7月の別名は?とんでもない数が集合して由来や辞書の調査で大わらわ
以前、月の異名を一覧にしましたが、それぞれの月に絞って、その別名を詳しく見ていこうかと思います。
「6月の別名」は既に記事にしましたので、ひと月進めて「7月の別名」にどんな名称があるか見ていきます。
月の異名の記事では、7月の異名の別名として7つの呼称を挙げたのですが、今回は、「6月の別名」と同様、もう一歩踏み込んで、別名を捜してみました。
そうしたら、こちらも、出てくる出てくる…。整理に困るほど別名が出てきました!
7月の別名もたくさんあるので、是非見ていってください!
7月の異名は
7月の別名というと、7月の異名である和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)を思い浮かべる方が多数いらっしゃるのではないかと考えます。
別名に行く前に、まず、7月の和風月名を見てください!
7月の異名(和風月名)は?
文月 ふみづき
その由来は次の通りです。
- 七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。
- 稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
参考記事では、由来について、上に挙げた二つが出ています。
7月の別名は?
それでは、7月の別名(文月は除きます)を見ていきましょう。
7月の別名は?
6月の別名もそうでしたが、次のように、とんでもない数が出てきましたね~。
相月(あいづき・しょうげつ・そうげつ)、秋初月(あきそめづき・あきはづき・あきのはづき)、夷則(いそく)、歌見月(うたみづき・かみづき)、女郎花月(おみなえしづき・おみなめしづき)、親月(おやづき・しんげつ)、槐秋(かいしゅう)、開秋(かいしゅう)、瓜月(かげつ)、瓜時(かじ)、神月(かみづき)、享菽(きょうしゅく)、建申月(けんしんげつ)、巧月(こうげつ)、皓月(こうげつ)、申の月(さるのつき)、秋初(しゅうしょ)、秋涼(しゅうりょう)、首秋(しゅしゅう)、鶉尾(じゅんび)、商秋(しょうしゅう)、上秋(じょうしゅう)、商節(しょうせつ)、処暑(しょしょ)、初商(しょしょう)、初秋(しょしゅう・はつあき・はじめのあき)、申月(しんげつ)、新秋(しんしゅう)、新涼(しんりょう)、相(そう)、早秋(そうしゅう)、爽節(そうせつ)、素秋(そしゅう)、素商(そしょう)、袖合月(そであいづき)、大晋(たいしん)、七夕月(たなばたづき)、窒相(ちっそう)、肇秋(ちょうしゅう)、桐月(とうげつ)、桐秋(とうしゅう)、七夜月(ななよづき)、否月(ひげつ)、賓涼(ひんりょう)、七月(ふづき)、文披月(ふみひらづき・ふみひらきづき・ふみひろげづき)、書披月(ふみひらづき・ふみひらきづき・ふみひろげづき)、烹葵(ほうき)、盆秋(ぼんしゅう)、愛合月(めであいづき)、愛逢月(めであいづき)、孟秋(もうしゅう)、蘭月(らんげつ)、蘭秋(らんしゅう)、流火(りゅうか)、涼月(りょうげつ)、涼天(りょうてん)、冷月(れいげつ[十二月とする文献も])
ご覧のように、大量の別名が出てきました。日本語ってすごいと思いませんか?
これらの別名について、辞書等に載っているか、あるいは、由来を見つけられるか試した結果をお知らせします。
由来あるいは「7月の異名」の裏が取れた別名
いろいろなサイトや辞書から由来と見られる内容を取得できた別名及び由来はわからなかったものの「7月の異名」との裏が取れた別名を一覧にしました。
かなりの数がありますよ!
別名 | 読み | 意味 |
---|---|---|
相月 | あいづき・しょうげつ・そうげつ | 陰暦7月の異称。 |
秋初月 | あきそめづき・あきはづき・あきのはづき | 「秋の最初の月」という意味です。 |
夷則 | いそく | ①〔音〕中国の音名の一つ。中国の十二律の下から9番目の音。日本の十二律の鸞鏡らんけいに当たる。→十二律(表)。②陰暦7月の異称。音楽の十二律を、十二支および十二か月に当てたもの。 |
女郎花月 | おみなえしづき・おみなめしづき | 女郎花の花が咲く時期 |
親月 | おやづき・しんげつ | (親の墓に詣でる月の意)盂蘭盆会うらぼんえの行われる月。陰暦7月の異称。 |
槐秋 | かいしゅう | 槐花の黄ばむ頃にちなんで |
開秋 | かいしゅう | 秋になる。また、秋のはじめのころ。 |
瓜月 | かげつ | 陰暦7月の異称。 |
瓜時 | かじ | うりの熟する時。 |
享菽 | きょうしゅく | 菽(枝豆)の季節 |
建申月 | けんしんげつ | 建(北斗七星の柄)が申(さる)の方角 |
巧月 | こうげつ | 「乞巧奠(キッコウテ゛ン)(たなばた)」の月の意。 |
皓月 | こうげつ | 明るい月。明月。 |
申の月 | さるのつき | 十二支(ジュウニシ)で旧暦7月を表す |
秋初 | しゅうしょ | あきはづき【秋初月】で陰暦七月の異称 |
秋涼 | しゅうりょう | ①秋、特に初秋の涼しさ。また、秋の涼しい風。新涼。初涼。「―の候」②陰暦8月の称。 |
首秋 | しゅしゅう | 秋のはじめ。初秋。 |
商秋 | しょうしゅう | (「商」は五声の一つ、五行では秋に配する)秋。秋季。 |
上秋 | じょうしゅう | 秋が始まる月 |
処暑 | しょしょ | 二十四節気の14番目で旧暦7月中 |
初秋 | しょしゅう・はつあき・はじめのあき | 「秋の最初」という意味:旧暦では1〜3月が春、4〜6月が夏、7〜9月が秋、10〜12月が冬となります。 |
申月 | しんげつ | 十二支(ジュウニシ)で旧暦7月を表す |
新秋 | しんしゅう | 「秋の初め」を意味する |
新涼 | しんりょう | 暑い夏がようやく過ぎて、涼しい秋の始まりを告げる月だから新涼 |
早秋 | そうしゅう | 秋のはじめ。初秋。 |
爽節 | そうせつ | 秋 |
素秋 | そしゅう | (「素」は白の意。五行で白を秋に配するところから)秋の異称。白秋。 |
素商 | そしょう | 秋の異称 |
袖合月 | そであいづき | 陰暦7月の異称。 |
七夕月 | たなばたづき | 7月の行事「七夕」にちなみ、そのまま七夕月 |
窒相 | ちっそう | 旧七月。 |
肇秋 | ちょうしゅう | 秋のはじめ季節 |
桐月 | とうげつ | 青桐の花が咲く季節 |
桐秋 | とうしゅう | 青桐の花が咲く秋 |
七夜月 | ななよづき | 七夕の月 |
賓涼 | ひんりょう | 暑い夏がようやく過ぎて、涼しい秋の始まりを告げる月だから(賓は貴賓や迎賓など導く意) |
七月 | ふづき | 「ふみづき」の変化した語。 |
文披月 | ふみひらづき・ふみひらきづき・ふみひろげづき | 《書(ふみ)をひろげて曝(さら)す月の意から》陰暦七月の異称。 |
愛合月 | めであいづき | 織姫と彦星が互いに愛し合い、逢瀬をするのが七夕です。そこから「愛逢月」という呼び名が生まれました。 |
愛逢月 | めであいづき | 織姫と彦星が互いに愛し合い、逢瀬をするのが七夕です。そこから「愛逢月」という呼び名が生まれました。 |
孟秋 | もうしゅう | 「孟」は初めの意で 秋の初めの月 |
蘭月 | らんげつ | 蘭=フジバカマ/アララギの花が咲く季節 |
蘭秋 | らんしゅう | 蘭=フジバカマ/アララギの花が咲く秋 |
流火 | りゅうか | 火=アンタレスが低くなり寒さへ向かう季節 |
涼月 | りょうげつ | 秋が始まり風を涼しく感じる季節 |
涼天 | りょうてん | 秋が始まり風を涼しく感じる季節 |
50には届かないものの、40を越える別名が集まりました。上述しましたが、何らかの情報が辞書やサイト等に載っていた内容です。
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も不明、さらに、辞書にも載っていない別名です。
歌見月(うたみづき・かみづき)、神月(かみづき)、鶉尾(じゅんび)、商節(しょうせつ)、初商(しょしょう)、相(そう)、大晋(たいしん)、否月(ひげつ)、書披月(ふみひらづき・ふみひらきづき・ふみひろげづき)、烹葵(ほうき)、盆秋(ぼんしゅう)、冷月(れいげつ[十二月とする文献も]
12もの別名が、由来も不明、辞書にもないことがわかりました。
「歌見月(うたみづき・かみづき)」なんて、由来が見つかってもよさそうな感じがするんですがねエ・・・。
「書披月(ふみひらづき・ふみひらきづき・ふみひろげづき)」は、「文披月」と同じ読みをするんですが、先頭が「書」となっていて見つけられなかったので、こちらに来てます。
月の異名について
7月の別名を見て来ました。色々名前があって、昔の人は混乱しなかったんですかね~。7月以外にも、月には、それぞれ異名が付いています!
上で解説した「7月は文月」に当たるものです。
この異名のうち、皆さんがご存知なのは、例えば、競馬の「皐月賞」で出ている「皐月」が5月、あとは、神さまが出雲に行っちゃって、神様がいなくなる「神無月」10月があると思います。
そんな、月の異名の一覧が次のモノです。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かみなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
これらの各月の月の異名と、60爺の考案した月の異名の覚え方も入れておきました。ちょっと目を通していただけると嬉しいです。
月の異名の覚え方について特化し、たくさんの覚え方を紹介しているのが、こちらの記事です。あなたにピッタリの覚え方が見つかるかもしれませんよ。
最後に
7月の別名をいっぱい挙げてみました!
6月の別名がたくさんあったので、7月も同じだろうなと思っていましたが・・・。
今回も、別名がたくさんあったので、辞書にあるかどうかを確認するだけで、えれェ大変でした^^;
まあ、それでも、由来らしきモノが見つかった別名はいいとして、結局、辞書にもなく、由来も見つからなかった別名も多々ありましたね。
昔の名前は、こんなもんなんでしょうか?8月以降の別名も調べていきますが、同じ作業になるので頑張りたいと思います!
■思えば月の別名も増えたものです。
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