木へんの難読漢字・難しいランキング30!読み方含めクイズ形式で紹介
世の中には難読漢字と呼ばれる漢字があります。
一般的に難読漢字とは、読み方が熟字訓など表外のものであったり、当用漢字外の漢字や国字が入っているために、一般の人にとって読みにくい漢字系文字の総称です。
今回、「木へんの漢字」の難読漢字を抽出してみました。
どうせやるのなら、自分自身で個別の漢字の難易度を決めて、それをベースに「難読漢字 木へん」の順位付けまで行ってみたいと思います。
その結果、60爺版「木へんの漢字の難しいランキング30」を作ることが出来ました!骨が折れましたが、それなりに納得できるランキングとなったと思います。
クイズ形式でご紹介しますので、楽しんでいってくださいませ。
木へんの難読漢字・難しいランキング30 クイズ形式で紹介
難読漢字といっても、読み難さは個々人のスキルにもよりますし、ある人にとっては難読でも、別の方には簡単だったりします。
そこで、今回の難読漢字は木へんの中でも、よく見かけたりするけど、なかなか読みにくい漢字を選んでみました。
木へんの漢字の難しいランキング30 読み方クイズで見ていこう
今回は30の漢字を選出し、画数や身近な人に読んでもらった結果を踏まえて、60爺がその難易度(☆一つから五つ)を決定してみました。
出来上がった「木へんの漢字の難しいランキング30」です。
ここには、あえて、読み方を入れずに、クイズ形式で見ていただきます。
読み方は、漢字をクリックすると出て来ます!
順位 | 漢字 | 難易度 | 画数 |
---|---|---|---|
30 | 欅 | ☆ | 22 |
29 | 橙 | ☆ | 16 |
28 | 榊 | ☆ | 14 |
27 | 槌 | ☆ | 14 |
26 | 梓 | ☆ | 11 |
25 | 櫛 | ☆☆ | 19 |
24 | 樺 | ☆☆ | 14 |
23 | 楔 | ☆☆ | 13 |
22 | 楠 | ☆☆ | 13 |
21 | 桶 | ☆☆ | 11 |
20 | 柊 | ☆☆ | 9 |
19 | 杜 | ☆☆ | 7 |
18 | 櫃 | ☆☆☆ | 19 |
17 | 樋 | ☆☆☆ | 15 |
16 | 楡 | ☆☆☆ | 13 |
15 | 椚 | ☆☆☆ | 12 |
14 | 梯 | ☆☆☆ | 11 |
13 | 栂 | ☆☆☆ | 9 |
12 | 橇 | ☆☆☆☆ | 16 |
11 | 榧 | ☆☆☆☆ | 15 |
10 | 槐 | ☆☆☆☆ | 14 |
9 | 楓 | ☆☆☆☆ | 13 |
8 | 椛 | ☆☆☆☆ | 11 |
7 | 栢 | ☆☆☆☆ | 9 |
6 | 樵 | ☆☆☆☆☆ | 16 |
5 | 𣜿 | ☆☆☆☆☆ | 16 |
4 | 樏 | ☆☆☆☆☆ | 15 |
3 | 楸 | ☆☆☆☆☆ | 13 |
2 | 杮 | ☆☆☆☆☆ | 8 |
1 | 杣 | ☆☆☆☆☆ | 7 |
欅が30位なのは意外だったんですが、アイドルグループの影響もあったように感じます。
木へんに風や、木へんに百、木へんに花など、見たことがあったような気がしても、その読みになると?になる方が多かったんですね。
2位の「杮(こけら)」は「柿(かき)」とそっくりなんですが、実は微妙に違っています。杮(こけら)は8画、柿(かき)は9画なんですね。
それを抑えた1位の「杣」は木へんに山という7画の簡単な文字なのに、現代ではほとんど使われない漢字だったからです。
この結果にご不満の方もおられると思いますが、広い心をもってご容赦くださいますよう・・・^^;
どの位の漢字を読めましたか?
ここからは、個々の漢字について、読み方の紹介と解説をしていきます。
30位:欅(けやき)難易度☆
ちょっとムズイ感じがする漢字です。
にれ科の落葉高木を指します。
材は黄色味をおびていてかたく、みがけば光沢を生じるので、建築用の装飾材・器具材として用いられています。
ケヤキ○○4X?とかいうアイドルグループの方で漢字を知っている方が多いんですかね。
29位:橙(だいだい)難易度☆
この漢字、「だいだい色」の「だいだい」即ち「橙」ですよね。
オレンジ色に近い奴です。
意味は二つあって、ひとつはユズ、もうひとつはダイダイを指しています。
和名ダイダイは、一つの株に数年代の果実がついていて見られる特徴から、「代々栄える」の意味で「ダイダイ」と呼ばれるようになったとされます。
正月のお飾り、鏡餅のてっぺんに置くのは、この橙なんですよ!
28位:榊(さかき)難易度☆
神事の供え物をする木を寓意したものであり、上述の「椚」と同様、日本語の「さかき」を表記するために創作された国字です。
書き順ですが、木と神の書き順そのままです。
榊の神の部分は、「示」と「申」になってます。
そこで、榊という漢字と木へんに神の違いをじっくり掘り下げてみた記事がこちらです。
27位:槌(つち)難易度☆
この木へんに追うの槌という漢字は、大黒天様が持っておられる「打出の小槌(うちでのこづち)」でも使われています。
槌は、物を打ち叩く工具のことです。槌は木製のモノを指すようです。金属製は「鎚」です。
才槌頭や槌音なんて言葉があります。
ツチノコ騒動なんてのがありましたが、この漢字は「槌の子」なんですって。
26位:梓(あずさ)難易度☆
「梓」の音読みは「シ」、日本語だけの訓読みは「あずさ」です。
この漢字、キササゲを指す漢字としては「楸」と同じですな。
「梓(アズサ)」の一文字名前で、明治安田生命の名前ランキングにも2008年と2013年にランクインしたそうです。
この漢字で記事を書いています。
梓は名前に良くないなんて噂を聞いたので掘り下げてみました。
梓の花言葉も意外です。こちらの記事でご確認ください。
25位:櫛(くし)難易度☆☆
木へんに節と書く「櫛」ですね。
髪の毛をすきとかす道具ですね。
おしゃれな方は、my櫛を持ってらっしゃいますよね。
私は持ってません。そういえば、オヤジは持っていたな。おしゃれだった記憶があります。
この漢字の書き順も見てみましょう。
上記の「榊」と同様、木へんに節と言っていますが、よく見ると節とは違う漢字ですネ。
24位:樺(かば)難易度☆☆
木へんに華の「樺」に音読みはありません。訓読みは「かば」です。
シラカバ(樹皮は白くて薄く、剥がれやすい)を指します。材質は堅く建築や家具などの用材になるんですね。
名付けに関しては、漢字のつくりに「華」が含まれることから、女の子向きの漢字だと思います。
23位:楔(くさび)難易度☆☆
木へんに契と書く「楔」です。
今、「契」と言いましたが、この書き順をよく見ると微妙に違っています。
「丰」の部分ですが、下に突き出ていますよね。
漢字の構成は、楔=「契(セツ・ケツ・切り込む、切れ目)+木(き)」で、切れ目にかませるくさびを示すんです。
22位:楠(くすのき)難易度☆☆
この漢字は、方角の「南」を木へんに付けた「楠」です。
この漢字、昔の方だと「楠木正成(くすのきまさしげ)」を思い出すんでしょうけど、若い方は、名前すらご存知ない可能性が高いですね。
「楠木正成」を大楠公、息子の「楠木正行(くすのきまさつら)」を小楠公と言い、建武の中興での後醍醐天皇の忠臣と言われます。
「太平記」をご覧になるとよくわかります。
木へんに方角を付けた漢字についても記事にしてます。
21位:桶(おけ)難易度☆☆
桶=「甬(筒抜けになる・筒形をなす)+木(き)」から、筒形をなす木製の容器を示しています。
即ち、細長くけずった板を円筒形に組み合わせ、たがでしめて底をつけた器ですね。
温泉に行くと、上記のような桶にたくさん出あえますね。
20位:柊(ひいらぎ)難易度☆☆
木へんに冬の柊ですが、音読みは「シュウ」、訓読みは日本語のみ「ひいらぎ」です。
「古事記」には「比々羅木」と表記されていることから、ヒヒラギのギは「木」の意味します。また、古くヒヒク・ヒヒラクという動詞があって、ひりひり痛むの意味でした。
この漢字、名付けでも人気があります。
木へんに春夏秋冬でも記事を書いています。
19位:杜(と、もり)難易度☆☆
木へんに土と書く杜は、日常でも度々目にする言葉でしょうか?
ご存知の方も多いかもしれませんね。
杜仲茶(とちゅうちゃ)や、窓の杜(まどのもり)、杜の都(もりのみやこ)など、「ト」や「もり」と読む言葉に出会いますね。
杜を「と」と読ませる止め字として名前にも使用できる漢字なんですよ!
18位:櫃(ひつ)難易度☆☆☆
「櫃」(ひつ)は箱や器を意味する漢字です。
お米を保管しておく「米びつ」ですが、漢字で書くと「米櫃」になるんですよ。
名古屋名物ランキング第1位の「ひつまぶし」ですが、漢字表記は「櫃まぶし」なんですね。この名前、“暇つぶし”と勘違いしそうですよね。
ちなみに、「櫃まぶし」は、お櫃(ひつ)に盛りつけられるので、この名前なんだそうですよ。
17位:樋(とい)難易度☆☆☆
木へんに通る樋ですが、何を指すかご存知ですか?
答えは、屋根を流れる雨水を受けて地上に流す溝状・筒状の装置のことです。
この漢字、木へんに「通」なんですが、しんにょうにある点が二つなんですよ。ご存知でしたか。
そういえば、上述の槌も同じですな。
16位:楡(にれ)難易度☆☆☆
木へんに兪と書く楡ですが、この植物は、春に花をつけ、皮を剥がすとヌルヌルしていることから「滑れ(ヌレ)」から転じて「ニレ」となったのが名前の由来だそうです。
諸外国では、いくつか逸話が残っています。
古代ローマ時代からイタリアではブドウを仕立てる支柱としてニレを使うために、楡と葡萄は良縁の象徴とされています。
北欧神話では、人類最初の女性であるエムブラは最高神オーディンに息を吹きかけられたニレから生まれたとされています。
ギリシア神話では詩人で竪琴の名手だったオルペウスが妻の死を悼みニレの木の下で泣いたとされ、悲しみの象徴とされているそうです。
15位:椚(くぬぎ)難易度☆☆☆
椚=「門+木(き)」で構成されています。
クヌギは、古くは「くのき」ともいい、門が家の内と外を区別することから「区の木」に当てた日本製の漢字即ち国字です。
和名クヌギの語源は、複数の説があります。これらも解説した記事が以下です。
14位:梯(はしご)難易度☆☆☆
木へんに弟と書く梯には3つの意味があります。
- 高いところに登るときに使う「はしご」ですね。
- 動詞で「もたれかかる」なんて意味もあるんです。
- 姓のひとつ。
「弟」という漢字には、「下から上に段々と上がる」という意味を持っており、木へんを付けた梯子になったわけですな。
13位:栂(つが)難易度☆☆☆
木へんに母の栂ですが、この「つが」と読むのは日本語だけの用法です。
「栂池高原」という観光地がありますよね。
日本の栂(つが)は母屋の母に木をつけた国字(和製漢字)なんです。
中国では、この漢字は「梅」と同じなんですね。中国では、栂も梅も同じなんですよ~!
12位:橇(そり)難易度☆☆☆☆
この木へんに毛3つと書く「橇」の音読みは「セイ」で、訓読み「そり」です。
日本語のみの訓読みに、4位に出てくる「かんじき」もあります。
橇=「毳(セイ・小片のよせ集め)」+「木(き)」(形声)。橇(そり)は、木の小片をよせ集めて作成したからですかね。
11位:榧(かや)難易度☆☆☆☆
木へんに匪と書く榧は、いちい科の常緑高木のことです。
春に花を開きます。
実は食用とし、また油(食用・灯用・理髪用)をとることもできるんです。
材は固く、碁盤や将棋盤などを作るのに用いられました。
10位:槐(えんじゅ)難易度☆☆☆☆
鬼は「亡霊」「屍者」という意(ちょっと怖い)を持っているんですが、「木へんに鬼」の漢字ですネ。
この漢字の場合、鬼は丸いの意であり、さやの中に数珠のような丸い種子が連なる木を示しています。
9位:楓(かえで)難易度☆☆☆☆
「木へんに風」と書きます。
日本語だけ「かえで」の訓読みがあるんですよ。ご存知でしたか?
かっこいい漢字ですが、最初は読めませんでした。人名漢字ですので名付けにもいいかも。
古人は「楓は風なり」と言い、枝が弱く風が吹くと葉が揺らぐ(あるいは、成る)からと語源を説いているそうです。
8位:椛(もみじ)難易度☆☆☆☆
木へんに花ですから、なんとなく、きれいな花が咲くイメージだったんですが、おしいところまでは来ていたものの不正解でした。
日本語だけの訓読みに「もみじ」「かば」を持っているんですね。
この漢字は、葉が花のように色づく木を指した国字でした!
7位:栢(かしわ)難易度☆☆☆☆
この漢字「栢」ですが、実は「柏」の異体字なんです。
余り、「栢」を見た記憶がないのは、そのせいなんですな。
そして、何と異体字は、「かや」を指すんですって。
こちらの記事では、「かや」についても調べていまっせ。
6位:樵(きこり)難易度☆☆☆☆☆
木へんに焦ると書く「樵(きこり)」は、「山林の木を切りだすこと。また、それを職業にする人。」のことです。
今の世の中だと、この言葉自体を知らない人が多いような気がします。
私は何とか読めましたが、嫁さんや子供は読めなかったですね。
樵=「焦(もやす・焦がす)+木(き)」から、この漢字は燃料にする「たきぎ」を示しています。
5位:𣜿(ゆずりは)難易度☆☆☆☆☆
木へんに葉で𣜿ですが、この文字は環境依存文字(=機種依存文字)ですね!
違う環境だと、この𣜿、ちゃんと表示されていない可能性がありますな!
機種依存文字とは、電子的に扱う文字データのうち、利用するパソコンやスマートフォン等の環境によって文字化けや全く表示できなくなるものをいいます。
引用 機種依存文字について
もともと、この漢字は、楪の「枼」を「葉」に変えた漢字なんですよ~!
「ゆずりは」古名はユズルハ(弓弦葉)といわれ、葉の中にある主脈がはっきりと目立ち、弓の弦のように見えることに由来したんですね。
4位:樏(かんじき)難易度☆☆☆☆☆
木へんに累と書く「樏(かんじき)」は、雪の中に足がもぐりこまないように履き物の下につける、木の枝やつるを輪にした道具のことですね。
雪国では今も現役なのでしょうか?
3位:楸(ひさぎ)難易度☆☆☆☆☆
木へんに冬に続いて、木へんに秋の楸です。
一見、木へんに秋だってわかるんですが、その読み方の分かる方は非常に少ないと思います。
木へんに春夏秋冬の漢字が全て存在しますが、その中でこの漢字が一番読み難いと思います。
広辞苑では、「キササゲまたはアカメガシワのことという。」という、非常にあっさりした意味しか出ていません。
このキササゲ、アカメガシワも有名ではないですよね。
この漢字、何と人名漢字ではないので名付けには使用できませんよ。ちょっと残念かな。
木へんに春夏秋冬でも記事を書いています。
2位:杮(こけら)難易度☆☆☆☆☆
この漢字、柿(かき)とほとんど同形ですので、その違いから見ていきましょう。
柿(かき)と杮(こけら)の違い
柿(かき)と杮(こけら)はほとんど同形ですが画数で区別します!
- 杮(こけら):8画 木へんに一を書いてから巾を書く
- 柿(かき):9画 木へんに亠を書いてから巾を書く
なお、JISでは、柿(かき)は第一水準、杮(こけら)は補助漢字です。
杮(こけら)の意味は、「木材を削るときできる木の細片。また、木材を細長く削りとった板。」です。
こんな漢字、初めて知りましたよ!
新築劇場の初興行という「杮落し(こけらおとし)」という言葉があります。工事の最後に屋根などの木屑を払い落としたところから名付けられたようです。
1位:杣(そま)難易度☆☆☆☆☆
栄えある?1位は「杣」です。「そま」って読むのか。フーン、で「そまって何?」となる漢字です。誰しも読めない漢字だと思いますよ!
木へんに山で構成される漢字です。
簡単な漢字ですが、いざ、読もうとすると???となってしまいませんか。
この杣とは、「古代から中世にかけて律令国家や貴族・寺社などのいわゆる権門勢家が、造都や建立など大規模な建設用材を必要とする事業に際して、その用材の伐採地として設置した山林のこと」です。
現代では、ほぼ使用されない漢字ですネ!
最後に
難読漢字を木へんに絞って、勝手に30個抽出してみました。
この勝手に選んだ難読漢字を、読めるかどうか、そして、何画なのかを基準にして難易度を設定し、これまた、好き勝手に「超個人的ランキング」を作って公開しました。
これら、木へんに簡単な漢字を追加した漢字が意外と読み難いんで、なかなか面白いランク付けが出来たと思います。
他の部首でも同様な試みを実施してみてもいいかなと思います。
※気づけば木へんの記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません