木へんに通ると書いて樋!読み方から意味・名前での使い方まで総特集
先日、雨降りの日に、ボーと外を見ていたんですが、どの家でもきちんと「雨どい」が取り付けられており、ふった雨はまとめられていくことに改めて気づきました。
「とい」の漢字は何かな?
なにげない疑問が、今回の「木へんの漢字」の導火線になりました。
木へんに通るとかいて樋、どこかで見ている漢字ですが、中々巡り合わないものですが、連想から出てきたので、この漢字を題材にしますね。
過去の木へんの漢字と同様に、漢字の読み方や全体像をチェックして、由来や成り立ち及び名前での使われ方を見ていきます。
その結果をご披露しますので、ご一緒に見ていってください。
木へんに通るといえば樋!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、樋の意味と読み方を明確にしましょう。
樋の読み方と意味
樋
画数 :15画
音訓:トウ とい ひ
日本語だけの意味
ひ。木や竹でつくったとい。かけひ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
日本語だけの意味しかありません。なぜなら、この漢字は和製漢字※だからです。
和製漢字(わせいかんじ)とは、中国から伝来した漢字ではなく、日本で作られた漢字体の文字を指し、国字、和字、倭字、皇朝造字などとも呼ばれる。 また、日本製の漢字を国字という言葉で表すようになったのは、江戸期に編纂された研究書『同文通考』および『国字考』で用いられてからである。
引用 wiki 和製漢字
意味は、「木や竹でつくった」とい(樋)です。かけひ(筧)とも言います。と、言われてもどんなものかわからないですよね。
今でも、こんな筧が売っていますよ。
広辞苑で「樋」を検索してみました。
①屋根を流れる雨水を受けて地上に流す溝状・筒状の装置。金属薄板・竹などを用いる。軒に渡すものを軒樋(横樋)といい、その端に竪たてに渡すものを竪樋という。とゆ。とよ。雨樋。
広辞苑
②水を送るためにかけわたした管。ひ。
先ほど挙げた意味の①に該当する説明が載っていました。
それでは、書き順をみてみましょう。
木へんに通ると言っていますが「通」の漢字がちょっと異なっていますよ。
しんにょうにある点が二つなんです。ちょっとびっくりですね。
7から11までの書き順も要注意かな。縦棒(11)は最後に引くんですね。そこと、天を二つ書くことを忘れなければ、問題なく「樋」を書くことが出来るでしょう!
もっと詳しく知ろう!樋の漢字としての由来や成り立ち
由来についてはわかっていないようです。
漢字の樋は、「木」+「通」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「通」:「スムーズにとおる」という意味です。
成立ってはいるんですが、以下の通り、字源不明なんです。
字源不明。一説では木通(アケビ)の合字。日本の樋(とい・ひ)は「通(とおす)+木(き)」で、水を通す木の管を寓意した和製漢字。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
また、wikiでは、次の記載があります。
漢字「樋」のこの意味と読み(ひ)は日本独自の国訓である。「樋」の本来の意味は字書には「木の名」とあるが、中国では古典でも現代でもほとんど使われない漢字である。
引用 wiki 樋(土木)
樋は日本では古代から存在していた。樋が本格的に用いられるようになったのは山麓や扇状地の開発が進んだ中世からである。この頃には中身をくり抜いた木の幹をそのまま樋として転用した。
この漢字は、本場中国でも、ほとんど使われないんですね。
樋のつく言葉
樋は植物ではないので、ここでは、樋のつく言葉を紹介します。
熟語 | 読み | 意味 |
---|---|---|
樋定木 | ひじょうぎ | 細長い溝を彫った定木。〈日葡辞書〉 |
洗歪・樋清・樋洗 | ひすまし | 平安時代以降、宮中で便所の掃除に当たった下級の女官。御厠人みかわやうど。洗すまし。 |
樋殿・楲殿 | ひどの | かわや。便所。 |
樋の口 | ひのくち | 水を出し、またはふさぐ戸口。樋。水門。 |
樋箱 | ひばこ | 便所の穴のまわりにある枠わく。 |
樋放ち | ひはなち | 天つ罪の一つ。田の樋を取り放つ、すなわち灌漑用水路を破壊すること。ひはがち。祝詞、大祓詞「―…を天つ罪と」 |
樋門 | ひもん | 用水の取入れや悪水の排除のため堤防を横断して作られた暗渠あんきょおよびゲートの総称。 |
樋螺鈿 | ひらでん | 蒔絵中に樋ひをつくり、その中に飾りとして貝を摺すったもの。 |
参考:広辞苑
フムム、見たことのない熟語が並びました。
この熟語群、見たことがありません^^;便所に関わる言葉が三つ、水回りが二つと、水に関わる言葉が5つありますが・・・。
次は、名前に使われる際のポイントを見にいきましょう~。
名前に使われる際のポイントは
木へんに節と書く「樋」は、人名として使用できる漢字です!
しかし、名前として使用するには、ちょっと使いづらいんでしょうか、この漢字を使った名前を捜しにいってもヒットしないんですよ!
そこで、方針を変更して、「樋」の入った苗字を見てみましょう!この漢字「樋口(ひぐち)」さんの樋ですよね。今、思い出しました。
では、そのものずばりの「樋」という苗字です。何と、これがあるんですよ!
【名字】樋 【読み】とい
【全国順位】 30,991位
【全国人数】 およそ100人
参考資料 名字由来net
これも、相当、変わった苗字だと思います。しかし、全国で、たったの100人ですが「樋」さんがおられる(「櫛」さんの80人は負けましたが・・・)んですね。都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
山梨県 | およそ30人 |
福島県 | およそ20人 |
福井県 | およそ10人 |
東京都 | およそ10人 |
埼玉県 | およそ10人 |
参考資料 名字由来net
樋に他の文字を付けた苗字はその他にもたくさんあります。
樋江井(ひえい)、小樋(こひ、ことい)、樋口(ひぐち、ひのくち)、樋爪(ひづめ)、樋浦(ひうら、ひのうら、というら)、樋渡(ひわた、ひわたし、ひわたり)、樋掛(といがけ、ひがけ、ひかけ)、樋熊(ひぐま、ひくま、といくま)、樋崎(といざき、とよさき、ひざき)、樋野(ひの、といの)、樋橋(とよはし、ひばし)、樋高(ひだか、てだか、てたか)、樋之口(てのくち、ひのくち、ひのぐち)、雨樋(あまどい)・・・ まだまだあるようです。
引用 樋がつく苗字一覧
「ひ」や「とい」と読ませる苗字が多いですね。
樋崎(・・・、とよさき、・・・)、樋橋(とよはし、・・・)では、「とよ」と読ませたり、樋高(・・・、てだか、てたか)、樋之口(てのくち、・・・)では、「て」と読ませています。
雨樋(あまどい)なんて、そのままの苗字もあるんですね。
木へんなのに植物を指さない漢字たち
樋は木へんなのに、植物を指す漢字ではありません!
そして、木へんなのに植物を指さない漢字が他にもいくつかあるんですよ。それが、「梮」「櫛」「杣」の三つの漢字です。
梮
この漢字はwindows11で環境依存文字(=機種依存文字)でした。
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
この漢字の読み方と意味を出しておきます。
画数 :11画
引用 木へんに局と書いて梮!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
音訓:キョク コク ぜん かんじき
意味
①食事をする台。②山を行くときすべらないように、はきものの下につける金具。かねかんじき。③土をかついで運ぶ道具。
書き順や由来など、詳細をもっと知りたい場合は、次の記事をポチってください。
櫛
こちらも、読み方と意味を出しておきます。
画数 :19画
引用 木へんに節と書いて櫛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
音訓:シツ シチ くし くしけずる
意味
①髪の毛をすきとかす道具。②くしで髪の毛をすく。③くしの歯のように隙間なく並んださま。
この文字は、おしゃれな方は、肌身離さず持ってらっしゃるであろう「くし」を表す漢字ですね。
書き順や、櫛を使った熟語などは次の記事に詳しいです。是非、ご覧ください。
杣
この漢字は簡単ですが、山の木に関することを表す日本製の漢字。即ち国字なんですよ。
画数 :7画
音訓:そま
日本語だけの意味
①材木を切り出す山。そまやま。②山林から切り出した材木。そまき。③材木を切り出す人。樵夫(ショウフ)木こり。「杣人(そまびと)」
引用 木へんに山と書いて杣!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
昔、使われていた漢字なので、現在では余り、馴染みがありません。
書き順、熟語など興味を持った方は、次の記事を見ていただけると嬉しいです。
この漢字は、見た時は簡単だと思ったんですが、結局、読みは出てきませんでした。
最後に
木へんに通るで樋ですが、この漢字について、それぞれ調べてみました。
最初に、樋の読み方と意味について述べてきました。今回の漢字は、どこかで見たことがあると思っていたんですが、苗字の項にいくまで思い出せずにいました。樋口さんの「ひ」でした。
樋の由来・成り立ちとも不明でした。こんなことは初めてだったので、ちょっと驚きました!
そして、この樋を使った熟語を挙げたんですが、見たことも聞いたこともない言葉が並びました。
樋は、人名漢字でしたが、さすがに、この漢字を採用する方はいないようで苗字を調べてみたら、樋さんがいて、その他にもたくさんの苗字が見つかったのは興味深かったですね。
さて、次の漢字は何にしようかな。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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