木へんに土で杜!読み方から意味・「もり」と読む由来まで徹底解説
今回の主役は、木へんに土と書く「杜(もり)」です。
「杜」は、木々が生い茂る場所や、神社の境内などの静かで神聖な森を表す漢字として使われます。
本記事では、「木へんに土」の漢字である「杜」について、読み方・意味・成り立ち・使われる言葉・間違えやすい漢字まで、初めて調べる方にも分かりやすく解説します。
それでは、それらについてご報告しますので、是非、ご一緒に見て行ってください。
木へんに土といえば杜!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、杜の意味と読み方を明確にしましょう(参考:上級漢和辞典 漢字源 学研)。
木へんに土の漢字「杜」の読み方
「杜」の読み方は次の通りです。
- 音読み:ト
- 訓読み:と・ざす と・じる
(日本語だけ)もり
一般的には「もり」と読まれることが多く、地名や文学的な表現でも使われます。
木へんに土の漢字「杜」の意味
この漢字の意味は、たくさんあります。
- 木の名。マンシュウマメナシ。ホクシマメナシ。別名、棠(トウ)
- 「杜若(トジャク)」とは、草の名。ヤブミョウガ。
- 「杜衝(トコウ)」とは、草の名。別名、土細辛。
- と・ざす。と・じる。出入り口をしめて中にこもる。また、そのようにする。
- 周代の国名。また、姓のひとつ。
- 杜甫の略。「李杜(李白と杜甫)」
日本語だけの意味は次の通りです。
- もり。神社のもり。
意味のうち、最初の3つは植物を指していますね。
- 「杜」は和名を「ずみ」というそうです。
バラ科ナシ属の落葉高木で、中国北部に自生し、樹皮は灰褐色、果実は褐色です。 - 「杜若(トジャク)」と書くと「ヤブミョウガ」を指します。
ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草で、葉は茎の先端に集まります。 - 「杜衝(トコウ)」と書くと「おおかんあおい」を指していると思われます
ウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草で、葉はハート形で薬用に用います。
④の意味で、次のような言葉があります。
・杜口(トコウ):「くちをふさぐ」、「口をつぐんでいわないこと」
・杜門(トモン):「門を閉じる」ですね。
⑤古代中国の周の時代には、「杜」という国家があったということですね。

一方、中国には「杜」という姓があるんです。
⑥中国では、「杜」というと「杜甫」を指すんですね。
日本人独自の「もり」について
日本語のみの意味に「もり。神社のもり」があります。
これ、Windowsオンラインソフトの定番サイトの「窓の杜」で使われている漢字ですね。
また、「杜の都」、「鎮守の杜」(鎮守の社の境内にある森のこと)なんて言葉があります。
「杜」は、日本では、「神社の境内にある森林」及び「特別な意義を持つ木々が集まった空間」を指します。
そのため、「森(自然の森)」と違って、「そこで守られるもの」「その場所を取り巻く厳かな雰囲気」を含めた宗教的・文化的な要素が強いです。
※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「土」の他にも様々な漢字を用意しています。
※「木へんの難読漢字・難しいランキング30」に「杜」はランキングされました。
次は、書き順を示しておきます。

木と土の書き順そのままです!土の書き方を間違えなければ問題はないと思います。
もっと詳しく知ろう!杜の漢字としての由来や成り立ち
杜=「土(ト 中身がつまって盛り上がる)」+「木(き)」で構成されています。
土と吐(はく)は同源なんです。ここから、杜は渋くて吐き出したくなる果実のなる木を暗示させます。
古代漢語ではマメナシを杜といったそうです。
意味の①にある植物ですね。

「中身が詰まる」というイメージから、塞がって中にこもる(とざす)の意味④を派生しました。
「ずみ」=「酸実」と書くようです。
酸味が強く、渋味もあるんですが、霜が降りるころになれば多少の甘味が出るので、生食のほかジャムや果実酒に用いることができるそうです。
なお、なんで、「杜」が「もり」と読まれるのか不思議ではありませんか。
実は、森が「社」と形が似ているところから、神社のまわりに広がる「樹木がたくさん生えている場所」、いわゆる「鎮守の『もり』」を指して使われるようになったそうです(『漢字の使い分けときあかし辞典』)。
杜のつく言葉
それでは、杜のつく言葉を一覧にしてみます。
| 杜のつく言葉 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 杜撰 | ズサン・ズザン | ①《故事》著述に誤りが多いこと。 ②いいかげんで誤りが多いこと。 |
| 杜鵑 | トケン・ホトトギス | (ホトトキ゛ス)ほととぎすの別名。 |
| 杜氏 | トジ・トウジ | 《日本語での特別な意味》酒をつくる職人。 |
| 杜若 | トジャク カキツバタ | ㊀(トシ゛ャク)つゆくさ科の多年草。やぶみょうが。 ㊁(カキツハ゛タ)《日本語での特別な意味》あやめ科の多年草。▽「燕子花」とも書く。 |
| 杜絶 | トゼツ | ⇒「途絶」ふさがり絶える。続いていた物事がとだえること。 |
いくつか、気になる所を見ていきましょう。
トップの「杜撰」は、「野客叢書(やかくそうしょ)」という宋の百科事典に載っている次の故事から来ています。
宋(ソウ)の杜黙(トモク)の作った詩は、韻律に合わないものが多く、規格に合っていない物事を指して、「杜撰」と評するようになった。
「杜撰」は、「杜黙」の「杜」に「撰(詩文を作る)」を足した語なんです。
上記の故事にあるように、「杜撰」は「杜黙」が作った詩を表しているんですね。
なお、「杜」を「ズ」と読むのは呉音で、「撰」を「サン」と読むのは漢音で、古くは「ずざん」とも言ったそうです。
この「杜撰」、ネット上で何と読むのか探している人を見かけます。
木土 と書いて、手偏に「選」の右側を書くやつ、何て読むんですか?
引用 yahoo!知恵袋
「杜鵑」は「ホトトギス」ですね。
この謂れは、蜀(ショク)王の「杜宇(トウ)」が位を譲った後にホトトギスに化したといわれることかららしいです。
※このホトトギスですが、たくさんの漢字表記を持ってます。次の記事をご覧ください。
「杜氏」は日本での言い方。語源は、諸説があって定まっていないようです。
漢字源では、戸主(とぬし)の音便か。杜氏は当て字と言っています。
酒を初めて作った杜康にまつわる説や「刀自」にちなむ説もあるそうです。
「杜若」をカキツバタと読むのは、「掻き付け花」の意で「つけて染める」即ち、花の汁を染料としたという説があるそうです。
そして、最後の「杜絶」ですが意味にある「途絶」かと思いました。
でも、「途」は「杜」でも代用できるんですよ。
これ、広辞苑にも載ってます。
「杜撰」「杜氏」など!「杜」を含む主要な熟語と意味
最後に、杜に似た漢字を見ておきましょう。
| 木へんに〇 | 漢字 | 読み | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| 木へんに工 | 杠 | コウ ゆずりは | ①川に一本の木を渡してつくった橋 ②旗ざお |
| 木へんに王 | 枉 | オウ まげる | ①まげる(まぐ)。まがる ②道理をおしまげる |
| 木へんに干す | 杆 | カン たて | ①たて。身を守る武器の一つ ②さお。棒 |
| 木へんに土2つ | 桂 | ケイ | ①数種の香木の総称。もくせい ②中国の伝説で、月の中にあるという木。転じて、月の別名。 |
杠は、日本語のみ「ゆずりは」と読みます。
「ゆずりは」には、木へんに葉の「𣜿」や「楪」という漢字もありましたね。
これらの記事はこちらです。
枉は、「木をへこませて曲げるさま」を表しています。これは、「木へんに王」で記事をアップ済です。
杆には「棹」という異体字があり、次の記事があります。
「たて(盾)」という意味も持っているんですね。
桂は、木へんに土を二つ書く漢字です。

自分で言うのもなんですが、桂が杜と似てるかと言われると?ですかねェ。
この漢字、日本語のみ「かつら」「けい」と読み、前者は、樹木の「カツラ」、後者は、将棋の駒である桂馬を指します。
「杜(ズミ)」とはどんな植物?花言葉と形態・生態
杜は3つの植物(「杜:ズミ」、「杜若(トジャク):ヤブミョウガ」、「杜衝(トコウ):オオカンアオイ」)を指していました。
それぞれの花言葉と形態・生態を見ていきましょう。オオカンアオイは見つからないので、カンアオイで代用しています。
花言葉
ズミ


こちらの花言葉は一つです。
- 「追憶」:蕾のころは赤くても、咲くと白色になる花姿から名付けられた
きれいな花言葉ですよね。
ヤブミョウガ


花言葉を2つ持っていますが、どちらも、ちょっと悲しい感じのする花言葉ですね。
- 「謙譲の美徳」:薄暗い林下でひっそりと咲きながらもよく目立つ白い花のやさしい姿から
- 「報われない努力」:ミョウガに似た葉をつけても、花が独特の香りと紅色の花芽を薬味に利用されるミョウガに似ていないことから
報われないのはイヤだなア。
カンアオイ


こちらの花言葉も一つです。
- 「秘められた恋」:カンアオイの花が葉の下に隠れている様子から
素敵な花言葉ですね。
形態・生態
ズミ
落葉広葉樹の小高木から高木で、高さ10メートル (m) ほどになる。枝はよく分枝し、横広がりの樹形になる。短枝や小枝はトゲ状になることが多い。樹皮は灰褐色で、しだいに縦に細く裂けてはがれる。
引用 wiki ズミ
花期は晩春から初夏にかけて(5 – 6月)。花は直径20 – 35 (mm) で、白色または、淡紅色の花を3 – 7個散形状に咲かせる。花弁は5枚で、雄蕊は20個つく。果期は9 – 11月。直径6 – 10 mmの小さな球形の果実をつけ、秋に赤く熟す。落葉後、冬でも果実が残っていることが多い。実は食べることができる。
実については「由来・成り立ち」に書いたとおり、食用になります。
ヤブミョウガ
5月頃から発芽し、夏にかけて草丈 50cm〜 1m 前後に生長、ミョウガに似た長楕円形の葉を互生させ、葉の根元は茎を巻く葉鞘を形成する。葉は茎の先端部分だけに集中する。なお本種の葉は表面がざらつくところ、葉が2列に出ないことなどでミョウガと区別できる。
引用 wiki ヤブミョウガ
8月頃になると茎の先端から花序をまっすぐ上に伸ばし、白い花を咲かせる。花には両性花と雄花があり、前者は白い雌蘂が目立ち、後者は黄色い葯の付いた雄蘂が目立つところで判別できる。
花が終わると初秋にかけて直径 5mm 程度の球状の実を付け、じきに葉を落とす。実は若いうちは緑色で、熟すと濃い青紫色になる。この種子のほか、地下茎を伸ばしても殖え、群生する。
種だけではなく、地下茎を伸ばしてていくなんて、強い植物なんですな!
カンアオイ
小型の多年草。茎は短く、地面を匍匐する。葉は互生、卵形~卵状楕円形で、先端は鋭頭、基部は深い心形、長さ6-10cm、幅4-7cm、濃緑色で白い斑紋があり、まばらに毛が生える。
引用 wiki カンアオイ
花期は秋季(10月 – 11月)で地面に接して咲く。花のように見えるのは花弁ではなく3枚の萼片である。萼片は基部で癒着し萼筒を形成する。萼筒は先がくびれず、直径2cm、長さ1cm程度で、暗紫色、内側に格子状の隆起線がある。萼筒の先端の萼裂片は三角形で萼筒よりも短く、濁った黄色。雄蕊は12本、雌蕊は6本。芳香がある。
余り、目立つ植物ではないようです。
次の章では、「杜」が使われた言葉を見ていきます。
パソコン/スマホ/テプラで「杜」を簡単に出す方法
杜を、パソコン、スマホ、テプラの各機器で出すのは簡単です。
全ての機器で文字変換で出せます。
パソコン(Windows11 IME)では、「もり」と入力し、変換キーを押せば「杜」が表示されます。
1回で出なくとも、2~3回押せば、確実に出せます。
スマホでは、「もり」と入力すると、変換候補を出すまでもなく、「杜」が表示されるのでタップしてください。
テプラでも、「もり」と入力し、変換ボタンを数回押せば、「杜」が表示されます。
60爺保有の下位機種SR300では、6つ目に出てきました。
※木へんに土の杜で、名字・名前に関する記事を書いています。
⇒ 杜という名字はある?読み方から由来・分布まで徹底解説
⇒ 「杜」は名前に良くない?その理由と誤解を徹底解説
最後に
木へんに土で杜ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、杜の読み方と意味について述べてきました。
「もり」と読ませるのは日本固有だと知って少々驚きました。
この漢字は「もり」と知っている人が多いと述べましたが、こう読むのは日本だけとは・・・。
他にも、3つの植物を指すなんて、全然思いませんでしたよ~。
それらの植物名も初めて聞くモノばかりで面食らいました。
花言葉なんてあるのかいなと半信半疑でしたが、生体・形態を含め、無事に見つかって一安心でした。
漢字には、思いもよらない発見があるので、次の漢字も面白がって調べが出来ればと思います。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
漢字の使い分けときあかし辞典
新明解語源辞典
※気づけば木へんの記事も増えてきました
















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