6月の別名は?とてつもない数が集合して由来や辞書の調査に大忙し

2023年3月12日

以前、月の異名を一覧にしましたが、この度、それぞれの月に絞って、その別名を詳しく見ていこうかと思います。

何月から始めようかと考えましたが、余り近い月では、すぐにやってきてしますので、ちょっと間をあけた方が良いかと考えました。

そこで、3ヶ月先の6月をターゲットに定めました!「6月の別名」にどんな名称があるか見ていきます。

月の異名の記事では、異名の別名として6つの呼称を挙げたのですが、今回は、もう一歩踏み込んで、別名を捜してみました。

そうしたら、出てくる出てくる…。整理に困るほど別名が出てきました!

たくさんあるので、お立ち寄りになって見ていってくださいませ~。

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6月の異名は

恐らく、6月の別名というと、6月の異名である和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)を思い浮かべる方が大多数かと思います。

そこで、まず、6月の異名を頭で取り上げます!

6月の異名(和風月名)は?

水無月 みなづき

その由来は次の通りです。

  • 酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。
  • 水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。

水無月には、上に挙げた二つの由来があるんですね。また、「無」についての解説があります。

「みなつき」とも。「な」は「ない」の意に意識されて「無」の字が当てられるが、本来は「の」の意で、「水の月」「田に水を引く必要のある月」の意という


6月の別名は?

それでは、水無月以外の6月の別名を見てみましょう。

6月の別名は?

次のように、山ほど出てきました!

葵月(あおいづき) 青水無月(あおみなづき) 弥涼暮月(いすずくれづき) 永夏(えいか) 炎陽(えんよう) 大六月(おおろくがつ[「小六月(ころくがつ)」は、十月]) 温風(おんぷう) 風待月(かぜまちづき・かざまちづき) 火老(かろう) 季夏(きか) 季月(きげつ) 窮夏(きゅうか) 極暑(きょくしょ・こくしょ) 建未月(けんびげつ) 庚伏(こうふく) 亢陽(こうよう) 極暑月(こくしょげつ) 涸月(こげつ) 朔月(さくげつ) 三伏之秋(さんぷくのあき) 終夏(しゅうか) 鶉火(じゅんか) 常夏(じょうか) 焦月(しょうげつ) 小暑(しょうしょ) 溽暑(じょくしょ) 且(しょ) 暑劇(しょげき) 且月(しょげつ) 暑月(しょげつ) 水月(すいげつ) 涼暮月(すずくれづき) 積夏(せきか) 蝉羽月(せみのはづき) 則旦(そくたん) 徂暑(そしょ) 祖暑(そしょ) 大夏(たいか) 田無月(たなしづき) 旦月(たんげつ) 長夏(ちょうか) 長列(ちょうれつ) 常夏(とこなつ) 常夏月(とこなつづき) 遯月(とんげつ) 夏越の月(なごしのつき) 鳴神月(なるかみづき) 鳴雷月(なるかみづき) 熱月(ねつげつ) 波達羅盈月(はだらえづき) 林鐘(はやしのかね・りんしょう) 晩夏(ばんか) 晩月(ばんげつ) 未月(びげつ) 未の月(ひつじのつき) 伏月(ふくげつ) 伏暑(ふくしょ) 暮夏(ぼか) 松風月(まつかぜづき) 末夏(まつか) 末月(まつげつ) 且(みなづき・みなつき) 且月(みなづき・みなつき) 六月(みなづき・みなつき) 皆無月(みなづき・みなつき) 皆尽月(みなづき・みなつき) 皆月(みなづき・みなつき) 皆熱月(みなづき・みなつき) 盛熱(みなづき・みなつき) 鳴雷月(めいらいづき・めいらいつき) 葉月(ようげつ[「葉月(はづき)」は八月だが、易林本節用集には「葉月(ようげつ)」として六月に見られる]) 陽氷(ようひょう) 林鐘(りんしょう・はやしのかね)

参考:六月水無月(みなづき、みなつき)

ご覧のように、大量の別名が出てきました。太字の部分は、読みが「みなづき・みなつき」の名称です。

辞書等に載っているか、あるいは、由来を見つけられるか試した結果をお知らせします。

由来が見つかった別名

いろいろなサイトや辞書から、由来と見られる内容を取得できた別名を一覧にしました。かなりの数がありますよ!

別名読み由来
葵月あおいづき葵の花の季節から付いたモノと思われます。
青水無月あおみなづき木々の葉が青々と生い茂る季節であることから、異名である「水無月」に「青」をつけた「青水無月」という別名が生まれたようです。
弥涼暮月いすずくれづき涼しい暮れ方の月という意味を持っています。「い」は接頭語ですね。
炎陽えんよう「太陽の照りつける夏の時候」から、6月の別名になったのでしょうか?
温風おんぷう「梅雨が明ける、陰暦六月頃に吹く南風。」(日本国語大辞典)。ここから、6月の別名とされたのでしょうか
風待月かぜまちづき・かざまちづき暑くなり、風が吹いてくるのが待ち遠しい月ということです。
季夏きか季夏は、「夏の末。晩夏。」を指します。「陰暦六月。」の意味もあるんです
季月きげつ四季それぞれの最後の月即ち陰暦の三・六・九・十二の月を表します
建未月けんびげつ古代中国の北斗七星をベースにした月の呼び名このとです。陰暦6月は未の月で、建未月(けんびげつ)から来たそうです。
庚伏こうふく夏のうちで、いちばん暑い時期を表します。三伏が庚(カノエ)の日から始まるのでこういわれます
涸月こげつ梅雨が明けて暑くなり、田んぼの水が涸(か)れやすいことから名づけられたようです。
三伏之秋さんぷくのあき夏の土用・初伏・中伏・末伏の3つから。なぜ「秋」というのかは分からなかった。
鶉火じゅんか古代中国天文学における天球分割法十二次(じゅうにじ)からきたものです。
小暑しょうしょ二十四節気の一つ。天文学的には、太陽が黄道上の一〇五度を通過するときで、暦の上では夏至の後一五日目、陰暦六月の上旬、陽暦七月七日頃にあたる。
溽暑じょくしょ蒸し暑いこと。また、その暑さ。蒸暑。溽熱。
暑月しょげつ暑いころ。夏。夏季。
水月すいげつ水無月への転訛前の名称と言われます。
涼暮月すずくれづき涼しい暮れ方の月という意味。
蝉羽月せみのはづき蝉の羽のように、透けそうな薄い着物を着ることからいう。
徂暑そしょ暑くなり始める 陰暦6月の別称
長夏ちょうか①日の長い頃の夏。②陰暦6月の異称。
常夏月とこなつづき(常夏の花の盛んな月の意)陰暦6月の異称。
遯月とんげつ(易で遯の卦に配されるからいう)陰暦6月の異称。
夏越の月なごしのつき「夏越の祓(ハラエ)」の行われる月。すなわち、陰暦六月のこと。
鳴神月なるかみづき鳴神月は、雷鳴が多いの意味に由来する。
鳴雷月なるかみづき鳴雷月は、雷鳴が多いの意味に由来する。
晩夏ばんか夏の末から、そう呼ばれたのでしょうか?
未月びげつ古代中国の北斗七星をベースにした月の呼び名このとです。陰暦6月は未月です。
未の月ひつじのつき古代中国の北斗七星をベースにした月の呼び名このとです。陰暦6月は未の月です。
伏暑ふくしょ〔伏天〕の暑さ.暑い時
暮夏ぼか夏の終わりごろ。晩夏。
松風月まつかぜづき風を待つ(松)月の意から来ています。陰暦六月の異称。
葉月ようげつ[「葉月(はづき)」は八月だが、易林本節用集には「葉月(ようげつ)」として六月に見られる]
林鐘りんしょう①陰暦6月の異名。②中国音楽のひとつで、十二律の8番目の音。日本の黄鐘(おうしき)に相当する。

30を越える別名が集まりました。上述しましたが、一応、辞書やサイト等に載っていた内容です。

「6月の別名」と裏が取れた別名

こちらは、由来は不明ですが、6月の別名であるとの裏が取れた別名です。4つあります。

  • 大六月(おおろくがつ)
  • 亢陽(こうよう)
  • 且月(しょげつ)
  • 焦月(しょうげつ)

個別に詳細を見ていきます。

大六月(おおろくがつ)

「小六月(ころくがつ)」は、陰暦十月を表しますが、それに対して、「大六月(おおろくがつ)」陰暦六月の異称を表します。

亢陽(こうよう)

『国史大辞典』に「月の異名一覧」が収録されており、「亢陽」が六月の異名であることが確認できた。

引用 「亢陽」が六月の異称であることを確認したい。

且月(しょげつ)

陰暦6月の異名。焦月(しょうげつ)。

焦月(しょうげつ)

上記「且月(しょげつ)」参照

由来も不明、辞書にもない別名

残念ながら、由来も不明、さらに、辞書にも載っていない別名です。

永夏(えいか) 火老(かろう) 窮夏(きゅうか) 極暑(こくしょ・きょくしょ) 極暑月(こくしょげつ) 朔月(さくげつ) 終夏(しゅうか) 常夏(じょうか) 暑劇(しょげき) 積夏(せきか) 則旦(そくたん) 祖暑(そしょ) 大夏(たいか) 田無月(たなしづき) 旦月(たんげつ) 長列(ちょうれつ) 常夏(とこなつ) 熱月(ねつげつ) 波達羅盈月(はだらえづき) 晩月(ばんげつ) 伏月(ふくげつ) 末夏(まつか) 末月(まつげつ) 且(みなづき・みなつき) 且月(みなづき・みなつき) 六月(みなづき・みなつき) 皆無月(みなづき・みなつき) 皆尽月(みなづき・みなつき) 皆月(みなづき・みなつき) 皆熱月(みなづき・みなつき) 盛熱(みなづき・みなつき) 鳴雷月(めいらいづき・めいらいつき) 陽氷(ようひょう)

28もの別名がありました。その中でも、「みなづき」の表記がたくさんありますねェ~。水無月はお馴染みですが、ここで出てくる漢字表記は見慣れないモノばかりです。

他にも、「波達羅盈月(はだらえづき)」なんて、由来が見つかってもよさそうな感じがするんですが・・・。「仏教関係では・・・」と言っているサイトがあったような気がしますが、はっきりしませんでした。

「夏」や「暑」のつく名前が目につきました。他にも、変わった名称「陽氷(ようひょう)」がありますね。

月の異名について

6月の別名を見て来たんですが、実は、月には異名があるんです。

6月で言えば、水無月に当たるものです。有名どころでは、12月を師走と言うのは、多くの方が知っていらっしゃるのではないでしょうか。

そんな、月の異名の一覧が次のモノです。

異名読み方由来
1月睦月むつき■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。
■「生む月」の説もある。
2月如月きさらぎ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。
■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。
3月弥生やよい■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。
4月卯月うづき■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。
■稲種を植える月から、「植月(うづき)」
■十二支の4番目の卯の説
5月皐月さつき■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる
6月水無月みなづき■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。
■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。
7月文月ふみづき■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。
■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説
8月葉月はづき■葉の落ちる月、「葉落月」から。
■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から
■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。
9月長月ながつき■「夜長月」の略が一般的。
■「稲刈り月」の転訛。
■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。
10月神無月かみなづき■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。
■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。
11月霜月しもつき■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。
12月師走しわす■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。
■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。

各月の異名の別名や、異名の覚え方を解説しているのが次の記事です。

月の異名の覚え方について特化し、たくさんの覚え方を紹介しているのが、こちらの記事です。あなたにピッタリの覚え方が見つかるかもしれませんよ。

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最後に

6月の別名をいっぱい挙げてみました!

60爺

しかし、6月の別名が、こんなにたくさんあるとは思い浮かびませんでしたね…。

余りにたくさん見つかってしまったので、辞書にあるかどうかを確認するだけで、えれェ大変でした^^;

まあ、それでも、由来らしきモノが見つかった別名はいいとして、結局、辞書にもなく、由来も見つからなかった別名も多々ありました。

昔の名前は、こんなもんなんでしょうか?

他の月も調べてみたいとは思いますが、また、同じ作業になりそうでちょっと怖いッス!

■思えば月の別名も増えたものです。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

月の別名

Posted by 60爺