フンボルトペンギンの名前の由来は生息地!ガッツリと掘り下げます
動物園の人気者はたくさんおりますが、今回はペンギンを取り上げたいと思います。ペンギンって、南極に住む動物のイメージがありますが、そうでもないんですよ。
多くの動物園で飼われているフンボルトペンギンもそうなんです。60爺は横浜の野毛山公園で見たことがあります。
このペンギンは、寒さより暑いほうがどちらかというと得意なんです。ですから、人間と同じで、冬の寒い朝は苦手で、巣穴の中で寄りそいながら気温が上がる午後になるのをじっと待っていたりします。
今回は、このフンボルトペンギンの生息地はどこなのかを調べ上げてみようと思います。合わせて、その名称の由来や生態なども特集しちゃいます。
同か最後まで、ご覧になっていって下さいね。
フンボルトペンギンの生息地はどこ?
それでは、フンボルトペンギンの生息地はどこなのか見ていきます。
フンボルトペンギンの生息地はどこ?
フンボルトペンギンは、北は南緯5度のフォカ島、南緯33度のアルガロボまでの範囲で繁殖します。
地図で見ると、以下の範囲ですね。
これ、ペルー(フォカ島)からチリ(アルガロボ)までの4,330kmに渡る、物凄く広大な地域なんですよ。
この他に、南緯42度のチロエ島プニウィルがあります。
こちらは、チリの下の方にある島ですね。
今、述べてきた2つの地域ですが、「フンボルト海流」沿岸部に相当する(フンボルト海流については以下の由来を参照)んですよ!
そして、このフンボルトペンギンの生息する「フンボルト(ペルー)海流の沿岸地域」は、年間平均気温は20℃ほどと快適な温度の気候なんです。
フンボルトペンギンの由来
上記「生息地」の章で簡単に触れましたが、聡明な皆さまは、既に察しがついているかと思います。フンボルトペンギンの由来は次の通りです!
フンボルトペンギンの「フンボルト」ですが、「フンボルト海流」沿岸部に分布することに由来しているんです。
生息地が、このチリからペルーに沿って流れているフンボルト海流に沿った沿岸だからという、何とも安直な命名なんですね。
ちなみに、フンボルト海流とはペルー海流の別名です。
ペルー(フンボルト)海流は、上図のように、南アメリカ大陸の西岸に沿って北上する海流です。
生息地に示したフンボルトペンギンの生息地地帯と、このペルー(フンボルト)海流を見比べていただくと合点がいくと思います!
フンボルト(ペルー)海流の沿岸地域の気候
フンボルト(ペルー)海流の沿岸地域の気候なんですが、この海流及びアンデス山脈の影響で年間を通じてほとんど雨が降りません。
年間平均気温は20℃ほどだそうです。
11月~ 4月の夏(南半球のため)は毎日晴天が続き、地域によっては日中30℃を超えることもあります。
5月~ 10月にかけての冬は曇天が続き、ガルーアと呼ばれる霧が立ち込めます。霧の影響で湿度が高くなり朝晩は冷え込みますが、10℃以下まで下がることはほとんどありませんね。
そして、この海流の影響で、チリのアタカマ砂漠を生じさせたそうです。
また、エクアドルのガラパゴス諸島が赤道直下であるにもかかわらず過ごしやすいのは、この海流に起因しています。
フンボルトペンギンの生態
始めに、フンボルトペンギンと気候との関連を話します。
フンボルトペンギンは、別名ペルーペンギンとも呼ばれ、上記で紹介した気候(温暖で「乾燥」した地域)の中で生息できるペンギン種なんです。
即ち、南米の乾いた大地で生きることのできる温帯のペンギンなんです。このため、サボテンが林立する島や砂漠の島などで繁殖を行っているですよ。
そして、温帯域で生きていけるのは、さまざまな微生物に対する抵抗力がより強く、感染症にかかりにくいんですね。
フンボルトペンギンは、土の穴・洞穴・岩穴に巣を作るそうです。変わったところでは、サボテンの藪の中に巣を作る場合もあるそうです。
※ペンギンというと、南極の氷に閉じ込められた世界に住んでいるイメージがありますが、それは、コウテイペンギンとアデリーペンギンの2種類だけなんです。
フンボルトペンギンは、全長64~69cm、体重は3.5~4kgです。この数字は、いくつかの紹介サイトによって多少数値がずれるようですね。
ここからは、フンボルトペンギンの特徴を述べていきます。
上記写真のように、頭部から上面は黒く、眼から頸部にかけて半円状の白い斑紋が入ります。
胸部から腹部は白く、黒い斑点が入りますが、ここは個体差があり、胸部に1本のみ黒い帯模様が入っていますよ。この黒い帯模様が、フンボルトペンギン属の外見的特徴なんです。
くちばしは黒いのですが、灰色の筋模様が入っています。くちばしの周りにはピンク色の皮膚がむき出しになっているところも、上述の黒い帯模様と同様に、フンボルトペンギン属の外見的特徴ですね。
このピンク色の部分は、肌が露出しているわけですが、体の熱を逃がす構造になっているんです!
フンボルトペンギンも足が短く、陸上ではヨチヨチ歩きをしていますが、水中では驚くほど自由自在で、ひれ状のつばさを使って飛ぶように泳ぎ回ることができます。
遊泳速度は平均時速3.4kmですが、最高時速11kmで泳いだ例もあるようです。
ペンギン類としては浅い水深までしか潜水しないそうです。27m以上潜水することは稀で、最深潜水記録は54mとのことです。
潜水時間は1分から2分半で、最長潜水時間は2分45秒ですね。
なお、フンボルト海流沿岸域の海水温は同緯度のほかの海域に比べて7〜8度低い。この海域に生息するのは、緯度に反して冷たい海を好む魚種である。
フンボルトペンギンの食料は、サンマ類、カタクチイワシ類、マイワシ類などの魚類です。その他に、ミナミスルメイカも食べるという報告例があるそうです。
フンボルトペンギンは、魚の群れをグループで狩りをするそうです。
フンボルトペンギンは絶滅危惧種
この記事を書くために、いろいろなサイトを当たったんですが、フンボルトペンギンは絶滅危惧種にしてされているんですよ!
次の諸要因により、などにより生息数は減少しているようですね。
- 産卵地の破壊
- 漁業による食物の競合や混獲
- 卵も含む食用・漁業の餌用の狩猟
その他にも次の懸念があるんです。
- エルニーニョ、繁殖地での人間による攪乱や巣の踏み付け
- 人為的に移入されたイヌ(雛はクマネズミ・ドブネズミも)による捕食
- 原油流出などによる影響
- 生息数が減少したことでクルペオギツネやカモメ類・コンドル類といった在来種の捕食も脅威
ただ、日本では、各地の多くの水族館や動物園などで、フンボルトペンギンを見ることが出来ます。
日本は「フンボルトペンギン大国」!
日本でのフンボルトペンギンの総飼育羽数が全生息羽数の約5%といわれています。この数値10%と言っているサイトも散見され、世界でも有数のペンギン大国なんだそうです!
こんな状態のため、絶滅危惧種である一方で、日本の動物園では増えすぎが問題となっているだそうです。
ペンギンの記事
フンボルトペンギンの特集をしてきましたが、今までにいくつかペンギンにまつわる記事を書いています。
まずは、ペンギンの漢字表記ですね。日本語って、何でもかんでも漢字で書きたくなるのか、様々な動物やスポーツそして国なども漢字表記が成されています。
ペンギンも例外ではなく、漢字表記が3種類あるんですよ。
- 人鳥(じんちょう)
- 企鵝(きが)
- 片吟(ぺんぎん)
ちょっと不気味な表記もありますが、そのいわれなどを解説しています。次の記事を覗いてください。
本物のペンギンではなく、イラストなども、いろいろな場所で紹介されていますね。JRのIC乗車券であるsuicaはペンギンのイラストが愛されています。
このペンギンの名称が何であるかを探しまくった記事をアップしています。名前が何であるか知りたい方は、こちらの記事にGO!
suicaには、もう一匹灰色の子供ペンギンも登場しています。こちらのペンギンは、「ちびすけ」という名前があるようです。
こちらのペンギンについても、いつから登場したのかなどを調査した結果を載せていますので、次の記事をポチッとしてください。
ペンギンにまつわるもう一つ記事があります。
それは、すみっコぐらしに出てくるペンギンのキャラクターですね。
すみっコぐらしには、何と2体のペンギンのキャラが出てくるんですよ。このキャラ達についても、名前にこだわって追いかけてみたんです。
次の記事をご覧になってくださいませ!
リアルなペンギンについても、次の2記事を書いています。
最後に
フンボルトペンギンの生息地を始めとして、名前の由来や生態などを詳しく見てきました。
フンボルトペンギンは南極大陸ではなく、ペルーからチリに渡る広大な地域に生息していることがわかりました!それらを、言葉だけではなく地図上で表わしましたので、そのきょだいさをじっかんできたのではないでしょうか?
由来を見ましたが、何てことはないことでしたね。そばを流れている海流の名前がそのままペンギンに冠されただけでした。しかも、海流の名前の本当の名前ではなく、別名の方が付けられたんですよ。
驚いたのは、フンボルトペンギンは絶滅危惧種だということです!そして、日本はペンギン大国で、むしろ増えないようにしているとは…。そのうち、フンボルトペンギンの生息地は日本なんてことにならないように祈りたいですね。
※「動物の雑学」様々動物の知識をまとめています。
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