草冠に浦と書いて蒲!意味・読み方から苗字での使われ方まで総特集
今回も、前回の「草冠に任」に続いて駅のお話からです。
私がめったに行かない羽田空港に行く場合、京急線を使います。羽田空港へ行くため、空港線へは「京急蒲田」で乗り換えるんです。まれに、直通もあるんですけどね。
京急蒲田は京浜急行線の駅の一つで、品川から快速特急に乗れば、何と次の駅なんですよ~。
この前置きは、この駅名の中にある漢字「蒲」が、60爺が書き進めている「草冠に○○」シリーズに適合するからと言いたいがためでした。
そこで、今回も、いつもやっているように、草冠に浦の蒲について、意味・読み方から名前での使い方まで総特集しようと思います。
内容をシェアしますので、最後までご覧になっていって下さいね。
草冠に浦といえば蒲!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、蒲の意味と読み方を明確にしましょう。
蒲の読み方と意味
蒲
画数 :13画
音訓:ホ がま(日本語だけ)かば かま
意味
①がま。草の名。ガマ科ガマ属の多年草。淡水の水際に自生。夏に緑褐色の花が咲く。葉は細長くとがり、編んでむしろや敷物にする。ガマ。香蒲。②はらばう。③うつ。④姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)かば かま(名付)かま・がま(難読)蒲生、蒲坂
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
音読みは「ホ」で、訓読みは「がま」ですね。日本語だけの訓読みに、「かば」と冒頭の駅名の「かま」があります。
意味には、植物の「がま」が出てきました。
意味には、2つの動詞も「はらばう」「うつ」があります。
- 「はらばう」は「匍」に当てた用法で、「蒲伏(ホフク)」=「匍伏」という言葉(日本だと「匍匐」になりますな)に当てます。地に伏して手と足とではうことですな。
- 「うつ」は「搏・拍」に当てた用法で、「蒲戯(ホギ)」=「搏戯」にあてます。ばくちのことです。
日本語だけの用法に難読漢字が二つ出ていました。
蒲生:苗字を見てみたら、この漢字があります。読みを見て仰天!こんなにありましたよ!
がもう,かもう,がまお,がも,かもお,かばう,かばお,かばせい,がまいく,かまい,かまいく,かまう,かまお,かましょう,がませい,ふせい,ぶせい,ほせい,ほなま
蒲坂:苗字にありそうですが、苗字由来netでは存在しないようです!地名にいくつか、この名称がありますね。
・福島県安達郡大玉村玉井蒲坂の郵便番号は969-1302
・遺跡に「蒲坂(かまさか)」
それでは、次に、蒲の書き順をみてみましょう。
草冠に「さんずい」と「甫」を順に書いていけばOKです。「甫」の書き順は大丈夫ですか?
任の右側の書き順を間違えないようにしましょう。
もっと詳しく知ろう!蒲の漢字としての由来や成り立ち
由来と字源を見ていきます。
和名のガマなんですが、意味にあるように、葉を編んでむしろや敷物を作ったことから、朝鮮語のカム(材料)に由来するとする説があるそうです。
次は字源です。
蒲=「浦(ホ)くっつく」+「艸(くさ)」(形声※)。浦は陸と水がくっつく所(水際)、蒲は水辺に生える草を示す。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
形声※
漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
蒲ってどんな草
蒲はどんな植物なんでしょうか。
世界での分布を見ていくと、北半球の温帯から熱帯の温暖な地域や、オーストラリアの広範囲に生息しています。日本では北海道・本州・四国・九州の全国各地に分布しています。
花言葉
蒲の花言葉は、たくさんあります。
- 従順
- 素直
- 慌て者
- 無分別
- 救護
- 慈愛
由来は、「因幡の白兎」から来たのではという説があります。
「従順」「素直」・・・サメに皮をはがれたウサギが素戔嗚尊(すさのおのみこと)の言うことを素直に聞いて、ガマの穂綿に体を横たえた、ということ。
引用 花言葉辞典
「慌て者」「無分別」・・・海を渡るのにサメを利用しようとしたウサギの態度から?
「救護」「慈愛」・・・赤剥けにされて苦しんでいるウサギを助けようと助言をした素戔嗚尊の態度から。
生態他
生態はwikiに詳しいです。
浅い水底の泥の中の根茎から茎が直立する多年草。横に走る地下茎によって群生する。
引用 wiki ガマ
草丈は高さ1 – 2 メートル (m) で、水中の泥の中に地下茎をのばす。葉は線形で厚く、下部は鞘状に茎を抱く。葉の断面は三日月形で、内部はスポンジ状である。
花期は夏の6 – 8月。葉よりも高く茎を伸ばし、頂に円柱形の花穂をつけ、上部は黄色い花粉をまき散らす雄花穂、下部の緑色部は雌花穂であり、雌雄花穂はつながってつく。
花が終わると、雄花は散って軸だけが穂の上に立ち、雌花穂は茶褐色になって太さも1.5 – 2 cmと太くなり、ソーセージに形が似たいわゆる「ガマの穂」になる。
蒲は、次のように利用されていました。
- 若葉を食用、花粉を傷薬、葉や茎はむしろや簾の材料
- 火打ち石で火を付けていた時代には、穂綿に硝石をまぜてほくちとして用いる
- 蒲の穂を乾燥させて、蚊取り線香の代用として使われる
- 集めて陰干ししたものが生薬(蒲黄(ほおう))(利尿作用、通経作用がある)
次は、名前に使われる際のポイントを見にいきましょう~。
苗字に使われる際のポイントは
この蒲という漢字は、人名に使うことができます。
ただ、ちょっと使いずらいかな…。
女の子に、「菖蒲」(あやめ)、「紫蒲」(しほ)、「和蒲」(わかば)などはいいと思いますが、「かば」という読みが、下手をすると苛めを誘発しそうな気がしないでもありませんね。
そこで、蒲を持つ苗字を見ていきます。まず、「蒲」一文字の苗字はどうでしょうか?
【名字】蒲
【読み】かば,かま,がま,かんば,まこも,がば,がもう,うら,ふ,がも
【全国順位】 4,138位
【全国人数】 およそ2,800人
参考資料 名字由来net
先程の蒲生と一緒で、読みが多数ありますな!
全国順位も4,138位、全国人数も2,800人余りと、そこそこの人数がおりますね。
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
岐阜県 | およそ1,100人 |
愛知県 | およそ440人 |
神奈川県 | およそ310人 |
東京都 | およそ200人 |
北海道 | およそ120人 |
参考資料 名字由来net
ベスト5で2,170人ですから全体の8割強ですね。残りの2割弱が他の府県に散らばっているわけですな。
最後に、「蒲」に他の文字を付加した他の苗字を見てみましょうか。
菖蒲(あやめ,しょうぶ)、蒲武(かたけ)、蒲倉(かばくら,かまくら)、蒲沢(かばさわ,がわざわ,かんざわ,かまさわ,かまざわ,がまさわ,がわさわ)、蒲澤(かばさわ,がわざわ,かんざわ,かまさわ,かまざわ,がまさわ,がわさわ)、蒲嶋(かばしま)、蒲島(かばしま)、蒲本(かばもと)、蒲谷(かばや)、蒲山(かばやま)
他にも、まだまだ多数の苗字がありました!
最後に
草冠に浦で蒲ですが、地名と苗字に見かけるイメージがありますね。この漢字を使った熟語には、ほとんど出会いませんな。
意味は、植物名を指していまして、水辺に生えているガマですね。因幡の白兎で、赤剥けにされた白兎をガマの稲穂にくるまって助けた話はご存知かと思います。
蒲は名前に使えますが、ちと使いずらいと感じました。苗字は、一文字の「蒲」をはじめ、多数の苗字が見つかりましたよ。
次の草冠の漢字は何にしましょうか。
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました
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