永世八冠の取得条件と藤井聡太の最短獲得時期を総まとめ!
2023年10月11日第71期王座戦第4局で永瀬拓矢王座を3勝1敗で破り、八冠制覇を成し遂げました!(ただ、2024年6月20日第9期叡王戦で伊藤匠七段に敗れ七冠に後退です)
そこで思ったのが、「永世八冠が次の話題」だろうということです!
既に、藤井八冠が獲得したタイトルのうち、棋聖と王位を5期連続で獲得し、永世称号を二つ手に入れました。
この記事では、藤井竜王・名人の永世位の獲得について、各タイトル別に最速ならいつ実現するのか?そして、永世八冠の達成時期を勝手に想像しちゃいます。
読者の皆様、最後までお付き合いをお願いします。
永世位とは
始めに、将棋タイトルの永世位とは何なのかを簡単に理解していただきます。
これがわからないと、記事を読んでいてもチンプンカンプンになってしまいますので!
永世位とは
将棋の棋士はタイトルを獲得すると、たとえば、「○○竜王」「○○名人」とタイトル名をつけて呼ばれるのはご存知ですね。
そして、それぞれのタイトルについて決まった回数(期)を獲得すると、その棋士は「永世○○」と呼ばれる権利を獲得するんです。
永世位の獲得条件は次の表をご覧ください!
永世位の名称 | 獲得条件 |
---|---|
永世竜王 | 連続五期か通算七期 |
永世名人 | 通算五期 |
永世王位 | 連続五期か通算十期 |
永世叡王 | 通算五期(2023年5月制定) |
名誉王座 | 連続五期か通算十期 |
永世棋王 | 連続五期 |
永世王将 | 通算十期 |
永世棋聖 | 通算五期 |
叡王戦は、2023/5に「永世叡王」の規定が制定されました。
永世位の記事はこちらにあります。この記事には、永世位獲得棋士などの情報もあります。
藤井竜王・名人の永世位最速獲得時期
藤井竜王・名人の各タイトルの永世位最速獲得時期を見ていきましょう。
藤井竜王・名人の永世位最速獲得時期
藤井竜王・名人の永世位最速獲得時期を年度別に振り分けてみましょう。
- 2024年 永世王位達成(連続五期)、永世棋聖達成(通算五期)
- 2025年 永世竜王(連続五期)
- 2026年 永世棋王(連続五期)、永世叡王(通算五期)
- 2027年 永世名人(通算五期)、名誉王座(連続五期)
- 2031年 永世王将(通算十期)
ひえー!これは驚き!
2024年には永世二冠、2025年度永世三冠、2026年度永世五冠、4年後の2027年度には永世七冠、そして、獲得に通算十期かかる永世王将は2031年度に獲得で永世八冠になっちゃいますよ!
もし、これを実現したら、最初の永世位(2024年)から永世八冠(2031年)までたったの7年しかかからないですな!
さて、上記の結果は、上述した永世位の獲得条件と藤井竜王・名人が現在所持しているタイトルの期数を比べて計算したものです。
その結果がこちらです!
永世位の名称 | 獲得条件 | 2024/10/1時点の獲得期数 | 永世位最速獲得年度 |
---|---|---|---|
永世竜王 | 連続五期か通算七期 | 連続3期(2021~2023年) | 2025年(連続五期) |
永世名人 | 通算五期 | 連続2期(2023年~2024年) | 2027年(通算五期) |
永世王位 | 連続五期か通算十期 | 連続5期(2020~2024年) | 2024年(連続五期) |
永世叡王 | 通算五期 | 3期(2021~2023年) | 2026年(通算五期) |
名誉王座 | 連続五期か通算十期 | 連続2期(2023年~2024年) | 2027年(連続五期) |
永世棋王 | 連続五期 | 連続2期(2023年~2024年) | 2026年(連続五期) |
永世王将 | 通算十期 | 連続3期(2022~2024年) | 2031年(通算十期) |
永世棋聖 | 通算五期 | 連続5期(2020~2024年) | 2024年(通算五期) |
2024/5/27に名人戦を4勝1敗で防衛し、なんと、タイトル戦の連勝は22になりました!
ところが、2024年6月20日に叡王戦を2勝3敗で防衛に失敗し、タイトル戦の連勝は22で止まりました。
これに伴い、叡王戦はタイトル3期で一旦止まり、永世叡王を取得できるのは早くても2026年にずれ込みました。
但し、一番長い永世王将が取得できるのは、王将を10連続で防衛しても2031年までかかるので、最短の永世八冠獲得には現状影響がないということです。
それでも、2024年7月1日棋聖を防衛して永世棋聖の資格を獲得、2024年8月28日に王位を防衛して連続五期で永世王位の資格も獲得するとともに、タイトル獲得は24期になりました。
さらに、2024年9月30日王座を防衛し、早くもタイトル獲得は25期に到達です。
永世位の資格獲得状況
2024年7月1日棋聖を防衛して永世棋聖の資格を獲得しました!
2024年8月28日王位を防衛して永世位王位の資格を獲得しました!
永世棋聖の獲得は、21歳11か月の藤井七冠にとっては初めての永世称号です。
この21歳11か月という数字は、1971年に中原誠十六世名人(76)が築いた最年少記録「23歳11か月」を53年ぶりに更新したものです。
さらに、2024年8月28日王位を防衛して、連続五期の獲得により、二つ目の永世位である永世位王位の資格を獲得しました!
こちらも、22歳1カ月の最年少二冠という記録付きです(羽生善治九段が持つ最年少記録(24歳9ヶ月)を29年ぶりに破った)。
獲得 | 永世位の名称 | 獲得条件 | 2024/8/28時点の獲得期数 |
---|---|---|---|
永世竜王 | 連続五期か通算七期 | 連続3期(2021~2023年) | |
永世名人 | 通算五期 | 連続2期(2023年~2024年) | |
② | 永世王位 | 連続五期か通算十期 | 連続5期(2020~2024年) |
永世叡王 | 通算五期 | 3期(2021~2023年) | |
名誉王座 | 連続五期か通算十期 | 連続2期(2023~2024年) | |
永世棋王 | 連続五期 | 連続2期(2023年~2024年) | |
永世王将 | 通算十期 | 連続3期(2022~2024年) | |
① | 永世棋聖 | 通算五期 | 連続5期(2020~2024年) |
獲得の○数字は永世位の獲得順を示す
羽生善治九段の永世七冠までの歩み
さて、永世位を複数獲得している棋士と言えば、永世七冠を達成した羽生善治九段が筆頭ですね。羽生九段の永世七冠獲得までの歩みを見てみましょう。
- 1995年 永世棋王、永世棋聖
- 1996年 名誉王座
- 1997年 永世王位
- 2006年 永世王将
- 2008年 永世名人
- 2017年 永世竜王
1995年度に永世棋聖、永世棋王を獲得して永世二冠、1996年に名誉王座獲得で永世三冠、1997年永世王位を獲得して永世四冠まで伸ばしますが、そのあと少し時期が空きます。
永世五冠は2006年の永世王将、永世六冠の永世名人は2008年です。そして、最後の永世位である永世竜王獲得は2017年でした。
1995年に最初の永世位を獲得してから、永世七冠まで22年かかっています。
藤井竜王・名人は、果たして何年で永世位を総なめするでしょうか?興味は尽きませんね。
その他の永世位複数獲得棋士は?
羽生九段の永世七冠は別格ですが、その他にも永世位を複数獲得した棋士は数名存在します。
棋士名 | 永世位 | 獲得永世位 |
---|---|---|
大山康晴(死去) | 永世四冠 | 永世名人(1956年)、永世王位(1997年)、永世王将(1973年)、永世棋聖(1965年) |
中原誠(引退) | 永世四冠 | 永世名人(1976年)、永世王位(1997年)、名誉王座(1996年)、永世棋聖(1971年) |
渡辺明九段(現役) | 永世二冠 | 永世竜王(2008年)、永世棋王(2017年) |
藤井聡太竜王・名人 | 永世二冠 | 永世棋聖(2024年)、永世王位(2024年) |
何と、長い将棋の歴史の中でも、複数の永世を獲得したのは、羽生善治九段の他に引退棋士を含めて4名しかいないんですな!
それだけ、永世位の獲得は至難だということがわかりますね。
そこに、若くして登場した藤井聡太竜王・名人は、まさに、将棋界のスーパースターです。
永世位を一つだけ獲得している棋士も挙げておきますね。
永世位名称 | 獲得棋士名(獲得年順) |
---|---|
永世名人 | 木村義雄(1949年)、谷川浩司十七世名人(1997年)、森内俊之九段(2007年) |
永世棋聖 | 米長邦雄(1985年)、佐藤康光九段(2006年) |
永世位が一つだけの棋士でも、引退棋士を含めても上記の5名しかいないんですよ!
つまり、永世位を獲得した棋士はたったの10名ということですな!
おまけ 藤井聡太あれこれ
将棋の永世8冠が、最短でいつ達成されるかを見てきました。
タイトル獲得驀進中の藤井聡太八冠について、その他にも、色々知りたいことがあると思いますので、おまけとして、次の質問に答えて記事を終わります。
- 藤井聡太 8冠 最短
- 藤井聡太 タイトル 何期
- 藤井聡太 年収
- 藤井聡太 何段
それでは、順に回答していきます。
藤井聡太 8冠 最短
これは既に達成された記録です。
藤井聡太八冠は、2023年10月11日に八冠を達成しました。
将棋界で8冠を達成したのは藤井聡太八冠が初めてです。
過去には、羽生善治九段が七冠を達成しています。
藤井聡太 タイトル 何期
藤井八冠のタイトル獲得期は、2024年10月1日現在で25期です。
内訳は次の通りです。
タイトル名 | 獲得数 | 獲得年 |
---|---|---|
竜王 | 連続3期 | 2021~2023年 |
名人 | 連続2期 | 2023、2024年 |
王位 | 連続5期 | 2020~2024年 |
叡王 | 3期 | 2021~2023年 |
王座 | 2期 | 2023、2024年 |
棋王 | 連続2期 | 2023、2024年 |
王将 | 連続3期 | 2022~2024年 |
棋聖 | 連続5期 | 2020~2024年 |
ご存知の通り、多数のタイトルを保持していますので、この期数はどんどん増加していくでしょう。
八冠になるまでの軌跡をまとめました。
ただ、2024年6月20日叡王戦で2勝3敗で初の失冠を喫しました。
藤井聡太 年収
ここでは、藤井八冠の懐具合を簡単に見ておきます。
将棋連盟では、賞金獲得額の公表を毎年行っています。過去の藤井八冠の年収を見てみましょう。
年 | 賞金獲得額 | 順位 |
---|---|---|
2023年 | 1億8634万円(過去最高額) | 1位 |
2022年 | 1億2205万円 | 1位 |
2021年 | 6996万円 | 3位 |
2020年 | 4554万円 | 4位 |
2019年 | 2108万円 | 9位 |
2018年 | 2031万円 | 12位 |
ついにというか、2022年の賞金獲得額は1億越えですね。
なお、2023年の金額は、1995年の羽生善治九段の1億6597万円を超えた将棋界での史上最高額です。
棋士の給料・年収について取りまとめた記事です。ちらっと覗いてください。
こちらは、タイトル戦の賞金について60爺がとりまとめた記事です。
藤井聡太 何段
藤井八冠は何段でしょうか。
藤井八冠はタイトル保持者であるため、常にタイトルと共に紹介されるため、何段であるかわからない方もいらっしゃると思います。
藤井聡太八冠は、現在九段です。九段は将棋界最高の段であるため、これ以上の昇段はありません^^;
藤井八冠が何段かについては、こちらで記事にしています。
藤井八冠の4段から9段までの昇段の日付を一覧にしました。
段 | 昇段の日付 | 昇段理由 | 史上最年少 |
---|---|---|---|
4段 | 2016年9月3日 | 三段リーグ2位以内 | 〇 |
5段 | 2018年2月1日 | C級1組昇級により | 2位 |
6段 | 2018年2月17日 | 朝日杯優勝により | 〇 |
7段 | 2018年5月18日 | 六段昇段後、竜王戦連続昇級 | 〇 |
8段 | 2020年8月20日 | 王位獲得により、タイトル獲得2期により | 〇 |
9段 | 2021年7月3日 | 棋聖防衛でタイトル獲得3期により | 〇 |
ご覧の通り、5段を除いて、全て史上最年少記録を更新(5段最年少は、加藤一二三の15歳3ヶ月)しました。
5段から6段までは、たったの16日です。5段のサインは希少なモノになります。
さらに、7段までは約3ヶ月。驚くべき速さです。
将棋の段位について取りまとめた記事もあります。
最後に
藤井聡太竜王・名人の勢いが止まりません。2023年10月11日八冠制覇を達成してしまいました。
そこで、次の話題が何かなと考えたところ、次は永世八冠だろうと当たりをつけました。
永世位を一つとるのも大変なんですが、藤井竜王・名人なら来年獲得の可能性がある永世王位及び永世棋聖を皮切りに、いとも簡単に永世八冠を達成してしまうのではと想像させます。
そんな永世位獲得予定をみたら、あと数年で総なめできちゃうんですよね!驚きました。
それまでに、藤井竜王・名人と拮抗できる棋士が現れますでしょうか?
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
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