魚へんに虎と書いて鯱!読み方に辞書にないビックリの発見があった
観光船では、昨年痛ましい事故がありました。知床の観光は回復しているのでしょうか。北海道の観光船は、知床の他に羅臼が有名なようです。
ホエールウオッチングの観光船があるようです。
この際、クジラの他に野生のシャチを見ることもできるそうです。野生のシャチが見られるのは日本で羅臼の海だけなんですって。
このシャチ、漢字で書くと「鯱」なんですよ。何と、「魚へんに虎」ですので、シリーズに見事にマッチングしますね。
そこで、今回は、魚へんに虎の「鯱」について、いつもやっているように読み方・意味・生態・レシピなどを総特集してみようと思います。
新たな発見もあったので、最後まで見ていってください。
魚へんに虎といえば鯱!読み方にビックリの発見
最初に、鯱の意味と読み方を明確にしましょう。
鯱の読み方と意味
鯱
画数 :19画
音訓:(日本語だけ)ひらめ しゃち しゃちほこ
日本語だけの意味
①ひらめ。魚の名。ヒラメ科の海水魚。ヒラメ。②しゃち。マイルカ科の海生哺乳類の名。シャチ。さかまた。③しゃち。しゃちほこ。想像上の魚の名。頭は虎に似、背に鋭いとげをもうという。その形をかたどった、火災よけとして宮殿・城郭・楼門などの棟の両端につける。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
この漢字は国字※で、日本語での「ひらめ」「しゃち」「しゃちほこ」の3つの読みがあります。
※国字
引用 wiki 国字
和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。
それぞれの読みに該当する、ひらめ(ヒラメ科の海水魚)、しゃち(マイルカ科の海生哺乳類)、しゃちほこ(その形をかたどったモノ)を指しています。
えーと、この漢字「鯱」ですが、ずっと「しゃち」だと思っていました。まあ、しゃちほこを指すのはわかるんですよ。「しゃち」から「しゃちほこ」ですから…。しかし、意味のトップが「ひらめ」じゃないですか!
ちょっと驚きました。そこで、別の漢和辞典を見に行ったんですが、この意は出ていないんですよ!そして、漢字のサイトを見回しても、「ひらめ」が出ているところは皆無ですね!
何とか見つけた情報は次のモノです。
実際は、「ヒラメ」という意味が古く(『米沢文庫本倭玉篇』)、「シャチ」などの意に使われるのは、新しいことのようです。
他にも、「鮟鯱 アンコウ」(『温故知新書』)なんて記載もあるようです。
参考 【日本語を読むための漢字辞典】、「鯱(しゃち)」の字源
どうやら、昔は「ひらめ」が普通だったみたいですね。驚きの発見です。
参考のサイトでも、『「ヒラメ」の外観は、彪柄の斑点があるようにも見える。よって「魚+彪」の省画合字として出来た字』と言ってます。確かに、上記のひらめの写真をみると斑点がたくさんありますよね。「魚+彪」⇒「彪」の「彡」を省略して「鯱」になったのでしょうか?
②「しゃち」の意の中に「さかまた」がありますが、シャチの特徴的な背びれが逆さの鉾(ホコ)のようであったことから、そう呼ばれるのです。
それでは、書き順をみてみましょう。
19画もある漢字ですが、魚と虎を順に書いていけば、意外とすんなり完成します。上記の書き順を見て、覚えてしまいましょう。
もっと詳しく知ろう!鯱の漢字としての由来や成り立ち
漢和辞典には、鮗の字源、解字が載っていないんですよ!
ただ、この鯱は会意文字(二つ以上の漢字を組み合わせて、もとの漢字とは別の意味を表した漢字)ですから、魚と虎で次のように考えたのではないでしょうか?
鯱って、獰猛な性格で、あの大きな大きなクジラさえ餌にしちゃう所から、日本人は「虎のように獰猛な魚」ということで、「鯱」という漢字をつくったではないでしょうか。
もう一つ説があります。
③意にある「しゃちほこ」ですが、頭が虎に似ているところから、魚へんに「虎」という漢字が使われるようになり、そこから想像の元になった「しゃち」にも、この漢字が使われるようになったというモノです。
鯱(シャチ)は哺乳類
鯱の意味にある「ひらめ」は、上述したように、ほとんどの辞書にもないことから、この章では「シャチ」に対して述べていきたいと思います。
魚へんがついてますが、魚類ではありません!
意味の中にも書いてありますが、海生哺乳類です。我々人間と同じ哺乳類なんですよ。
シャチは、魚類全般を食べます。その中には、サメはもちろん、あの巨大なシロナガスクジラを含むクジラ類も含まれるんです。
マイルカ科の仲間では最大の種なんです。大きさをみると、体長の平均はオスは6~7m、メスは5から6m、体重は3.6~5.2kg、メスは1.3~3.6kgほどです。10m近くに達するオスもいるようです。
先程述べたましたが、最大で2mに達する「さかまた」と呼ばれる大きな背びれを持っています。
そして、非常に活発な生き物です。
- 最も速く泳ぐことができる哺乳類の一つで時速50㎞以上
- 餌を求めて1日に100キロメートル以上も移動する
- ブリーチング(海面へ自らの体を打ちつけるジャンプ)やスパイホッピング(頭部を海面に出し、辺りを見渡すためと言われる行動)と呼ばれる多彩な行動
- 好奇心も旺盛で、興味を持ったものには近寄って確かめる
シャチは、2種類の音を使い分けていることが知られています。
- コール音:群れのメンバー同士のコミュニケーション
- クリック音:噴気孔の奥にある溝から、メロンと呼ばれる脂肪で凝縮して発射する。反響音を下顎の骨から感じ取ることで、前方に何があるか判断する
鯱(シャチ)のレシピ
シャチは肉食なので、きっとうまくないと思いますが、クックパッドを調べたらレシピが11品も載っていたんですよ。
そのうち、何品かを紹介します。
実際は、実際の鯱肉を使う料理ではなくて、シャチにかけた名称だったことがわかりました。楽しめるので、ご覧ください。
金シャチ餃子からです!シャチホコをエビの尻尾を使って表現しています。
餃子のあとは、おにぎりとキャラ弁がふたつです!
クックパッドには、本当にたくさんのレシピが出ていますよ。そちらもご覧になって、おいしそうな料理は是非味わってくださいね。
最後に
「魚へんに○○」のシリーズに、魚へんに虎の鯱が加わりました。
この漢字も国字でした。確か「しゃち」だったよなあと思って見ていったんですが、漢字源の最初の意味を見てぶっ飛びました!
「ひらめ」って何!。
ちょっと動揺して、漢字ペディアとか複数のサイトを当たったのに、この意味を載せているモノが全然見つからないんですよ。
何とか、いくつかの参考資料を見つけましたが、イヤー漢字っていろいろの発見があって楽しいですなあ!
次回も新しい発見があることを祈って。
※気づけば魚へんの漢字の記事も増えてきました
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