クリオネは何類なのか?その分類の理由と会える場所を詳しくご紹介
以前、話題になったことがあるのですが、皆さんは覚えてらっしゃいますか。
「クリオネ」という生物です。流氷の天使だとか氷の妖精とか呼ばれていました(今も呼ばれてる?)。
実際に見ると、やたら、小さい生き物ですので皆、ビックリこいちゃうという生き物ですね。
以前は水族館で見ることが出来たんですが、最近、クリオネの話題を余り聞きませんね。
今回は、タツノオトシゴ、ペンギンでやってきたように、クリオネが何類なのかを追求します。そして、その理由とクリオネに似た仲間達についても大特集しますよ。
シェアしますので、最後まで楽しんでいってください。
クリオネは何類か?
クリオネは何類なのかを述べてから話を進めましょう。
クリオネは何類か?
クリオネは軟体動物です。
この結果に対して、「ちょっと待て、何類か聞いたのに答えになってないぞ!」と言われる方が大多数かと思います。
クリオネは、腹足綱裸殻翼足類(裸殻翼足目、または後鰓目裸殻翼足亜目)ハダカカメガイ科、ハダカカメガイ属に属する貝の総称なんですね。
これを見て、さらに、「腹足綱裸殻翼足類」じゃないかという方が多いんじゃないでしょうか。
これについて解説しますので、怒らずに見ていってくださいね。
さて、タツノオトシゴ、ペンギンですが、魚類、鳥類で「脊椎動物」の仲間でした。クリオネは彼らとは異なる「無脊椎動物」に含まれるんですよ。そう、背骨がない動物ですね。
さらに、「無脊椎動物」は次の3つに分類できます。
- 節足動物
◎昆虫類(アリ、バッタ、カマキリ等)
◎甲殻類(エビ、かに、ミジンコ等)
◎クモ類(クモ、ダニ、サソリ等)
◎多足類(ムカデ、ヤスデ等) - 軟体動物(イカ、タコ、アサリ等)
- その他(ウニ・ヒトデ・ナマコ等)
ここで、今説明した無脊椎動物に脊椎動物を加えた分類を見ていただきます。
これは、中学の理科で習う内容なんですな。脊椎動物、無脊椎動物は、次のように分類されるんです!
- 脊椎動物は5つに分類され、全て「○○類」になる
- 無脊椎動物は次の3つに分類される
■節足動物(4つに分類され、「○○類」となる)
■軟体動物(類はつかない)
■その他(類はつかない)
そして、クリオネは、この「無脊椎動物」の中の「軟体動物」に該当するんですわ!
ですから、「クリオネは何類?」と聞かれたら「軟体動物」と答えるしかないんですね。
先程言いましたように、クリオネは巻貝の仲間なんです。成長すると、写真にあるように貝殻を失うんですな。だから、名前も「ハダカカメガイ」なんですって!
なお、冒頭でクリオネは小さいと言いましたが、体長は約1~3cmなんです。写真を見ると大きさのイメージはわかないですが、十分小さいですよね!
軟体動物とは
軟体動物を広辞苑から引いて見ます。
無脊椎動物の一門。体は軟らかくて外套膜に包まれ、さらに、この膜から分泌される石灰質の貝殻によって保護されているのが普通。体は頭・足・内臓塊の3部分から成り、大部分が水生で鰓(えら)呼吸を行う。
引用 広辞苑
軟体動物の特徴は次のようなモノです。
- 左右相称である
- 骨格及び体節がない
- 身体は頭部、内臓、足から成っている
- 外套膜と呼ばれる膜が内蔵を覆っている
- 外套膜が分泌した石灰質の殻もしくは棘を持つ事が多い
- 卵生動物である
左右相称とは、生物の左右が同形のことをいいます。そして、骨格、体節がないのは軟体動物の大きな特徴ですね。
軟体動物は現在、節足動物門についで種類が多く、地球上に11万種がいると推定されています。
さて、それでは、特徴に合わせて、クリオネを見てみましょう。
- 写真を見ていただくとわかりますが、左右相称ですね。
- 身体は透明な部分が多く、不透明なのは身体の前半の内臓である
- 頭と内蔵、そして左右に翼足がある
- 内蔵が不透明な膜で覆われている
- クリオネは巻貝の仲間だが、成長すると完全に貝殻を失う
- 雌は生殖孔からゼリー質の卵塊を海中に放出する
クリオネの舞う姿を捕らえた動画です。
優雅に舞ってますよね。この姿を捕らえて、冒頭に言った「流氷の天使」とか「氷の妖精」とかの別名がついたんですな。
軟体動物には、タコ、いか、カタツムリまで含まれます。別途、記事を書いています。
クリオネは何を食べる?
クリオネは、殻を持つ幼体時は草食即ち植物プランクトンを食べますが、 成体になると肉食(動物プランクトン)に変身するんですよ。
クリオネの主食は、ミジンウキマイマイという巻き貝です。
クリオネの捕食活動は、優雅な泳ぎに比べてちょっと異質というか悪魔的です。
クリオネは、バッカルコーンという6本の触手を持っているんですが、頭部分がパカッと左右に割れて、この触手を出して獲物を捕らえるんです。
動画を見てください。
捕らえた獲物は、触手の1本を突き立てて養分を吸い上げていくんですって。こええ!吸われる方はたまったもんじゃないですな。
クリオネを見に行こう
今、ご紹介したクリオネを見に行きませんか?
行くなら、水族館か動物園ですよね。どこの水族館か動物園にいるのか探してみました!
日本動物園水族館協会(日動水・JAZA)という組織があって、そのの公式サイトに、「飼育動物検索」という機能があります。これは、JAZAに加盟する動物園・水族館で飼育されている動物を検索することができるんです。
上記のサイトで、動物名を探すで検索しましょう。ただ、「クリオネ」で探しても見つかりませんよ。正式名称である「ハダカカメガイ」を入力して、分類の指定も忘れずに!
検索結果は上記のようになりました。大まかな場所を示しておきます。
- おたる水族館(北海道小樽市)
- 札幌サンピアザ水族館(北海道札幌市)
- 登別マリンパークニクス(北海道登別市)
- アクアマリンふくしま(福島県いわき市)
- しながわ水族館(東京都品川区)
- 八景島シーパラダイス(神奈川県横浜市)
- 寺泊水族博物館(新潟県長岡市)
- 鳥羽水族館(三重県鳥羽市)
- 志摩マリンランド(三重県志摩市):2021年3月31日で営業停止
- 海遊館(大阪府大阪市)
- 渋川マリン水族館(岡山県玉野市)
中を見ていくと、名称が変更されたり、営業を停止している施設もありました。営業している施設は、10ですね。
ネットを見ていくと、JAZAに加盟していない施設にもクリオネが飼育されているようです。サイトを巡って取出してみました。
- ノシャップ寒流水族館(北海道稚内市)
- 北海道立オホーツク 流氷科学センター(北海道紋別市)
- オホーツク流氷館(北海道網走市)
- サンピアザ水族館(北海道札幌市)
- 北海道蘭越町貝の館(北海道磯谷郡蘭越町)
- 浅虫水族館(青森県青森市)
- サンシャイン水族館(東京都豊島区)
- 東京農業大学『食と農』の博物館(東京都世田谷区)
- アクアワールド大洗水族館(茨城県大洗町)
- 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)
- ヨコハマおもしろ水族館 赤ちゃん水族館(神奈川県横浜市)
- 沼津港深海水族館(静岡県沼津市)
- 越前松島水族館(福井県坂井市)
- 城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市)
- 宮島水族館(広島県廿日市市)
- マリホ水族館(広島県広島市)
- 道の駅虹の森公園おさかな館(愛媛県松野町)
- 桂浜水族館(高知県高知市)
全部で18の施設が見つかりました。北海道には5つの施設がありました。反対に、九州にはクリオネを飼育している施設は見つかりませんでした。
皆さんが住んでいる場所の近くにクリオネを飼育している施設があれば、お出かけになってはいかがでしょう。もし、お近くに施設がないようなら、旅に出かけたときにでも立ち寄ってください。
最後に
今回は、「○○何類」の第三弾となる記事で、クリオネが何類なのか気になって記事を書きました。
今回のクリオネは、タツノオトシゴ、ペンギンら脊椎動物ではなく、初めての無脊椎動物に属する軟体動物であることがわかりました。
何類?と問われて「軟体動物」と答えられて、面食らった方も多いでしょうが、動物の分類法からすると、こう答えるしかなかったんですな!
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、クリオネは、流氷の天使だとか氷の妖精と呼ばれている生物です。ただ、捕食の際は肉食の本能で、ちょっとショッキングな映像がありましたね。自然界は怖いですなあ。
これからも、いろいろな動物の分類をさぐっていきたいと思います。
■追記 ○○何類で記事を書いています。
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