木へんに親と書いて櫬!読み方から意味と名前・苗字にはない理由を総特集
「木へんに○○」シリーズも、そこそこの数になっていますね。木へんの漢字は、まだまだたくさんあるので、シリーズは、この先も続けられそうです。
以前、「木へんに母」の栂で記事をアップしていますが、「木へんに父」の秩はどうかと思ったんですが、さらに、そこから連想して「木へんに親」ではどうかと考えました。
しかし、こんな「木へんに親」という漢字は見たことがありませんね。
まあ、ダメもとで探してみたら、「櫬」という漢字は存在していました!木へんに○○シリーズに加えられますね。
それでは、今回は、木へんに親と書いて「櫬」で記事を書きます。読み方から意味・名前での使われ方までを総特集します。
ご一緒に、どんな漢字なのか見ていきましょう。
木へんに親といえば櫬!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、櫬の意味と読み方を明確にしましょう。
櫬の読み方と意味
櫬
画数 :20画
音訓:シン ひつぎ
意味
①ひつぎ。いちばん内側の棺。はだつきのひつぎ。内棺。②木の名。アオギリ科アオギリ属の落葉高木。アオギリ。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
上記のとおり、「槎」の音読みは「シン」で、訓読み「ひつぎ」です。この漢字、環境依存文字(=機種依存文字)ですね。
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
意味は2つあります。
ひとつは、「ひつぎ」です。遺体を二重の容器に納める場合は、内棺(柩(ひつぎ))、外棺(槨(かく))として区別するんですが、「内棺」のことと言ってます。
ふたつめは、植物の「アオギリ」です。ここには、アオギリ科になっていますが旧の名称で、現在はアオイ科のようです。
ひつぎとアオギリじゃ全く違いますなあ~。
櫬の書き順を見てみましょうか。ただ、この漢字用の書き順を用意できませんでしたので、「木」と「親」の書き順でご勘弁ください。
親は書き順としては4画からとなるので、置き換えてみてくださいね。
この漢字も画数が多いですね。20画です。木と親=立+木+見を順に書きます。個別に分解すると、難しい漢字はありませんな。
もっと詳しく知ろう!櫬の漢字としての由来や成り立ち
櫬の解字です。
櫬=「親(シン・ちかく接する)」+「木(き)」(形声)。死体に接するひつぎ。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
親は「近く接する」という意味を持つんですね。ですから、、内棺(柩(ひつぎ))、外棺(槨(かく))に分けた場合は、内棺を表すのか。
アオギリとは
櫬はアオギリを指しているので、どんな植物か見てみましょう。
アオギリは、中国・東南アジア原産で、日本では沖縄、奄美大島に自然分布し、街路樹や庭木として各地に植栽されています。
アオギリの花言葉や生態などを見ていきます。
花言葉
アオギリの花言葉は次の2つです。よく似ていますが、意味は全く違います。
- 秘めた恋
アオギリの花は、上記の写真ではわかりづらいですが、黄色の中に赤が隠れるようにチラチラ見えるようになっていることから、心の奥に隠した燃えるような恋心に喩えています - 秘めた意志
こちらも、黄色の中にある赤い燃える意志(目標・夢・野望)を表します
生態等
アオギリの由来ですが、キリ科のキリ(桐)が「白桐」とよぶのに対して、幹肌が青緑色で大きな葉がつく様子がキリに似ていることです。
確かに樹皮は緑色で滑らかなんですが、この緑色は葉緑素なんですよ。つまり、アオギリは樹皮でも光合成を行っているんですね。
高さは10~20(m)になり、幹は直立します。
種子は、昔(平安時代)は炒って菓子として食べたり、戦争中には同様にしてコーヒーの代用にしたそうです。
また、梧桐子(ごどうし)と呼ばれる生薬として用いられており、胃痛、下痢の薬効作用があります。
次の章では、「櫬」を名前・苗字に使えるのか見ていきます。
櫬は名前・苗字に使われているか
思った通り「櫬」は人名漢字ではありませんでした。まあ、当たり前ですよね!
もし、人名漢字だとしても、私は採用しないです。
そこで、名前が付けられないときは苗字ということで、「櫬」のつく苗字を見てみましたが「櫬」一文字の苗字だけでなく、「櫬」に別の漢字を付加した苗字も存在しないようです。
まあ、名前の時と同様で、この漢字の性格からいったら当然でしょう。
過去にも、同様の漢字がいくつかありました。これらを表にしてみました。
漢字 | 部首と作り | 簡単な意味 |
---|---|---|
槎 | 木へんに差 | いかだ |
什 | にんべんに十 | 十人一組五人一組の部隊 |
洒 | さんずいに西 | あら・う。さらさらと水を流してあらう。 |
沁 | さんずいに心 | し・む。し・みる。こまかいすみずみの所までしみこむ。 |
沐 | さんずいに木 | ゆあ・みする。あら・う。頭から水や湯をかぶる。 |
以下に記事を並べてあります。良かったらご覧ください。
最後に
木へんに親で櫬という漢字を追求してみました。
実際に見つかったんですが、この漢字、日常で使用することは、まずないでしょう。その意味にしてもそうですし、使う場合も違う漢字を使用するでしょうから。
まあ、「ひつぎ」の他に植物の「アオギリ」の意があったので、それについては少し調べてみましたが・・・。
そして、当たり前ですが、人名漢字ではなく、苗字にも使用されていませんでした。そんな漢字がいくつかあったので、表にして合わせて記事を紹介しました。
次回の木へんに○○のコーナーは、もう少しポピュラーな漢字が出て来るでしょうか?
※気づけば木へんの記事も増えてきました
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