将棋八大タイトルの賞金額はいくら?各サイトをめぐってとりまとめた

2023年2月18日

将棋八大タイトルの賞金額はいくらなんでしょうか?

序列第一位の竜王戦のみ、その額が公開されていますね。現時点(2023/2/16)で4,400万円です。敗者の金額も公開されており、こちらは1,500万円です。破格ですね~!

しかし、他のタイトル戦については公開されていないんですよ。ですから、たとえば、日本将棋連盟が毎年公開している「獲得賞金・対局料ベスト10」などから想定するしかないんですよね。

現時点で、いろいろな方々が、八大タイトルの賞金額を想定していますので、60爺は、それらのサイトをめぐって自分なりの賞金額を想定してみました。

是非、お立ち寄りください。

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八大タイトルの賞金額

各サイトをめぐって、それらの想定している金額から出した60爺版八大タイトル賞金額です。

タイトル戦名賞金額主催者
竜王戦4,400万円読売新聞
名人戦3,500万円朝日新聞、毎日新聞
王位戦2,000万円北海道新聞、東京新聞、中日新聞、神戸新聞、徳島新聞社、西日本新聞
叡王戦1,500万円不二家
王座戦1,400万円日本経済新聞
棋王戦1,300万円共同通信社
王将戦1,200万円毎日新聞、スポニチ
棋聖戦1,100万円産経新聞

竜王戦を筆頭に上記のように想定しました。他のサイトと比べると、かなり賞金額が上振れていると思います。

60爺

それぞれのタイトルの賞金額をどう想定したかを見ていきましょう!


タイトル賞金額の考え方

賞金額を想定しているサイトを10見てきましたが、各サイトが設定している金額で一番多かったもので表を作成してみると次のようになりました。

タイトル戦名賞金額
竜王戦4,400万円
名人戦2,000万円
王位戦1,000万円
叡王戦900万円
王座戦800万円
棋王戦600万円
王将戦300万円
棋聖戦300万円

叡王戦は、主催者が変わった影響もあって、序列が3位⇒6位、そして現在6位と変遷した関係で金額が定まりませんでしたので、王位戦と王座戦の間を取って900万円としています。

60爺が、上記で定めた条件(賞金は1,000万円越え)と大きく差が出ていますね。

タイトル戦としての考察

現在、全棋士参加の棋戦として、「朝日杯将棋オープン戦」「銀河戦」「NHK杯」の3棋戦があります。賞金額を見ると、「朝日杯将棋オープン戦」のみが公開されていて、750万円(以前は1,000万円だった)です。

60爺の考えなんですが、タイトル戦の賞金が一般棋戦よりも少額なのはおかしいのではないかというものです。

番勝負により、年間のタイトル・ホルダーを決めているタイトル戦が、一発勝負のトーナメントでその年の王者を決める棋戦よりも賞金額が少ないのでは夢がないではないかと勝手に考えました。

そこで、タイトル戦の賞金額は1,000万円を越えるという条件を定めたんです。

文春オンラインの記事からの考察

ここで、文春オンラインに気になる記事が載っていました。

藤井聡太竜王の獲得賞金なんですが、2021年は6,996万円だったんですが、この年のタイトルは、竜王、王位、叡王、棋聖でした(竜王の賞金は翌年になります※)。

※獲得賞金は就位式のあった年に換算される。竜王就位式は2022年1月14日だったため、竜王戦の賞金は2022年に含まれるため。

21年は、竜王、叡王を加えて四冠になった藤井がついにトップに座るかと思いきや、・・・
タイトル戦の賞金は竜王戦以外は非公表だが、取材を元に概算したところ4つ合わせて9000万円。

引用 〈賞金ランキング発表〉実質1億円以上稼いでいるのに…藤井聡太、四冠でも獲得賞金1位になれない理由

この記事が書かれた時、藤井竜王は、竜王、王位、叡王、棋聖の四冠でもありました。すると、賞金が4つ合わせて9,000万円ということは、竜王戦4,400万円を差し引くと、王位、叡王、棋聖の賞金額が4,600万円ということになりますよね。

これが、タイトル戦賞金額決定のための条件の2番目です。

実際、各サイトの想定している賞金額とは大きく差が出てきます。王位1,000万円、叡王900万円、棋聖300万円では半分にも満たないことになりますので、この条件が問題ないとの証明でもあります。

獲得賞金ランキングからの考察

日本将棋連盟は表題のランキングを毎年発表しています。以前はベスト20まで公開していましたが、現在はベスト10までとなっています。

過去の記録を見ると、タイトルを獲得した棋士の年俸が跳ね上がっており、そこからタイトル戦の賞金額を類推できそうだと考えました。

参考になりうそうな、何人かの棋士の賞金獲得額を見てみます。参考にしたのは、こちらのサイトです。

  • 木村一基九段 2018年1,057万円⇒2019年王位獲得3,209万円 差額2,152万円
  • 中村太一七段 2016年718万円⇒2017年王座獲得2,144万円 差額1,426万円
  • 久保利明九段 2016年1,665万円⇒2017年王将獲得3,019万円 差額1,354万円

この数字と、タイトルの序列(賞金でランク付けされていると言われています)から、王位が2,000万円、王座が1,400万円、王将が1,200万円と当たりをつけました。そうなると、必然的に棋王は1,300万円になりますね。

王将より序列が下の棋聖を1,100万円とすれば、先程の文春の記事であった「王位+叡王+棋聖=4,600万円」から叡王が1,500万円となります。

最後に名人が残りますが、以下の記事に「3,500万円」と出ています!おー!竜王戦には届きませんが魅力的な金額じゃないですか。

月々の名人手当の1年分、名人戦七番勝負の対局料、名人位の賞金。これらの合算が名人の賞金と考えてよいだろう。今年の場合は3,500万円近くになる。

引用 名人位の賞金総額を推計する

タイトル以外での賞金や給料はどうなってる?

タイトル戦での賞金額を見ていただきましたが、それ以外にも棋戦があるんです。また、棋士の懐具合も気になる所ではあります。

そちらについても、少し、触れていきましょう。

タイトル以外での賞金

タイトル戦以外の棋戦にはどんなモノがあるでしょうか。棋戦の種類ですが、下記の図にありますように、大きく公式戦と非公式戦に分かれます。

  • 公式戦:対局結果と棋譜が日本将棋連盟の公式記録に残る棋戦
  • 非公式戦:対局結果と棋譜が日本将棋連盟の公式記録に残らない棋戦

日本将棋連盟の公式記録に残るかどうかで別れるんですね。
但し、非公式戦であっても、棋戦の主催者が対局結果や棋譜(もしくは対局の映像)を保管あるいは公開している場合があります。そのため、非公式戦だからといって必ずしも記録が失われるわけではありません。

引用 将棋の棋戦とは何か?その種類と概要についてまとめてみた

ここでは、全棋士参加棋戦について簡単に見ておきます。

3つの棋戦があります。優勝すれば、大きな賞金を手にできるとともに、大きな名誉も取得できます。

棋戦名開始時期賞金額
朝日杯将棋オープン戦2017年750万円
銀河戦1991年非公表
NHK杯テレビ将棋トーナメント1951年非公表

銀河戦及びNHK杯テレビ将棋トーナメントの賞金額は500万円と言われています。

上位棋士選抜棋戦や若手の棋戦・女流棋士の棋戦が気になる方は、次のページをご覧になってください。

棋士の給料は?

棋士っていったいいくらぐらいもらえるのか気になる方はいらっしゃいますか。何と、藤井聡太竜王は、2022年度の賞金額1億2千万円を超えたんですよ。

棋士の給料のベースは次のモノです。

  • 四段になると「参稼報奨金」(さんかほうしょうきん)と対局料が入る。
  • 「参稼報奨金」の約7割が順位戦のクラスと連動している(順位戦は対局料がなく、その金額が「参稼報奨金」として支払われる。A級9局、B級1組12局、C級(1,2組)10局の各リーグ戦の対局料が毎月均等に支払われる)⇒ 順位戦の各クラスの差は、およそ7掛けとなっている。
  • 他の棋戦は、1局ずつの対局料の他、契約金の一部が「参稼報奨金」に回るシステムで、各棋士の活躍度でABCのランクに査定され、それによって金額が支払われる

参考:プロ棋士の給料・年収を大解剖!トップに近づくと凄まじい!

で、これをベースに換算した棋士の年収は次の通りです。

クラス年収
名人1,714万円
A級1,200万円
B級1組852万円
B級2組600万円
C級1組432万円
C級2組312万円
フリークラス96万円

A級になれば、1,000万円プレーヤーですよ。名人になれば、1,500万円を軽く超えます!

この他に、賞金が入ってきたりしますから。棋戦優勝なんかすると、対局料の他に優勝賞金も入って来て、ウッハウハですが、勝てないとちょっと寂しい世界になっちゃうんですなア。

フリークラスの年収が随分悲惨ですが、与えられた情報から割り出したものなので、こんなところで許してください。

棋士の給料については、次のページで細かく解説していますので、是非、ご覧になってください。

つい最近、話題となった「小山怜央アマ」が編入試験に合格しましたが、当初はフリークラスへの所属です。フリークラスの給料についても解説していますので、以下の記事をどうぞ。

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最後に

ずっと作りたかったのですが、ようやく作ることが出来ました!

60爺

60爺版のタイトルの賞金額一覧表です。

過去に先人方が作成した「タイトルの賞金額一覧表」よりも、名人以下が総じて高い結果となっています。

もともと、色々なサイトを見ていたんですが、タイトル戦の賞金としては300万円は低いなと感じていました。最近、女流のタイトル戦でも1,500万円のモノが出てきて、それに比べて、ちょっと安すぎるのではと思っていたんです。

合わせて、一般棋戦の賞金額を考えてみると、タイトル戦の賞金はもっと上なのではと思うようになったんです。今回、上述した文春オンラインの記事を読んで、そこから、今回の記事の構想が出来上がりました。

まあ、実際の金額は、棋士の方々にしかわからないと思いますが、それはそれとして、自分なりの一覧表が作れたことは喜ばしいです。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺