吉の下が長い𠮷を総特集!出し方から両者の違い・出会えるシーンまで

2023年6月21日

先日、「吉野家」のロゴを見ていて気づいたんですが、吉野家の「吉」って、吉の下が長い「𠮷」だったんですね。機会があれば確認してください。

60爺

余り注意してみていないんで、ちょっとビックリですな。

この吉の下が長い「𠮷」って「つちよし」と呼ばれているんですね。

ちょっと変わった漢字なので、前に記事にした「㐂」と同様に見ていきたいと思います。

即ち、この「𠮷」について、その読み方や意味や「吉」との違い、「𠮷」に出会えるシーン、この漢字のスマホ(Android)・パソコンで出し方を紹介します。

それでは、ご一緒に内容を見ていきましょうか。

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吉の下が長い𠮷!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、𠮷の意味と読み方を明確にしましょう。

𠮷の読み方と意味

𠮷

画数 :6画
【吉】の異体字

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

この「𠮷」は「吉」の異体字なんですよ。

異体字※
漢字の字体のうち標準字体以外のもの。異体文字、別体字、変体字ともいう。・・・通常は漢字のみをさす。分類は・・・一定しないが、(1)略字(2)合字(3)分字(4)古字(5)俗字(6)譌(か)字などが考えられる。

引用 コトバンク 異体字

「吉」を見ておきます。

吉の読み方と意味

画数 :6画
音訓:キチ よ・い(日本語だけ)キチ キツ よし
意味
①{形容詞・名詞}よ・い(よし)。めでたいさま。さいわい。めでたいこと。▽もと占いのことば。《対語》⇒凶。「吉日」②(キツナリ){形容詞}よ・い(よし)。願わしくてよいさま。けっこうである。「吉礼」③「初吉(ショキツ)」とは、一日(ついたち)のこと。④姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(音訓)キ よろこ・ぶ

先程述べたように、この漢字「𠮷」ですが、「吉」の異体字なんですね。

「吉」=「士(かぶせる蓋)」+「口(入れ物)」(会意)。

容器に物を詰め込んで蓋をする情景なんです。「中身がいっぱい詰まる」「満ちる」というイメージから、幸運がいっぱいあってすばらしいということを暗示させる文字なんですね。

「吉」には、「吉祥(きっしょう)」、「吉兆(きっちょう)」、「吉報(きっぽう)」など、良いことにつながる言葉も多いですよね。

「吉(𠮷)」さんという、めでたい姓もあるようです!


「吉」と「𠮷」の違い

さて、この章では、「吉」と「𠮷」を確認します。

【結論】
「吉」と「𠮷」ですが、これらは単なる字体の差に過ぎません。

ですから、吉の下が長い「𠮷」の読み方及び意味は「吉」と全く同じなのです。

つまり、「吉」と「𠮷」の音読みは「キチ」、訓読みは「よ・い」、そして、日本語だけの読みとして「キチ」「キツ」「よし」があるんです。

同様に、「吉」と「𠮷」の意味は上記にあるように4つの意味を持っているんです。

大きな違いは、「吉」は常用漢字ですが、「𠮷」はそうではないということです。
ですから、漢字自体は同じ内容を表しますが、「吉」は常用漢字ですが、「𠮷」は俗字であるため、公用文書では「吉」しか使うことが出来ません。

字体について

もう少し詳しくいうと「吉」は旧字体です。そして、上記「吉の下が長い𠮷!漢字の読み方や全体像をまずはチェック」で見た通り、「𠮷」は異体字(新字体、俗字)です。

これらの○○字体、△△字を一覧にしたので見てください。

字体読み意味
旧字体きゅうじたい1949年の「当用漢字字体表」が告示される前に使用されていた漢字
例)「國(国)」「澤(澤)」「學(学)」「應(応)」「鐵(鉄)」
(カッコ内は新字体)等、画数が多くて複雑な漢字が多い
異体字いたいじ音と意味が同じで形が違う漢字
新字体しんじたい古くから使われていた形を改めて、新たに用いられるようになった字体
俗字はぞくじ正字(正式の字体)に対し、正式ではないが世間一般で広く行われている字体

「吉」は複雑な漢字ではないんですが旧字体です。

「𠮷」は「吉」の異体字(俗字)で、もともと、広く世間で使われていたんですね。

有名な話では、内閣総理大臣の「吉田茂」の表記が変わったことがあげられます。
1949年に「当用漢字字体表に関する内閣告示」で、ずーーと使われていた「𠮷田茂」が、公式には全て「吉田茂」に変更されたんですよ。

次の章では、吉の下が長い「𠮷」と出会えるシーンを探してみました。

吉の下が長い「𠮷」と出会えるシーン

この「𠮷」ですが、日常生活で見かけるものを探してみました。

牛丼の「𠮷野家」

一番有名なのは、なんといっても牛丼の「𠮷野家」の「𠮷」でしょう。

何故、土吉の「𠮷」名のでしょうか?

yahoo!知恵袋に、こんな答えがありました。

吉野家の発祥は大阪府の吉野町というところです。(現在は福島区吉野になっています。)
昔は登記簿が手書きだったためよくこういったことがあり、看板の吉の字は(つちよし)というものです。

引用 yahoo!知恵袋

吉野家お客様相談室に確認してみました。

まず、「𠮷」なんですが、創業時より使用していたそうです。
そして、1899年に創業者・松田栄吉が「𠮷野家」 (土吉)の名前で登記しました。

「𠮷」を採用した理由ははっきりしないそうです。

登記を行った1899年は明治32年で、この時代は「𠮷」も普通に使っていたからだと思われます。
上述したように、総理大臣の「𠮷田茂」も「𠮷」でしたから。

現代と明治時代の「吉」に関する感覚は当然違っていたのでしょう。

また、「𠮷野家の屋号」の由来は、 創業者の松田栄吉が吉野の桜が大好きだったから、吉野の字 を使って吉野家としたと言われております。

株式会社 吉野家 お役様相談室様、ご回答ありがとうございました。

名字(名字)で見かける「𠮷」

あと「𠮷」をよく見るのは名字(苗字)ではないでしょうか?

𠮷、𠮷田、𠮷原、𠮷廹、𠮷栖、𠮷野、𠮷村、有𠮷、𠮷本などの姓があるようです。

いつも、お世話になっている名前由来netで、それらの順位や人数を見ておこうと思ったんですが、上記の名字は、ほとんどが調査中でした。

唯一、「𠮷廹」さんの人数が表示されておりました。

【名字】𠮷廹
【読み】よしさく
【全国順位】 調査中
【全国人数】 およそ10人

参考 名前由来net

日本のプロボクサーで、第50代日本バンタム級、元WBC世界バンタム級王者。愛称は浪速のジョーだった辰吉丈一郎のツイートに、次の内容がありました。

辰吉丈一郎の「吉」は、正確な表記「𠮷」(「土」の下に「口」、つちよし)である。また「丈」の正確な表記は「𠀋」であり、右上に点がある。

引用 辰吉丈一郎公式

辰吉丈一郎の正確な表記には「𠮷」が含まれていたんですな!

次の章では、「𠮷」をパソコンやスマホで入力する際の方法をお知らせしますよ。

吉の下が長い「𠮷」の出し方(スマホ・パソコン)

さて、吉の下が長い「𠮷」の出し方を、スマホ及びパソコン別にみてみましょう。

吉の下が長い「𠮷」の出し方

スマホ

「つちよし」と入力して変換することで「𠮷」を出すことができます。

「きち」でやってみましたが、候補に「𠮷」は出てきません。

パソコン

テキストエディタなどで「よし」と入力して変換しましょう。

変換候補に「𠮷」が現れますので選択すれば完了です!「きち」変換でも変換候補に現れます。

テプラ

テキストエディタなどで「きち」と入力して変換しましょう。

変換候補に「𠮷」が現れますので選択すれば完了です!「よし」変換でも変換候補に現れます。

スマホ・パソコン・テプラともに文字変換で「𠮷」を出すことができます。

それでは、上記に示したスマホ、パソコン及びテプラで、「𠮷」を表示する方法を紹介していきます。

吉の下が長い「𠮷」の出し方(スマホ)

それでは、スマホで吉の下が長い「𠮷」の出し方を紹介します。

検索窓に「つちよし」
検索窓に「つちよし」と入力します。
変換候補に「𠮷」
変換候補に「𠮷」が表示されています!これをタップします。
「𠮷」入力完了
「𠮷」が表示されました!

以上で、スマホでの吉の下が長い「𠮷」の出し方の手順を示しました。
なお、上述した「きち」、あるいは、「よし」で変換候補を探しても、吉の下が長い「𠮷」は見つからないようです。

次の章では、パソコンで吉の下が長い「𠮷」の出し方の手順を見ていきましょう。

吉の下が長い「𠮷」の出し方(パソコン)

それでは、「𠮷」を入力するパソコンでの手順をみていきましょう。

テキストエディタを起動
初めに、テキストエディタを起動します。60爺は「秀丸」を使います。
「よし」と入力
「よし」と入力します。すると、候補が一覧で出てきます。
「変換」を数度押下
「変換」を数度押下すると、候補がずらっと表示されます。つちよし「𠮷」が候補の中に現れましたね。

この「𠮷」を選択します。
「𠮷」入力完了
こうすることで、「𠮷」を検索できました。

パソコンでは、ここでやった「よし」の他、「きち」でも吉の下が長い「𠮷」を出せます。

スマホでやった「つちよし」では、吉の下が長い「𠮷」を出せませんでした。

吉の下が長い「𠮷」の出し方(テプラ)

ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)における「𠮷」の打ち方を紹介します。

「きち」入力
日本語で「きち」と入力します。
「変換」ボタン押下
「変換」ボタンを押して候補を表示します。
「壽」で「選択」ボタン押下
候補を順にみていくと一番下に「𠮷」が表れましたので、「選択」ボタンを押します。
「𠮷」入力完了
「𠮷」が入力できました。

「𠮷」は、割と簡単に出てきました。「よし」でも可能ですが、候補が多いので面倒です。
「つちよし」では変換できません。

※難しい漢字の出し方・打ち方を紹介した記事が複数あります。

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最後に

「𠮷」について、その意味、そして、この漢字を入力するのにスマホ・パソコン・テプラで何をすればいいかを解説しました。

「𠮷」は「吉」の異体字でした。

この漢字、冒頭で言った「𠮷野家」の「𠮷」でした。苗字にもあるようですが、60爺は出会ったことがないですな。

それから、スマホ、パソコン・スマホでどう出すかについて述べています。今回は、全て文字変換で出すことが出来ました。

※思えば「打ち方・出し方」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら