木へんに神と書いて榊!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
今回取り上げる漢字は、木へんに神と書く「榊」です!
この漢字は割と有名だと思います。神棚のあるおうちでは、ポピュラーなものですよね。
我が家でも、1日と15日は、近所の花屋さんで、これを1対求めて、神棚に供えています。
神さまの木ですから、粗略に扱ってはいけませんよ。
我が家の庭にも生えており、以前は、それをいただいて神さまに供えていたんですが、虫食いがひどくなり現在は上記のように花屋さんで購入しています。
さて、このような木へんに神の「榊」、この漢字について、その読み方や細かい意味及びその書き順、特徴、さらには名前を付ける場合のポイントまで幅広く総特集しちゃいます。
さあ、ご一緒にご覧になってください。
木へんに神といえば榊!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、榊の意味と読み方を明確にしましょう。
樺の読み方と意味
榊
画数 :14画
音訓:- さかき
日本語だけの意味
木の名。ツバキ科サカキ属の常緑小高木。五、六月頃、葉のつけねに白色の花が咲く。昔から神木として、枝葉を神前に供える。材は細工物・建築などに用いる。サカキ。
参考:上級漢和辞典 漢字源
上記の通り、「榊」の音読みはないんです。訓読みは「さかき」一択です。
意味もひとつしかありません。しかも、日本語だけの意味がたった一つです!前々回記事の「木へんの華」に続き、意味が一つしかない漢字がまたもや登場しました。
次は、「榊」の書き順をみてみましょう。
木と神の書き順そのままです。但し、神の部分は、「示」と「申」ですね。
このふたつとも、普通に書けばいいんで間違えることはないと思いますよ。上記にある書き順をしっかりと確認してください。
木へんに華の記事はこちらです。榊と同じく、意味が一つしかありません。
もっと詳しく知ろう!榊の漢字としての由来や成り立ち
それでは、榊の漢字としての由来と成り立ちをみていきましょう。
榊の由来
上代※は、神事に用いる常緑樹の総称として用いられていましたが、次第に、よく使われる特定の木を指すように変わってきました。
上代(じょうだい)とは、日本史上の時代区分のひとつ。一般的には古代のうち平安時代前で日本の文献が残されている時代、すなわち飛鳥時代後期(白鳳時代)から奈良時代を指すが、単に奈良時代以前を指す場合もある。
引用 wiki 上代
語源ですが、神事に供える枝や葉が常に茂っているので「栄(さか)ゆる木」の意とする説が多いです。
他にも、「榊」は「境(さか)」と第一拍のアクセントが等しいことから、「神聖な地の境に植える木の意」と考える説もあるようです。
参考:新明解語源辞典
榊の漢字の成り立ち
榊は、「木」+「神」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「神」:神事に使用する意です。
神事の供え物をする木を寓意したものであり、日本語の「さかき」を表記するために創作された国字※です。
※国字
引用 wiki 国字
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。
国字は、以前、木へんに花の記事でも出てきましたね~。
榊ってどんな植物?
ここでは、榊について、どんな植物なのか述べていきます。その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
まずは花言葉ですね。
- 神を尊ぶ:古くから神事に用いられて、神棚や神殿などの祭壇に祭られる木であることから。
- 控えめな美点:葉の根本というあまり目立たない場所に咲くその白い花の様子から。
- 揺るがない:大いなる神様の「おかげ(ご利益)」から。
神さまに捧げる樹木ですので、花言葉もそれに応じた素晴らしいモノばかりですね。
形態・生態
榊の形態、生態は次の通りです。
サカキは、日本の神道において、神棚や祭壇に供えるなど神事にも用いられる植物。別名、ホンサカキ、ノコギリバサカキ、マサカキともよばれる。
引用 wiki サカキ
日本列島では本州の茨城県・石川県以西、四国、九州、沖縄に分布する。
低木を見ることが多いが、小高木で高さ12 m、胸高直径は30 cmになるものがある。
葉は二列生で互生し、葉身は長さ6 – 10 (cm) の長楕円形で、厚みのある革質でつやがある、のっぺりとした表面で、葉縁の鋸歯は全くない。
花期は6 – 7月ごろで、側枝の基部の側の葉腋から黄白色の小さな花を咲かせる。果期は10月ごろで、果実は直径7 – 8 (mm) の液果で、11月頃には黒く熟す。
材は緻密でかたいことから、器具材、箸、櫛に使われます。赤紫色に熟した果実は、赤紫色の染料に使われます。
なお、サカキは関東以南の比較的温暖な地域で生育するため、関東以北では類似種の「ヒサカキ」をサカキとして代用しています。
「榊」という漢字は「木へんに神」と違いがある
さて「榊」という漢字で色々とみて参りましたが、実は、「木へんに神」とは少し違うんですよ。
榊という漢字
榊を少し、大きくしてみました。
榊
榊の木へんの脇にある表記は、「示]+「申」なんです!
そして、「神」という漢字は「神」の旧字なんです。
実は、「示]は、神意をしめす祭壇の形なんです。
これを部首とした漢字には、神・祭礼などに関する文字がほとんどです。
これらについて、詳しく解説した記事がこちらです。どうかご覧になってください。
榊の漢字表記は木へんに神!でもよく見ると違いがあるって知ってた?
木へんに神のパソコン・スマホでの出し方
それでは、この「木へんに神」である「榊󠄀」をパソコン・スマホでは出せないのでしょうか。確認してみました。
「木へんに神」を変換してスマホで出せる?
60爺のスマホは、オウガ・ジャパンのOPPO A73です。
このスマホで、「さかき」を入力したところ、変換候補に「榊」の他に「榊󠄀」が表示されました。
ですので、「榊󠄀」をタップすることで、簡単に「木へんに神」の「榊󠄀」を出すことが出来ました。
榊という漢字の「木へんに神」をパソコンで出せる?
ちなみに、60爺のパソコンでは「榊」(赤矢印)の他に「榊󠄀」(赤枠)を出すことが出来ます。上記のように環境依存文字ですが…。
これは、「Microsoft IME」の設定で「変換候補の一覧に含める文字セット」に「すべて」を選択しているからです。
手順は次の通りです。
- 「Microsoft IME」を右クリック
- 「Microsoft IME」を右クリックします。
- 「設定」をクリック
- メニューが表示されるので、下から2番目の「設定」を選択
- 「全般」をクリック
- 「時刻と言語 > 言語と地域 > Microsoft IME」という画面が表示されるので「全般」をクリックします。
- 「すべて」をクリック
- 「文字の種類と文字セット」画面が表示されます。
この中に「変換候補の一覧に含める文字セットを選択する」の欄があるので「すべて」をクリックします。
次は、榊を名前に使う場合のポイントを見ていきましょう。
名前に使われる際のポイントは
「榊」という漢字は、2004年9月に認められた人名ですが、サイトを検索しても余り名前の例を見つけることが出来ません。
訓読みの一字を使って「さ」と読ませることで名づけの幅は広がるとは思うのですが、やはり、榊自体が神さまへ供える木ということで、皆さん、敬遠されているようですね。
yahoo!知恵袋を見てたら、コミック「あずまんが大王」とかのキャラクターに「榊」がいるんですね(でも、苗字だろ!?)。
ここで挙がっていた名前を含め以下のような候補がある(皆、「さかき」と読ませます。)ようですが、余り、お勧めできません。
- 榊
- 榊樹
- 榊喜
- 榊貴
ということで、いつも出している男の子、女の子の名前ベスト3は割愛となりますね。
名前は付けにくいようですが、苗字となるとパッと思いつくものがありますので、「榊」の付く苗字について少々述べておきます。
「榊」が付く苗字の話
「榊」の付く苗字としてパッと思いつくのは、科捜研の女の主人公である、「榊」そのものを苗字に持つ「榊マリコ」ですな。他にも、旦那が亡くなってしまいましたが、「榊原郁恵」(古っ!)。
「かっこいい!一文字名字ランキング」というのがあるんですが、「榊」姓は、第三位に選ばれています。
この苗字、神事で使用されることから高貴なイメージがあるんですね。そして、画数が多いため、一文字でも威厳があると感じるみたいですよ!
この苗字を持つ人は、全国に15,200人程いるようですね。トップは東京都で1,920人ということです。
【名字】榊
【読み】さかき,かしわ
【全国順位】 1,150位
【全国人数】 およそ15,200人
参考:名字由来net
この「榊」姓の由来について、以下のような記事がありました。一部抜粋します。
青森県、新潟県では平安時代の武将である源義経の求めに応じて榊を差し出して賜ったと伝える。青森県上北郡東北町大浦で源義経の家臣だったとの伝あり。青森県南津軽郡藤崎町榊は経由地。
引用 榊(さかき)さんの由来と分布
「榊」姓の他に「榊」の付く苗字をザっと並べておきます。
- 大榊(おおさかき)
- 榊原(さかきばら)
- 榊巻(さかまき)
- 榊枝(さかきえだ)
- 三榊(みさかき)
- 榊野(さかきの)
次の章は、榊が国字だと述べた際、木へんに花で椛の記事でも出てきたと述べました!その後、木へんに〇の国字がいくつか出てきており、記事にしていますので、簡単に述べておきます。
ところで木へんに花の椛は?
木へんに花の椛
木へんに花で椛は、日本語の「もみじ」を表記した国字なんです。
「もみじ」の由来は次の通りです。
もともと、モミツという四段動詞があり、紅葉(黄葉)するの意であった。その連用形で名詞化したものがモミチであり、第三音節は清音であったが、平安時代に入ってモミヂと濁音化した。
引用 暮らしのことば新語源辞典
「椛」については、漢字の音読みはなく、訓読みは「もみじ」がメインだったんです。詳細は、次の記事を参照ください。
木へんに門で椚
木へんに門で椚(くぬぎ)なんですが、以下のように日本で作られた国字なんですよ。
クヌギは、古くは「くのき」ともいい、上述の「門」の意のように「区の木」に当てた日本製の漢字即ち国字です。
意味もひとつで、しかも、日本語だけの意味がたった一つなんですよ!
こういった漢字は、以前アップした「木へんに華」「木へんに神」に続き3つ目ですね。
60爺が子供の頃、この木は昆虫採集で大変人気のあったモノです。その辺りを知りたい方は、次の記事をご覧になってください。
今は、椚の木なんて首都圏にはないんでしょうね。
最後に
木へんに神の榊ついて述べてきました。
最近は、神棚を置いていないおうちが一般的だと聞いていますが、それでも、榊を知っている方はまだまだいらっしゃると思います。
この漢字の木へんに神と書き、その由来や成り立ちも調べましたが、数少ない国字でした。
花言葉もありましたが、名づけでは敬遠されていたこともわかりましたね。
今回の漢字は、私もよく知っているものでしたが、国字であることや、榊にもちゃんと花言葉があるなど勉強になりましたね。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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