木へんに風と書いて楓!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
外は風が強く吹いていて、とても寒いですね。
天気予報でも、北風が強く、体感温度がずっと寒く感じられるなんて言っています。
これを聞いた時、60爺のセンサーが反応しました。
シリーズ化している「木へんの漢字」で「木へんに風」とやったら、記事になるだろうかという閃きです。
早々、漢字源を取出して調べてみましたらあったんですよ、木へんに風の「楓」が!といっても、すぐには読めなかったんですけどね。
何か、見たような見たことがないような漢字ですよね!これ。
まあ、題材も決まったので、木へんに風の「楓」、いつものように、読み方から意味・名前での使い方について調べに入りました。
その結果をお知らせしますので、ご一緒にご覧になって行ってください!
木へんに風といえば楓!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、楓の意味と読み方を明確にしましょう。
楓の読み方と意味
楓
画数 :13画
音訓:フウ(日本語だけ)かえで
意味
①木の名。マンサク科フウ属の落葉高木。中国に自生。葉は三裂し、秋に少し紅葉する。実は翼がある。フウ。楓香樹。別名、欇(ショウ)。
日本語だけの意味
かえで。木の名。ムクロジ科カエデ属の落葉高木の総称。葉は小さなてのひらの形をして、多くは霜にあうと紅葉する。カエデ。モミジ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
紹介したとおり、「楓」の音読みは「フウ」、訓読みは日本語だけ「かえで」ですね。
意味は二つあります。中国ではフウ、日本では「かえで」を指します。
下記のように、フウの葉は三裂で、カエデの葉は小さなてのひらの形をしていますよ。
この漢字、中国と日本で違う植物を指していますね。
国語辞典で「カエデ」を見てみましょう。
イロハカエデ・イタヤカエデなど、カエデ科の落葉高木の総称。葉は掌状で、秋に紅葉するものが多い。材は、家具・細工物用。もみじ。 語源「かえるで」の転。葉の形が蛙かえるの手に似ることから。
引用 明鏡国語辞典
明鏡国語辞典には、カエデ一択です。広辞苑はどうでしょうか。
(カエルデ(蛙手)の約。葉の形が似ているからいう)
引用 広辞苑
①カエデ科の落葉高木の総称。北半球の温帯に分布。葉は多くは掌状で、初め緑色、秋に赤・黄色に紅葉するが、全く葉の裂けないもの、複葉になるもの、また紅葉しないものもある。4〜5月頃、黄緑色や暗紅色の多数の小花をつけ、後に2枚の翼を持った果実をつける。材は器具・細工物にする。日本のイタヤカエデ・イロハカエデ、北米のサトウカエデなど種類が多い。モミジ。〈[季]秋〉
②襲かさねの色目。表裏とも萌葱もえぎ
フウに関しては、両方の国語辞典に出てきませんね!
まあ、日本の国語辞典だから当たり前か!そして、両国語辞典とも「カエルデ」から来ていると出ていますよ~!
次に、楓の書き順を示しておきます。
この漢字も、木と風の書き順そのままです!
風も間違えずに書けますよね。まず、外側を書くんですね~。その後に、中の文字を書きます。
大丈夫ですか?
もっと詳しく知ろう!楓の漢字としての由来や成り立ち
楓の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。
楓の由来
楓の由来は、次のようなものです。
古人は「楓は風なり」と言い、枝が弱く風が吹くと葉が揺らぐ(あるいは、成る)からと語源を説いている。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
ここでは、楓は風が吹くと葉が揺らぐからと言ってます。
強風になると、どんな木でも枝も葉も揺らぐと思うんですけど、弱い風で揺らぐから「木へんに風」となったのでしょうか?
また、由来については、上述の明鏡国語辞典や広辞苑にあったように、カエデは、「カエルデ(蛙手)の約。葉の形が似ているからいう」から来ているという説もあるんですね。
もう少し詳しく言うと、「カエルデ」が「カヘンデ」や「カヘデ」となり、「カエデ」になっていったのです。
日本では平安中期頃から「楓」を「カヘデ」と読むようになったそうです。
楓の漢字の成り立ち
楓は、「木」+「風」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「風」:そのものずばり風の意味です。
実に薄い翼がついて、風のまにまに飛ぶ木だそうです。「かえで」は日本的展開。
上記の漢字の説明で、「翼がある」との説明は、ここに繋がるんですか。
楓ってどんな植物?
楓はどんな植物なのでしょうか。その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
楓って、葉が紅葉する方がより注目されるため、花が咲くことは余り知られていませんよね。
でも、楓の花言葉は色々とあるんですよ。
どんな花言葉あるか見てみましょう。
日本では「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」などですね。
なぜ、このような花言葉が付いたのか見ていきましょう。
- 大切な思い出:日本では、紅葉を眺めたり、幼いころに楓の葉を拾って集めたり、遊んだりした思い出などがあることから
- 美しい変化:これは、やはり、楓の葉が紅葉していく所からでしょう。緑から黄色、オレンジ、赤と美しい変化を遂げるからと考えて、ほぼ問題ないでしょう
- 遠慮:上述したように、楓の花が余り主張せず、人に気づかれずに小さく咲いていることから
形態・生態
楓は、既に述べたように、カエデ科の落葉高木の総称です。
北半球の温帯に分布し、葉は多くは掌状で、初め緑色、秋に赤・黄色に紅葉します。
モミジ(紅葉、椛)とも呼ばれるが、葉の切れ込みが深いものを「モミジ」、葉の切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼んでいる(植物学的には同じ系統)。赤・黄・緑など様々な色合いを持つ為、童謡では色を錦と表現している。また、英語圏では一般にMaple(メイプル、メープル)と称する。
引用 wiki カエデ
世界におよそ130種が存在しますが、その多くはアジアに自生しているそうです。
形態・生態はwikiに詳しいです。
一般に高木になる。落葉樹が多く落葉広葉樹林の主要構成種であるが、沖縄に自生するクスノハカエデ(学名: A. oblongum)のように常緑樹もある。葉は対生し、葉の形は掌状に切れ込んだものが多く、カエデの和名もこれに由来する。しかし、三出複葉(メグスリノキ)や単葉(ヒトツバカエデ、チドリノキ、クスノハカエデ)のものもある。
引用 wiki カエデ
花は風媒花で、花弁は目立たなく小さい。果実は、片翼の翼果が二つずつ(稀に三つのこともある)種子側で密着した姿でつく。脱落するときは空気の抵抗を受けて回転し、滞空時間を稼いで風に運ばれやすくなっている。
カエデは落葉樹かと思っていたんですが、沖縄のクスノハカエデは常緑樹なんですな。
「花弁は目立たなく小さい」とあるように、カエデの花を見たことがある方は少数派でしょう。
漢字「楓」の項で、中国ではフウを指すと言いましたが、裏付けとなる記載がありました。
日本ではカエデを通例「楓」と書くが、中国ではカエデに「槭」の字をあて、「楓」はマンサク科のフウを指す。
引用 wiki カエデ
中国と日本では、カエデの漢字表記が違うんですな。
中国ではカエデに「槭」とありますが、日本ではイメージに違和感がありますよね!
以上、楓の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、楓とはどんな植物なのかを見てきました。
次の章では、「楓」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
木へんに風と書く「楓」は、名前ではどんな思いが込められるのか考えてみました。
まず、楓=紅葉で自然を彩るところ、花言葉「美しい変化」から、次の願いを込められそうです。
- 彩(いろどり)豊かな人生を歩んでほしい
- 見る人の心を癒やす存在になってほしい
- 優しく温かい人間になってほしい
また、花言葉「遠慮」から、ポジティブに捉えて、次のような願いも込められます。
- 奥ゆかしく謙虚な人になってほしい
どちらかというと、楓は紅葉する植物の関係もあり、比較的女の子の名前に使われやすいのかと思っていましたが、スラムダンクのキャラクターの出現で、男の子にも付けられるようです。
「楓」を使った名前
「楓」は、そこそこ人気のある漢字と思われます。
「楓」は「か」と読ませて止め字にしたり、「フウ」と読ませることが出来るので、色々な名前を付けられそうです。
私自身が名付け親になる可能性は少ないですが、自分なりに勝手にベスト3を出してしまいました!
男の子の名前60爺ベスト3
- 楓太(ふうた)
- 楓(かえで)
- 楓彩(かい)
それぞれ、「楓」の読ませ方が違います。「ふう」「かえで」「か」で選びました。
女の子の名前60爺ベスト3
- 楓香(ふうか)
- 楓音(かのん)
- 彩楓(あやか)
最初の二つは、「ふう」「か」で、最後の名前は「か」の止め字としました。
但し、「か」の読みは楓には本来ないモノなので、キラキラネームと称される可能性があります。詳細は、次の記事をご覧ください。
ところで木へんに花・華の椛・樺は?
形態・生態の項で「モミジ」が出てきましたが、この漢字表記「椛」は、木へんに花で椛の記事にしています!
その部分を抜き出してみますね。
「椛」の音読みはないんです。訓読みは「もみじ」です。
引用 木へんに花と書いて椛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
意味は三つあります。①「もみじ」で、カエデ科カエデ属の落葉樹高木の総称を示すんですね。これは知らなかったぞ!
カエデとモミジの違いは、葉の切れ込みなんですね。
葉の切れ込みが深いものを「モミジ」、葉の切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼んでいるそうです。
それによって、漢字表記も違ってくるわけですな。
葉の切れ込みが深いものを「椛」、葉の切れ込みが浅いものを「楓」となるわけです。
木へんに花の椛(もみじ)の詳細は、次の記事を参照ください。
なお、木へんに花(はな)ではなく、難しい漢字の華(はな)と書くと、「もみじ」ではなく、「かば」となるんですよ。
そうです。シラカバのカバですね。こちらの記事もあるので、ご紹介します。
花と華、同じような漢字ですが、木へんがつくと全然違う漢字に変身するのですな。
最後に
木へんに風といえば楓ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、楓の読み方と意味について述べました。意味では、同じ植物ですが中国と日本では、対象となる木が異なりましたね。
そこで、この記事では、「カエデ」を対象としました。そして、楓は、風に関係のある樹木であることが、由来と漢字の成り立ちでわかりましたね。
楓は紅葉が目につくせいで、花が咲かないのかと思いましたが、そうではなかったんですね。
その辺りが花言葉に端的に表れていて興味深かったです。
次回も新たな漢字を調べていきます。
※気づけば「木へんの漢字」の記事も増えてきました
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