木へんに葉と書いて𣜿!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
植物をイメージすると、パッと思い浮かぶのは葉と花ですかね。どんな植物にも存在していて、目につくのはこの二つではないでしょうか?
木へんの漢字シリーズでは、以前に、木へんに花で椛という漢字について記事を書いています。
今回は、木へんに葉という漢字があれば、それで記事を書こうと思い立ちました。
早々に見ていくと、この木へんに葉の漢字「𣜿」が存在することがわかりました。
そうであれば躊躇する理由は何もありません。木へんに葉の𣜿で、いつものように意味・読み方から名前での使い方まで総特集していきます。
その内容をご披露しますので、是非、ご覧になってください。
漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、𣜿の意味と読み方を明確にしましょう。
𣜿の読み方と意味
𣜿
画数:16画
音訓:(日本語だけ)ゆずりは
日本語だけの意味・用法
訓読み:ゆずりは
ゆずりは。木の名。ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。ユズリハ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字、読みは、『日本語だけの訓読みは「ゆずりは」』です。そして、日本語だけの意味で、木の名称「ゆずりは」を指しています。
よく見ると、日本語だけの意味・用法しかありませんね。その理由は次の章で。
書き順を見ておきます。
この漢字は、環境依存文字(=機種依存文字※)でしたので、「木」と「葉」の書き順を別に出しました。
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
「木」を書いてから「葉」を書きます。注意点は、「葉」の5,6,7ですかね。それぞれ、1画ずつ書きますので注意しましょう。
もっと詳しく知ろう!𣜿の漢字としての由来や成り立ち
日本語だけのモノしかない理由は、これしか考えられません!
そうです。この文字は国字※1なんですよ!
国字※1
引用 wiki 国字
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。
この漢字は、楪の「枼」を「葉」に変えた漢字なんですよ~!それでは、基になった「楪」って、どんな漢字なのか見てみましょう。
𣜿の読み方と意味
楪
画数:13画
音訓:①チョウ ②ヨウ(日本語だけ)ゆずりは
意味
①底の浅い小さなさら。②地名に用いる字。
日本語だけの意味・用法
ゆずりは。木の名。ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木。新しい葉が出てから古い葉が落ちる。ユズリハ。漢名は交譲木。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
楪の読み方が6種類あるなんて記事が散見されますが、辞書(60爺の場合は「漢字源」)を見る限り、音読みで2つ、日本語の訓読みで1つの合計3つしかありませんな!
この漢字の意味は、本来、上記にある「底の浅い小さなさら」「地名に用いる字」であり、植物である「ゆずりは」の意は、日本語だけにあるモノです。
この「ゆずりは」の中に、𣜿では出てこなかった情報が2つ追加されています。
- 新しい葉が出てから古い葉が落ちる
- 漢名は交譲木
「ゆずりは」は常用樹なんです。それにもかかわらず、春に古い葉が落ちて新しい葉と入れ替わります。そこがあたかも、若葉に座を譲るようにみえることから、「ゆずりは」になったんです。
その他に、和名「ゆずりは」の由来がありました。
古名はユズルハ(弓弦葉)といわれ、葉の中にある主脈がはっきりと目立ち、弓の弦のように見えることに由来する。
引用 wiki ユズリハ
漢名は交譲木(中国でのこの言い方は、近世以降らしい)ですが、他にも、譲葉、杠と書きます。
書き順
書き順は次の通り!
先程の木へんに葉の𣜿から草冠を失くしただけです。難しくはないです。
楪の探し方
この楪を探すのに、皆苦労しており「蝶 木へん」で探す方々が散見されます。
「木」偏に「蝶」の右のつくりで、何と読むのでしょうか?
引用 yahoo!知恵袋
蝶という字の左の部分の虫という部分が木へんの字の読み方を教えて下さい。
引用 yahoo!知恵袋
こちらの記事でも同様の探し方をしています。
こちらは、葉から草冠がない漢字で探してますね。
きへんに「葉」の草冠がない漢字ってなんて読むんですか…??
引用 yahoo!知恵袋
世の下に木で探してますね。
きへんに「葉」の草冠がない漢字ってなんて読むんですか…??
引用 yahoo!知恵袋
𣜿ってどんな植物
ここでは、𣜿・𣜿(ゆずりは)について、どんな植物なのか見ていきましょう。
始めに、𣜿の花言葉と携帯・生態を見ていきましょう。
花言葉
𣜿の花言葉は次の通りです。
- 若返り
- 世代交代
- 譲渡
これらは、いずれも、𣜿の特徴で由来の元になった「新しい葉が出てから古い葉が落ちる」ことから来たと考えてよいでしょう。
形態・生態
𣜿の分布をみると、日本では、福島県・関東・東海地方以西の本州、四国、九州、沖縄です。日本国外に目を向けると、朝鮮半島南部、中国(中部から南西部)まで自然分布しています。
形態・生態です。
高木の中でも中高木に分類され、高さは4 – 10(m) ほどになり、幹は直立して上部は多く枝分かれをし、前年葉をつけたこんもりした樹形となる。
引用 wiki ユズリハ
常緑樹でありながら、若葉に座を譲るように、春に古い葉が落ちて新しい葉と入れ替わる。葉は互生して、枝先にらせん状に集まってついて、葉身は垂れ下がる。
花期は春から初夏(4 – 6月)、前年枝の葉腋から長さ4 – 8 cmの総状花序を出して、花被(花弁と萼)がない小さな花を多数つける。
高さ4m~10mというと、そこそこ大きな木ですね!
上述したように、常緑樹なのに、「春に古い葉が落ちて新しい葉と入れ替わる」ところが、「ゆずりは」と呼ばれた由来なんですね。
人間とのかかわりについても、wikiから。
ユズリハは、新しい葉が古い葉と入れ替わるように出てくる性質から「親が子を育てて家が代々続いていく」ことを連想させる縁起木とされ、正月の鏡餅飾りや庭木に使われる。また、家紋も同様の由来で使用家は桓武平氏良文流千葉支流の原氏、出自不詳の城本氏が使用した。
引用 wiki ユズリハ
防火の機能を有する樹種(防火樹)としても知られる。
「新しい葉が古い葉と入れ替わる」=「家が代々続く」イメージがあり、縁起の良い樹木なんですな。
この縁起の良さから、鏡餅飾り・庭木・家紋として使用されてきたんですね。
次の章では、名前に使う際のポイントを述べていきます。
名前・名字に使われる際のポイントは
残念ながら、𣜿、楪は名前に使用できない漢字なんですよ!
両者とも、人名漢字に含まれていないため、名付けには使用できないです。
こんな場合は、いつのように名字を調べましょう。
さて、そのものずばりの「楪(ゆずりは,いずりは)」さんはいるかな?
【名字】楪
【読み】ゆずりは,いずりは
【全国順位】 19,588位
【全国人数】 およそ230人
参考:苗字由来net
おお、読みは「ゆずりは」「いずりは」の2種類がありますね。
全国順位が19,588位で、全国に230人程がおられるようです。少ないと言っちゃ少ないですが、3桁の人数がいますね。
結果が出ている都道府県を一覧にしました(苗字由来net)。
都道府県 | 人数 |
---|---|
広島県 | およそ80人 |
福岡県 | およそ50人 |
北海道 | およそ30人 |
大阪府 | およそ10人 |
和歌山県 | およそ10人 |
広島県がトップで80人、福岡県50人、北海道30人がトップ3です。
さて、𣜿に他の漢字を組み合わせた名字なんですが、以下の情報が見つかりました。
【名字】楪葉
【読み】ゆずりは
【全国順位】 70,825位
【全国人数】 およそ10人
参考:苗字由来net
𣜿に葉をつけた「楪葉」さんです。読みは「ゆずりは」一択で、順位も7万台に急落、さらに、人数も10人しかいないです。
【名字】楪一
【読み】ゆずいち
【全国順位】 77,456位
【全国人数】 およそ10人
参考:苗字由来net
こちらの名字「楪一」も、人数が10人、しかも順位は、上の「楪葉」さんよりもさらに下位ですな。
読みは「ゆずいち」ですので、「楪」を「ゆず」と読ませてます。変わった名字なんですね~。
その他の「ゆずりは」
ここからは、「楪」を使用しない「ゆずりは」と読める名字です。それらの一覧を見てください。
名字 | 読み | 全国順位 | 全国人数 |
---|---|---|---|
譲葉 | ゆずりは | 49,221位 | 40人 |
杠 | ゆずりは,あかなし,ゆづりは | 7,172位 | 1,200人 |
杠葉 | ゆずりは | 42,409位 | 50人 |
讓葉 | ゆずりは,ゆづりは | 92,394位 | 10人 |
杜 | もり,ゆずりは,と,とう,とじゆ,とん,とい,とぅ | 15,769位 | およそ340人 |
5種類の名字が見つかりました。
「ゆずりは」以外の読みをする名字もありますね。杠は3種類、讓葉は2種類、杜に至っては8種類もの読みを持っています。
上記一覧の最後に出てきた「木へんに土の杜」に関しては、2つの記事をアップしています。
最後に
木へんに葉の𣜿について見てきました。
この「𣜿」は、「楪」の楪の「枼」を「葉」に変えた漢字だったんですね。しかも、ゆずりはを表すための国字でした。しかも、環境依存文字のおまけつきでした。
こんな文字ですから、当然名前には使えません。苗字もないんだろうと思ったら、𣜿さんは存在していましたが、調査中とのことで実態は不明だったのが残念です。
最後に、読めそうで読めない漢字の記事を二つ紹介します。読み方が気になる方は、内容をご覧ください。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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