木へんに戸と書いて枦!読み方から意味・名前での使い方まで総特集
毎週、曜日を決めて家の掃除をやってます。
月曜は寝室、火曜は玄関・廊下、・・・、木曜は風呂etc。こうしないと、曜日の感覚がなくなってしまうので…。
で、和室の窓と網戸も掃除するわけですが、網戸の「戸」について、何かが引っ掛かったんです。
60爺のセンサーにピピっと反応いたしました!
そうです!60爺の実施している、木へんの漢字に、この戸を使うと「枦」となる訳ですが、あんまり、見たことがない漢字ですよね!
でも、あったんです!ヨッシャ。
そこで、いつものように、木へんに戸の「枦」について、読み方から意味・名前での使い方まで突っ込んで調べてみたいと思います。
是非、60爺とご一緒に付き合ってくださいませ~。
木へんに戸といえば枦!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、枦の意味と読み方を明確にしましょう。
枦の読み方と意味
枦
画数 :8画
音訓:ロ ますがた (日本語だけ)はじ はぜのき
意味
①ますがた。柱の上の方形の木。棟木を支えるための物。とがた。②木の名。ウルシ科ハグマノキ属の落葉低木あるいは小高木。葉は卵形。心材は黄色で、黄色の染料をとる。ハグマノキ。黄櫨(コウロ)。別名、托櫨(タクロ)。
日本語だけの意味
①はぜ。木の名。ウルシ科ウルシ属の落葉高木。実からろうをとる。ハゼノキ。ハニシ。②「枦」は地名に用いる字。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
紹介したとおり、「枦」の音読みは「ロ」、訓読みは「ますがた」、日本語だけの訓読みは「はぜ」です。
そして、実は、「枦」は「櫨」の異体字※なんです。
異体字※
引用 コトバンク 異体字
漢字の字体のうち標準字体以外のもの。異体文字、別体字、変体字ともいう。広義の・・・通常は漢字のみをさす。異体字の分類は諸家によりかならずしも一定しないが、(1)略字(字画を省略したもの。暦・歴→厂、幅→巾など)、(2)合字(2字を合成したもの。麻+呂→麿、菩+薩→など)、(3)分字(1字を2字に分割したもの。米→八木など)、(4)古字(古文ともいう。篆(てん)書以前の古体字。礼のように常用漢字に採用されているものもある)、(5)俗字(世間に通用している正式でない字体。曜→など)、(6)譌(か)字(誤字と認められるもの)などが考えられる。
そうなんです。「枦」は標準字体ではないんですよ。また、出てきましたね。異体字!
この漢字も、中国と日本では、別の木を指すんですね!
「ハグマノキ」と「ハゼノキ」を見てみましょう。
「ハグマノキ」はスモークツリーとも呼ばれていますね。
「ハゼノキ」は上述したように、実からろうをとるそうです。
今回の追及する植物は、日本語で意味する「ハゼノキ」にします!
次に、枦の書き順を示しておきます。
木と戸の書き順そのままです!こちらは、間違えることはないでしょう。
ついでと言っては何ですが、標準字体の「櫨」の書き順も載せておきます。こちらは難しいぞ。
木へんの右側の「慮」の画数が多いので要注意です。
7,8の部分を間違えないようにしましょう。60爺は、8→7の順かと思っていました。
そのあとは、「七」「田」「皿」ですから、書き順を間違えることはないと思いますよ。
もっと詳しく知ろう!枦の漢字としての由来や成り立ち
枦の漢字としての由来と成り立ちを知っておきたくて調べたのですが、見つけられませんでした。残念です^^;
櫨は、「木」+「慮」で成り立っています。
- 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
- 「慮」:丸い壺の意味です。
ここまでは出ていたんですが、これ以上のことは書いていないんです。
「木」と「丸い壺」から、上記の意味にあった「ますがた」につながるのか、どう考えてもわからないんですよ!
枦ってどんな植物?
枦はどんな植物なのでしょうか。ハゼノキに絞って、その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。
花言葉
花があるからには、花言葉があるんですよ!しかも、いい花言葉が付いています。
- 真心
この植物の実は蝋の材料に使われ、実の肉をほぐし火をつけると燃え上がることからの命名でしょうか?
「真心」という花言葉は、人に贈るのに向いていますね。
大切な友人・恩師・両親など、あなたが大切だと思う相手に、この「真心」という花言葉を持つ「ハゼノキ」を贈ると良いのではないでしょうか。
上の写真にあるように、ちょっと地味な感じがしますけどね。
形態・生態
日本では、本州の関東地方南部以西、四国、九州・沖縄、小笠原諸島の他、朝鮮半島南西沖の済州島、台湾、中国、東南アジアに分布しています。
日本の山野に自生しているハゼノキは、かつて果実から蝋を採るために栽培していたものが、野生化したともいわれます。
形態・生態はwikiに詳しいです。
樹高は7 – 10(m)ほどになる。樹皮は灰褐色から暗赤色で、縦に裂けてやや網目状の模様になる。一年枝は無毛で太く、縦に裂ける皮目がある。
引用 wiki ハゼノキ
葉は奇数羽状複葉で9 – 15枚の小葉からなる。小葉は少し厚くて細長く、長さ5 – 12(cm)の披針形で先端が尖る。・・・表裏ともに毛がない点で、日本に古来自生するヤマハゼと区別できる。・・・秋にはウルシ科特有の美しい真っ赤な色に紅葉する。
花期は5 – 6月、花は葉の付け根から伸びた円錐花序で、枝先に黄緑色の小さな花を咲かせる。
秋に直径5 – 15(mm)ほどの扁平な球形の果実が熟す。果実の表面は光沢があり無毛。未熟果実は緑色であり、熟すと黄白色から淡褐色になる。冬になると、カラスやキツツキなどの鳥類が高カロリーの餌として好んで摂取し、種子散布に寄与する。・・・
樹高をみると、そこそこ大きな樹木ですね。
花は、先程の写真のように、地味なモノでしたね。
ハゼノキの利用について。こちらも、wikiから引用します。
果実
引用 wiki ハゼノキ
果実を蒸して圧搾して採取される高融点の脂肪、つまり木蝋は、和蝋燭(Japanese candle)、坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨン、化粧品などの原料として利用される。日本では、江戸時代に西日本の諸藩で木蝋をとる目的で盛んに栽培された。また、江戸時代中期以前は時としてアク抜き後焼いて食すほか、すり潰してこね、ハゼ餅(東北地方のゆべしに近いものと考えられる)として加工されるなど、救荒食物としての利用もあった。・・・20世紀に入り安価で大量生産可能な合成ワックスにより、生産が低下したが、近年合成ワックスにはない粘りや自然品の見直し気運などから需要が増えてきている。
木材
木材は、ウルシと同様心材が鮮やかな黄色で、工芸品、細工物、和弓、櫨染(はじぞめ)などに使われる。櫨染は、ハゼノキの黄色い芯材の煎じた汁と灰汁で染めた深い温かみのある黄色である。
ハゼノキの果実は、坐薬や軟膏の基剤・ポマード・石鹸・クレヨン・化粧品などの原料だったんですね。
その他、ハゼ餅など食用としての利用もあったのですね。
木材としての利用は、工芸品・細工物などの他、櫨染にも使われたようです。
以上、枦の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、枦とはどんな植物なのかを見てきました。
次の章では、「桧」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。
名前に使われる際のポイントは
誠に残念ながら、「枦」なんですが、2023年現在、常用漢字・人名用漢字ではないので名前に使うことはできません。
名前に使えなかったり、名前に人気のない漢字の際、実施しているように、「枦」の入った苗字を見てみましょう!
最初に、そのものずばりの「枦」という苗字をみてみます。この苗字も、少ないながら存在しているんですよ!
【名字】枦
【読み】はし、はぜ、はじ
【全国順位】 12,436位
【全国人数】 およそ510人
参考資料 名字由来net
この苗字は、そこそこ珍しい名字なんでしょう。全国で510人!いくつか、この位の人数の苗字を見てきた記憶があります。
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
鹿児島県 | およそ230人 |
大阪府 | およそ50人 |
兵庫県 | およそ40人 |
福岡県 | およそ40人 |
愛知県 | およそ30人 |
参考資料 名字由来net
枦に他の文字を付けた苗字はその他にもたくさんあります。
内枦保(うちへぼ)、白枦(しらはぜ)、新枦(しんはし,しんばし)、外枦保(そとへぼ)、枦木(はしき,はしのき,はぜき,はぜのき)、枦木原(はしきはら)、枦込(はしこみ)、枦田(はしだ,はした)、枦場(はせば)、枦渕(はせぶち)、枦井(はぜい)、枦川(はぜかわ)、枦野(はぜの)、枦畑(はぜはた)、枦淵(はぜぶち)、枦本(はぜもと,はしもと)、枦山(はぜやま,はしやま,はじやま)
引用 「枦」を含む名前・人名・苗字(名字)
内枦保(うちへぼ)、外枦保(そとへぼ)のように「へ」と読ます苗字があります。
新枦(・・・,しんばし)では「ばし」と読ませていますね。
また、枦渕(はせぶち)では「はぜ」の濁点を取った「はせ」という読みもあります。
枦山(はぜやま,はしやま,はじやま)では、枦一文字の読みであった「はし」、「はぜ」、「はじ」の3つの読みをさせていますね。
次の章では、異体字について過去に書いた記事を見ていきたいと思います。
ところで異体字についての記事は?
過去に異体字である漢字の記事を書いています。「木へんに百」「木へんに会う」ですね。
木へんに百で栢
木へんに百で栢なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「かしわ」「かや」なんです。
標準字体は柏なんですよ!
この記事の中では、植物としての解説は「かしわ」「かや」がありますが、標準字体の顔を立てて、「かしわ」について詳しく述べています。
詳細については、次の記事をご覧になってください。
木へんに会うで桧
木へんに会うで桧なんですが、この漢字の読みは、日本語だけの意味で「ヒノキ」なんです。
標準字体は檜なんですよ!
本記事で扱う枦は、名前として使えない漢字だったんですが、同じ異体字でも「桧」は名前として使える漢字で男女別の名前ベスト3を出しています。
その他、成り立ちなども解説していますので、気になる方は、この記事もご覧になってください。
異体字である漢字の記事を2つ紹介しました。
最後に
木へんに戸といえば枦ですが、この漢字について述べてきました。
最初に、枦の読み方と意味について述べてきました。意味については、中国ではハグマノキ、我が日本ではハゼノキを表していました。
漢字の書き順は、まず間違えようがなかったですが、標準字体の櫨の書き順は一か所だけ注意が必要でした!そして、由来がわからなかった漢字に初めて遭遇しました~。
しかし、漢字を調べていると、いろいろ勉強になって面白いです。次回はどんな漢字にしようかな。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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