名人戦の日程を見どころも含めて大特集!2024年の観戦計画を立てよう
2023年10月11日に藤井聡太竜王・名人が八冠制覇を成し遂げたあと、竜王戦を4連勝で防衛し、さらに、年明けからの王将戦、棋王戦を防衛して八冠のまま、名人戦に突入です。
タイトル戦21連勝という新記録を継続したまま、本棋戦に、さらなる新記録をかけて臨むことになります。
藤井竜王・名人にとって、名人戦の初防衛戦となります。
名人戦の挑戦者は豊島将之九段が後半もたついたモノの7勝2敗で勝ち名乗りを受けました。
この記事では、第82期名人戦に向け、日程や2024年度最初のタイトル戦の見どころ等を総特集します!
是非、ご覧になってください。
第82期名人戦七番勝負
第82期名人戦の見どころと七番勝負の成績を見ていきます。
見どころ
今回の名人戦の見どころは、かつての壁だった豊島九段が、藤井名人をどこまで苦しめられるかでしょう。
名人戦が始まる前の藤井名人と豊島将之九段の対戦成績は22勝11敗で藤井名人がリードしています。
ご存知の方も多いと思いますが、当初は、藤井名人が豊島九段を苦手にしていた時期がありました。
初対戦から豊島九段が6連勝していました。
10戦した時点で、藤井名人から見て3勝7敗だったんです。しかし、20戦の時点では11勝9敗と逆転しています。11~20戦は藤井名人が8勝2敗と圧倒した訳です。
現時点では、先程の戦績で、現在、藤井名人が9連勝しています。
いくつものタイトルを奪われた豊島九段ですがリベンジ成るでしょうか?
七番勝負の成績
対局者/局数 | 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | 第6局 | 第7局 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
藤井聡太名人 | 〇 | 〇 | 〇 | ● | 〇 | ||
豊島将之九段 | ● | ● | ● | 〇 | ● |
第82期名人戦七番勝負は、4勝1敗で藤井聡太名人が初防衛しました。
藤井竜王・名人は、タイトル戦22連覇を達成しました。
第1局は、4月10日、11日東京都文京区「ホテル椿山荘東京」で行われ、藤井聡太名人が豊島将之九段に先手141手で勝ち、初防衛に向けて好スタートを切りました。
第1局は、11日の午後9時22分までかかり、終盤まで互角の形勢が続く大熱戦でした。しかし、最終盤、豊島九段に痛恨のミスが出てしまいました。
相変わらず、藤井名人の指し手は正確です。
第2局は、4月23、24日(火・水)に千葉県成田市「成田山 新勝寺」で行われ、藤井名人が126手で豊島九段に勝ち2連勝です。
第3局は、5月9日(木)に東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」で行われ、藤井名人が95手で豊島九段に勝ち3連勝で名人戦連破に王手をかけました。
このまま終わってしまうのでしょうか?
第5局は、5月26日(日)・27日(月)北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」で行われ、99手で藤井名人が勝ち、シリーズ4勝1敗で名人初防衛です。
第82期名人戦七番勝負日程と会場
2024年02月14日第82期名人戦の開催地が決定されました。
朝日新聞社、毎日新聞社、日本将棋連盟で組織する名人戦実行委員会は、将棋を通した地域活性化及び話題性などを考慮した結果、次の会場を選定しました。
【第1局】4月10日(水)・11日(木)東京都文京区「ホテル椿山荘東京」
【第2局】4月23日(火)・24日(水)千葉県成田市「成田山 新勝寺」
【第3局】5月8日(水)・9日(木)東京都大田区「羽田空港第1ターミナル」
【第4局】5月18日(土)・19日(日)大分県別府市「割烹旅館もみや」
【第5局】5月26日(日)・27日(月)北海道紋別市「ホテルオホーツクパレス」
【第6局】6月11日(火)・12日(水)愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」
【第7局】6月25日(火)・26日(水)山形県天童市「天童ホテル」
名人戦は、過去3年間(79~81期)は連続で4勝1敗で決着し、77期はストレート(4-0)決着で第6局以降に行くことがありませんでした(78期は4-2)。
今年はフルセットまでもつれる熱戦を期待します。
第1局会場「ホテル椿山荘東京」
第1局の会場は、やはりというか、名人戦恒例になった「ホテル椿山荘東京」です。
過去10年の第1局の会場を見てみたんですが、何と、第79期以外は、この「ホテル椿山荘東京」で行われているんです。
1878年、美しい自然に覆われたこの場所は「椿山荘」と命名されました。
引用 ホテル椿山荘東京
明治の元勲 山縣有朋公が庭園と邸宅を構え、高い空と椿をはじめとする木々の間を抜ける風光が時々刻々と変化する様子に感慨を覚えながら、多くの方々をもてなしていました。訪れる人々を魅了するもてなしの庭園の始まりです。
140年・・・ 時は移り、今なお、「ホテル椿山荘東京」として、さながら森のようなこの庭園を大切に受け継ぎ、四季や自然の恵みに寄り添う日本ならではのおもてなしの精神と、グローバルホテルならではの世界基準のサービスによって、世界中のゲストの皆様を、誠心誠意お迎えいたしております。
自然豊かな歴史ある庭園と、もてなしの心が息づく唯一無二の空間で、やさしく贅沢なひとときを、訪れる皆々様に存分にお楽しみいただきたいと願っております。
名人戦第1局の開催場所として恒例となった会場ですが、今シーズンは、どんな戦いが見られるでしょうか?
第2局会場「成田山 新勝寺」
第1局の会場は「成田山 新勝寺」です。
■成田山 開山縁起
寛朝が朱雀天皇の勅命を受け、不動明王とともに平将門の乱で混乱している関東へ行き、成田の地にて護摩の祈祷を行い、結願の日に将門の乱が終息しました。
不動明王のご霊告を受け、朱雀天皇にお伝えすると「新勝寺」の寺号を賜り、成田山新勝寺が開山されたのです。
この会場は、第72期名人戦第4局以来です。この時は、羽生善治三冠(当時)が森内俊之名人をストレートで破った決着局でした。
第3局会場「羽田空港第1ターミナル」
空港で将棋をやる時代になったんですな。
調べてみたら、昨年の名人就位式が羽田空港第1ターミナルのギャラクシーホールで行われています。
普通、次の反応ですよね。
第4局会場「割烹旅館もみや」
別府市は市制施行100周年の記念事業に、名人戦の誘致に取り組んでいたことが実現しました。
名人戦が大分県内で実施されるのは、2013年第71期名人戦「的山荘」(日出町)で開催されて以来11年ぶりです。
別府温泉の中でも古くからの別荘地として知られる閑静な地の一角に、もみやは佇んでおります。数奇屋風の建物に、一部屋一部屋趣が異なり、調度品にもこだわりを持っております。古伊万里など、大女将の骨董コレクションもあり、館内全体が美術館のような風情があります。
引用 割烹旅館もみや
第5局会場について
紋別市では、市制施行70周年を記念し、将棋の「第82期名人戦七番勝負」を誘致しました。
場所は、ホテルオホーツクパレスです。
関連イベントとして、「前夜祭」「指導対局」「大盤解説会」が行われます。
また、「勝負めし」のお披露目会が15日行われたんですが、第4局を豊島九段が制したことで、紋別市では関係者がホッとしていることでしょう。
第6局会場について
詳細は、第6局が開催される場合、掲載します。
第7局会場について
第7局の会場は、山型県天童市「天童ホテル」です。
ここも、第76期名人戦第6局、第77期名人戦第7局、第78期名人戦第2局、第79期~第81期名人戦第7局の会場となっています。
その内、第76期名人戦第6局が、ここ天童ホテルで行われ、佐藤天彦名人(当時)が羽生善治竜王に勝って4勝2敗で防衛しています。また、第78期名人戦第2局も行われ、豊島将之名人(当時)が渡辺明三冠(当時)に勝利し、1勝1敗のタイに追いついています。
美味求真の宿 天童ホテルは、山形県天童市にある、天童温泉をお楽しみいただけるホテルです。自然感じる滝見露天風呂や、山形の味覚会席をご満喫ください。
引用 天童ホテル
名人戦について
名人戦は次のような棋戦です。
毎日新聞社と朝日新聞社共催の将棋の棋戦で八大タイトル戦のひとつです。将棋タイトル序列は竜王戦と並んで1位です。
引用 将棋名人戦・順位戦の仕組みと特徴及び賞金額について
タイトル戦の中で一番長い歴史を有し、短期実力制によって名人を選ぶべく、1935年に第1期が開始されました(江戸時代は終身位名人制でした)。
将棋界の棋士は、順位戦というA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組の5クラスに振り分けられており、毎年6月~翌年3月にかけて既定の対局を行います。
年度の戦績により、それぞれのクラスの既定の人数が、昇級及び降級します。そして、A級で最高の戦績を挙げた棋士が名人戦への出場権を得ます。
そして、タイトルホルダーの名人と七番勝負を行い、次期名人が決まるのです。詳細は次の記事をご覧ください。
昨年、藤井聡太竜王が渡辺明名人を一蹴したのは記憶に新しいです。
- 第78期(2020年)豊島将之名人★☆☆★★★渡辺明三冠 奪取
- 第79期(2021年)渡辺 明名人★☆☆☆☆斎藤慎太郎八段 防衛
- 第80期(2022年)渡辺 明名人☆☆★☆☆斎藤慎太郎八段 防衛
- 第81期(2023年)渡辺 明名人★★☆★★藤井聡太竜王(六冠)奪取
- 第82期(2024年)藤井聡太竜王・名人(八冠)☆☆☆★☆豊島将之九段
名人戦だけに絞ると、藤井聡太名人の戦績は8勝2敗(.800)です。
名人戦視聴方法
昨年は、abemaTVにて無料で対局を見ることが出来ました。
今期も同様に、abemaTVにて無料で対局を見ることが出来そうです。
棋譜チェックの方法
昨年は、毎日新聞を取っているか、会員になっていないと見ることはできませんでした。
名人戦七番勝負・順位戦の「棋譜中継」はプレミアム、スタンダード、宅配購読者無料、宅配購読者プレミアムの会員限定サービスです。
藤井聡太名人と挑戦者過去の対戦戦績
対戦成績を一覧にしました。勝敗は、藤井竜王・名人から見ています。
年度 | 年月日 | 藤井肩書 | 手番 | 勝敗 | 豊島肩書 | 期・回 | 棋戦名 | 詳細1 | 詳細2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024 | 2024/5/17 | 竜王・名人 | 先 | 〇 | 九段 | 第82期 | 名人戦 | 七番勝負 | 第5局 |
2024 | 2024/5/19 | 竜王・名人 | 後 | ● | 九段 | 第82期 | 名人戦 | 七番勝負 | 第4局 |
2024 | 2024/5/9 | 竜王・名人 | 先 | 〇 | 九段 | 第82期 | 名人戦 | 七番勝負 | 第3局 |
2024 | 2024/4/24 | 竜王・名人 | 後 | 〇 | 九段 | 第82期 | 名人戦 | 七番勝負 | 第2局 |
2024 | 2024/4/11 | 竜王・名人 | 先 | 〇 | 九段 | 第82期 | 名人戦 | 七番勝負 | 第1局 |
2023 | 2023/08/04 | 竜王・名人 | 先 | ○ | 九段 | 第71期 | 王座戦 | 挑戦者決定トーナメント | 決勝 |
2022 | 2023/02/23 | 竜王 | 先 | ○ | 九段 | 第16回 | 朝日杯 | 本戦 | 準決勝 |
2022 | 2023/01/18 | 竜王 | 先 | ○ | 九段 | 第81期 | 順位戦 | A級 | 7回戦 |
2022 | 2022/10/17 | 竜王 | 先 | ○ | 九段 | 第48期 | 棋王戦 | 挑戦者決定トーナメント | 準々決勝 |
2022 | 2022/09/30 | 竜王 | 後 | ○ | 九段 | 第30回 | 銀河戦 | 決勝トーナメント | 準決勝 |
2022 | 2022/09/06 | 竜王 | 後 | ○ | 九段 | 第63期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第5局 |
2022 | 2022/08/25 | 竜王 | 先 | ○ | 九段 | 第63期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第4局 |
2022 | 2022/07/21 | 竜王 | 後 | ○ | 九段 | 第63期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第3局 |
2022 | 2022/07/14 | 竜王 | 先 | ○ | 九段 | 第63期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第2局 |
2022 | 2022/06/29 | 竜王 | 後 | ● | 九段 | 第63期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第1局 |
2021 | 2021/11/21 | 竜王 | 後 | ● | 九段 | 第42回 | 日シリ | トーナメント戦 | 決勝 |
2021 | 2021/11/13 | 三冠 | 後 | ○ | 竜王 | 第34期 | 竜王戦 | 七番勝負 | 第4局 |
2021 | 2021/11/05 | 三冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第71期 | 王将戦 | 挑戦者決定リーグ戦 | 3回戦 |
2021 | 2021/10/31 | 三冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第34期 | 竜王戦 | 七番勝負 | 第3局 |
2021 | 2021/10/23 | 三冠 | 後 | ○ | 竜王 | 第34期 | 竜王戦 | 七番勝負 | 第2局 |
2021 | 2021/10/09 | 三冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第34期 | 竜王戦 | 七番勝負 | 第1局 |
2021 | 2021/09/13 | 二冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第06期 | 叡王戦 | 五番勝負 | 第5局 |
2021 | 2021/08/25 | 二冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第62期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第5局 |
2021 | 2021/08/22 | 二冠 | 後 | ● | 竜王 | 第06期 | 叡王戦 | 五番勝負 | 第4局 |
2021 | 2021/08/19 | 二冠 | 後 | ○ | 竜王 | 第62期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第4局 |
2021 | 2021/08/09 | 二冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第06期 | 叡王戦 | 五番勝負 | 第3局 |
2021 | 2021/08/03 | 二冠 | 後 | ● | 竜王 | 第06期 | 叡王戦 | 五番勝負 | 第2局 |
2021 | 2021/07/25 | 二冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第06期 | 叡王戦 | 五番勝負 | 第1局 |
2021 | 2021/07/22 | 二冠 | 先 | ○ | 竜王 | 第62期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第3局 |
2021 | 2021/07/14 | 二冠 | 後 | ○ | 竜王 | 第62期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第2局 |
2021 | 2021/06/30 | 二冠 | 先 | ● | 竜王 | 第62期 | 王位戦 | 七番勝負 | 第1局 |
2020 | 2021/01/17 | 二冠 | 後 | ○ | 竜王 | 第14回 | 朝日杯 | 本戦 | 2回戦 |
2020 | 2020/10/05 | 二冠 | 後 | ● | 竜王 | 第70期 | 王将戦 | 挑戦者決定リーグ戦 | 2回戦 |
2020 | 2020/09/12 | 二冠 | 先 | ● | 竜王 | 第41回 | 日シリ | トーナメント戦 | 2回戦 |
2019 | 2019/10/07 | 七段 | 後 | ● | 名人 | 第69期 | 王将戦 | 挑戦者決定リーグ戦 | 2回戦 |
2019 | 2019/07/23 | 七段 | 先 | ● | 名人 | 第32期 | 竜王戦 | 決勝トーナメント | 準々決勝 |
2019 | 2019/05/23 | 七段 | 後 | ● | 名人 | 第27回 | 銀河戦 | 本戦トーナメント | 11回戦 |
2017 | 2017/08/24 | 四段 | 後 | ● | 八段 | 第43期 | 棋王戦 | 挑戦者決定トーナメント | 2回戦 |
名人戦が始まる前の成績は、藤井竜王・名人の22勝11敗です。現在、藤井竜王・名人が9連勝中です。
名人戦第1~3局は藤井名人の戦勝で、対戦成績が25勝11敗で、対豊島戦12連勝を飾りました。
しかし、名人戦第4局で豊島九段が一矢を報いて連敗を12で止め、対戦成績は、藤井竜王・名人の25勝12敗となりました。
名人戦第5局は、先手藤井名人が四間飛車の豊島九段に99手で完勝、4勝1敗で名人初防衛、タイトル戦22連覇を達成、八冠を堅持しました。
対戦成績は、藤井竜王・名人の26勝12敗(.684)です。
今回の対局でも、豊島九段は藤井名人を追い詰めることは出来ませんでしたね。
A級順位戦の状況
A級順位戦の状況は、日本将棋連盟のページで確認できます。
成績順に並べると、誰がトップか一目でわかりますよ。
最後に
名人戦の日程は未だ明らかになっていませんが、2024年の名人戦一定をお届けします。
第1局は、恒例の「ホテル椿山荘東京」での開催が濃厚でしょう。
第2局から第5局までは、予想もつきませんが、本文中に入れた会場からいくつか選ばれるモノと思います。
そろそろ藤井竜王・名人を苦しめる棋士が現れないと、将棋界もマンネリ化しかねません。奮闘して欲しいモノです!
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