つつじは漢字で何と書く?その難読表記の理由を分かりやすくご紹介
春の時期になると一斉に咲き出す花「つつじ」。花が大きく、色鮮やかで美しいので街が華やかな感じに包まれますよね。
このつつじにも漢字があるんです。知っていましたか?その表記は「難読」と言われる部類の範疇です。
この漢字を見ると、皆さん驚くのではないでしょうか。「つつじ」は、前述のように花が大きく色鮮やかな植物なのに、実態とはかけ離れた文字なんですよ。
しかし、心配することはありません。この漢字表記は由来に一部関わりますが、こだわる必要は全くありませんので。
この記事では、つつじは漢字でどう書くかを示した後に、その難読表記の理由を分かりやすくご紹介しちゃいます。
それでは、ご一緒に参りましょうか。
つつじは漢字で何と書く?
それでは、つつじの漢字を披露します!
つつじは漢字で何と書く?
躑躅
どうですか?これで「つつじ」と読むんですよ!
えらく画数の多い漢字で、しかも「足へん」の漢字が2つも並んでます。
上記にあるツツジの花と見比べてください!実態とかけ離れていると思いませんか?
驚きの漢字表記ですよね。難読漢字と表題でも言っていますが問題ないと考えます!この漢字表記が、あの「つつじ」にどう繋がるんでしょうか。
何故この表記になったのか?
まず、漢字自体を見てみます。
上述のように、「躑躅」は、足へんの漢字である「躑」22画と「躅」20画の漢字の組み合わせです。
そして、躑躅は「つつじ」の他に「てきちょく」とも読むんですよ。
この「てきちょく」には、次の意味があります。
・行っては止まり、行っては止まりして進まない。
・二、三歩行っては止まる。
・とんとんと足踏みする。
ここから、躑躅を当てた理由が垣間見えてくるんです!
- その美しさに思わず人々が立ち止まったり、戻ったりするから
- 葉を食べたヒツジが、躑躅して死ぬことから
ひとつめの理由は、「つつじ」が、見る人の足を引き止める美しさを持っているところからですね。
ふたつめの理由は、ちょっとわかりにくいですね。
本来、「躑躅」は「羊躑躅」※だったという説です。つつじを食べた羊が、行っては止まり、行っては止まりして死んでしまったというものです。
※『本草綱目』(著者:李時珍)は中国で16世紀末に編纂された全52巻にもなる薬学書である。日本でも和刻本が長く使われ、日本の草本の分類の基にもなっている。この中に羊踯躅があり、「羊がその葉を食べれば躑躅して死ぬところから名づけたものだ。」と解説されている。
引用 ツツジの栽培の歴史と園芸品種
怖い理由ですよね!
ただ、実際、つつじには毒が含まれているので、あながち、デマだとは言えないようですね!
多くの種に致死性になりうる毒成分のグラヤノトキシンなどが含まれ、特に多く含むレンゲツツジは庭木として利用されることもあるので注意しなければならない。中毒症状としては、嘔吐、痙攣、下痢などを起こす。
引用 wiki ツツジ
いったい、どちらの説が正しいのでしょうか?
やっぱり、「つつじ」が余りに美しいので、足を止めて見入ってしまう方を取りたいですが…。
その他の理由は
「つつじ」と呼ぶようになった理由はまだまだあるんです。
ただし、こちらの理由は、漢字の「躑躅」ではなく、発音される「つつじ」の理由ですがね…。
- 筒状の花を意味する「筒しべ」から
- 花が連なって咲くことから「ツヅキサキギ(続き咲き木)」と言われ、省略されて「つつじ」になった
- 同様に、「ツヅキシゲル(続き茂る)」と言われ、省略されて「つつじ」になった
- つぼみの形が女性の乳頭に似ていることから、垂乳(タルルチチ)の転化
4つの説があるんですが、確定されてはいないようですね。
最初のは、「つつしべ」⇒「つつじ」なので何となく理解できますね。
2,3番目は、どう省略したら「つつじ」になるのかわからんのですが、最後の理由なんか全くわからないですよね!
どう転化したら、垂乳(タルルチチ)が「つつじ」がなるんだよ、おい!と思っていたら、こんなの見つけました。
→「垂れる乳」→「タルルチチ」→「トゥルルツィツィ」→「ツツジ」となったと(+o+)!!!
引用 つつじ
へええー-!
イメージが全く違う漢字たち
「つつじ」は漢字にしたらイメージが全くあわないモノでした!今まで記事にした中でも、いくつか、そういう漢字はありましたね。
たとえば、チューリップなんかがそうでした。「鬱金香」と書くんですよ!
実際、中国では元々チューリップの花の香りが、ウコンの香りに似ていることからこの漢字が使われていたそうです。
引用 チューリップの漢字は実態と異なる!中国伝来の表記の理由をご紹介
チューリップが日本に伝来したのは、江戸時代後期だそうです。
チューリップが日本に入ってきた時に中国語表記をそのまま使用したことで、チューリップの漢字はこうなったそうです。
詳細は、以下の記事を見てください。
また、アザラシの漢字がそうでしたね!可愛い外見とは別に、その漢字は少しおっかないものでした。
水の中にいて、身体にヒョウと同じような斑点模様があるから「海豹」あるいは、水の中でヒョウのごとく素早く動けるというところから「海豹」なんですね。
引用 アザラシを漢字で書くと?可愛い外見とは正反対の怖い表記です
アザラシの記事はこちらです。
最後に、つつじの海外での名前を見ておきましょうか。
海外ではどんな名前
「つつじ」を主だった言語の表記と読みを一覧にしました。
読みは、60爺が聞いた音を文字化しているので、皆さんが聞いた音とは違っていても、見解の相違ですのでご容赦を願います。
言語 | スペル | 発音 |
---|---|---|
英語 | azalea | アゼリア |
ドイツ語 | Azalee | アザリア |
オランダ語 | azalea | アザリア |
フランス語 | azalée | アゼリー |
イタリア語 | azalea | アッザレア |
スペイン語 | azalea | アザレア |
ポルトガル語 | azaleia | アザレイア |
スウェーデン語 | azalea | アザリヤ |
ノルウェー語 | asalea | アサレア |
中国語(繁体) | 映山紅 | イーシャンハ |
中国語(簡体) | 映山红 | イーシャンハ |
ロシア語 | азалия | アザリア |
やはり、ヨーロッパの表記は、それぞれが似ていますね。発音は、「アザ・・・」で始まるモノが多かったです。
ロシア語も、スペルはともかく、発音はヨーロッパと同じでした。
中国語は、両方とも「映山紅」です。山に紅を映すという漢字になっています。発音も両方とも同じものでした。この「映山紅」、wiki ツツジにも載ってます。
ツツジ(躑躅、映山紅)は、ツツジ科の植物であり、学術・・・
引用 wiki ツツジ
発音は面白いので、皆さんも聞いてみてください。
最後に
つつじの漢字は難読漢字と言っても良いものでしたね。この字をいきなり出されても、春に一斉に開花して見なの目を楽しませてくれる花だとわかる方は少ないと思います。
そして、この漢字のもう一つの読み「てきちょく」から「つつじ」につながってくると思いませんでした。理由がふたつあって、「皆が足を止める」はまだしも、「羊が葉を食べて死んじゃう」なんてのはホラーそのものですよね!
まあ、今時、つつじを漢字で書こうという人は、ほとんどいないと思いますが・・・。雑学として記憶するのも大変な位の漢字でしたね。
記事を終えますが、「つつじ」の漢字を書くことが出来ません。トホホ^^;
※思えば、「○○を漢字で書く」記事も増えてきましたよ
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