木へんに百と書いて栢!読み方から意味・名前での使い方まで総特集
昔、会社の後輩に「茅根」という苗字の社員がいました。読みは「かやね」ですね。
で、この「かやね」の苗字の一覧を見ていたところ、その並びに「栢野」という苗字を見つけました。
ほほう、木へんに百で栢ですね。「かやの」と読むようですが、この漢字、60爺のシリーズに加えるにはピッタリのモノじゃないですか。
この木へんに百で栢、簡単ですが、余り馴染みのない漢字ですね。
今まで、調べてきた木へんに母で栂、木へんで弟の梯に匹敵するほどのへんてこな漢字の可能性があります。
そこで、木へんに百の「栢」について、いつものように、読み方から意味・名前での使い方まで、出来うる限り特集してみたいと思います。
よろしく、ご同道くださいますよう、お願い申し上げます。
木へんに百といえば栢!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、栢の意味と読み方を明確にしましょう。
栢の読み方と意味
栢
画数 :10画
音訓:ハク ビャク う・つ(日本語だけ)かしわ かや
意味
①木の名。ヒノキ科コノテガシワ属の常緑高木。中国原産。葉はヒノキに似、鱗状をなす。秋に青白色の果実がなる。コノテガシワ。・・・。②う・つ。手などを打ち合わせる。⇒「拍」に当てた用法。③姓の一つ。
日本語だけの意味
①かしわ。木の名。ブナ科コナラ属の落葉高木。カシワ。②かや。イチイ科カヤ属の常緑高木。カヤ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字「栢」ですが、実は「柏」の異体字※なんです。余り、「栢」を見た記憶がないのは、そのせいなんですな。
異体字※
引用 コトバンク 異体字
漢字の字体のうち標準字体以外のもの。異体文字、別体字、変体字ともいう。広義の・・・通常は漢字のみをさす。異体字の分類は諸家によりかならずしも一定しないが、(1)略字(字画を省略したもの。暦・歴→厂、幅→巾など)、(2)合字(2字を合成したもの。麻+呂→麿、菩+薩→など)、(3)分字(1字を2字に分割したもの。米→八木など)、(4)古字(古文ともいう。篆(てん)書以前の古体字。礼のように常用漢字に採用されているものもある)、(5)俗字(世間に通用している正式でない字体。曜→など)、(6)譌(か)字(誤字と認められるもの)などが考えられる。
おー!「栢」は標準字体ではないんですね。
上記にある通り、「栢」の音読みは「ハク」「ビャク」、訓読みは「拍」に当てた用法で「う・つ」です。
さらに、日本語だけの訓読みとして「かしわ」に「かや」まであります。
意味を見ていくと、「コノテガシワ」なんですな。日本語のみ、「カシワ」と「カヤ」を指すんです。
「漢字源」に、こんなことが書いてありました。
日本では異体字を木の名の「かや」に用いる。
引用 上級漢和辞書 漢字源 学研
異体字は、「かや」を指すんですよ~。今回の追及する植物は、「かや」にします!
その前に、栢の書き順を示しておきます。
木と会の書き順そのままです!間違えることはないですよね。
合わせて、標準字体の「柏」の書き順も載せておきます。こちらは百より横棒一本を除いた漢字なので、もっと簡単です。
それでは、由来や成り立ちを見ていきましょうか。
もっと詳しく知ろう!栢の漢字としての由来や成り立ち
栢の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。
栢の由来
和名カシワの語源は主に3つの説があります。
- 炊事に使う葉という意味で、食べ物を盛り付けたり、あるいは蒸したりするときに食べ物を包むのに使われた葉のことを炊葉(かしきは)、あるいは炊く葉(かしぐは)といったことからという説。
- 葉がかたいことから、堅し葉(かたしは)の意味からとする説
- 葉に食事を盛ることから、食敷葉(くしきは)の意味からという説
参考:wiki カシワ
日本では漢字で「柏」と書きますが、中国における「柏」は、上述したように、ヒノキ科コノテガシワ属の常緑高木である「コノテガシワ」を指します。
秋に青白色の果実がなるというので、写真を捜してきました。
本当に白いんですね!
柏(栢)の漢字の成り立ち
柏は、「木」+「白」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「白」:白いの意味です。
白色を帯びた実のなる木を暗示しています。
コノテガシワの果実の青白い色、または種子の乳白色の特徴による命名。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
上述の写真のように、白い実がつくんですよ~!
栢ってどんな植物?
栢はどんな植物なのでしょうか。カヤの花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
カヤの花言葉ですが、どんな環境にもなじむ習性からつけられたようですね。
- 努力
- 忍耐
- 寛容
大変長寿の木であり、木材としても最高級であるところからイメージされたのでしょうね。
形態・生態
日本の本州(宮城県以西)、四国、九州、屋久島にかけての地域、朝鮮半島の地域で暖帯林、山地に散生しています。
耐陰性があり大気汚染にも比較的強いため、都心部の植栽にも使用できます。成長は遅いですが大木となります。
形態・生態はwikiに詳しいです。
常緑針葉樹の高木で、幹は直立し樹高は20メートル(m)、周囲は3mほどに、樹冠は幅の広い円錐形になる。
引用 wiki カヤ
枝は対生する。側枝は三叉状に伸びる。樹皮は灰褐色から褐色で縦に裂ける。葉は線形で断面は扁平で表面が膨らみ、先端は鋭く尖っており、触れると痛い。
花期は春(4 – 5月)。雄花は長さ1 cmほどの楕円形で、前年に出た枝の葉腋から下垂し、多くの鱗片の内側に葯があり、黄色い花粉を出す。雌花は前年枝の先に出来る。
果期は翌年の9 – 10月。種子は緑色の厚い仮種皮に包まれている。楕円形で、はじめは緑色であるが、花の咲いた翌年秋に熟すと種衣は褐色になり、縦に裂けて種子を落下させる。
カヤも20mと言いますから、非常に大きくなる木なんですな。
栢は、建材として使用されます。こちらも、wikiから引用します。
庭園樹として植栽にされる。材は最高級の碁盤や将棋盤、種子は食用にされ、油脂分が多く食用油にも利用される。また種子が生薬となり駆虫薬などになる。
引用 wiki カヤ
碁盤、将棋盤のもとになるんですね。
種も、食用、油、生薬などにより、広く利用されるようです。
以上、栢の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、栢(カヤ)とはどんな植物なのかを見てきました。
次の章では、「栢」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
木へんに百と書く「栢」ですが、この漢字は名前として使用するには、ちょっと使いづらいんでしょう。
この漢字を使った名前を捜しても、ほとんどヒットしません!
そこで、方針を変更して、「栢」の入った苗字を見てみましょう!
いつもやっている、そのものずばりの「栢」という苗字です。これがあるんですよ!
【名字】栢
【読み】かや,かしわ
【全国順位】 13,132位
【全国人数】 およそ460人
参考資料 名字由来net
この苗字も変わった苗字なんですね。
「櫛」(およそ80人)に比べれば一桁多いですが、「梯」(2,500人)よりも1ケタ少ない、全国でたったの460人です。
読みは、上で出てきたように「かや」と「かしわ」でした。
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
山口県 | およそ130人 |
三重県 | およそ70人 |
大阪府 | およそ60人 |
東京都 | およそ40人 |
神奈川県 | およそ20人 |
参考資料 名字由来net
山口県と三重県で半数ほどを占めていますね。
栢に他の文字を付けた苗字です。多数ありました。まだまだあるんですが切がないので・・・。
栢口(かやぐち)、栢野(かしの、かやの)、栢木(かしわき、かやき、かやのき、かいのき、かしわぎ、かやぎ)、栢本(かしもと、かやもと、かやき、かしわもと)、栢原(かやはら、かしはら)、小栢(おがしわ、おがや)、栢尾(かしお、かやお)、栢沼(かえぬま、かやぬま)、栢盛(かやもり)、栢村(かしわむら、かやむら)、尾栢(おがしわ、おがや)、大栢(おおがし、おおがや、おがや、おおかや)、栢森(かしわもり、かやもり)、栢岡(かしおか、かやおか)、栢山(かやま)
「かや」、「かし」、「かしわ」と読ませることが多いようです。濁点が付く「がしわ」や「がや」もありますね。栢沼(かえぬま、・・・)は「かえ」と読ませています。
次の章では、異体字について過去に書いた記事を見ていきたいと思います。
ところで異体字についての記事は?
過去に異体字である漢字の記事を書いています。「木へんに会う」「木へんに戸」ですね。
木へんに会うで桧
木へんに会うで桧なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「ヒノキ」なんです。
標準字体は檜なんですよ!
本記事で扱う栢は、名前として使えない漢字だったんですが、同じ異体字でも「桧」は名前として使える漢字で男女別の名前ベスト3を出しています。
その他、成り立ちなども解説していますので、気になる方は、この記事もご覧になってください。
木へんに戸で枦
木へんに戸で枦なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「ハゼノキ」なんです。
標準字体は櫨なんですよ!
本記事で扱う「桧」は名前として使える漢字で男女別の名前ベスト3を出していますが、「枦」は名前として使用できない漢字でしたね。
その他、成り立ちが・・・です。気になる方は、こちらの記事もご覧になってください。
以上、異体字を2つ紹介しました。
最後に
木へんに百といえば栢ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、栢の読み方と意味について述べてきました。柏の異体字でしたね。意味は、植物として3種類ですが、日本語の栢は「カヤ」を指すとのことで、植物としては「カヤ」について調べました。
漢字の書き順は、標準字も含め、まず間違えようがないものでした!その由来には3つの説がありましたね。合わせて、成り立ちも調べました。
しかし、漢字を調べていると、いろいろ勉強になって面白いです。次回はどんな漢字にしようかな。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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