木へんに戸と書いて枦!読み方から意味・名前での使い方まで総特集

2023年3月15日

毎週、曜日を決めて家の掃除をやってます。

月曜は寝室、火曜は玄関・廊下、・・・、木曜は風呂etc。こうしないと、曜日の感覚がなくなってしまうので…。

で、和室の窓と網戸も掃除するわけですが、網戸の「戸」について、何かが引っ掛かったんです。

60爺

60爺のセンサーにピピっと反応いたしました!

そうです!60爺の実施している、木へんの漢字に、この戸を使うと「枦」となる訳ですが、あんまり、見たことがない漢字ですよね!

でも、あったんです!ヨッシャ。

そこで、いつものように、木へんに戸の「枦」について、読み方から意味・名前での使い方まで突っ込んで調べてみたいと思います。

是非、60爺とご一緒に付き合ってくださいませ~。

木へんに戸といえば枦!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、枦の意味と読み方を明確にしましょう。

枦の読み方と意味

画数 :8画
音訓:ロ ますがた (日本語だけ)はじ はぜのき
意味
①ますがた。柱の上の方形の木。棟木を支えるための物。とがた。
②木の名。ハグマノキ。黄櫨(コウロ)。別名、托櫨(タクロ)。
日本語だけの意味
①はぜ。木の名。ウルシ科ウルシ属の落葉高木。実からろうをとる。ハゼノキ。ハニシ。
②「枦」は地名に用いる字。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

紹介したとおり、「枦」の音読みは「ロ」、訓読みは「ますがた」、日本語だけの訓読みは「はぜ」です。
そして、実は、「枦」は「」の異体字※なんです。

異体字※
漢字の字体のうち標準字体以外のもの。異体文字、別体字、変体字ともいう。

引用 コトバンク 異体字
60爺

そうなんです。「枦」は標準字体ではないんですよ。また、出てきましたね。異体字!

この漢字も、中国と日本では、別の木を指すんですね!

「ハグマノキ」と「ハゼノキ」を見てみましょう。

「ハグマノキ」はスモークツリーとも呼ばれていますね。

「ハゼノキ」は、ウルシ科ハグマノキ属の落葉低木あるいは小高木です。

心材は黄色で、黄色の染料をとるそうです。

※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「戸」の他にも様々な漢字を用意しています。

次に、枦の書き順を示しておきます。

枦の書き順の画像

木と戸の書き順そのままです!

こちらは、間違えることはないでしょう。

こちらは、標準字体の「櫨」の書き順です。こちらは難しいぞ。

櫨の書き順の画像

木へんの右側の「慮」の画数が多いので要注意です。

7,8の部分を間違えないようにしましょう。60爺は、8→7の順かと思っていました。

そのあとは、「七」「田」「皿」ですから、書き順を間違えることはないと思いますよ。

もっと詳しく知ろう!枦の漢字としての由来や成り立ち

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Alexander Dunkel, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons
ハグマノキ

枦の漢字としての由来と成り立ちです。

櫨は、「木」+「慮」で成り立っています。

  • 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
  • 「慮」:「丸い」、「連なる」の意味です。

ここから、「櫨」は、連なる枝を持つ木、即ち、多くの枝を持つ樹木を表します。

この「櫨」の意味である「ハグマノキ」を調べると、まさに、多くの枝を持った木なんです。

また、花も上述の写真にあるような連なった感があります!

枦ってどんな植物?

枦はどんな植物なのでしょうか。

日本語の意味にあるハゼノキに絞って、その花言葉と、形態・生態を見ていくことにします。

花言葉

ハゼノキの花の画像

花があるからには、花言葉があるんですよ!しかも、いい花言葉が付いています。

  • 真心

この植物の実は蝋の材料に使われ、実の肉をほぐし火をつけると燃え上がることからの命名でしょうか?

「真心」という花言葉は、人に贈るのに向いていますね。

大切な友人・恩師・両親など、あなたが大切だと思う相手に、この「真心」という花言葉を持つ「ハゼノキ」を贈ると良いのではないでしょうか。

上の写真にあるように、ちょっと地味な感じがしますけどね。

形態・生態

日本では、本州の関東地方南部以西、四国、九州・沖縄、小笠原諸島の他、朝鮮半島南西沖の済州島、台湾、中国、東南アジアに分布しています。

日本の山野に自生しているハゼノキは、かつて果実から蝋を採るために栽培していたものが、野生化したともいわれます。

この植物は7~10mになる高木ですね。

葉には表裏ともに毛がないところから、日本に古来から自生しているヤマハゼと区別ができます。

そして、秋になると、美しい真っ赤な色に紅葉しますが、これは、ウルシ科の特徴です。

花は、先程の写真のように、地味なモノでしたね。

秋に直径5~15mmほどの扁平な球形の果実が熟しますが、坐薬や軟膏の基剤・ポマード・石鹸・クレヨン・化粧品などの原料でした。

その他、ハゼ餅など食用としての利用もあったのですね。

木材としての利用は、工芸品・細工物などの他、櫨染にも使われたようです。

以上、枦の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、枦とはどんな植物なのかを見てきました。

次の章では、「桧」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。

名前に使われる際のポイントは

誠に残念ながら、「枦」なんですが、2023年現在、常用漢字・人名用漢字ではないので名前に使うことはできません。

名前に使えなかったり、名前に人気のない漢字の際、実施しているように、「枦」の入った苗字を見てみましょう!

最初に、そのものずばりの「枦」という苗字をみてみます。この苗字も、少ないながら存在しているんですよ!

【名字】枦
【読み】はし、はぜ、はじ
【全国順位】 12,436位
【全国人数】 およそ510人

参考資料 名字由来net

この苗字は、そこそこ珍しい名字なんでしょう。全国で510人!いくつか、この位の人数の苗字を見てきた記憶があります。

都道府県別に見てみましょう。

都道府県人数
鹿児島県およそ230人
大阪府およそ50人
兵庫県およそ40人
福岡県およそ40人
愛知県およそ30人

参考資料 名字由来net

枦に他の文字を付けた苗字はその他にもたくさんあります。

内枦保(うちへぼ)、白枦(しらはぜ)、新枦(しんはし,しんばし)、外枦保(そとへぼ)、枦木(はしき,はしのき,はぜき,はぜのき)、枦木原(はしきはら)、枦込(はしこみ)、枦田(はしだ,はした)、枦場(はせば)、枦渕(はせぶち)、枦井(はぜい)、枦川(はぜかわ)、枦野(はぜの)、枦畑(はぜはた)、枦淵(はぜぶち)、枦本(はぜもと,はしもと)、枦山(はぜやま,はしやま,はじやま)、枦込(はしこみ,はしごめ)

内枦保(うちへぼ)、外枦保(そとへぼ)のように「へ」と読ます名字があります。

新枦(・・・,しんばし)では「ばし」と読ませていますね。

また、枦渕(はせぶち)では「はぜ」の濁点を取った「はせ」という読みもあります。

枦山(はぜやま,はしやま,はじやま)では、枦一文字の読みであった「はし」、「はぜ」、「はじ」の3つの読みをさせていますね。

ネットで検索されているであろう「枦」のつく名字について一覧にしました。

名字読み全国順位全国人数
外枦保そとへぼ27,239位およそ130人
内枦保うちへぼ27,079位およそ130人
枦川はぜかわ,はせがわ,はしかわ,はぜがわ27,022位およそ130人
枦山はぜやま,はしやま,はじやま,とやま,かたらやま,はせやま5,809位およそ1,700人
枦場はせば47,124位およそ40人
枦込はしこみ,はしごめ47,743位およそ40人

「外枦保」「内枦保」という名字でも、全国に3桁の方がいらっしゃるのですね。

ちなみに、「枦保」という名字は存在しませんでした。

「枦」に「川」「山」がつく「枦川」「枦山」では、後者の方が人数が1.3倍強おり、順位も大幅に違っています。

最後の「枦場」「枦込」はほぼ同じ順位で、全国人数も40人とこの中では一番少なかったです。

次の章では、異体字について過去に書いた記事を見ていきたいと思います。

ところで異体字についての記事は?

過去に異体字である漢字の記事を書いています。「木へんに百」「木へんに会う」ですね。

木へんに百で栢

木へんに百で栢なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「かしわ」「かや」なんです。

標準字体はなんですよ!

この記事の中では、植物としての解説は「かしわ」「かや」がありますが、標準字体の顔を立てて、「かしわ」について詳しく述べています。

詳細については、次の記事をご覧になってください。

木へんに会うで桧

木へんに会うで桧なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「ヒノキ」なんです。

標準字体はなんですよ!

本記事で扱う枦は、名前として使えない漢字だったんですが、同じ異体字でも「桧」は名前として使える漢字で男女別の名前ベスト3を出しています。

その他、成り立ちなども解説していますので、気になる方は、この記事もご覧になってください。

異体字である漢字の記事を2つ紹介しました。

枦の各機器での入力方法

最後に、枦を各機器(パソコン・スマホ・テプラ)で入力する方法を簡単に述べておきます。

パソコン・スマホ

パソコン・スマホでは、文字変換で「枦」を入力できます。

入力する画面で「ろ」と入力し、パソコンは変換ボタン、スマホは変換候補を探します。

パソコン・スマホ共に、ちょっと、候補の中から探すのが大変ですが……「枦」を見つけられるでしょう。

その後、パソコンならクリック、スマホならタップすることで「枦」を入力できます。

ちなみに、標準字体の「櫨」は、「枦」よりも前に見つけることができます。

テプラ

機器単体でのテプラ(TEPRA PRO SR300)では、残念ながら「枦」を出すことは出来ませんね。

「昊」の区点コードは「5937」なんですが、マニュアルをみると以下のように、このコードがないんです。

SR300区点コード5937なしの画像

このため、「枦」を入力できません。

ただ、SR530では「枦」が存在します。

SR530区点コード5937ありの画像

テプラを持っている方は、マニュアルをご確認ください。

ご覧のように、上位機種であれば、「枦」が用意されています。

下位機種で、どうしてもテプラで「枦」を出したい場合は、上位機種か、パソコンないしスマホと接続できる機種をご購入下さい。

なお、標準字体の「櫨」は、「ろ」の文字変換で入力できます。

※区点コードの入力方法が分からない方は、こちらの記事をご確認ください。
テプラで難しい漢字が変換で出てこない!誰でもできる出し方をご紹介

最後に

木へんに戸といえば枦ですが、この漢字について述べてきました。

最初に、枦の読み方と意味について述べてきました。意味については、中国ではハグマノキ、我が日本ではハゼノキを表していました。

漢字の書き順は、まず間違えようがなかったですが、標準字体の櫨の書き順は一か所だけ注意が必要でした!そして、由来がわからなかった漢字に初めて遭遇しました~。

しかし、漢字を調べていると、いろいろ勉強になって面白いです。次回はどんな漢字にしようかな。

※気づけば木へんの記事も増えてきました

この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺