さんずいに木と書いて沐!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
先日、サルについて色々と見ていたのですが、サルの異名に変わった表記を見つけました。それは、沐猴(もっこう)という表記です。
この表記を見つけた時、センサーにピピっと来ました。
この「沐猴」の頭の文字、「沐」に反応しました。そうです。60爺の漢字シリーズに入るべき表記じゃないですか。
まさに、沐は「さんずいに○○」の漢字に該当しますね。
そうなれば、さんずいに木の「沐」について、いつも通り、読み方から意味・名前での使い方まで総特集していかねばなりませんな。
内容をシェアしますので、ご一緒にご覧になってくださいね。
さんずいに木といえば沐!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、沐の意味と読み方を明確にしましょう。
沐の読み方と意味
沐
画数 :7画
音訓:モク ゆあ・みする あら・う こうむ・る
意味
①ゆあ・みする。あら・う。頭から水や湯をかぶる。また、水や湯を頭からかけて髪を洗う。②こうむ・る。頭から水をかぶるように、恩や恵みを受ける。③姓の一つ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「沐」の音読みは「モク」です。訓読みは「ゆあ・みする」「あら・う」「こうむ・る」の3つがあります。
意味は3つ。
ひとつめの「かぶる」「洗う」に関しては、「沐浴(モクヨク):髪や身体を洗って身を清めること」や「休沐(キュウモク):官吏の休暇」といった言葉があります。
2番目の「こうむる」には、「沐恩(モクオン):恩恵をこうむる」という言葉がありますね。
最後は、姓の一つということで、中国には「沐」さんを名乗る方がいるんですな。
それでは、沐の書き順をみましょう。
さんずいと木を順に書くだけです!書き順は問題ないですね。
もっと詳しく知ろう!沐の漢字としての由来や成り立ち
沐の解字です。
沐=「木(モク 上からすっぽりとかぶる)」+「水(みず)」(形声)。
この構成から、沐は、「水を頭からかぶること」を表しているわけです。
類語に「浴」があります。
この漢字は、からだを湯や水の中に入れることですので、上述した「沐浴」は、「沐」と「浴」が合わさって、ゆあみするすべての動作を含むことを示しているんです。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
次の章では、「沐」のつく言葉を見てみましょう。
沐のつく言葉
沐のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。
沐のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
沐雨 | モクウ | ①雨で髪を洗う。②雨をかぶってぬれる。風雨にさらされながらかけずりまわって苦労すること。 |
沐恩 | モクオン・オンニモクス | 恩恵をこうむる。 |
沐日 | モクシ゛ツ | 官吏の休日。 |
沐食 | モクショク | 《故事》すぐれた人物を尊重すること。すぐれた人が来ると食べかけの食物を吐き出し、洗いかけの髪をたばねて面会するの意から。 |
沐浴 | モクヨク | ①髪や身体を洗って身を清めること。②恩恵を受けること。 |
沐露 | モクロ | 露にぬれる。苦労をして努力することのたとえ。 |
沐猴而冠 | モッコウニシテカンス | 《故事》さるが冠をつけている。粗野な人がうわべだけ飾ることのたとえ。 |
沐雨櫛風 | アメニカミアライカセ゛ニクシケス゛ル | 《故事》風雨にさらされながら苦労してつとめること。 |
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
広辞苑には、「沐雨」「沐浴」「沐猴而冠:史記」「沐雨櫛風:荘子」が載っていました。
「沐浴」は聞いたことがあります。その他の言葉は初耳ですなあ。
次は、名前に使われるポイントを見ていきます。
名前に使われる際のポイントは
「沐」は残念ながら人名漢字ではありません!
またもや、人名漢字ではないですな。私の選ぶ「さんずいに○○」は最近マイナーな漢字が多いんですかね?
そこで、「沐」のつく名字を見てみます。
しかし、以前アップした「さんずいに西の洒」「さんずいに心の沁」と同様に、「沐」一文字の苗字はなく、「沐」に他の漢字をつけた苗字も見つからないんですよ。
「沐 名字」で検索にいっても、「洒」「沁」と同様で、いつもなら候補を提示してくれるサイトに結果が現れないのです。
「洒」と同じく「沁」も、名前も苗字も存在しないので、この章は終了するしかありませんなあ。
○○に木がつく漢字を見てみよう
漢字には、「○○に木」と書く表記が多数存在します。ここでは、そんな漢字を一部抜粋します。
漢字 | 部首 | 音読み | 訓読み | 意味 |
---|---|---|---|---|
閑 | もん | カン | しず・か なら・う ひま | ①ひま。いとま。用事のない時間。 ②しずか。のどか。落ち着いている。 ③しきり。かこい。わく。 ④のり。きまり。規則。 ⑤ふせぐ。まもる。 ⑥ならう。なれる。習熟する。⑦おろそか。大切でない。 |
宋 | うかんむり | ソウ | ー | ①国名。春秋時代の国。 ②王朝名。南北朝時代の南朝の一つ。 ③王朝名。趙匡胤(チョウキョウイン)が建てた王朝。 |
困 | くにがまえ | コン | こま・る くる・しむ | ①こまる。くるしむ。なやむ。 ②貧しい。乏しい。 ③疲れる。疲労する。 ④易の六十四卦の一つ。 |
梁 | きへん | リョウ | うつばり はし はり やな | ①はし。板などをかけ渡した橋。 ②はり。うつばり。屋根を支える横木。 ③やな。川の瀬で水をせきとめ、魚をとるしかけ。 |
朶 | きへん | タ ダ | うご・かす えだ しだ・れる | ①しだれる。たれる。木の枝などがたれさがる。 ②えだ。花の付いた枝。 ③花や雲などを数えることば。 ④うごかす。下げるようにうごかす。 |
梟 | きへん | キョウ | さら・す つよ・い ふくろう | ①さらす。さらしくびにする。 ②つよい。たけだけしい。あらあらしい。 ③ふくろう。鳥の名。フクロウ科の猛禽類。 |
もんがまえ、うかんむり、くにがまえに木の漢字が出てきました。
⇒ 門構えに木
木へんでない漢字を捜すつもりでしたが、3つほど混じってしまいました。
⇒ 乃に木
まあ、左側に「木」が出てこないので許してください。
梁などは、「さんずいに木に刀」で調べておられる方が散見されますね。
この形で行くと、他にもこんなのがありますよ。
- さんずいに木に水⇒「漆」
- さんずいに木に斤⇒「澵」
- さんずいに木に目⇒「湘」
- さんずいに木に旦⇒「渣」
最後に
さんずいに木といえば沐ですが、この漢字について述べてきました。
普段の生活では、余り、見かけない漢字かと思います。書き順は簡単だけどねー。
西とか心とか、今回の木とか、さんずいに簡単な漢字をつけた漢字は存在するんですけど、あまりなじみのある漢字ではないですな。
この「沐」も、人名漢字ではなく、さらに、この漢字を用いた苗字もありませんでした。うむむ。
前回も言いましたが、次回のさんずいの漢字には、人名に使えるモノをちょいすできるかなあ?
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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