木へんに登ると書いて橙!読み方から意味・名前での使い方まで総特集
最近は、余り絵を描くこともなくなったんですが、昔は浮世絵の景色を模写したりして、色鉛筆やクレヨンなどで色付けもしたものです。
以前、使用していた色鉛筆があったので、色の一覧を見ていたんですが、その中に、木へんに登るの漢字を見かけました。
それが、木へんに登るの「橙」だったんです。英語表記にオレンジが付いていましたが、確かにみかん色に近いです!
そこで、木へんに登るの「橙」、どんなものか知っている方もいらっしゃるでしょうが、いつものように、読み方から意味・名前での使い方まで突っ込んで調べてみたいと思います。
さあ、ご一緒に見に行きましょう。
木へんに登るといえば橙!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、橙の意味と読み方を明確にしましょう。
橙の読み方と意味
橙
画数 :16画
音訓:トウ だいだい
意味
①果樹の名。ミカン科ミカン属の常緑小高木。中国原産。酸味が強く芳香がある。ユズ。香橙。別名、黄橙。金橙。②果樹の名。ミカン科ミカン属の常緑小高木。酸味が強く大型のもの。ダイダイ。酸橙。別名、臭橙・苦橙。
日本語だけの意味
(名付け)だいだい と
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
紹介したとおり、「橙」の音読みは「トウ」、訓読みは「だいだい」です。
意味は二つあります。両方とも植物を指しています。ひとつはユズ、もうひとつはダイダイです。
この漢字、「だいだい色」の「だいだい」即ち「橙」ですよね。オレンジ色に近い奴です。
「だいだい色」っていう位だから、「橙」は「だいだい」を指すのかと思ってました!ユズ即ち柚子を指しているのが意外です。
ちょっと、国語辞典を見てみましょう
①ミカン科の常緑低木。幹は高さ3メートルほどで、葉は卵形、透明な小油点を有し葉柄に翼を持つ。初夏、葉のつけ根に白色5弁の小花をつける。果実は冬に黄熟するが、翌年の夏に再び緑色にもどるので回青橙の名がある。暖地に栽培。皮は苦味健胃薬、果実は正月の飾りにも使用。オレンジ・サンボウカン・ナツミカンは同類、また臭橙かぶすはこの一種。〈[季]冬〉。〈日葡辞書〉 ②橙色の略。
広辞苑
広辞苑には、ユズであるとの説明は入っていませんね。
ウーム、大辞林、大辞泉、明鏡国語辞典、三省堂国語辞典にも載っていません。
気を取り直して、橙の書き順を示しておきます。
木と登の書き順そのままです!ただ、登の書き順は、ちょっと注意が必要かな。
右の「ちょん」(7)を一つ打った後、もうひとつの「ちょん」(9)を打つ前に長い線(8)を引くのが先なんですよ。
ここを間違えなければ、後の書き順を間違えることはないと思います。
そこだけ注意しましょうね。
もっと詳しく知ろう!橙の漢字としての由来や成り立ち
橙の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。
橙の由来
橙の由来は、次のようなものです。
橙の特徴は、ひとつの株に数年代の果実がついている点で、ここから、「代々栄える」即ち「ダイダイ」と呼ばれるようになったそうです。
別名として、「回青橙」とも呼ばれます。
「回青橙」については、大辞林に出ていました。
初夏,葉腋に白色の小花をつけ,球形の液果を結ぶ。果実は冬に黄熟するが,そのまま木に置くと翌春再び緑色を帯びるので「回青橙」の名もある。
引用 大辞林
橙は、「代々」につながることから縁起が良いとされています。正月のお飾り、鏡餅のてっぺんに置くのは、この橙なんですよ!
主産地は、静岡県の伊豆半島や和歌山県の田辺市です。
その多くは正月飾り用でした。しかし、冒頭で述べた正月を祝わない風潮か、近年は消費が落ち込んでいるので、ポン酢などに加工されるようにもなっています。
最近は、近所を見ても、正月のお飾りをしない家庭が多く、日本の良さが消えていくようで、ちょっと悲しいですな!
橙の漢字の成り立ち
橙は、「木」+「登」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「登」:上に上がるの意味です。
香気が盛んに立ちのぼる果実のなる木を示しています。
だから、ユズも含まれていたんでしょうか?
橙ってどんな植物?
橙は、どんな植物なのでしょうか。ダイダイに絞って、その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
橙の花言葉ですが「相思相愛」です。
花言葉「相思相愛」は、前年の大きな黄橙色の果実が今年結実した緑の小さな果実に寄り添う姿からつけられたのでしょうか。
引用 9月7日の誕生花 ダイダイ(橙)の花言葉「相思相愛」
大好きな彼女に贈るには大変良い花言葉を持った花です。
しかし、進捗がこれからという場合は注意した方が良いかもしれませんね。
形態・生態
ダイダイ(橙、臭橙、回青橙)は、既に述べたようにミカン科ミカン属の常緑樹、およびその果実のことです。柑橘類に属しています。
インド、ヒマラヤが原産で、日本へは中国から渡来しました。また、ヨーロッパへも伝わり、ビターオレンジとして栽培されています。
高さ4~5m になる常緑小高木で、枝には刺があります。
花期は初夏(5~6月)で、冬に果実が黄熟し、その色は橙色(だいだいいろ)と呼ばれます。
この果実、直径7~8cmになり、冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2~3年は枝についています。
そして、冬期は橙黄色となるが、翌年の夏には、また緑色に色づき、再び冬が来るとその実は橙黄色になる、面白い特徴を持っています。
上述の「橙の由来」で述べた特徴ですね。
橙は、食用、薬用としても用いられています。
■食用
・酸味と苦味が強いので、直接、食べるには向いていません。
・マーマレードや調味料として利用されています。
・緑色の未熟果の果汁は酸味が強く風味がいいことから、ポン酢の材料としても好まれています。
■薬用
・漢方では、橙皮(とうひ)として、去痰薬・健胃薬として用いられています。
・橙皮(とうひ)は、橙皮チンキ、橙皮シロップ、苦味チンキなどの製薬原料にされます。
・未熟果実を乾燥させた枳実(きじつ)は、芳香性苦味健胃、去痰、排膿、緩下薬として用いられます。
以上、橙の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、橙とはどんな植物なのかを見てきました。
次の章では、「橙」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
木へんに登ると書く「橙」は、赤ちゃんへの名付けで、「だいだい」「とう」の他、名前の最後に「止め字」として「と」と読ませることのできる漢字です。
「橙」は名前ではどんな思いが込められるのか考えてみました。
- 明るさと瑞々しい感性を持つ人に成長して欲しい:柑橘類の爽やかさをイメージすることから
- いくつになっても繁栄し続ける人に:橙は実が生った状態のまま年を越すことから繁栄の基になることから
上述のように、橙は男の子の名前として「だい」や「と」と読ませることができ、女の子では「とう」と読ませられるので、命名時にかなりの選択肢を与えてくれそうです。
子供にとっては、珍しい名前なので一発で覚えてもらえたり、そこから話題が進んだりするするメリットがあると思います!
但し、他の文字と組み合わせた場合は、「読みが伝わりづらい場合が多いのは要注意」でしょう。
名前をちゃんと読んでもらえないのはストレスになるかもしれないので、命名時の気持ちや願いなどをきちんと伝えておくなどの十分なフォローを忘れずに実施しましょう!
「橙」を使った名前
「橙」は、それほど人気のある漢字ではないようです。
ただ、「橙」を使った名前は、考えれば、色々な名前を付けられそうです。
私自身が名付け親になる可能性は少ないですが、自分なりに勝手にベスト3を出してしまいました!
男の子の名前60爺ベスト3
- 勇橙(ゆうと)
- 疾橙(はやと)
- 橙馬(とうま)
最初の二つは、「止め字」の「と」、3番目は「だい」と読ませます。
女の子の名前60爺ベスト3
- 橙子(とうこ)
- 沙橙(さと)
- 橙夏(とうか)
1,3は「とう」、2は「止め字」の「と」を採用しています。
橙に関連する記事群
この章では、「橙」に関連する記事を紹介します。
橙は名前に良くない?
「橙は名前に良くない」という噂を聞きました。
そこで、早々、それらのネガティブな意見を収集し、それらの意見に対し、60爺の見解を述べてみました。
橙は、名前に対して良くないというのはガセネタに過ぎませんよ!
日本の伝統色
冒頭で、使用していた色鉛筆に「橙色」があったと述べましたが、この漢字自体には色の意味はなかったですね。
ただ、漢字には、日本の伝統色を表すモノがあり、それらをいくつか見ていただきます。
始めは、草冠に倉で蒼という漢字があり、こちらは「あお」を表していますね。
羽に卒で「翠」なんて漢字もあり、こちらは「翡翠色」を表します。
糸へんに非で緋は、「緋色」を表します。
ここでは、3つの色を示しましたが、その他にも伝統色はたくさんありますよ。
最後に
木へんに登るといえば橙ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、橙の読み方と意味について述べてきました。意味については、意外なことに「ゆず」がはいっていましたね。
ちょっと、驚きました。念のため、国語辞典をみてみましたが、国語辞典には「ゆず」の意味が入っているモノはありませんでした。
正月飾りに使われるだけあって、古来、縁起が良いと言われてきたことがわかりました。
ただ、近年、正月飾りをしない家庭も増えたせいで橙の消費が落ちているのは時代の流れなんですかね。
しかし、漢字を調べていると、いろいろな勉強になって面白いですな。これからも、新たな漢字の調査を進めていければと思います。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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