木へんに母と書いて栂!読み方から意味・名字での使われ方まで総特集
先日、テレビを見ていたら、「栂池」って観光地について放送していました。
この読みについては忘れてしまいましたが、木へんに母の栂という文字は鮮明に覚えています。
この漢字は、今、やっているシリーズに最適だ!
現在、木へんにXの文字を順次紹介していますが、今回は、この木へんに母と書く栂を題材にしていきます。
木へんに母と書いて栂、どこかで見ている漢字ですが、余り有名ではないせいか読み方がわかりません。
そこで、過去の木へんの漢字と同様に、漢字の読み方や全体像をチェックして、由来や成り立ち及び苗字での使われ方を見ていこうと思います。
その結果をシェアしますので、お付き合いください。
木へんに母といえば栂!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、栂の意味と読み方を明確にしましょう。
栂の読み方と意味
栂
画数 :9画
音訓:バイ
意味
【梅】に同じ。
日本語だけの意味
つが。とが。マツ科ツガ属の常緑高木。建築用材などに広く用いられる。ツガ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
意味に、【梅】に同じと出ているので、栂を中日辞典で日本語に翻訳すると「梅」が出ました。
そうであれば、梅についても意味と読み方を明確にしておきましょう。
栂の読み方と意味
梅
画数 :11画
音訓:バイ うめ
意味
①うめ。果樹の名。バラ科サクラ属の落葉高木。早春に紅色・白色の花が咲く。六月頃黄色に熟する実はすっぱく、食用。ウメ。別名、木母・花魁(カカイ)・国香。②初夏に、雨が降り続く頃。丁度梅の熟する頃に当たるので、その頃の時期のこと。③姓の一つ。
日本語だけの意味
(常用漢字表)バイ。うめ。
まさしく、梅の木のことですね。
また、梅雨の時期も指すようです。中国では、梅も栂も同じなんですなあ!
さて、栂に戻りまして、日本語だけの意味をみると、樹木のツガのことを指しています。
そこで、広辞苑で「栂」を検索してみました。
つが【栂】
広辞苑
(トガとも)マツ科ツガ属の常緑高木。西日本の山地に自生し、高さ30メートル以上に達する。雌雄同株。雄花穂は円錐形、雌花穂は紫色、楕円形。球果は親指頭大で下垂。材は建築・器具製造・製紙用。樹皮からタンニンを採り、漁網の染料とする。栂松。ツガノキ。
まさしく、この「栂」が出てきました。
それでは、書き順をみてみましょう。
木へんに母で「つが」です。木と母の書き順そのままです。
間違えるとことは見当たりませんが、強いてあげれば、母の横線を最後に書くところですかね。
外枠をくくってから、チョン(7)チョン(8)を入れた後、横線(9)を最後に引きます!
もっと詳しく知ろう!栂の漢字としての由来や成り立ち
漢字の栂は、「木」+「母」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「母」:「子を生む」という意味です。
解字に以下の記述がありました。
日本の栂(つが)は母屋の母に木をつけた国字(和製漢字)。
上級漢和辞典 漢字源 学研
なんと、この漢字も国字(和製漢字)じゃないですか!
他記事でも載せていますが、和製漢字とは、次のような漢字です。
和製漢字(わせいかんじ)とは、中国から伝来した漢字ではなく、日本で作られた漢字体の文字を指し、国字、和字、倭字、皇朝造字などとも呼ばれる。 また、日本製の漢字を国字という言葉で表すようになったのは、江戸期に編纂された研究書『同文通考』および『国字考』で用いられてからである。
和製漢字|ウィキペディア
日本で作られた「日本人の日本人のための日本人向けの漢字」なんですね!
栂ってどんな植物?
栂はどんな植物なのでしょうか。
栂の写真を捜したのですが、フリーの素材が見つかりませんでしたので、次のサイトでご覧ください。
その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
栂の花言葉は「堅固」です。
建材としての利用価値が高く、丈夫なことからこのような花言葉になったようです。
形態・生態
細かな葉が次々に展開していくことから「継ぐ」が展化してツガと命名されたそうです。
一般家庭での植栽は稀で、公園や神社の御神木などに使われます。
別名は「トガ」といいますが、かつて咎人(とがにん)を磔にする際に、この木が用いられたことに由来するといいますから、ちょっと怖いですな!
形態・生態はwikiに詳しいです。
常緑針葉樹の高木で、直立する大木になり、高さ20 – 30(m)、胸高直径1(m)に達する。樹皮は赤褐色から灰褐色で、深く裂けて亀甲状にはがれ落ちる。枝は混んでいて、葉も密につく。
ツガ|ウィキペディア
葉は扁平な針状で、長さ7 – 25(mm)、表面は深緑でつやがあり主軸に沿って窪みがある。先端が少しくぼんでおり、葉先が二つに分かれたようになっている。その点でモミにも似ているが、モミは二つの先端が鋭く尖っているのに対して、ツガは丸まっている。また、枝からの葉の付き方がモミとは若干異なっていることで識別できる。
花期は2月。雌雄同株。雄花は枝に先につき、紫色の長卵形。果期は10月。球果は小柄で長さ2 – 3(cm)の楕円形で、枝先にやや下を向いてぶら下がり、秋に淡褐色に熟す。
次は、どんな名字で使われるかを見にいきましょう~。
どんな苗字で使われるのか
木へんに母と書く「栂」なんですが、人名として使用することができない漢字でした!
仕方がないので、木へんに母の「栂」の入った苗字を見てみましょう!
では、そのものずばりの「栂」という苗字です。何と、これがあるんですよ!
【名字】栂
【読み】とが、つが
【全国順位】 10,494位
【全国人数】 およそ670人
参考資料 名字由来net
なかなか珍しい苗字だと思います。それでも、全国で670人ですが「栂」さんがおられますね。
でも、咎人(とがにん)の「とが」が苗字なのは嫌だな^^;
都道府県別にベスト5を見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
島根県 | およそ260人 |
大阪府 | およそ70人 |
富山県 | およそ60人 |
石川県 | およそ40人 |
兵庫県 | およそ40人 |
参考資料 名字由来net
栂に他の文字を付けた苗字はその他にもたくさんあります。
栂池(つがいけ)、栂野(とがの、つがの、つなの)、栂崎(とがさき)、米栂(こめつが)、栂山(つがやま)、小栂(こが、ことが)、栂輪(とかわ)、大栂(おおとが)、栂材(つがざい)、栂桜(つがざくら)、栂海(つがみ)・・・ まだまだあるようです。
やはり、「つが」や「とが」と読ませる苗字が多いですね。
冒頭で述べた「栂池」ですが、観光地である他に苗字も存在しているんですね。
その他の読みには次のようなモノがありました。
- 栂野(・・・、つなの):つな
- 小栂(こが、・・・):が
- 栂輪(とかわ):とか
いろいろな読みがあるもんですな!
最後に
木へんに母で栂ですが、この漢字についてみてきました。
最初に、栂の読み方と意味について述べてきました。中国では「梅」を指していましたが、日本では「ツゲ」のことを指しています!
栂は、今までもいくつか出てきた国字でした。意外と国字って多いんですね。
栂は、人名漢字ではなかったので苗字を調べてみたら、栂さんがいて、その他にもたくさんの苗字が見つかりました。
まだまだ、漢字には面白いモノがありそうです。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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