折田翔吾五段フリークラス脱出なるか?C級2組昇級への条件をご紹介
将棋の折田翔吾五段ですが、話題の編入から既に4年が経過しました。この間、既定の勝ち星を挙げて4段から5段へ昇段していますね。
ただ、未だフリークラス脱出とはいかず、順位戦への参画はできていません。
現在は好調を維持しており、過去10局を9勝1敗の好成績を挙げています。このままの調子を維持できれば、晴れて、C2への昇級条件を満たすことが出来そうです。
この記事では、折田翔吾五段がC2へ上がるための昇級条件を見て、これからの対局も注視していきたいと思います。
折田翔吾五段 C級2組に昇格 おめでとうございます!
しばしの間、ご一緒に記事を見ていきましょう。
C2昇級条件について
さて最初に、フリークラスの棋士が順位戦C級2組に復帰する条件を見ておきましょう。
フリークラスの棋士が順位戦C級2組に復帰する条件
フリークラスからC級2組への昇級規定は以下のうち一つを満たした場合です。 (※「年間」は4月1日から翌年3月31日までを指します)
引用 フリークラスからC級2組への昇級規定
- 年間対局の成績で、「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上。(例・2005年度で、日本シリーズ・新人王戦の出場権のない棋士の場合は17勝)。
- 良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上
- 年間対局数が「(参加棋戦+1)×3」局以上。ただし、同じ棋戦で同一年度に2度(当期と次期)対局のある場合も1棋戦として数える。(例・2005年度で、日本シリーズ・新人王戦の出場権のない棋士の場合は30局)。
- 全棋士参加棋戦優勝、タイトル戦(朝日オープン将棋選手権含む)挑戦。
上記の復帰規定に該当する成績を取れずに、編入後10年間(4月1日付転入・昇段の場合は満10年、10月1日付昇段の場合は10年6ヶ月)経過、もしくは満60歳の誕生日を迎えた年度が終了した場合は引退となります。
この脱出条件は、かなり厳しい制度なんですね。というのも、C級2組を陥落してから復帰した棋士は、次の2人しかいないんですよ。
- 伊藤博文七段(2001年に復帰)
- 島本亮五段(2015年に復帰)
ただ、奨励会から次点2回で挙がってきた棋士や、編入試験を通った棋士は、条件をクリアしてC級2組に上がっています。
折田翔吾五段の成績
折田翔吾五段の過去の成績を確認してみましょう。公式戦の勝敗です。
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 |
---|---|---|---|---|
2023年度 | 2 | 2 | 0 | 1.000 |
2022年度 | 26 | 16 | 10 | 0.615 |
2021年度 | 28 | 15 | 13 | 0.536 |
2020年度 | 21 | 12 | 9 | 0.571 |
total | 71 | 45 | 32 | 0.584 |
2020~2022年度の3年間の成績ですが、2022年度は勝率6割を超えましたが、総じて、余りパッとしない成績ですね。
2022年度は勝率6割を超えているので、先程の昇級既定の1には該当しないのか確認しましょう。2022年の全成績を一覧にしました。
日付 | 勝敗 | 参加棋戦 | 棋戦数 |
---|---|---|---|
23/3/24 | ○ | 王将戦 | 1 |
23/3/9 | ○ | 棋王戦 | 2 |
23/3/3 | ○ | 竜王戦 | 3 |
23/2/24 | ● | NHK杯 | 4 |
23/2/16 | ○ | 王将戦 | 1 |
23/2/3 | ○ | 棋王戦 | 2 |
23/1/17 | ○ | 王将戦 | 1 |
23/1/13 | ○ | 棋王戦 | 2 |
22/12/27 | ● | 竜王戦 | 3 |
22/11/18 | ● | 王座戦 | 5 |
22/11/2 | ○ | 王座戦 | 5 |
22/10/20 | ○ | 王座戦 | 5 |
22/10/6 | ○ | 竜王戦 | 3 |
22/9/20 | ● | 竜王戦 | 3 |
22/9/7 | ○ | 竜王戦 | 3 |
22/8/25 | ● | 銀河戦 | 6 |
22/8/25 | ○ | 銀河戦 | 6 |
22/8/15 | ● | 王位戦 | 7 |
22/7/28 | ● | 朝日杯 | 8 |
22/7/28 | ○ | 朝日杯 | 8 |
22/7/19 | ● | 青流戦 | 9 |
22/7/7 | ● | 叡王戦 | 10 |
22/6/23 | ○ | 竜王戦 | 2 |
22/5/27 | ○ | 青流戦 | 8 |
22/5/19 | ● | 棋聖戦 | 11 |
22/5/19 | ○ | 棋聖戦 | 11 |
棋戦数は、同じ棋戦には同じ番号を振っています。ここから、折田五段は11の棋戦に参加したことがわかります。先ほどの規定を再掲します。
年間対局の成績で、「参加棋戦数+8」勝以上の成績を挙げ、なおかつ勝率6割以上。
すると、「参加棋戦数+8」勝以上の条件は19勝となり3勝足りないということになります。このため、折田五段のC級2組昇級は成らないのです。
ただ、現時点(23/4/20)では、最近の対局にも勝利して直近10局を9勝1敗として絶好調です。
折田翔吾五段のC2昇級条件
冒頭でも言ったように、折田翔吾五段がC級2組へ昇級する条件を掲げてみましょう。
先程の「C級2組への昇級規定」の2番が一番の近道です。それは、「良い所取りで、30局以上の勝率が6割5分以上」というモノです。
これ、何を言ってるかと言えば、「過去30局で20勝すればいい」と言ってるんですよ。そうすると、勝率が6割6分7厘になるので、条件達成です。
19勝だと6割3分3厘で、わずかに届かないんです。ですから、30局20勝が必須条件なんですね!
現在、絶好調の折田翔吾五段の2022年度からの勝敗を並べてみました。
折田翔吾五段の昨年度からの星取表(23/4/30現在)
○●○○●●○●●○●○●○○○●●○○○○●○○○|○○
【凡例】
○勝、●負
|年度(左が2022年度、右が2023年度)
あと2連勝!実現し、C級2組昇格!
折田翔吾五段、2021年度の最後に3連敗してるんです。このため、「良い所取り」を考えた場合、2021年度の成績は除外せざるを得ません。
2022年度頭(上記勝敗表の左端)から現在(23/4/30)までの成績は19勝10敗です。ということは、次の対局に勝てばC級2組昇級条件20勝10敗になり条件クリアなんです!
これが最も早いC級2組昇級ですな!頑張ってほしい。
5/10第73期王将戦一次予選決勝で、藤原直哉七段との対局に勝利し、条件をクリアしました!
見事に2連勝し、C級2組昇格です。おめでとうございます。
フリークラスから、C級2組への昇格は折田五段で11人目です。「ようやく抜け出せて、うれしく思っている」とほっとした表情を見せたそうですが、10年フリークラスにいると引退ですから当然ですね。
なお、順位戦の参加は、来年度の第83期順位戦からです。
29局か30局に負けた場合
ちょっと条件は悪くなるモノの悲観している暇はありません。
この場合、上記勝敗表の左から3番目の○からリスタートすればいいんです。その場合、29局目に敗れた場合は、17勝10敗となりますので3連勝すればいいんです。⇒見事勝利し、この条件クリアです!
30局目に敗れた場合は、18勝10敗となりますので、再び2連勝すればいいんです。
そうすれば、どちらの場合も、C級2組昇級条件20勝10敗になり条件クリアです。
C級2組になると給料はどうなる
さて、フリークラスからC級2組に昇級すると給料はどうなるでしょうか?
C級2組に昇級すると順位戦に参加する資格を得たことになります。順位戦(C級2組)は1年間で10局を指しますので、それだけで対局料が大幅増加するんですね。
年収を見てみましょう。
クラス | 年収 |
---|---|
名人 | 1,714万円 |
A級 | 1,200万円 |
B級1組 | 852万円 |
B級2組 | 600万円 |
C級1組 | 432万円 |
C級2組 | 312万円 |
フリークラス | 96万円 |
フリークラス96万円⇒C級2組312万円と、200万円以上の増加となるんですよ!これは大きい。
さらに、好成績を上げれば、クラスも上がっていき、クラスに応じた給料がもらえる訳ですから、強くなるとウハウハです!
是非、折田五段も昇級を成し遂げてください。
最後に
折田翔吾五段のC級2組昇級条件が何かを見てきました。
現在、好調を維持しており、C級2組昇級条件をクリアできそうな位置にいますね。
ただ、相手もいることですし、そう簡単でないのはわかるんですが、是非クリアしてもらいたい。
直近の対局日程が分かれば随時お知らせしますよ!
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません