木へんに昌と書いて椙!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
最近、暖かい日が多くなってきました。冬が終わり春が来ると、かかっている方には非常につらい花粉が舞う季節が到来ですね。
私は、現在のところ、幸いなことに花粉症ではありません。
さて、この花粉をまき散らす植物の中でも「すぎ」花粉は有名ですね。
この「すぎ」ですが、木へんにどう書くのだろうと気になって調べたんですよ。
そうしたら、木へんに昌の椙が「すぎ」として登場です。
そこで、木へんに昌の椙、この漢字について、その読み方や細かい意味及びその書き順、特徴、さらには名前を付ける場合のポイントまで幅広く総特集することにしました。
それでは、その結果を見ていってくださいますよう、お願い申し上げます。
木へんに昌といえば椙!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、椙の意味と読み方を明確にしましょう。
椙の読み方と意味
椙
画数 :12画
音訓:- すぎ
日本語だけの意味
①すぎ。木の名。スギ科スギ属の常緑高木。幹はまっすぐで、建築材用。スギ。(注意書き)「杉」とも書く。
参考:上級漢和辞典 漢字源
上記の通り、「椙」の音読みはないんです。
訓読みは「すぎ」一択です。
意味もひとつしかありません。木の名称である「すぎ」ですね。
普通は、「杉」と書きますね!
しかも、日本語だけの意味がたった一つです!
以前の記事の「木へんに門」「木へんに華」「木へんに神」に続き、意味が一つしかない漢字がまたもや登場しました。
次は、「椙」の書き順をみてみましょう。
木と昌の書き順そのままです。
皆さん、昌の書き方は大丈夫ですね。
日を二つ書くだけですから、間違えようはないでしょう。
もっと詳しく知ろう!椙の漢字としての由来や成り立ち
それでは、椙の漢字としての由来と成り立ちをみていきましょう。
椙の由来
椙(すぎ)の語源は、次のようにいくつか説がありますが、成長に由来していると思われます。
- 成長が早く長寿の大木であることから、「スクスクと生える木」の意味。
- 真っ直ぐに伸びることから、「すぐ(直)な木」の意味。
- すくすく上へ伸びることから、「ススキ(進木)」
「すぎ」を広辞苑で引いてみます。
①スギ科の常緑針葉樹。日本の特産。アジア各地に広く植林。
引用 広辞苑
②杉形すぎなりの略。
③紋所の名。杉の樹をえがいたもの。一本杉・並び杉・杉巴など。
「すぎ」の漢字表記には、椙の他に、上述した杉が出ていますね。
私には、「杉」の方が馴染みがありますね。「椙」がスギだとは知りませんでした。
椙の漢字の成り立ち
椙は、「木」+「昌」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「昌」:「盛ん」の意です。
盛んにさかえる、すくすくとのびる木を寓意した日本製の漢字。
異説では、榲に「すぎ」の意味があり、これが崩れてできた日本製の漢字とも。
参考:上級漢和辞典 漢字源
※国字
引用 国字|ウィキペディア
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。
この漢字も国字です。以前、木へんに門、木へんに神、木へんに花の記事でも出てきましたね~。
椙ってどんな植物?
ここでは、椙について、どんな植物なのか述べていきます。その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
杉の花言葉です。
- 堅固
- 雄大
大きく成長して、寿命も長く、木材にも使われることからつけられたと考えられています。
形態・生態
椙の形態、生態は次の通りです。
常緑針葉樹の高木。最大樹高は60(m) 近くに達する。典型的には明瞭な主幹を持ち樹形は円錐形、ただし株立ちするものもある。樹形はふつう細長く直立し、高さ50 mに達するものもあるが、生育条件などによっては幹が太くなる。屋久島の縄文杉は樹高25.3 m、胸高周囲16.4 mに達し、推定樹齢は2000 – 7200年とされている。また大王杉は樹高24.7 m、胸高周囲11.1 m、推定樹齢3000年とされている。
引用 wiki スギ
樹皮は赤褐色で、成長した幹の樹皮は縦に長く裂け、帯状に剥げやすい。若枝は褐色で無毛である。
雌雄同株。3月から4月に開花する。雄花は長さ5ミリメートル (mm) くらいの楕円形で前年の枝先に密生する。雌花はほぼ球形で鱗片が密着し表面に小さな棘が出る。果期は10月。雄花の冬芽は楕円形の裸芽で、枝先に多数つく。雌花の冬芽は球形で多数の鱗片に包まれ、1個ずつつく。
スギは、樹高60mと言いますから、物凄く大きな木ですな。
縄文杉は、樹高(25.3m)がそれほどでもないですが、胸高周囲は16.4mで、推定樹齢は2,000~7,200年とは驚くほど長生きなんですな!
スギは、昔から盛んに利用されているようです。こちらもwikiから。
まっすぐに伸びた材は、角材や板に加工されて、建築材の他、船舶材、酒樽にもなる。建築材としては、主に日本家屋の柱材として利用されるほか、構造用合板としてや集成材としても利用される。
引用 wiki スギ
葉を乾燥して線香に用いることがある。スギの葉から作られる線香は匂いよりも煙の量を重視したものである。日本酒の造り酒屋の軒先に吊るされる杉玉は葉を集めて作られ、「酒を造り始めた」ということを周囲に知らせる意味で作られる。樹皮は外壁や屋根(杉皮葺)に利用する。
屋敷林として防風の効果を期待して植えられることがある、富山平野(砺波平野を含む)や北関東の屋敷林にはしばしばスギが用いられる
スギも、ヒノキと同様、角材や板に加工され、建築材・船舶材・酒樽にまでなっています。
木材だけでなく、樹皮も外壁・屋根に利用されるようです。
スギと言えば、ヒノキと同じく、花粉症の原因とされますよね。広辞苑に次の記述があります。
花粉が細かく、空中に飛散・滞留するため花粉症の原因となる。
引用 広辞苑
名前に使われる際のポイントは
「椙」という漢字は、「椚」と同様に名前として使用するには、ちょっと使いづらいんでしょうか、この漢字を使った名前を捜しにいってもヒットしないんですよ!
そこで、方針を変更して、「椙」の入った苗字を見てみましょう!
最初に、そのものずばりの「椙」という苗字です。何と、これがあるんですよ!
【名字】椙
【読み】すぎ
【全国順位】 38,860位
【全国人数】 およそ70人
参考資料 名字由来net
この苗字は大変珍しい苗字なんですな!
なんと、全国でたったの70人!
この人数は、今まで見てきた中でも一番少ない数です(今までは、「櫛」さんの80人でした)!
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
山口県 | およそ20人 |
大阪府 | およそ10人 |
兵庫県 | およそ10人 |
神奈川県 | およそ10人 |
愛知県 | およそ10人 |
参考資料 名字由来net
椙に他の文字を付けた苗字はその他にもたくさんあります。
上椙(うえすぎ)、小椙(こすぎ)、椙浦(すぎうら)、椙岡(すぎおか)、椙崎(すぎさき,すぎざき)、椙沢(すぎさわ)、椙下(すぎした)、椙嶋(すぎしま)、椙田(すぎた)、椙谷(すぎたに,すぎや)、椙原(すぎはら)、椙生(すぎふ)、椙棟(すぎむね)、椙本(すぎもと)、椙守(すぎもり)、椙森(すぎもり)、椙山(すぎやま)、高椙(たかすぎ)、二椙(ふたすぎ)、森椙(もりすぎ)、若椙(わかすぎ)・・・ まだまだあるようです。
引用 「椙」を含む名前・人名・苗字(名字)
たくさんの苗字が見つかりましたが、「すぎ」と読ませる名字しかありませんね。
ただ、これらの名字は「杉」で書かれた名字の方がポピュラーな気がしますね。
次の章は、椙が国字だと述べた際、「木へんに門」「木へんに神」「木へんに花」の記事でも出てきたと述べました!
それらの記事について簡単に述べておきます。
ところで木へんのつく国字は?
上記の「国字」について言ったときに出てきた「木へんに門の椚」「木へんに神の榊」「木へんに花の椛」で記事を書いているんですよ。
木へんに門で椚
木へんに門で椚の記事の中で国字が出てきた部分を抜き出してみますね。「椚の漢字の成り立ち」の中でこう言っています。
クヌギは、古くは「くのき」ともいい、上述の「門」の意のように「区の木」に当てた日本製の漢字即ち国字です。
引用 木へんに門と書いて椚!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
意味もひとつしかありません。
その他、カブトムシやクワガタを採れる木なんですが、それらが気になる方は、以下の記事をご覧になってください。
木へんに神で榊
木へんに神で榊の記事の中で国字が出てきた部分を抜き出してみますね。
「榊の漢字の成り立ち」の中でこう言っています。
神事の供え物をする木を寓意したものであり、日本語の「さかき」を表記するために創作された国字※です。
引用 木へんに神と書いて榊!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
榊の意味もひとつしかありません。
しかも、椚と同様に、日本語だけの意味がたった一つです!
榊について詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
木へんに花で椛
木へんに花で椛の記事の中で国字が出てきた部分を抜き出してみますね。
「椛の由来」の中でこう言っています。
日本語の「もみじ」を表記した国字(中国以外の国で作られた、独自の漢字体の文字のこと※)です。
引用 木へんに花と書いて椛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
「もみじ」の由来を再度掲載します。
もともと、モミツという四段動詞があり、紅葉(黄葉)するの意であった。その連用形で名詞化したものがモミチであり、第三音節は清音であったが、平安時代に入ってモミヂと濁音化した。
引用 暮らしのことば新語源辞典
「椛」については、漢字の音読みはなく、訓読みは「もみじ」がメインだったんです。
詳細は、次の記事を参照ください。
国字である漢字「椚」「榊」「椛」を紹介しました。
最後に
木へんに昌の椙ついて述べてきました。
普通、「すぎ」というと「杉」を思い浮かべますが、「椙」もそうだったのですね。初めて知りました。
この樹木は、まっすぐ上に延びるイメージがありましたが、現代社会では「花粉」といった方が分かりやすいですか?
いつものように、意味、読み方から、漢字の書き順、そして椙の指す植物についての解説及び名前の情報について述べてきました。
この漢字も、またまた、数少ない国字でした。国字って少ないんですかね。60爺の調べている漢字は国字率が高いような気がしますが・・・。
この先も、しばらく、木へんの漢字を調べていくつもりです。。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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