てへんに奈と書いて「捺」!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
「捺印」という言葉は皆さんご存知ですよね。おとなになると、何らかの契約などをする際には必ず必要になる行為です。
大事な書類になると実印で捺印することになります。
今回の題材になる漢字は「捺印」の最初の漢字である「捺」です。
てへんに奈で「捺」という漢字ですネ。てへんの漢字は、過去に2つほど記事にしていますね。
この部首はシリーズとは別ですが、てへんに奈と書いた「捺」について、読み方から意味・書き順、名前での使われ方まで総特集していきます。
ごゆっくり、ご覧になっていって下さいませ。
てへんに奈といえば捺!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、捺の意味と読み方や全体像をチェックしましょう。
捺の読み方と意味
捺
画数:11画
音訓:ナツ ナチ ダツ お・す(日本語だけ)りょう・する
意味
①お・す。お・(さ)える。上から下へじりじりとおしつける。おさえる。②筆法の一つ。筆でじりじりとおさえつつ、右斜め下へ引く書き方。
日本語だけの意味・用法
(名付)とし
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「捺」の音読みは「ナツ」「ナチ」「ダツ」で、訓読み「お・す」です。
意味は2つで、①は訓読みにある「お・す」です。捺印は、印鑑の陰影をしっかり残すため、上述のように「上から下へじりじりとおしつけ」ますよね。
この意のある言葉に今言った「捺印(ナツイン)」:印判をおすこと。と「捺染(ナツセン)」:色糊で布地に文様を印刷する染色法。があります。
また、類語に、「按」があります。この漢字の意は、「おさえる。手で上から下へとおさえる。おさえ止める。」ですな。
②こういう筆法があるんですね。
では、この漢字の書き順を見てみましょうか。
書き順は、てへんを書いてから奈を書きます。名は大と示を順に書きますが、間違える箇所はないと思いますよ。
もっと詳しく知ろう!捺の漢字としての由来や成り立ち
捺の字源です。
捺=「奈(な 柔らかい・粘り強い)」+「手(て)」(形声)。手を下に向けて、対象にじりじりと粘り強くおしつける状況を示す。
引用 上級漢和辞典 漢字源 学研
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
ホホウ、奈には「柔らかいとか粘り強い」という意味があるんですな。それが、手とつながって、「捺」には、「手を下に向けて、対象にじりじりと粘り強くおしつける」意を持ったんですな。
捺のつく言葉
この章では、捺のつく言葉をみていきたいと思います。
捺のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
押捺 | おうなつ | 印を押すこと。捺印。押印。 |
捺筆 | だっぴつ | 書道で,筆法の一。右に向かって斜めに下がる筆の動き。 |
捺印 | なついん | 印判を押すこと。また,その印判。押印。 |
捺染 | なっせん | 染色法の一。染料を糊にまぜて布などに直接すり付けて染めるもの。特に,型紙を用いて染料をすり込み,模様を表すもの。更紗(サラサ)・友禅などに用いる。おしぞめ。なせん。プリント。 |
参考:広辞苑
漢和辞典には「捺」のつく言葉がなかったので、国語辞典から持ってきました。
国語辞典から持ってきたのに、4つの言葉のうち「押捺」「捺印」しか知りませんよ!ちょっとガックリです。
次の章では、「捺」を使った名前での使われ方をみておきます。
名前及び苗字での使われ方は
この「捺」は人名漢字に含まれまていますよ!日常での使用頻度は少ないため、名づけに用いると新鮮な印象になりますね。
また、名付として、音読みの「ナツ」のほか、名付けに「とし」が使えますね。
「捺」は漢字の持つ意から「粘り強さ」や「やわらかさ」、また、捺染(なっせん)という染色の方法の意もあり、ここから「芸術性」に関連した想いを載せられるでしょう。
- 粘り強く物事をやりとげる人になってほしい
- 柔らかな感覚で人生を切り開いていける人になってほしい
- 芸術性に富んだクリエイティブな感覚をもった人になってほしい
「諒」を使った名前
男の子の名前60爺ベスト3
- 捺翔(なつと)
- 捺彦(なつひこ)
- 捺貴(としき)
読みは、1,2が「なつ」で、3に「とし」をもってきました。
女の子の名前60爺ベスト3
- 麗捺(れいな)
- 捺(なつ)
- 捺穂(なつほ)
女の子の読みも、1は「な」の止め字、2,3は「なつ」です。
2番目は一文字の名前を持ってきました。
最後に
てへんに奈の「捺」をみてきました。
この漢字の意味は、「お・す。お・(さ)える。」で、「手を下に向けて、対象にじりじりと粘り強くおしつける」を表現しています。
まさに、捺印のことを示しているような漢字ですよね。
捺は普段は余り見かけない漢字なので、名付けに使うとちょっといいかもと思いました。
漢字は、まだまだあるので記事にしがいがありますな。
※気づけばてへんの記事も増えてきました
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