2023年度竜王戦日程から見どころまで総特集!藤井聡太防衛なるか

2023年7月11日

竜王戦は、将棋の8大タイトルの中で名人戦と並び序列1位のタイトルです。賞金額で言えば、間違いなく将棋界トップのタイトルでしょう。

第36期竜王戦は、第2局の前に藤井聡太竜王・名人が八冠制覇を成し遂げ、八冠防衛を賭けた最初のタイトル戦となりました。

不可能だと思われていた八冠制覇を成し遂げ、藤井竜王・名人がどこまで八冠を維持できるかに注目が移っていますね。

さらには、だいぶ先の話となりますが、永世位を八冠制覇できるかにも興味がありますね。

この記事では、藤井竜王・名人(八冠)の竜王戦に向け、2023年の第36期竜王戦の日程や、竜王戦とは何か、竜王戦決勝トーナメントの状況など、見どころを総特集しちゃいます!

是非、ご覧になってくださいませ。

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第36期竜王戦七番勝負

いよいよ、第36期竜王戦七番勝負が開幕しました。こちらでは、その勝敗をお知らせします。

60爺

伊藤匠七段の先手で第36期竜王戦七番勝負は始まりました!

対局者/局数第1局第2局第3局第4局第5局第6局第7局
藤井聡太竜王
伊藤匠七段

第1局は、後手番の藤井竜王が82手で先勝しました。竜王3連覇へ向け、幸先良いスタートを切りました。

第2局は、10月17,18日京都市の仁和寺で行われ、先手番の藤井竜王が107手で勝ち、シリーズ2連勝としました。

第3局は、早くも来週10月25,26日北九州市の旧安川邸で行われます。伊藤七段は、先手のここで踏みとどまらないと悪夢の4連敗となってしまうかもしれません。

藤井聡太竜王と伊藤匠七段の対戦成績

挑戦者となった伊藤匠七段との対戦成績を見てみましょう。

年度年月日藤井肩書手番勝敗伊藤肩書期・回棋戦名備考
202323/10/18竜王・名人(八冠)七段第36期竜王戦七番勝負第2局
202323/10/7竜王・名人(七冠)七段第36期竜王戦七番勝負第1局
202222/11/29竜王(五冠)五段第48期棋王戦敗者復活戦 1回戦
202222/09/11竜王(五冠)五段第72回NHK杯戦本戦 2回戦

第36期竜王戦第1局で藤井王位が勝利を挙げ、対戦成績は3勝0敗となりました。

第36期竜王戦七番勝負日程及び会場予想

第36期竜王戦七番勝負の日程ですが、去る5月12日に発表されています。

  • 【第1局】10月6、7日(金、土) セルリアンタワー能楽堂(東京都渋谷区)
  • 【第2局】10月17、18日(火、水) 仁和寺(京都市)
  • 【第3局】10月25、26日(水、木) 旧安川邸(福岡県北九州市)
  • 【第4局】11月10、11日(金、土) 銀鱗荘(北海道小樽市)
  • 【第5局】11月27、28日(月、火) ことひら温泉 琴参閣(香川県琴平町)
  • 【第6局】12月6、7日(水、木) 旧本郷家住宅(秋田県大仙市)
  • 【第7局】12月13、14日(水、木) 常磐ホテル(山梨県甲府市)

第1局及び第2局の会場は第35期竜王戦と全く同じです。第34期竜王戦も同様ですので、開幕局と第2局の会場として恒例になりつつあります。

それでは、それぞれの会場について簡単に見ていきましょう。

第一局会場について

セルリアンタワー能楽堂

セルリアンタワーは、東京都渋谷区にある超高層複合ビルで、レストラン、オフィス、ホテルなどで構成されます。

このホテルがセルリアンタワー東急ホテルで、その地下2階に「能楽堂」があり、日本の伝統芸能を楽しめるわけですが、毎年10月に行われる将棋の竜王戦第1局の舞台になっているのです。

対局は和服(永瀬王座のように背広で通すひともいないわけではない)で行われるんですが、和服姿の棋士達には、能舞台の雰囲気がよく似合っていますね。

この会場が、竜王戦開幕局の恒例となったのは、能楽堂を運営する東急グループが竜王戦のスポンサーになっているためでしょう。

第二局会場について

仁和寺

仁和寺(にんなじ)は、京都市右京区にある真言宗総本山。山号は大内山。本尊は阿弥陀如来。開基(創立者)は宇多天皇です。

「古都京都の文化財」の構成資産のひとつで、世界遺産に登録されています。

ここ数年、宸殿が将棋のタイトル戦竜王戦第2局の舞台となっています。

ここ仁和寺での対局の名物は、原在泉(1849~1916)が描いた美しいふすまを背景に繰り広げられる戦いですね。

また、奥の部屋に掛け軸がかかっています。描かれている人物が、仁和寺創建者の宇多天皇です。

対局者を見守ってくれているようなお顔ですので見つけてくださいませ。


第三局会場について

旧安川邸

安川電機の創業発起人である安川敬一郎が1912年に建てた邸宅で、現在は北九州市の有形文化財に指定されています。

約1万3000㎡の敷地には洋館や日本庭園があり、対局は大座敷を備えた建物で実施されるそうです。

1つの敷地内に和風および洋風の異なる建築様式を備えており、北部九州における高級住宅史および日本の近代建築史上、極めて重要な住宅建築と言われています。

竜王戦誘致は北九州市制60周年の記念事業の一環として市が実施したものです。

第7局までのうち、北九州市は九州で唯一の会場となっていますね。

第四局会場について

銀鱗荘

銀鱗荘は、小樽港東端の平磯岬の高台に立つ老舗料亭・温泉旅館で国の登録文化財です。

銀鱗荘の旧本館は、ニシン漁で財を成した大網元、猪俣安之丞が1873年(明治6年)余市町に建てた邸宅が前身です。1900年大規模改修が完了し、1938年現在地に移築され、翌年、旅館として開業したそうです。

対局室は、5階建ての新館最上階の特別和洋室「鶴」が俎上に登っているそうで、ここからは、石狩湾や小樽の中心市街地が一望できるそうです。

第五局会場について

ことひら温泉 琴参閣

第六局会場について

旧本郷家住宅

第七局会場について

常磐ホテル

第7局の会場は、山梨県甲府市「常磐ホテル」です。

このホテルは、総創業80有余年、3000坪の日本庭園、それを望める露天風呂を持つホテルで、他のタイトル戦でもよく出てくる名前です。

名人戦や叡王戦の会場となっていますが、後半戦に出てくることが多いため、開催されない場合が多々あります。

関係者も、今年こそと熱戦を期待しているでしょう。

竜王戦について

竜王戦は次のような棋戦です。

竜王戦の第1期は1987年ですが、その前身は十段戦という名称でした。さらに、その前身は九段戦であり、その第1期が1950年です。

即ち、竜王戦は、タイトル戦の中では名人戦(第1期は1935 – 1937年)に次いで2番目に長い歴史を持っているんです。

タイトルの序列についての記事です。

序列に特化した記事もあります。

竜王戦は、予選として1組から6組までのランキング戦があります。この各組のランキング戦の突破者が決勝トーナメントで挑戦権を争います。

決勝トーナメントの挑戦者決定戦は3番勝負で、優勝者が挑戦者となって前期の竜王と七番勝負を行います。

詳細は次の記事をご覧ください。

ここ4年間の竜王戦七番勝負(☆:勝、★:負、持:持将棋、左側の棋士から見た勝ち負け)を見てみましょう。

  • 第33期(2020年)豊島将之竜王☆★☆☆☆羽生善治九段 防衛
  • 第34期(2021年)豊島将之竜王★★★★藤井聡太王位・棋聖 奪取
  • 第35期(2022年)藤井聡太竜王★☆☆☆★☆広瀬章人八段 防衛
  • 第36期(2023年)藤井聡太竜王☆☆☆☆伊藤匠七段

藤井聡太竜王は竜王2連覇中です。第36期の初戦に勝利して竜王戦での成績は、9勝2敗(.818)と高い勝率を挙げています。

ちょっと先の話ですが、あと3年間竜王を守り通すと、渡辺明九段、羽生善治九段に続く3人目の永世竜王が誕生します。

対局視聴方法

昨年は、abemaTVにて無料で対局を見ることが出来ました。

恐らく、今期も同様に、abemaTVにて無料で対局を見ることが出来るのではないでしょうか?

また、竜王戦中継サイトから中継ブログを見ることで、途中経過を確認できます。

日本将棋連盟の棋戦一覧から竜王戦を選択しましょう。

竜王戦中継サイトをクリックすると、「竜王戦中継サイト」に入ることが出来ます。

このページの下に行くと、メニューに「中継ブログ」がありますので、クリックすることで中継ブログを確認できます。現時点(2023/7/10)では、第36期決勝トーナメントの内容が確認できますよ!

棋譜チェックの方法

こちらも、上記「対局視聴方法」と同じで、竜王戦中継サイトから棋譜を見に行けます。

日本将棋連盟の棋戦一覧から竜王戦を選択しましょう。

竜王戦中継サイトをクリックすると、「竜王中継サイト」に入ることが出来ます。

このページに、「棋譜を見る」がありますので、そこから棋譜を確認できます。現時点では、決勝トーナメントの棋譜を見ることが出来ます。

決勝トーナメントの状況

現在、決勝トーナメントが進行中です。どの対局も注目曲ばかりなんですが、ベスト4が決定した後、詳細を報告していきます。

5組優勝伊藤匠六段が連勝し、藤井聡太竜王・名人への挑戦権を獲得!第36期竜王戦七番勝は20歳の若手棋士同士の対戦となりました。

挑戦者決定3番勝負

5組優勝伊藤匠六段と1組3位永瀬拓矢王座が勝ち上がりました。

第1局は、昨日7月31日に行われ、伊藤六段はタイトル戦で和服を着ない永瀬王座を破って、竜王戦挑戦者に、あと1勝としました。

第2局は8月14日に行われ、後手の伊藤六段が146手で激戦を制し連勝、圧巻の決勝トーナメント七連勝で藤井聡太竜王・名人への挑戦権を獲得しました。

同時に、伊藤六段は、規定により七段に昇段を果たしました。

伊藤匠七段(20歳)と藤井聡太竜王(21歳)によるタイトル戦は歴代最年少の顔合わせです!

準決勝

  • 1組1位稲葉陽八段 vs 5組優勝伊藤匠六段
  • 1組3位永瀬拓矢王座 vs 1組2位羽生善治九段

5組優勝の伊藤匠六段が4連勝(6組優勝出口若武六段、4組優勝大石直嗣七段、1組5位広瀬章人八段、1組4位の丸山忠久九段を連破)で準決勝まで上り詰めました。

7/27に決定戦を賭け、スーパーシード1組1位稲葉陽八段と対戦します。

スーパーシードとは?
竜王戦ランキング戦1組の優勝者は竜王戦決勝トーナメント準決勝にシードされ、この位置をスーパーシードと呼んでいる。

伊藤匠六段が113手で稲葉八段をも破り、5連勝で挑戦者決定戦へ進出しました。

もう一方の島は、1組3位永瀬拓矢王座と1組2位羽生善治九段が準決勝に勝ち上がり7/21対局しました。永瀬王座が104手で羽生九段に勝ち、挑戦者決定戦へ進出しました。

羽生九段のタイトル戦挑戦の夢は潰えました。残念。

おまけ:おやつの情報

タイトル戦と言えば、10:00と15:00に出される「おやつ」が話題ですよね。

第64期王位戦での藤井王位と佐々木七段の「おやつ」です。

日付午前
午後
藤井聡太竜王伊藤匠七段
第1局2023/10/6
1日目
午前
午後
2023/10/7
2日目
午前
午後
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最後に

さて、挑戦者が決まるまで、まだ時間がかかりますが、2023年竜王戦の記事を書いてしまいました。

なんといっても、八冠完全冠制覇した藤井竜王が八冠を維持できるか注目のタイトル戦の前提です。いつまで、藤井竜王のタイトル戦連勝が続くでしょうか。それを止める棋士は誰なのか?

絶対王者の竜王に挑戦する棋士は、同じ20歳の伊藤匠七段に決定しました。伊藤七段は、決勝トーナメント七連勝の離れ業で、挑戦権を獲得しました!

また、おやつも楽しみです。

皆さんもいろいろな楽しみを見つけてお待ちください。

■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺