木へんに山と書いて杣!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
今回の漢字は「杣」です。木へんに山と書く一見簡単そうに見える漢字です。
ところが、…。何と読むのかわからない!!!
漢和辞典をパッと開いて見つけた漢字で、こりゃ、「簡単そうな漢字だわい」と思ったんですが、はて、読み方もわからんし、途方にくれちゃいました!
まあ、辞典に出ているので、その読みを見て、「フーン」と思いましたが、今度は「それは何の意味なの?」ってなっちゃう始末!
「杣」って、皆さんも余りお馴染みな漢字ではないと思います。パッと読めた人はスゴイ!(アメリカ人が大谷のホームランを実況する感じで)。
個人的にかなりの勉強になりましたので、私の備忘録的な意味も含めて書き記していきます。
一緒に見ていきましょう。
木へんに山といえば杣!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、杣の意味と読み方を明確にしましょう。
杣の読み方と意味
杣
画数 :7画
音訓:そま
日本語だけの意味
①材木を切り出す山。そまやま。②山林から切り出した材木。そまき。③材木を切り出す人。樵夫(ショウフ)木こり。「杣人(そまびと)」
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字に音読みはありません。訓読みは「そま」一択です!
杣には3つの意味があります。材木を切り出す山と、山林から切り出した材木、そして、その材木を切り出す人の3つです。
特に、3番目の意味「杣人」、その読み方は「そまびと」で、材に切り出す人々を指していたんですね。
そもそも、杣は次のようなモノなんですよ!
杣(そま)とは、古代から中世にかけて律令国家や貴族・寺社などのいわゆる権門勢家が、造都や建立など大規模な建設用材を必要とする事業に際して、その用材の伐採地として設置した山林のこと。後に一種の荘園として扱われるようになった。
引用 wiki 杣
「権力者の用材の伐採地として設置した山林」を指し、つまり、植物を示す漢字ではないんですね~。
そのため、いつも載せていた「どんな植物なのか」という項はお休みにせざるを得ないですね。
しかも、昔使われていた漢字なので、今の人たちには余りなじみがないんですよ!
次は、書き順を示しておきます。
木と山の書き順そのままです!
この書き順は皆さん問題ないと思いますよ~。
もっと詳しく知ろう!杣の漢字としての由来や成り立ち
杜は、「木」+「山」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「山」:三つの峰のあるやまを描いた図形の意味です。
山の木に関することを表す日本製の漢字。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字も日本製の漢字、即ち、国字なんですよ。
※国字
引用 wiki 国字
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。
上述したように、古代から中世にかけて設置した山林を意味する漢字ですので、国字であることにも納得がいくと思います。
杣のつく言葉
杣は植物ではないので、ここでは、杣のつく言葉を集めてみました。
言葉 | 意味 |
---|---|
そま‐いた【杣板】 | 杣山から木造こづくりして出す板。 |
そま‐いり【杣入り】 | 樹木を伐るために杣山に入ること。 |
そま‐いれ【杣入れ】 | 杣山に斧を入れて杣木を伐採すること。 |
そま‐おしき【杣折敷】 | (その飛ぶ姿が折敷に似ているからいう)ムササビの異称。 |
そま‐がわ【杣川】 | 杣木を流し下す川。 |
そま‐ぎ【杣木】 | ①杣山に生えている木。 ②杣山から伐り出した材木。そま。 |
そま‐くだし【杣下し】 | 杣木をいかだに組んで川に流し下すこと。 |
そま‐ごや【杣小屋】 | きこり小屋。 |
そま‐だくみ【杣匠】 | (→)「そまびと」に同じ。 |
そま‐だし【杣出し】 | 材木を杣山から伐り出すこと。 |
そま‐た・つ【杣立つ】 | 杣人が住む杣小屋を立てる。また、杣木を伐り出す。 |
そま‐づくり【杣造り】 | ①杣木を養い育てること。 ②杣木を所用の材につくること。そまつくり。 |
そま‐はん【杣判】 | 杣木を伐る際、その伐木に刻む自家の木印きじるし。木判。判立て。切判。 |
そま‐びと【杣人】 | 杣木を伐り出すことを業とする人。きこり。そまうど。そまだくみ。 |
そま‐ふ【杣夫】 | 伐木・造材に従事する林業労働者の旧称。そま。 |
そま‐みち【杣道】 | きこりの通る細くけわしい山道。 |
参考:広辞苑
杣のつく言葉はたくさんありますが、ほとんどの言葉を知らないですね~。
皆さんは、どの位わかりますかね?
前述の意味で示した「杣」に立ち入ることを示した言葉がほとんどです。
既に示した、「杣人」の他にも、「杣匠」「杣夫」なんていう同義語もあります。
杣道は、杣人即ち、きこりの通る「細くて険しい山道」を指しているんですね。
木へんに山で「杣」の苗字
この「杣」という漢字は人名漢字ではありません。
ですので、「杣」のつく苗字の話をします。
木へんに山と書く杣という一文字の苗字は存在するのでしょうか?
【名字】杣
【読み】そま
【全国順位】 12,643位
【全国人数】 およそ490人
参考資料 名字由来net
「杣」さんは、全国順位は 12,641位で、全国の人数は、およそ490人です。
全国で490人というと、「たった」という形容詞を付けてもいいんじゃないかと思う位少ないですよね。
ハンコを調達するのが大変ではないでしょうかね。
名字の由来は、上述したように「木こり」の意なんですね。
近年、全国に分布しますが、福岡県や岩手県に多数みられるようです。
都道府県別に見た人数のベスト5です。
- 福岡県 およそ90人
- 岩手県 およそ70人
- 大阪府 およそ60人
- 兵庫県 およそ60人
- 東京都 およそ30人
参考資料 名字由来net
杣に別の漢字を付けた苗字としては、寺杣(てらそま)、杣木(そまき)、杣友(そまとも)、杣取(そまとり、そまどり)などがありました。
苗字 | 読み | 全国順位 | 全国人数 |
---|---|---|---|
寺杣 | てらそま | 12,906位 | およそ470人 |
杣木 | そまき | 14,476位 | およそ390人 |
杣友 | そまとも | 18,536位 | およそ260人 |
杣取 | そまとり、そまどり | 63,846位 | およそ20人 |
杣友という苗字が2万番弱で少ないと思っていたら、最後の「杣取」が順位6万3千番台、人数が20人という圧倒的な少数民族でした!
木へんなのに植物を指さない漢字たち
この章では、杣と同様、木へんの漢字なのに植物を指さない漢字について見ていきます。
それらの漢字は、「梮」「櫛」「樋」の三つあります。それらの漢字について簡単に触れましょう。
木へんに局の「梮」です。
音訓は、「キョク」「コク」「ぜん」「かんじき」です。意味は次の通りです。
梮には3つの意味がありますね。「食事をするときの膳」や「かんじき」(60爺の中では雪の中で吐くやつだと思っていました)や土をかついで運ぶ道具とありますが、いずれも、なじみがないですなア!
引用 木へんに局と書いて梮!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
この漢字は、windows11の環境依存文字でした。
その他の情報(書き順、由来、その他)については、次の記事に詳しいですので、是非、ご覧ください。
次は「櫛」です。
この漢字の音訓は「シツ」「シチ」「くし」「くしけずる」です。
意味を見ておきましょう。
櫛には3つの意味があります。お馴染み、①髪の毛をすきとかす道具ですね。おしゃれな方は、my櫛を持ってらっしゃいますよね。
引用 木へんに節と書いて櫛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
60爺は持参したことはないですが、おしゃれな方は、肌身離さず持ってらっしゃるでしょう。
書き順や由来、熟語等詳細については次の記事をご覧になってくださいませ。
最後は「樋」です。
同じく、音訓を挙げておきます。「トウ」「とい」「ひ」ですね。
意味を再掲します。
意味は、「木や竹でつくった」とい(樋)です。かけひ(筧)とも言います。と、言われてもどんなものかわらないですよね。
引用 木へんに通ると書いて樋!意味・読み方から名前での使い方まで総特集
この漢字は、水を通す木の管を寓意した「和製漢字」でした。
その他、書き順などの情報は、次の記事をポチッてくださいませ。
最後に
木へんに山で杣ですが、この漢字について、それぞれ調べてみました。
最初に、杣の読み方と意味について述べてきました。今回の漢字は、木へんの漢字ですが、材木を切り出す山を指していたんですね!
そこから、派生したのか、山林から切り出した材木、そして、材木を切り出す人の意味でもありましたね~。しかも、3回目の国字でした。
ですから、植物の項もなし、名前の項もなしということで、「杣」という苗字について調べたら、全国でも少数派だったことがわかりましたね!
あまり、私にはかかわる文字じゃなかったですな。まあ、それなりに勉強にはなりましたけどね。
この「杣」という漢字ですが、60爺の持つテプラ「KINGJIM SR300」には搭載されていませんでした。
検索方法は、こちらの記事に載っていますよ~。
⇒ テプラで難しい漢字が変換で出てこない!誰でもできる出し方をご紹介
国字という特殊な文字だからですかね…。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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