てへんに奈と書いて「捺」!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

2023年8月15日

「捺印」という言葉は皆さんご存知ですよね。おとなになると、何らかの契約などをする際には必ず必要になる行為です。

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大事な書類になると実印で捺印することになります。

今回の題材になる漢字は「捺印」の最初の漢字である「捺」です。

てへんに奈で「捺」という漢字ですネ。

てへんの漢字は、過去に2つほど記事にしていますね。

この部首はシリーズとは別ですが、てへんに奈と書いた「捺」について、読み方から意味・書き順、名前での使われ方まで総特集していきます。

ごゆっくり、ご覧になっていって下さいませ。

てへんに奈といえば捺!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、捺の意味と読み方や全体像をチェックしましょう。

捺の読み方と意味

画数:11画
音訓:ナツ ナチ ダツ お・す(日本語だけ)りょう・する
意味
①お・す。お・(さ)える。上から下へじりじりとおしつける。おさえる
②筆法の一つ。筆でじりじりとおさえつつ、右斜め下へ引く書き方。
日本語だけの味・用法
(名付)とし

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

「捺」の音読みは「ナツ」「ナチ」「ダツ」で、訓読み「お・す」です。

意味は2つで、①は訓読みにある「お・す」です。

捺印は、印鑑の陰影をしっかり残すため、上述のように「上から下へじりじりとおしつけ」ますよね。

この意のある言葉に、次の2つの言葉があります。

  • 捺印(ナツイン):印判をおすこと
  • 捺染(ナツセン):色糊で布地に文様を印刷する染色法

また、類語に「按」があります。

この漢字の意は、「捺」に似た「おさえる。手で上から下へとおさえる。おさえ止める」です。

②の意味ですが、こういう筆法があるんですね。

では、この漢字の書き順を見てみましょうか。

「捺」の書き順

書き順は、てへんを書いてから奈を書きます。

奈は大と示を順に書きますが、間違える箇所はないと思いますよ。

もっと詳しく知ろう!捺の漢字としての由来や成り立ち

捺の字源です。

捺=「奈(な 柔らかい・粘り強い)」+「手(て)」(形声)

形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。

ホホウ、奈には「柔らかいとか粘り強い」という意味があるんですな。

それが、手とつながって、「捺」には、「手を下に向けて、対象にじりじりと粘り強くおしつける」意を持ったんですな。

捺のつく言葉

この章では、捺のつく言葉をみていきたいと思います。

捺のつく言葉読み意味
押捺おうなつ印を押すこと。捺印。押印。
捺筆だっぴつ書道で「筆法」のひとつ。
捺印なついん印判を押すこと。また,その印判。押印。
捺染なっせん染色法のひとつ。

参考:広辞苑

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漢和辞典には「捺」のつく言葉がなかったので、国語辞典から持ってきました。

国語辞典から持ってきたのに、4つの言葉のうち「押捺」「捺印」しか知りませんよ!

「捺筆」は書道、「捺染」は染色法の一つですから、そこに関わらない人は知らない可能性が高いですね。

  • 捺筆:右に向かって斜めに下がる筆の動き
  • 捺染:染料を糊にまぜて布などに直接すり付けて染めるもの

捺染ですが、別名を「おしぞめ」「なせん」といい、特に型紙を用いて染料をすり込み、模様を表すものを言うそうです。

この染色法は、更紗(サラサ)・友禅などに用います。

次の章では、「捺」を使った名前での使われ方をみておきます。

名前及び苗字での使われ方は

この「捺」は人名用漢字に含まれまていますよ!

日常での使用頻度は少ないため、名づけに用いると新鮮な印象になりますね。

また、名付として、音読みの「ナツ」のほか、名付けに「とし」が使えますね。

「捺」は漢字の持つ意から「粘り強さ」や「やわらかさ」、また、「捺染(なっせん)」という染色の方法の意もあり、ここから「芸術性」に関連した想いを載せられるでしょう。

具体的に、どんな想いを乗せられるか挙げてみます。

  • 粘り強く物事をやりとげる人になってほしい
  • 柔らかな感覚で人生を切り開いていける人になってほしい
  • 芸術性に富んだクリエイティブな感覚をもった人になってほしい

次に、どんな名前があるのかみて下さい。

男の子の名前の例

  1. 捺翔(なつと)
  2. 捺彦(なつひこ)
  3. 捺貴(としき)

読みは、1,2が「なつ」で、3に「とし」をもってきました。

女の子の名前の例

  1. 麗捺(れいな)
  2. 捺(なつ)
  3. 捺穂(なつほ)

女の子の読みも、1は「な」の止め字、2,3は「なつ」です。

2番目は一文字の名前を持ってきました。

※てへんに〇の漢字を一覧にした記事を書いています。是非、ご覧ください。

最後に

てへんに奈の「捺」をみてきました。

この漢字の意味は、「お・す。お・(さ)える。」で、「手を下に向けて、対象にじりじりと粘り強くおしつける」を表現しています。

まさに、捺印のことを示しているような漢字ですよね。

捺は普段は余り見かけない漢字なので、名付けに使うとちょっといいかもと思いました。

漢字は、まだまだあるので記事にしがいがありますな。

※気づけばてへんの記事も増えてきました

この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺