木へんに尾と書いて梶!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集
「鬼平犯科帳」を知っていますか。年配の人間しか知らんかなァ。池波正太郎原作の小説です。
この作品は映像化されており、久々に見ました。扮する役者たちが皆、若いですな。
この登場人物の中に「おまさ」という密偵がいまして、その役者の名前を「梶芽衣子」というんです。懐かしいです。
で、この役者の姓が「梶」、言うまでもなく、木へんの漢字であります。
そこで、この「木へんに尾」の「梶」について、漢字の読み方や全体像をチェックして、由来や成り立ち及び名前での使われ方を見ていきましょう。
ご一緒に、内容を見ていってくださいませ。
木へんに尾といえば梶!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、梶の意味と読み方を明確にしましょう。
梶の読み方と意味
梶
画数 :11画
音訓:ビ こずえ(日本語だけ)かじ(名付)かじ こずえ
意味
①こずえ。木のこずえ。(類)梢(ショウ)
日本語だけの意味・用法
①かじ。a.船のかじ。b.車の前にある木で手に持ってひく所。かじぼう。②かじ。木の名。クワ科カジノキ属の落葉高木。和紙の材料。カジノキ。
(名付)かじ・こずえ
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
梶の音読みは「ビ」、訓読みは「こずえ」です。日本語だけの訓読みに、お馴染み「かじ」があるんです。
梶は「木のこずえ」を指すんですね。日本では、「こずえ」の漢字表記は「梢」ですよね。
そういえば、類語に「梢」がいますな。「木へんに○○」の「○○」に対応する「尾」も「肖」も「小さい」という意味を持っているためですね。
この漢字を「かじ」と読むのは日本語だけなんですな。知らんかったぜ!
次に、書き順をみてみましょう。
木を書いてから尾を書きます。間違える要素はないと思いますが大丈夫ですよね。
次に、梶の由来や成り立ちを見ていきます。
もっと詳しく知ろう!梶の漢字としての由来や成り立ち
梶の漢字としての成り立ちを確認しましょう。
梶=「尾(ビ)細い・小さい・よく見えない」+「木(き)」(形声)。木のてっぺんの細くて見えにくい枝先を示す。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
日本の梶は「尾(しっぽ、後尾)」+「木(き)」で船尾に取りつける「かじ」を表記した和製漢字。
形声※
漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
日本の梶は和製漢字※なんですって。
和製漢字※(わせいかんじ)とは、中国から伝来した漢字ではなく、日本で作られた漢字体の文字を指し、国字、和字、倭字、皇朝造字などとも呼ばれる。
引用 wiki 和製漢字
この梶は、「国訓」の範疇に入ります!
国訓とは、漢字の、中国での用法に合致しない、日本でのよみ方をいうんです。
既に中国にもあった漢字を知らずに作った国字の読みを「国訓」と呼びます。その仲間には、鮎・鮭・椿・芝・梶などがあります。
梶ってどんな植物
梶(カジノキ)とはどんな植物なんでしょうか。
カジノキの由来は、いくつかあるようです。
- コウゾが古くは「カゾ」といい、本種はそれが転訛したもの
- 古くから和紙の材料として知られていて、「紙麻(かみそ)」と言う語が転訛したもの
中国名は「構樹」です。日本の梶は和製漢字ですから、中国で指すカジノキとは当然、表記が異なるんですね。
順に、花言葉と生態等を見ていきましょう。
花言葉
次の二つが確認されました。
- 謙遜
- 過去の思い出
由来なんですが、「過去の思い出」の方は、カジノキは紙の材料となり、記録を留めるという点から生まれたと思われます。
生態等
原産地は不明だそうです。日本国内では中部地方南部以西の本州、四国、九州、沖縄に分布しています。
落葉広葉樹の高木で、樹高はあまり高くならず、10 – 12メートル (m) ほどになる。
引用 wiki カジノキ
葉は大きく、楕円形から広卵形で若木では浅く3 – 5裂し、表面に毛が一面に生えてざらつく。
開花時期は5 – 6月。雌雄異株。雄花序は長さ4 – 8 cmの穂状に下垂し、淡緑色。雌花序は直径2 cmほどの球状につき、紅紫色の花柱がのびている。果期は9月。果実は直径2 – 3 cmほどの集合果で、秋に赤く熟して食用になる。
用途は次の通りです。
古代から神に捧げる神木として尊ばれていた為、神社の境内などに多く植えられ、主として神事に用い供え物の敷物に使われた。
引用 wiki カジノキ
樹皮は繊維が強く、コウゾと同様に和紙の繊維原料とされた。中国の伝統紙である画仙紙(宣紙)は主にカジノキを用いる。
煙などにも強い植物であるため、中国では工場や鉱山の緑化に用いられる。
葉はブタ、ウシ、ヒツジ、シカなどの飼料(飼い葉)とする。
次の章では、名前に使われる際のポイントを述べていきますね。
名前に使われる際のポイントは
木へんに尾と書く梶は、人名として使える漢字なのですが、以前記事を書いた「棲」と同様、名前の候補を出してくれるサイトを見ても、お勧めできる名前が見つからないので、名付けのベスト3は中止にします。
代りに、「梶」の入った苗字を見てみましょう!
まずは、そのものずばりの「梶」という苗字です。
【名字】梶
【読み】かじ、かぢ
【全国順位】 1,085位
【全国人数】 およそ16,300人
参考資料 名字由来net
多分たくさんいらっしゃるだろうと思いましたが、予想にたがわず1万人を越える人数となりました。全国順位も、1,085位と、3ケタの順位に迫るものでした。人数も、16,300人もいますよ~。
都道府県別ではどうなっているでしょうか。
都道府県 | 人数 |
---|---|
東京都 | およそ2,300人 |
神奈川県 | およそ2,000人 |
大阪府 | およそ1,800人 |
兵庫県 | およそ1,400人 |
千葉県 | およそ1,200人 |
参考資料 名字由来net
大都市周辺の都府県に集中しましたね。ベスト5で8,700人と5割強ですね。後の5割弱がたの道府県に散らばっているということになります。
次に、「梶」に違う漢字をつけた名字を見てみます。
旭梶山(あさひかじやま)、上梶迫(うえかじさこ)、後梶谷(うしろかじたに)、梶應(かじお)、梶音(かじおと)、梶垣(かじがき)、梶迫(かじさこ)、梶高(かじたか)、梶中(かじなか)、梶葉(かじば)、梶間谷(かじまや)、梶家(かじや)、梶渡(かじわたり)、中梶(なかかじ)、山梶(やまかじ)、
この「梶」のついた苗字、上に挙げた名字はほんの一部ですよ!他にも山ほど苗字がありましたことを、付け加えておきます。
最後に
木へんに尾で梶ですが、この漢字について、それぞれ調べてみました。
いつも通り、梶の読み方と意味について述べてきました。この漢字は中国では、木のこずえの意味なんですね。
日本の梶は和製漢字で、既に中国にもあった漢字を知らずに作った漢字でした!
カジノキや、船などの「かじ」の意味は日本での意味だったんですよ。ですから、中国ではカジノキを指す別の言葉があるんです。
漢字の実態を見ると面白いですなア。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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