草冠に未と書く漢字は存在しない!だけど茉・茱・某などはあるよ

2023年5月10日

先日「木へんに酒」という漢字はあるのか見てみました。というのも、「木へんに酒」という検索が散見されたからでした。

木へんに酒という漢字はなかったのですが、栖・梄・楢という「酒のつくり」にある漢字を紹介しました。

なかなか面白かったので、草冠で同じような検索例はないか探してみたところ、「草冠に未」という検索例を見つけました。草冠に「未来」の「未」ですね。

この記事でも、「木へんに酒」でやったように、「草冠に未」という漢字があるかを確認し、何故、こういう質問が出ているのかの背景を明らかに出来ればと思います。

それでは、その結果をご一緒にどうぞ。

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草冠に未と書く漢字はあるのか?

まず、最初に「草冠に未」と書く漢字はあるのか見ておきます。

草冠に未と書く漢字はあるのか?

草冠に未と書く漢字は存在しない!

ザっと漢和辞典を見てみたんですが、草冠に未と書く漢字はないと思われます。

そうなんです。草冠に未と書く「未]+「艸」は見つかりませんでした!

草冠に未と検索する人は、それなりにいらっしゃるようなんですが、どうやら、草冠に未を探しているわけではないと思われます。

それでは何を探しているのか?それは、「草冠に未」に近い何かを探していることになるのではないでしょうか。

草冠に末

それは何なのかというと、「末」なんですね。つまり、「草冠に末」で探したかったんですが、何らかの原因で「末」が「未」になってしまったと思われます。

この二つの漢字は非常に似てますからね。横棒の長さを間違えると、「末」は「未」になってしまいますから。

それでは、「草冠に末」の漢字の情報をお知らせしますね。

茉の読み方と意味

画数 :8画
音訓:マツ マチ(名付)ま
意味
「茉莉」とは、草の名。モクセイ科ソケイ属の常緑小高木。暖地に生える。夏、白い小さな花が咲く。非常に香りがよく、茶に吸着させて飲む。アラビアジャスミン。マツリカ(茉莉花)。
字源
茉=「末(マツ)」+「艸(くさ)」

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

この漢字は「莉」と組み合わせて「茉莉」となり、アラビアジャスミン、マツリカ(茉莉花)を指すんです。

また、人名漢字としても人気で、女の子の名前にピッタリの漢字だと思います。

この漢字については、既に記事にしております。アラビアジャスミンの花言葉や、名付けのポイントなども解説していますので、是非、ご覧ください。


木へんに朱

末でない場合、次に考えられるのが「朱」でしょうか?未にノを追加した「朱」です。

この漢字「朱」は「シュ」と読みます。赤に似た「朱色」、そろばんの「朱算」などで使いますね。そろばんって何?という人がいるでしょうか?

こちらの漢字の情報です。

茱の読み方と意味

画数 :9画
音訓:シュ(日本語だけの読み)ぐみ
意味
①木の名。ミカン科ゴシュユ属の落葉低木。初夏に黄色の小花が咲く。ゴシュユ(呉茱萸)。②木の名。ミズキ科ミズキ属の落葉小高木。早春に黄色の小花が咲く。サンシュユ(山茱萸)。③木の名。ミカン科サンショウ属の落葉高木。カラスザンショウ(烏山椒)。
日本語だけの意味・用法
茱萸(ぐみ)とは、果樹の名。グミ科グミ属の総称。小さな球形の果実がつき、食用となる。

「茱」=「朱(シュ)あかい」+「艸(くさ)」

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

グミ

この漢字、余り馴染みがないと思います。中国と日本では、別の植物を指しますね。

解字では、「あかいくさ」なのに、3つ意味では「木」を指しているのが面白いですね。むしろ、日本語だけの意味である「ぐみ」の方が、その漢字の意味に近いと言えますね。

この漢字についても、記事を書きました。グミの花言葉や生態、名付けのポイントなども解説していますので、是非、ご覧ください。

草冠に呆れる

「某」という漢字があります。この漢字、草冠に呆れるに分解出来ます。少々、こじつけが強いかな。でも、よーく見ると、そう見えないことはないと思うんですが…。

ですから、呆れるの口が潰れて一本線となり、「未」に見えたとか…。・・・・・・。

但し、草冠に呆れるという漢字は存在しません!木へんと「甘」いの組み合わせです。しかし、柑ではなく、上下に組み合わせた漢字なんですね。「某」は「ぼう」と読むんですよ。

某の解説を示します。

某の読み方と意味

画数 :9画
音訓:ボウ それがし なにがし(日本語だけ)ボウ くれ くれがし
意味
①それがし。なにがし。人・物・時・所など、はっきりわからないときに用いることば。また、わかっていても、わざとぼかしていうときに用いることば。②それがし。自分のことを謙遜していうことば。
日本語だけの意味・用法
(音訓)ボウ。(訓読み)くれ・くれがし
字源
某=「甘(口に含む)」+「木(き)」(会意)。妊婦がその果実を口に含む気を示す。楳(うめ)の原字。ただし実態の表記は楳に譲り、ウメの根源的イメージを利用して、某は「なにがし」という意味に用いる。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

字源は何を言ってるかさっぱりですが下記のような考え方です!

某と母・毎・梅は同源
これらの語には「子を生む」というイメージの他に「暗い」「無」「無い」のイメージがある
「暗い」から
「見えない」「わからない」のイメージに展開
分からないものを指すとき
某(なにがし)という!

最後に

草冠に未の漢字があるかを見てきました。

結果的には、草冠に未の漢字は存在しないと思われます。そこで、なぜ、草冠に未で検索する方がいるのか想像してきました。

結果的に、3つの漢字「草冠に末」「草冠に朱」「草冠に呆れる」を探している人たちがいるとの結論を出しました。最後の候補は、ちょっと苦し紛れだった感は免れませんが…。

漢字の検索するとき、前回の木へんに酒や、今回の草冠に未など、人はいろんな工夫をするんだなということが分かって面白かったです。

また、別の何かを見つけた時は報告したいと思います。

※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

草冠の漢字

Posted by 60爺