さんずいに林と書いて淋!意味・読み方から苗字での使われ方まで総特集
過去の記事を何気なく見ていたら、こんなタイトル「寂しいと淋しいに違いはあるのか?辞書を巡って調査した結果をご報告」の記事がありました。
違いを調べる記事ですな。
このタイトルの中に「さんずい」の漢字があるじゃないですか。「淋」ですね。
この漢字、淋は「さんずいに○○」の漢字に当てはまるものです。
前回の沐に「木」が追加となった、さんずいに林の「淋」について、いつもやっているように、意味・読み方から名前での使い方まで総特集していこうと思います。
最後までご一緒にご覧になってくださるよう、お願いします。
さんずいに林といえば淋!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、淋の意味と読み方を明確にしましょう。
淋の読み方と意味
淋
画数 :11画
音訓:リン したた・る(日本語だけ)さび・しい さみ・しい さむ・しい
意味
①したたる。水がたらたらと絶えずたれる。また、そのさま。②病気の名。感染症の一つで、うみが絶え間なく垂れる病気。淋病。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)さび・しい さみ・しい さむ・しい
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「淋」の音読みは「リン」です。訓読みは「したた・る」ですね。日本語の訓読みに、「さび・しい」「さみ・しい」「さむ・しい」の3つがあります。
意味は2つあります。水がたれるの意味があり、2つめの、うみが「たれる」イコール淋病につながっているんですね。
中国では、「さびしい」という意味はなく、日本語の場合のみ、この意味が有効になるんですね。で、「さびしい」の漢字には「寂しい」もあると言ってます。
日本語の訓読みのうち、「さみ・しい」「さむ・しい」の意味ですが、いずれも「さびしい」の転すなわち変化したモノです。
淋しいと寂しいについては、その違いは何なのかを追求した記事があります。
それでは、淋の書き順をみましょう。
さんずいと木と木を順に書くだけです!前回記事にした「沐」に「木」が追加されただけです。これは間違える人はいないですよね。
もっと詳しく知ろう!淋の漢字としての由来や成り立ち
淋の解字です。
淋=「林(リン 並ぶ)」+「水(みず)」(形声)。淋は水が点々と滴る情景。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
類語に「滴」と「漉」があります。それぞれの意味を見比べてみましょう。
淋:水が絶え間なくしたたる
滴:水がひとしずくずつ、まっすぐに垂れる
漉:水のしずくが数珠つなぎに続いて垂れる
漉に関しては、こし餡の「漉」だったと知りましたね。こちらの記事をご覧ください。
次の章では、「淋」のつく言葉を見てみましょう。
淋のつく言葉
淋のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。
淋のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
淋雨 | リンウ | ⇒霖雨。しとしとと降り続くながあめ。 |
淋灑 | リンサイ | ①絶え間なく続くさま。②水などのしたたるさま。 |
淋巴液 | リンハ゜エキ | からだの組織の間を流れている無色透明の液体。組織に栄養を与え、老廃物の運搬をし、細菌の侵入をふせぐ働きをする。▽ドイツ語Lympheの音訳。 |
淋離 | リンリ | ①長いさま。②大きいさま。③=淋漓。水・汗・血などのしたたるさま。{淋漉(リンロク)・淋瀝(リンレキ)}④=淋漓。勢いのあふれるさま。 |
淋淋 | リンリン | 水が絶え間なくしたたるさま。 |
淋浪 | リンロウ | ①水が絶え間なく流れ注ぐさま。②はらはらと乱れ落ちるさま。 |
参考:学研漢和大字典
リンパ液は、漢字で書くとこうなるんですか。
淋雨は聞いたことがありますが、表記は「霖雨」が多いような気が…。その他の言葉は、聞いたことがありませんなあ!
次は、名前に使われるポイントを見ていきます。
名前に使われる際のポイントは
「淋」は人名漢字ですが、余り、いい意味はないですな。
「水も滴るいい男」なんて表現がありましたが、無理矢理、こじつければ使えないことはないですかね。
でも、使わない方がいいなんて言っているサイトもありました。正確に言うと、「淋は名前に使えますが、使用を避けたほうがよい漢字です」となっています。
淋病の「淋」だったり、日本語では「淋しい」だったり、名前を付けると、悪い意味を引き寄せちゃうんじゃないですかね。
そういうことで、名付けのポイントはお休みにします。
そこで、「淋」のつく苗字を見てみます。最初にやるのは、「淋」一文字の苗字です。中国の苗字のような気がしていたんですが、熊本県にある淋(そそぎ)という地名から来た苗字でした。
【名字】淋
【読み】そそぎ
【全国順位】 13,439位
【全国人数】 およそ450人
参考資料 名字由来net
そこそこの人数がいますね。順位も13,000台ですから、まあ上位の方です。
都道府県別の人数はどうでしょうか。
都道府県 | 人数 |
---|---|
熊本県 | およそ270人 |
福岡都 | およそ40人 |
兵庫県 | およそ40人 |
大阪府 | およそ30人 |
埼玉県 | およそ20人 |
参考資料 名字由来net
450人中400人(89%)がベスト5で出てきました。残り10%強が全国に散らばっている計算になりますな。
60爺は「淋」さんに会ったことはないですね。
最後に
さんずいに林といえば淋ですが、この漢字について述べてきました。
この漢字を使うのは、淋しいがメインですかね。普通の人は淋病にかかることはめったにないと思いますので。
淋しい(さびしい)というのが日本語だけの意味とは初めて知りました。他に、「さみ・しい」「さむ・しい」の読みがあり、その意味は、いずれも「さびしい」の転すなわち変化したモノでしたね。
この「淋」は人名漢字でしたが、「名前に使わない方がいい」なんてサイトもあったし、意味も良くないので名付けのポイントはお休みにしました。
さてさて、次回のさんずいの漢字は良い意味のモノを選べるかな?
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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