ひいおばあちゃんの丁寧な言い方は何?漢字表記・英語まで幅広く解説
現在では、寿命が大分延びていますので、生まれた際に「ひいおばあちゃん」が存命だった方もいらっしゃると思います。
テレビのCMで、4代の女性が出てきて、順に「母です」、「母です」、「ママです」とやっているのを見たことがありますか?
一番小さい子から見て、順に「おかあさん」「おばあちゃん」「ひいおばあちゃん」となりますね。「ひいおばあちゃん」は、一番小さい子から見て3代上に当たります。
この「ひいおばあちゃん」の丁寧な言い方をご存知でしょうか。上の例でいえば、「おかあさん」⇒「母」、「おばあちゃん」⇒「祖母」ときて、「ひいおばあちゃん」⇒??です。
「ひいおばあちゃん」の丁寧な言い方も含め、その漢字表記や英語での言い方についても、突っ込んで調べてみました。
ご存知の方もそうでない方も、ご一緒に覗いて見ていってください。新しい発見がきっとありますよ。
ひいおばあちゃんの丁寧な言い方
知っていらっしゃる方も多いと思いますが、ひいおばあちゃんの丁寧な言い方は次の通りです。
ひいおばあちゃんの丁寧な言い方
曽祖母(曾祖母)
「そうそぼ」と読みます。
意味は、「祖父母の母。ひいばば。ひいおばあさん。」です。
ちなみに、ひいおじいちゃんは「曽祖父」、「そうそふ」「祖父母の父。ひいじじ。ひいおじいさん。」ですね。
曽祖母と曾祖母、2つの言い方が出て来ました。これらの違いは何なのでしょうか?
■答え!
「曽」 は常用漢字新字体で、「曾」 はその旧字体です。異体字と呼ばれるモノです。
ですから、人名・地名などの固有名詞に使われる場合を除き、現在では「曽」が正式な字体なんです。
公文書等では「曽」を使用しましょう!
漢字表記について
曽祖母の「曽」を「上級漢和辞典 漢字源」(学研)で見てみましょう。
曽の読み方と意味
曽(旧字:曾)
画数 :11画
音訓:ソ ソウ かつ・て すなわ・ち ま・す(日本語だけ)ソウ ゾ ひ ひい
意味
一①層をなして重なる。上に重ねる。 ②層をなして世代が重なるさま。③姓のひとつ。
二①かつ・て 過去の経験の意を示す。②すなわ・ち ⅰ)「なんと~」「いったいぜんたい」感嘆の意を示す。 ⅱ)「まさか~ではあるまい」反語の意を示す。③ま・す 上に重ねて増やす。⇒増に当てた用法。
日本語だけの意味
①かつ・テ~(せ)ず「決して~でない」否定の強調の意を示す。②いま・ダかつ・テ~(せ)ず
「これまで~したことがない」否定の強調の意を示す。
意味の一②が、まさに、曾祖母を使用する時の意を指しています。また、下の代を呼ぶ「曽孫(そうそん)」(ひまご・ひいまご)なんてのがあります。
その他にも「曽祖(そうそ)」(父の祖父。曽祖父。ひいじじ)なんて言葉があります。曽祖父の別の呼び方ですね。いやー、知らなかった~。
辞書を引いてみると、広辞苑や明鏡国語辞典、三省堂国語辞典では「曾祖母」と出ています。調べてみると、「曾」は「曽」の旧字体です。
即ち、「曽」 は常用漢字新字体で、「曾」 はその旧の字体に当たるものなのです。ですから、人名・地名などの固有名詞に使われる場合を除き、「曽」が現在の正式な字体となります。
曽の漢字としての由来や成り立ち
「曽」の字源を探ってみましょう。
曽の旧字体である「曾」は、こんろの上に蒸篭(セイロウ)を載せ、その上に湯気が出ている姿を描いた象形文字です。
だんだんと層をなす形状から「上に重なる」というイメージをを示す記号となる。これは空間的イメージだが、時間的イメージにも転用される。重なった世代の意味、また、前にその経験が重なっていることを示す福祉的用法(かつて…したことがある意)を派生。
引用 上級漢和辞典 漢字源(学研)
「上に重なる」という空間的イメージから、時間的イメージに転用されることで、重なった世代の意味を持ち、「曾祖母」「曽祖父」「曽孫」に使われるようになったということですね。
この後は、英語で「ひいおばあちゃん」を何というのか見てみましょう。
「ひいおばあちゃん」の呼び方
「ひいおばあちゃん」の丁寧な言い方を見てきましたが、「ひいおばあちゃん」がいらっしゃる方は、どんな呼び方をしているんでしょうか。ちょっと調べてみました。
呼び方 | 詳細 |
---|---|
おおきいおばあちゃん系 | おおきいおばあちゃん、大きいおばあちゃん、おっきいおばあちゃん等 |
方言系 | おっぴさま、ぴぃちゃん等 |
名前系 | ヒロちゃん、あかねちゃん、桃子ちゃん等 |
その他 | おばあちゃん、おばんちゃん、おーばあば、かかっ等 |
それぞれの系統のうち、いくつかを紹介します。
おおきいおばあちゃん系
「おおきいおばあちゃん」と読んでいる方々です。
方言系
方言もあります。
名前系
名前で呼んでいる人もいました。
その他系
どこのジャンルにも入らない呼び方です。
今、ご紹介した内容の他にも、たくさんの呼び名がありますので、是非、こちらの記事も目を通してください。
英語でのひいおばあちゃん
英語で、曾祖母、ひいおばあちゃんは何と呼ぶのでしょうか?おばあちゃんの英語表記は“grandma”で祖母が"grandmother"となる訳ですが、曾祖母、ひいおばあちゃんは何になるのでしょうか?
英語で、曾祖母、ひいおばあちゃんは何と呼ぶ
- ひいおばあちゃん great-grandma
- 曽祖母 great-grandmother
ひいおばあちゃんは、おばあちゃん(“grandma”)、祖母("grandmother")に"great"が付くんですね。「偉大なおばあちゃん」「偉大な祖母」という訳ですな!
この、“Grandma”ですが、dは発音せずグランマと言います。
なお、おばあちゃんについては、“Grandma”の省略で“Gran”(グラン)や“Granny”(グラニー)と呼ぶことも一般的だそうです。
あと、イギリスだと、おばあちゃんに対して、“Nana”(ナナ)、“Nan”(ナン)という表現を良く使うそうですよ。父方と母方のふたりのおばあちゃんを“Nana”、もしくは“Nan”と“Grandma”で呼び分けている人が多いんだって!
ちなみに、「祖父」「おじいちゃん」は“Grandfather”で、“Grandad”が一般的に一番よく使われます。おばあちゃんのように、多彩な呼び方はないんだって^^;(男は悲しいのう!)
「ひいひいおばあちゃん」について
ひいおばあちゃんは、丁寧な言い方をすると「曽祖母」となることが分かりました。
この章では、「ひいおばあちゃん」のお母さん、即ち、「ひいひいおばあちゃん」の丁寧な言い方も教えちゃいます。
ひいひいおばあちゃんの丁寧な言い方
高祖母
「こうそぼ」と読みます。
意味は、「祖父母の祖母」です。
ちなみに、ひいひいおじいちゃんは「高祖父」、「こうそふ」「祖父母の祖父」ですね。
ですから、自分から見ていくと、母(お母さん)⇒祖母(おばあちゃん)⇒曽祖母(ひいおばあちゃん)⇒高祖母(ひいひいおばあちゃん)となるんですね。
最後に
「ひいおばあちゃん」の丁寧な言い方を見てきました。
余り、耳にしない漢字表記が出てきましたね。ついでなので、「ひいおじいちゃん」の漢字表記も書いておきました(母を父に変えただけダヨン)。
ここで使われている漢字表記は、「ひいおばあちゃん」だけでなく、「ひ孫」にまで使うものだったんですね。
その旧字体が持つイメージが、時間的イメージに転用されることで、重なった世代の意味を持ち、「曾祖母」「曾祖父」「曾孫」につながっていったのは非常に興味深かったです。
※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました
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