草冠に夫の漢字は「芙」!読み方・意味・成り立ちや名前での使い方
「草冠に夫」と書く漢字を見て、何と読むのだろうと思ったことはありませんか。
この漢字は「芙」で、音読みでは「フ」と読みます。
「芙蓉」という言葉に使われ、ハスの花や落葉低木のフヨウに関係する漢字です。
また、人名用漢字に含まれており、女の子の名前にも使われています。
この記事では、「芙」の読み方と意味、成り立ち、ハスとフヨウの関係、名前での使い方などを分かりやすく解説します。
草冠に夫の漢字「芙」の読み方と意味
草冠に「夫」と書く漢字は「芙」です。
まずは、基本情報を表で確認しましょう。
芙
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 艸(くさかんむり) |
| 画数 | 7画 |
| 音読み | フ |
| 名付け | はす |
| 意味 | 「芙蓉」はハスの花、またはアオイ科フヨウ属の落葉低木。「阿芙蓉」は阿片 |
| 漢字の種類 | 人名用漢字 |
「芙」は常用漢字ではありませんが、人名用漢字なので名前に使用できます。
「芙」の読み方
「芙」の音読みは「フ」です。
「芙蓉(ふよう)」「木芙蓉(もくふよう)」「酔芙蓉(すいふよう)」などの言葉で使われます。
漢字源では訓読みを載せず、日本語独自の名付けとして「はす」を挙げています。
一方、漢字辞典によっては「はす」を訓読みとして掲載している場合もあります。
一般的には「フ」と読み、「はす」は主に名前で用いられる読み方と考えると分かりやすいでしょう。
「芙」の意味
「芙」は、主に「芙蓉」という言葉の中で使われる漢字です。
「芙蓉」には、ハスの花と、アオイ科フヨウ属の落葉低木という二つの意味があります。
樹木のフヨウをハスと明確に区別するときは、「木芙蓉」とも呼びます。
また、「阿芙蓉(あふよう)」は阿片を表す言葉です。
ただし、「芙」そのものから阿片を意味するわけではなく、「阿芙蓉」という熟語に限られた意味です。
「芙」の書き順
「芙」の画数は7画です。

「芙」は、草冠の3画を書いてから、その下に「夫」の4画を書きます。
下の「夫」は、横画を2本書いたあと、左払い、右払いの順に書きます。
草冠の下に「夫」をバランスよく収め、左右の払いを広げすぎないようにすると、形を整えやすくなります。
※今回の題材は「草冠に夫」ですが、「草冠に未」に似ている漢字として登場しました。
⇒ 草冠に未と書く漢字は存在するのか
「芙」の成り立ち
「芙」は、「艸(くさかんむり)」と「夫」を組み合わせた形声文字です。
「艸」は草や植物に関係することを表し、「夫」は主に「フ」という音を表しています。
漢字源では、「夫」に大きく広がるというイメージがあり、「芙」は大きく広がって咲くハスの花を表すと解説されています。
つまり、「芙」は草冠と夫の意味を単純に組み合わせた漢字ではありません。
植物を表す「艸」と、音を示す「夫」を組み合わせ、ハスの花に関係する意味を持つようになった漢字です。
※草冠に〇で構成される漢字の記事の中で紹介しています。
「芙」が表すハスとフヨウ
「芙」は、主に「芙蓉」という言葉で使われます。
ただし、「芙蓉」が表す植物は一つではなく、ハスの花と、一般にフヨウと呼ばれる落葉低木の二つがあります。
C T Johansson, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ハスの花
Kimjun, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
フヨウ
両者の違いを簡単に確認しましょう。
| 呼び方 | 表す植物 |
|---|---|
| 芙蓉 | ハスの花。またはアオイ科フヨウ属の落葉低木 |
| 木芙蓉 | ハスと区別するために呼ばれる樹木のフヨウ |
| ハス | 水中の地下茎から葉や花茎を伸ばす水生植物 |
| フヨウ | 夏から秋に薄紅色や白色の花を咲かせる落葉低木 |
中国の古典などで使われる「芙蓉」は、ハスの花を指すことがあります。
一方、現在の日本で「フヨウ」といえば、一般にアオイ科フヨウ属の落葉低木を指します。
この樹木をハスと区別して「木芙蓉」と呼ぶこともあります。
したがって、「芙蓉」がどちらを表しているかは、使われている文章や時代から判断する必要があります。
「芙」にはハスとフヨウの両方が関係していますが、まったく同じ植物というわけではありません。
「芙」のつく言葉
「芙」は単独で使われることが少なく、主に「芙蓉」を含む言葉に使われます。
代表的な言葉と、その読み方・意味を確認しましょう。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 芙蓉 | ふよう | ハスの花。またはアオイ科フヨウ属の落葉低木 |
| 木芙蓉 | もくふよう | ハスと区別するために用いられる、樹木のフヨウの呼び名 |
| 酔芙蓉 | すいふよう | 朝は白く、時間の経過とともに桃色や紅色へ変化するフヨウ |
| 芙蓉峰 | ふようほう | 雪を頂いた姿を白いハスの花に見立てた富士山の美称 |
| 阿芙蓉 | あふよう | 阿片を表す言葉 |
「芙蓉」は、文脈によってハスとフヨウのどちらも表します。
「木芙蓉」や「酔芙蓉」は樹木のフヨウを指し、「芙蓉峰」は富士山を表す美しい呼び名です。
「阿芙蓉」には阿片という意味がありますが、現在の日常生活で見かけることはほとんどありません。
「芙」は名前に使える?
「芙」は人名用漢字に含まれているため、子どもの名前に使えます。
ハスやフヨウの花を連想させることから、清らかさ、美しさ、気品、優雅さなどを名前に込められる漢字です。
特に女の子の名前で使われることが多く、「フ」の音を生かした名前が見られます。
「芙」を名前に使う意味
ハスは泥の中から茎を伸ばし、美しい花を咲かせる植物です。
その姿から、「困難な環境でも自分らしく成長できる人に」「清らかな心を持つ人に」という願いを込められます。
また、フヨウは大きく華やかな花を咲かせるため、「美しく気品のある人に」「周囲を明るくする魅力的な人に」という願いにもつながります。
「芙」を使った女の子の名前
「芙」は、名前では主に「ふ」や「はす」と読まれます。
「ふ」を使った名前には、次のような例があります。
| 名前 | 読み方 |
|---|---|
| 芙美 | ふみ |
| 芙実 | ふみ |
| 芙由 | ふゆ |
| 芙美花 | ふみか |
| 美芙由 | みふゆ |
同じ「芙」を使っていても、組み合わせる漢字によって名前の印象や込める願いは変わります。
読み間違えられる可能性もあるため、漢字の組み合わせから自然に読めるかを確認しておくとよいでしょう。
「芙」は名前に良くない?
「芙」は、名前に良くない漢字ではありません。
人名用漢字として正式に名前へ使用でき、ハスやフヨウに由来する美しい意味を持っています。
一方で、日常では「芙蓉」以外に使われる機会が少なく、読み方や意味が伝わりにくいことがあります。
また、「阿芙蓉」が阿片を意味する点を気にする人もいますが、これは「阿芙蓉」という熟語の意味であり、「芙」そのものに悪い意味があるわけではありません。
漢字の意味と読みやすさを理解したうえで選べば、清らかさや美しさを表せる名前向きの漢字といえるでしょう。
本件について詳しく述べた記事があります。
⇒ 芙は名前に良くないのか?
「芙」のつく苗字
「芙」は名前に使われることのある漢字ですが、苗字に含まれる例は多くありません。
確認できる苗字には、次のようなものがあります。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 芙家 | はすや |
| 芙蓉 | ふよう |
| 芙頭 | ふとう |
「芙家」と「芙頭」は、全国でも人数の少ない珍しい苗字です。
「芙家」は愛媛県や大阪府、「芙頭」は熊本県や神奈川県などで見られます。
苗字の読み方や分布は資料によって異なる場合があるため、表の読み方は代表例として捉えてください。
まとめ
草冠に「夫」と書く漢字は「芙」です。
音読みでは「フ」と読み、主に「芙蓉」という言葉で使われます。
「芙蓉」はハスの花と、アオイ科フヨウ属の落葉低木の両方を表し、樹木のフヨウを区別して「木芙蓉」と呼ぶこともあります。
「芙」は人名用漢字なので名前に使用でき、清らかさや美しさ、気品を込められる漢字です。
名前では主に「ふ」や「はす」と読まれ、苗字では「芙家」「芙頭」などの珍しい例が見られます。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました










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