うかんむりに有と書いて宥!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源頼朝が、大伽藍である永福寺を建立した背景について、『吾妻鏡』には「怨霊を宥めんがため」と述べています。
永福寺は消失しており、いま、発掘が成されているとか・・・。
主題は、「・・・宥めん・・・」の先頭にある漢字「宥」です。うかんむりの漢字ですネ。うかんむりの漢字は、60爺のブログでは初の登場です!
この漢字、「宥」は、うかんむりに「有」で構成されています。
今回もシリーズから離れて、うかんむりと有と書いた「宥」について、読み方から意味・書き順、そして、可能かわかりませんが名前及び苗字での使われ方まで総特集していきます。
それでは、ご一緒に内容をご覧ください。
うかんむりに有といえば宥!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、宥の意味と読み方や全体像をチェックしましょう。
宥の読み方と意味
宥
画数:9画
音訓:ユウ ゆる・す なだ・める
意味
①ゆるす。ゆとりを持つ。ゆとりをおき、責めないでおく。大目に見てかばう。②なだめる。気持ちにゆとりを持たせる。③姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(名付)すけ・ひろ
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「宥」の音読みは「ゆう」で、訓読み「ゆる・す」「なだ・める」の2つです。
意味は3つで、③に漢姓があります。「宥」さんがいる訳ですね。
①の意味を持つ言葉として「寛宥(カンユウ)」「宥恕(ユウシ゛ョ)」があります。それぞれの意味は、「宥」のつく言葉を見てください。
②ですが、広辞苑では「①ゆるやかにする。寛大に処する。②穏やかにする。荒立てないようにする。なごやかにする。③機嫌をとる。しずめる。」の意があります。
では、この漢字の書き順を見てみましょうか。
書き順は「うかんむり」を書いてから有と書くだけの簡単な漢字です!ただ、有はノを書いてから横棒を引くんですよ!そこだけ、かくにんしてくださいませ。
もっと詳しく知ろう!宥の漢字としての由来や成り立ち
宥の字源です。
宥=「有(ゆう 枠を作って中の物を囲う)」+「宀(覆い)」(形声)。有は「枠の中の物を囲う」のイメージから「中の物を周囲からかばって助ける」のイメージに展開。宥は中の物に囲いや覆いや枠をかぶせて、かばい守って助ける状況を示す。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
宥には、もともと「大目に見てかばう」意があるんだそうな。
同源の漢字として下記のモノがあります。
- 祐(ユウ):神のかばい
- 友(ユウ):かばいあうともだち
- 佑(ユウ):かばいたすける
宥のつく言葉
この章では、宥のつく言葉をみていきたいと思います。
宥のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
宥坐之器 | ユウサ゛ノキ | 身近において自分の生活の戒めとする道具。〔荀子・宥坐〕 |
宥赦 | ユウシャ | ゆとりをもって罪をゆるす。 |
宥恕 | ユウシ゛ョ | {宥貸(ユウタイ)・宥免(ユウメン)}ゆとりをもってゆるす。大目に見る。 |
宥和 | ユウワ | 相手の心を刺激しないように、なだめ和らげる。 |
参考:広辞苑
国語辞典を見たら、「宥恕」「宥和」は載っていました。
宥和は聞いたことがあります。
国語辞典には、他に「宥赦」「恩宥」「寛宥」という言葉も載っていました。
次の章では、「宥」が名前に使われる際のポイントをみておきます。
名前に使われる際のポイントは
この「宥」ですが、漢字の読みを見たときに「名付」があったように人名漢字なんです。
読みとして、名付けの「すけ」「ひろ」の他、音読みの「ユウ」が使えると思います。
久々に、名付けのポイントをやる気がします。
この漢字は、人を許すという意味を持つことから、次のような思いを込められると思います。
- 懐が深く、寛大な心を持った人になってほしい
- 温和な性格の持ち主になってほしい
- 寛大な心で人と接することができる人になってほしい
男の子の名前60爺ベスト3
- 宥輔(ゆうすけ)
- 嘉宥(よしひろ)
- 亮宥(りょうすけ)
1の読みは「ゆう」、2の読みは「ひろ」、3の読みは「すけ」と、読みを全部変えてみました。
女の子の名前60爺ベスト3
- 宥奈(ひろな)
- 宥愛(ゆうあ)
- 宥海(ひろみ)
1,3の読みが「ひろ」で、2の読みは「ゆう」ですね。
最後に、つくりに「有」のつく漢字をみておきましょう。
有のつく漢字
今回は、うかんむりに有の宥でしたが、つくりに有の入る漢字を探してみました。
漢字と主な読み | 部首 | 主な意味 |
---|---|---|
肴(コウ さかな) | 肉 月(にく・にくづき) | さかな。火をかけて調理した鳥・獣・魚などの肉。 |
侑(ユウ すす・める) | 人 亻(ひと・にんべん・ひとがしら・ひとやね) | すすめる。料理やお酒などをすすめる。 |
郁(イク かぐわ・しい) | 邑 阝(おおざと・むら) | かぐわしい。香気のさかんなさま。 |
賄(ワイ まかな・う) | 貝(かい・かいへん・こがい) | まかなう。食事の世話をする。きりもりする。やりくりする。 |
鮪(ユウ まぐろ) | 魚(うお・うおへん・さかなへん) | まぐろ。しび。サバ科の海水魚。 |
参考:「有」を構成に含む漢字
有がつくりにある環境依存文字(=機種依存文字)でない漢字を抽出してみました。
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
ただし、「堕」「随」などのような漢字もありますが、部首の他に余分な文字があるので、今回の紹介からは省いています。
上記の漢字の中では、侑に関して記事にしました。
最後に
「うかんむり」に有の「宥」をみてきました。うかんむりの漢字については初の漢字です。
この漢字の意味は、「ゆるす」や「なだめる」があります。つくりにある「有」が「枠の中の物を囲う」のイメージをもち、そこから、中の物に囲いや覆いや枠をかぶせて、かばい守って助ける状況を示すようになったんですね。
この漢字は人名漢字でしたので、久々に名付けのポイントを記しました。
次回の漢字は、何にしようかな?
■「うかんむりに貫で實」の記事を書いています。意味は、「内容が満ちて豊富なこと」ですが、詳細はこちらをご覧ください
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません