草冠に可と書いて苛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
現代の子供たちの世界で、社会問題となっているのは「いじめ」ですね。社会面には、そこそこの頻度でニュースとなっています。
「いじめ」をパソコンで変換すると「苛め」という表記が出てきます。この漢字、「苛烈」や「苛酷」で使用される文字ですね。
まさに、今、書き進めている「草冠に○○」シリーズに適合する漢字であります。
社会問題と無理やり結び付けた感もありますが。草冠に可の苛について、意味・読み方から名前での使い方まで総特集しちゃいます。
是非、最後までご覧になってください。
草冠に可といえば苛!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、苛の意味と読み方を明確にしましょう。
苛の読み方と意味
苛
画数 :8画
音訓:カ から・い(日本語だけ)いじ・め いじ・める いら いら・う いら・つ さいな・む
意味
①から・い。きつい。ごしごしとこするような。ひりひりするような。②姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
訓読み:いじ・め いじ・める いら いら・う いら・つ さいな・む
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
音読みは「カ」です。訓読みは「から・い」ですね。
意味は2つあります。「苛刻」(態度などが非常にきびしいこと)「苛政」(ひどい政治)などに使用されます。2番目は、いつもの姓の一つ。この漢字が苗字や名前だと、誤解されそうでイヤですな!
日本語だけの意味・用法では、訓読みがたくさんありますが、冒頭で言った「いじめ」に関わる読みばかりですねエ~。
それでは、書き順をみてみましょう。
草冠に可を順に書きます。
可の書き方が私のと違う!私は、4のあと8を書きます。口が先なのか!驚きです。
ウムム、漉に続き、60爺の書き順の誤りが発見されてしまいました。
もっと詳しく知ろう!苛の漢字としての由来や成り立ち
まず、字源をみてみましょう。
苛=「可(カ)つかえて曲がる」+「水(みず)」(形声※)。可は「つかえて曲がる」というイメージがあり、「まっすぐ行かないでつかえる」「きつくこする(摩擦する、刺激する)」というイメージに転化。苛は刺や毒のある草が体をチクチクと刺激する状況を示す。この意匠によって、きつい摩擦や刺激を与えることを表す。(同源語)可・呵・訶
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
形声※
漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
可って「可能」とかに出てくる漢字なので、いい意味を持っているかと思いきや、「つかえて曲がる」というイメージがあるなんて思いもしませんでした。しかも、「まっすぐ行かないでつかえる」に転化しちゃうとは…。
ちょっと驚きですなあ!
苛のつく言葉
苛のつく言葉を紹介します。
苛のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
苛殃 | カオウ | ひどい災難。 |
苛虐 | カキ゛ャク | ①むごい態度できびしく扱って人を苦しめる。②ひどく税金をとりたてて、民衆をくるしめること。 |
苛禁 | カキン | 民衆を苦しめるきびしい取り締まり。 |
苛刻 | カコク | {苛酷(カコク)}態度ややり方などが非常にきびしくてむごいこと。「苛刻之政(カコクノセイ)」 |
苛酷 | カコク | ①条件などが非常にきびしくてむごいこと。②「苛刻」と同じ。 |
苛細 | カサイ | {苛砕(カサイ)}取り締まりがきつくて、わずらわしい。 |
苛察 | カサツ | 人の欠点を細かいところまでつきつめて、きびしく吟味すること。 |
苛責 | カシャク・カセキ | エラー:501 |
苛性 | カセイ | 化学で、動植物に対して、強い腐蝕(フショク)性があること。「苛性ソーダ」 |
苛政 | カセイ | 人民に対するきびしい政治。 |
苛税 | カセ゛イ | {苛征(カセイ)}きびしい租税。 |
苛切 | カセツ | 非常にきびしい。ひどくからだにこたえる。 |
苛煩 | カハン | 法律などがきびしくてわずらわしい。 |
苛法 | カホウ | きつい取り締まり。きびしい法律。 |
苛暴 | カホ゛ウ | 態度がきびしくて、やり方が手あらいこと。 |
苛礼 | カレイ | こまごまとしすぎていてよくない礼式。 |
苛烈 | カレツ | むごくきびしいさま。 |
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
苛酷、苛政、苛烈くらいは知っています。「かぎゃく」は「加虐」になっちゃいますね。「かぜい」も普通(何が普通なのかわからんが・・・)「課税」を思い浮かべますね。
他の言葉は、余り見たことがありません!しかし、いずれの言葉も、きびしい内容ですな。
さすがに、中国の古典や、日本の古典に出てくる言葉はわかりませんね。
次は、名前に使われる際のポイントを見にいきましょう~。
苗字に使われる際のポイントは
さすがに、苛の持つ意味を考えると、この漢字を我が子に付けたいと考える人はいないでしょう!最近、この手のパターンが増えてきているような…。
漢字の選定を間違っているのか…。・・・・
しかも、「苛」一文字の苗字も存在しないようです!(苗字由来net「苛」)
「苛」に他の漢字を追加した苗字がないのか確認したところ、唯一、次の苗字があることがわかりました!
【名字】苛原
【読み】いらはら
【全国順位】 18,530位
【全国人数】 およそ260人
参考資料 名字由来net
全国で、およそ260人です。苛のつく他の苗字がない中で、順位はまあまあといったところかな。今まで見てきた苗字は人数が2桁なので、人数が3桁なのは多い部類になりますね。
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
東京都 | およそ70人 |
徳島県 | およそ60人 |
大阪府 | およそ30人 |
千葉県 | およそ20人 |
兵庫県 | およそ20人 |
この5都府県で、およそ200人ですから、全国の77%弱を占めることになります。残りの、およそ60人が他の道府県にいらっしゃるんですね!
最後に
草冠に可で苛ですが、この漢字を使う言葉はいくつか思い浮かべることが出来ましたよ。
苛烈、苛酷などですね。何か厳しい感じがする漢字だなと思いました。
可って「可能」とかの言葉なんで、前向きの言葉かと思いましたが、思いっきりネガティブな意味を持っているんですな。そこに、草冠を重ねたものだから、草にある刺や毒でチクチク攻めるなんて意味になってるんですよ~。
漢字は、このように思い浮かばない意味を持っているので面白いですね。
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました
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