。訓読みには「ごばん」、囲碁で使う盤の意味があるんですね。ちょっと驚きました。

ただ、意味の②と③の違いが何だか分からないんですが、③には「棋局」というのがあって、これ、将棋盤も指すらしいんですよ。だから、その違いかなと思いました。

日本語だけの意味で、「ひさぎ」という訓読みがありますね。日本では、アカメガシワを指すんですな!

その意味を広辞苑でもみてみました。ちなみに、明鏡国語辞典、三省堂国語辞典、光村国語学習辞典には「楸」は載っていません。

ひさぎ【楸】
キササゲまたはアカメガシワのことという。万葉集6「―生ふる清き河原に千鳥しば鳴く」

広辞苑

柊、榎に比べるといやにあっさりとした説明ですね。たった1行しかありません。「ごばん」の意味は載っていませんね。

キササゲ、アカメガシワは以下の通り別の植物ですよね。両方とも、「ひさぎ」と呼ぶんですかね。

もう一歩踏み込んで調べてみますと、「wiki 楸」を見ると、次のように出ています。

楸(ひさぎ、きささげ)
・キササゲ(楸) – 日本に自生する植物の一種。梓。
・トウキササゲ(唐楸) – キササゲの近縁種。本来の(および現代中国語での)意味。
・アカメガシワ(赤芽柏) – 楸に比定※する説がある。
・碁盤 – 碁盤の材料。または碁盤そのもの。
・中国では「檟」と表記。お茶の香りにも表現されている。

引用 wiki 楸

※比定とは?(広辞苑より)
同質のものがない場合、他の類似のものとくらべて、それがどういうものであるかと定めること。

どうやら、楸は、キササゲ、トウキササゲを指すようです。合わせて、アカメガシワの古名でもあります。詳細は、「楸ってどんな植物」の項で解説します。

この章の最後に「楸」の書き順を示しておきます。

木へんに他の季節の漢字「椿」「榎」「柊」同様、書き順で気を付けるところはありませんな。木と秋の書き方そのままです!


もっと深く知ろう!楸の漢字としての由来や成り立ち

楸の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。

楸の由来

楸の由来を見つけました。

楸は、中国ではトウ(唐)キササゲと呼ばれる樹木です。
このトウキササゲは10m以上の高さまで成長する、背の高い木です。
楸の語源は、この木の葉っぱにありました。
トウキササゲの葉は、季節が秋になったらすぐに落ちてしまいます。
トウキササゲの葉が落ちると、「あぁ、もう秋だな・・・。」と、人々は秋の到来を感じました。
トウキササゲは、秋を感じさせる樹木なのです。
そんな背景から、トウキササゲには楸という漢字が与えられたのです。

引用 木+秋の漢字「楸」!読み方や意味を一発チェック

楸の漢字の成り立ち

柊は、「木」+「秋」で成り立っています。

  • 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
  • 「秋」:禾と、音符(セウ)→(シウ)(龜・火は省略形)とから成る。いねの実りを集める、ひいて、その時期「あき」の意を表す。(参考:漢字ペディア 秋

先程、楸即ちアカメガシワという意味がありました。このアカメガシワは、秋の紅葉がきれいな木(以下、ギャラリー参照)なんです。

ここから、秋を代表する木、つまり「楸」が付けられた可能性があります。

■追記 秋について記事を書いています。秋とは何か、その期間はいつなのかを解説しています。

楸ってどんな植物?

楸とは、広辞苑でキササゲまたはアカメガシワと言っていますが何故なんでしょうか?

楸はキササゲ?アカメガシワ?

楸は、中国ではトウ(唐)キササゲと呼ばれる樹木だったことは由来の項で触れています。

日本でも、「楸」は「久木」という表記で万葉集に詠われています。しかし、当たり前なんですが、万葉集には「楸」(久木)の絵は載っていませんので、どの植物を指しているかわかりません!

先程の広辞苑の意味の最後に、以下の歌が載っています。

万葉集6「楸生ふる清き河原に千鳥しば鳴く」

その他にも、「浜楸」(広辞苑から。浜に生えているひさぎ。)が載っています。

万葉集11「波の間ゆ見ゆる小島の浜楸久しくなりぬ君にあはずして」

他にも、以下の歌が詠まれています。

万葉集10去年(こぞ)咲きし、久木(ひさぎ)今咲く、いたづらに、地(つち)にか落ちむ、見る人なしに
万葉集11度会(わたらひ)の、大川の辺(へ)の、若久木(わかひさぎ)、我が久(ひさ)ならば、妹(いも)恋(こ)ひむかも

河原とか、浜、大川の辺(へ)に生えているところを見ると、(河川敷などの湿った場所に野生化している)キササゲのような気もします。しかし、アカメガシワも、川の土手などに生えますので特定は難しいです。

また、花の開花時期も似たようなものなので特定できませんね~!

ちょっと残念ですが、キササゲとアカメガシワ両方の花言葉と、形態・生態を見ていくしかないようです。

花言葉

キササゲ

  • 夢心地 咲いた花が美しく華やかで夢心地に誘い込まれるようだから

アカメガシワ

  • 繊細 一つ一つの花に繊細さがあるから
  • 澄んだ心 枝先に白色の小さな花が「澄んだ心」を連想させるから

形態・生態

キササゲ

キササゲ(木大角豆、楸、木豇豆)は、ノウゼンカズラ科の落葉高木。別名では、カミナリササゲ、カワギリ、ヒサギとも呼ばれます。

落葉広葉樹の高木で[2]、高さ5 – 10(m) 。中国原産といわれ、日本には古くに渡来し、一部は日本各地の河川敷などの湿った場所に野生化している帰化植物である。かつては、雷よけになるとして城や神社仏閣に植えられた。樹皮は灰褐色で縦に裂け目がある。葉は大きく、幅の広い広卵形で、浅く3裂する。花期は6 – 7月。枝の先から円錐花序を出して、漏斗状で淡い黄色の内側に紫色の斑点がある花を咲かせる。果実は長さ30 (cm) ほどある細長い蒴果で中には種子が詰まっており、ササゲ(大角豆)に似るのでキササゲ(木大角豆)と呼ばれる。
庭木として植栽されるほか、花材としても使われる。実は利尿剤になり、材は中国では版木にした。

引用 wiki キササゲ

アカメガシワ

アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)は、トウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木で、主に山野に生えており、春にでる若葉が紅色をしています。

古名は楸(ひさぎ)です。中国植物名(漢名)は、野梧桐(やごどう)といいます。

雌雄異株の落葉高木で、樹高は5 – 10m に達する。春に出る若葉は、鮮やかな紅色をしており美しく、星状毛が密生する。
葉は赤く長い葉柄をつけて互生し、形は菱型状卵円形、先端は尖り浅く2 – 3裂する。3大葉脈があり、分岐点に腺体がある。裏に黄色の腺点があってアリが集まることもある。幹は黄褐色から暗灰色でやや赤みを帯びる。
花期は初夏(6 – 7月)、枝先に穂になって白色の小さな花を多数つけ、雄花には黄色の葯が目立つ。雌花序は雄花序よりも小さく、花数が少ない。果実は蒴果で、軟針がある三角状偏球形で径8(mm) ほどの大きさがあり、花序に多数つく。果実は秋9 – 10月頃に褐色に熟すと、3 – 4裂して3 – 4個の黒紫色の種子を出す。種子はほぼ球形で、光沢がある黒色をしており、種皮は薄くて剥がれやすい。

引用 wiki アメガワシワ

以上、楸の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、楸とはどんな植物なのかを見てきました。

次の章では、「楸」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べるんですが、衝撃の事実が待っていたのです。

名前に使われる際のポイントは

衝撃の事実とは!

木へんに秋と書く「楸」なんですが、何と「人名用漢字一覧表」に載っていません。即ち、人名には使えないのです!

人名用漢字とは、名前に使用できる漢字のうち常用漢字を含まない字のことです。
「人名用漢字」は「863字」あります。
「人名用漢字(863字)」と「常用漢字(2136字)」の合計2999字が名前に使用することができる漢字です。
※2015年1月7日に「巫」が人名用漢字に追加されました。
※2017年9月24日に「渾」が人名用漢字に追加されました。

引用 人名用漢字一覧表

ですから、「楸」にどんな思いを込めようと無駄なんですよ!

yahoo!知恵袋の回答にも、以下のモノを見つけました。

使用できません。 sonobekouziさんが示された法務省のサイト※で読みに「ひさぎ」と入れて検索をすると、検索結果に「楸」が表示されます。 「楸」をクリックすると、この文字の「文字区分」の欄は空欄で表示されます。 この「文字区分」に「子の名に使える文字」という表示がある文字だけが、使える文字ということなんです。 ですから、「楸」は使えないということになります。

引用 yahoo!知恵袋

法務省のサイト

なぜ、「楸」は、人名用漢字一覧に載らなかったのでしょうか。こちらも、yahoo!知恵袋に出ていました。

一般世間において使用頻度が少なかったので、常用漢字と人名用漢字に採用されなかったからだと思います。

引用 yahoo!知恵袋

事実かどうかはわからないんですが、確かに、この漢字はあまり一般的ではないですね。

木へんに春の「椿」、木へんに夏の「榎」、木へんに冬の「柊」は、「あ、この漢字、知ってる!」と思いましたが、冒頭でも述べたように木へんに秋の「楸」は調べるまで分からなかったですから。

なお、「赤ちゃん命名ガイド」楸のページに行っても、使用できない感じのため、何も候補が出てきません。

そういう訳で、「楸」の名前に使われる際のポイントの章は終了です。

木へんに春夏秋冬

木へんに秋の楸について各々の項目について見てきました。もう、この漢字を何と読むか、ご理解できましたよね。

木へんに季節である春夏秋冬をつけると、全て、既存の植物を表す漢字になります!「椿」(つばき)、「榎」(えのき)、「楸」(ひさぎ)、「柊」(ひいらぎ)ですね。

楸を除いた3つの植物は、どこかで名前を聞いたことのある植物だと思います。

これらの漢字についても、記事をアップしています。楸と同じく、読み、意味、書き順、どんな植物なのか、名付けのポイントまで特集していますので、是非、ご覧ください!

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最後に

木へんに秋といえば楸ですが、この見慣れない漢字について述べてきました。

最初に、楸の読み方と意味について述べてきました。意味については、違う植物を指している記述です。しかも、広辞苑には載っていますが、他の3つの国語辞典には載っていないのです。

漢字の書き順も示し、その由来や成り立ちも調べました。由来は不詳だったのは興味深かったです。しかも、楸は、キササゲ及びアカメガシワか特定されていなかったのには驚きでしたね。

最後の最後に、人名には使われない漢字と聞いてびっくりです。楸について聞かれたら、この記事の内容を思い出して自慢できますよ~。

■追記 他の部首に秋と書く漢字の記事です。

※気づけば木へんの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺