9月の別名は?膨大な名称が襲来して由来や辞書・サイト調査で大忙し
以前、月の異名を紹介した記事を書いていますが、現在、個々の月に絞って、順に、別名を詳しく見ていく記事を書いています。
現在、6~8月までの別名を記事にしていますが、ちょっと間がいてしまいました。今回は「9月の別名」をご紹介しましょう。
先ほど言った月の異名の記事では、9月の異名の別名として7つの呼称を挙げたのですが、今回の記事では、「6月~8月の別名」と同じように、もう一歩踏み込んで別名を捜してみました。
案の定、9月も山ほど別名が…。まあ、まとめ方は今まで通りなので焦らなくなりましたが。
9月の別名も膨大に探し出せましたので、これから、ご一緒に見に行ってください!
9月の異名は
さて、9月の別名といいますと、恐らく、9月の異名である和風月名(旧暦の月の和風の呼び名)を思い浮かべる方が多いと考えます。
ですから、別名に行く前に、まず、9月の和風月名を見てください!
9月の異名(和風月名)は?
長月 ながつき
その由来は次の通りです。
- 「夜長月」の略が一般的。
- 「稲刈り月」の転訛。
- 九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。
参考:月の異名を一覧で確認する!それらの由来・別名・覚え方などを大特集
60爺の書いた参考記事では、由来について、上に挙げた三つが出ています。
9月の別名は?
それでは、9月の別名(長月は除きます)を見ていきましょう。
9月の別名は?
次のように、とんでもない数が出てきましたね~。何と59もの別名が出てきましたよ!
戌の月、色染月、色取月、詠月、小田刈月、寒露、菊咲月、菊秋、菊月、菊間月、菊見月、季秋、季商、窮秋、勁秋、玄月、建戌月、高秋、紅樹、梢の秋、木末の秋、残秋、授衣、粛霜、秋末、戌月、青女月、霜降、素秋、重陽、寝覚月、白蔵、晩秋、杪秋、杪商、無射、暮秋、末秋、紅葉月、夜長月、涼秋、終玄、霜辰、竹酔月、玄、慕商・暮商、貫月、季白、朽月、鴻賓、鴻賓月、歳晏、折秋、霜月、大火、九月、剥月、亡射、戊月
9月の別名も大量のですな。
これらの別名について、辞書等に載っているか、あるいは、由来を見つけられるか試した結果をお知らせします。
由来あるいは「9月の異名」の裏が取れた別名
いろいろなサイトや辞書から由来と見られる内容を取得できた別名及び由来はわからなかったものの「9月の異名」との裏が取れた別名を一覧にしました。
かなりの数がありますよ!
別名 | 読み | 由来(旧暦9月の異称は由来が見つからなかった) |
---|---|---|
戌の月 | いぬのつき | 北斗七星を基準とした呼び名。戌月(じゅつげつ) |
色染月 | いろそめづき | 紅葉が色付き始める季節 |
色取月 | いろどりづき・いろどるづき | 秋といえば紅葉の季節でもあり、景色の彩りを表した別名 |
詠月 | えいげつ | 月を眺めて詩歌を歌う |
小田刈月 | おだかりづき | 田んぼの稲を刈り取って収穫する月 |
寒露 | かんろ | 夜が長くなり、露がつめたく感じられるころ |
菊咲月 | きくさづき | 9月は菊の咲く季節ということから |
菊秋 | きくしゅう・きくあき・きくのあき | 9月は菊の咲く季節ということから |
菊月 | きくづき・きくげつ | 9月は菊の咲く季節ということから |
菊間月 | きくまづき | 9月は菊の咲く季節ということから |
菊見月 | きくみづき | 9月は菊の咲く季節ということから |
季秋 | きしゅう | 長月は秋の最後の月(秋の末)ということ |
季商 | きしょう | 季は終り。商は秋の意味 |
窮秋 | きゅうしゅう | 秋の終わり |
勁秋 | けいしゅう | 寒冷の秋 |
玄月 | げんげつ・ながつき・ながづき | 黒い天の広がる月を表している? |
建戌月 | けんじゅつげつ | 北斗七星を基準とした呼び名。 |
高秋 | こうしゅう | 晴れ渡って空の高く見える秋。秋たけなわの季節 |
紅樹 | こうじゅ | 紅葉した樹木 |
梢の秋 | こずえのあき | 秋といえば紅葉の季節でもあり、景色の彩りを表した別名 |
木末の秋 | こずえのあき | 秋といえば紅葉の季節でもあり、景色の彩りを表した別名 |
残秋 | ざんしゅう | 長月は秋の最後の月(秋の末)ということ |
終玄 | しゅうげん | 旧暦9月の異称 |
授衣 | じゅい・じゅえ | 寒さに向かって冬の衣服の準備をすること。冬支度をすること |
粛霜 | しゅくそう | きびしい霜 |
秋末 | しゅうまつ | 秋のすえ。秋の終わり |
戌月 | じゅつげつ | 北斗七星を基準とした呼び名。戌の月(いぬのつき) |
青女月 | せいじょづき | 急な冷え込みで霜柱ができ始める時期 |
霜降 | そうこう | 二十四節気の第18 |
霜辰 | そうしん | 旧暦9月の異称 |
素秋 | そしゅう | 五行で白を秋に配するところから |
竹酔月 | ちくすいづき | 旧暦9月の異称 |
重陽 | ちょうよう | 重陽の節句から |
玄 | げん・ながつき・ながづき | 旧暦9月の異称 |
寝覚月 | ねざめづき | 夜が長くなったことで夜の間に目覚めてしまうことも増えるのが由来 |
白蔵 | はくぞう | 秋の異称 |
晩秋 | ばんしゅう・くれのあき | 長月は秋の最後の月(秋の末)ということ |
杪秋 | びょうしゅう・しょうしゅう | 秋の終わり。晩秋 |
杪商 | びょうしょう | 秋の終わり。晩秋 |
無射 | ぶえき | 十二律の無射を九月に当てるところから |
暮秋 | ぼしゅう | 長月は秋の最後の月(秋の末)ということ |
慕商・暮商 | ぼしょう | 旧暦9月の異称 |
末秋 | まっしゅう | 長月は秋の最後の月(秋の末)ということ |
紅葉月 | もみじづき | 秋といえば紅葉の季節でもあり、景色の彩りを表した別名 |
夜長月 | よながづき | 長月の元になった名称とも言われており、夜がだんだん長くなる月であることから名付けられた |
涼秋 | りょうしゅう | 涼しい秋。ひえびえとした秋 |
8月も7月と同様に、50弱の別名が集まりました。意味にあるのが、辞書やサイト等に載っていた内容です。
下から9番目の「高秋」は、特に陰暦8月に触れておりません。また、最後の「涼秋」ですが、辞書には「陰暦9月の異称」になっていました!
由来も不明、辞書にもない別名
残念ながら、由来も不明、さらに、辞書にも載っていない別名です。
貫月(かんげつ)、季白(きはく)、朽月(きゅうげつ)、鴻賓(こうひん)、鴻賓月(こうひんげつ)、歳晏(さいあん)、折秋(せっしゅう)、霜月(そうげつ)、大火(だいか)、九月(ながつき・ながづき)、剥月(はくげつ)、亡射(ぼうしゃ)、戊月(ぼげつ)
13の別名が、由来も不明、辞書にもないことがわかりました。
季白(きはく)を検索すると「李白(りはく)」になっちゃうんですよね。霜月(そうげつ)は漢字だけで検索すると、11月の霜月(しもつき)が出てきちゃいました。
大火(だいか)は大火(たいか)になって「大火事」ですもんね。困っちゃいました。
月の異名について
9月の別名を見て来ました。色々名前がありますが、昔の人は、自然とつながることを大事にしてきたのだと思います。
現代人には、とても、この真似は出来ないだろうと思います。
さて、9月以外の月にも、それぞれ異名がついています!異名とは、上で解説した「9月は長月」に当たるもので、和風月名と言われる名称です。
そんな、月の異名の一覧を見てみましょう。
月 | 異名 | 読み方 | 由来 |
---|---|---|---|
1月 | 睦月 | むつき | ■正月に一家がなごやかに「むつみあう」日を送るところから。 ■「生む月」の説もある。 |
2月 | 如月 | きさらぎ | ■寒さが厳しく、着物の上にさらに重ねて着るので、「衣更着(きさらぎ)」。 ■「草木張月(くさきはりづき)」が転じたなども。 |
3月 | 弥生 | やよい | ■春の暖かい陽気に恵まれて、全ての草木が「彌生(いやお)い」茂る月の意で、これが詰まって「やよい」になったとされる。 |
4月 | 卯月 | うづき | ■旧暦四月頃に卯の花が盛りになることから。 ■稲種を植える月から、「植月(うづき)」 ■十二支の4番目の卯の説 |
5月 | 皐月 | さつき | ■早苗を植える月であることから。「早苗月」と称したのを略して「さつき」になったとされる |
6月 | 水無月 | みなづき | ■酷暑で日照りが続き、深山の水まで枯れ尽くすことから。 ■水を田に注ぐ月の意から「水張り月」「水月(みなづき)」が転じた。 |
7月 | 文月 | ふみづき | ■七夕の織姫に書文(ふみ)を供えることから。 ■稲穂のふくらむ月ということで、「ふくみ月」が転訛したという説 |
8月 | 葉月 | はづき | ■葉の落ちる月、「葉落月」から。 ■初めて雁が飛来するので、「初来月(はつきづき)」から ■稲の穂の張る月で「稲張月(ほはりづき)」を略した説。 |
9月 | 長月 | ながつき | ■「夜長月」の略が一般的。 ■「稲刈り月」の転訛。 ■九月は長雨の季節なので「長雨月」を略した。 |
10月 | 神無月 | かみなづき | ■諸神が出雲大社に集まり、諸国の神々が留守になることから「神なき月」が転訛したもの。 ■「神嘗月」や「神の月」が転訛した。 |
11月 | 霜月 | しもつき | ■『奥義抄』にある「霜しきりにふるゆえに、霜降月(しもふりつき)といふを誤れり」が定説となっている。 |
12月 | 師走 | しわす | ■12月は僧(師)を迎えて経を読ませるため、「師が走る」ことからが定説。 ■「歳極(としはつ)月」または「成し終わる月」が転訛した。 |
次の記事で、これらの各月の月の異名と別名、そして、60爺の考案した「月の異名の覚え方」などを解説しています。
先人たちがいろいろ考えてくれた、月の異名の覚え方をまとめた記事です。あなたに合った覚え方がきっと見つかります。
最後に
9月の別名をいっぱい挙げてみました!
又もや、物凄い数が見つかりましたね!辞書にあるかどうかを確認するのは大変でしたが、だんだん慣れてきた!
由来も何も全然見つからない別名は13でした。7月並みですね。8月は特異点なのか?
ここまで来たら、10月以降、最後までやっちゃいますよ!
■思えば月の別名も増えたものです。
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